すねます!

「すねます!」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

すねます!」(2012/02/02 (木) 10:13:39) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「なーえぎ君、どこ行くんですか」 「わ、舞園さん?」 ボクが廊下を歩いていると、ふいに両肩に体重がかかる。 普段おとなしい彼女がこういうことをするのは、珍しいかもしれない。 「うん、図書室に行こうかなって」 「何か借りたい本でもあるんですか?」 「というよりも、霧切さんに」 舞園さんが、ボクの言葉に彼女のすっとした眉を寄せる。 「…私が言うのもなんですが、苗木君、霧切さんにいいように働かされてませんか? 苗木君は優しいから、断れないのかもしれませんけど」 顔が真面目だ。…いやいや、パシラれてはいない…つもりだけど。 霧切さんはどう思っているのだろうか。 「それは違うよ。霧切さんがたまに推理小説を薦めてくるから、一緒に読もうかなって」 「そうですか…。まあ、苗木君がそう言うなら。  じゃあ、いきましょうか」 「え…いくって、どこに?」 「もちろん、図書室です!」 当たり前のように言わないでほしい。 「いいじゃないですか。二人で探せばすぐ見つかるでしょうし、ギブアンドテイクですよ」 「それだと、ギブがないけど」 「…私は、こうしているだけで充分なんです。  さあ、いきましょう!」 すたすたと足早に歩いていってしまう舞園さん。 あわてて後を追いかける。…あれ?なぜ三階に行っちゃうんだ? 「図書室、二階なんだけど」 「…っ」 戻ってくる彼女の顔は、少し赤くなっていた。 そんな表情も、いつもとは違うかわいさがあって。 「にやにやしないでください。……すねますよ」 ちょっぴり怒ったようにいう舞園さん。 そんな彼女も見てみたいけど。ここはケーキをおごって、外出に付き合って、彼女の機嫌を直してもらおう。 アイドルだけど、どこにでもいる女の子と同じようなところがある、彼女の。 とびきりの笑顔を、見られるように。 -----
「なーえぎ君、どこ行くんですか」 「わ、舞園さん?」 ボクが廊下を歩いていると、ふいに両肩に体重がかかる。 普段おとなしい彼女がこういうことをするのは、珍しいかもしれない。 「うん、図書室に行こうかなって」 「何か借りたい本でもあるんですか?」 「というよりも、霧切さんに」 舞園さんが、ボクの言葉に彼女のすっとした眉を寄せる。 「…私が言うのもなんですが、苗木君、霧切さんにいいように働かされてませんか? 苗木君は優しいから、断れないのかもしれませんけど」 顔が真面目だ。…いやいや、パシラれてはいない…つもりだけど。 霧切さんはどう思っているのだろうか。 「それは違うよ。霧切さんがたまに推理小説を薦めてくるから、一緒に読もうかなって」 「そうですか…。まあ、苗木君がそう言うなら。  じゃあ、いきましょうか」 「え…いくって、どこに?」 「もちろん、図書室です!」 当たり前のように言わないでほしい。 「いいじゃないですか。二人で探せばすぐ見つかるでしょうし、ギブアンドテイクですよ」 「それだと、ギブがないけど」 「…私は、こうしているだけで充分なんです。  さあ、いきましょう!」 すたすたと足早に歩いていってしまう舞園さん。 あわてて後を追いかける。…あれ?なぜ三階に行っちゃうんだ? 「図書室、二階なんだけど」 「…っ」 戻ってくる彼女の顔は、少し赤くなっていた。 そんな表情も、いつもとは違うかわいさがあって。 「にやにやしないでください。……すねますよ」 ちょっぴり怒ったようにいう舞園さん。 そんな彼女も見てみたいけど。ここはケーキをおごって、外出に付き合って、彼女の機嫌を直してもらおう。 アイドルだけど、どこにでもいる女の子と同じようなところがある、彼女の。 とびきりの笑顔を、見られるように。 -----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。