探偵ネタ

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「苗木君、今すぐ服を脱ぎなさい」 「……は?」 ここは希望ケ峰学園探偵同好会室。 メンバーはボクと霧切さんだけの小さいと言うのもおこがましいほどの同好会だ。 ある程度実績がある為、部屋を与えてもらっている。 無論その実績の9割以上は目の前の彼女の功績だ。 そんな超高校級の探偵の彼女は、今ボクを指刺しながら理解不能な言葉を吐き出した。 「えっと…よく聞こえなかったんだけど……、もう一回言ってもらえるかな?」 多分聞き間違いだろう。 霧切さんは表情を表に出さないクールな女性だ。 2人だけの部屋でそんな服を脱げとかそんなことを言う人じゃ… 「服を脱ぎなさい、そう言ったのよ」 言う人だった。 いやいやいやいや、あれだ、理由とかあるんだきっと。 霧切さんと2人で今まで居たけどそんなアレはなかったし、 それに霧切さんはボクなんかと釣り合わないくらい綺麗だし、 そもそもボクより身長大きいし。 「何をブツブツ言ってるかは知らないけれど、勝手に脱がさせて貰ったわよ」 「…いやでも………え?」 「……あの香りはしないわね。 ありがとう、返すわ」 そういって学生服の上着を返してくる霧切さん。 い、いつのまに取られてたんだ……というか気づけよボク! 「え、えっと…結局なんだったのかな?」 「盗難が発生したわ。 苗木君には調査を手伝ってもらいたいのだけれど……、 でもその前に、念のため直接調べようかしら…」 そう言って霧切さんはボクの目の前に顔を近づけてくる。 …って、ええっ!? 「ちょっまっ!霧切さん!?」 ボクの声が裏返る。 おもわずギュッと目を瞑ってしまう。 しかし、どれだけ立っていても期待した(?)何かは来なかった。 少しだけ目を開けると、ボクの首に顔を寄せている霧切さんが目に入ってきた。 間近に雪のように白い肌が見える。 自然とボクの顔はりんごのように赤くなる。 「き、霧切さん? 何をしてるの…かな?」 「……」 霧切さんは無言でボクから顔を遠ざけ、次にボクの手首を掴み、 それを顔に寄せる。 「……あのー」 「…やっぱり苗木君が犯人ではないようね」 霧切さんが僕の手を離してそう言う。 えっと…、駄目だ。冷静になれない…。 「…犯人?」 「ええ、今回の盗難の犯人からは特殊な香水の香りがするはずよ。 現場が現場だから念入りに調べたけど、やっぱり苗木君は犯人ではないようね」 「えっと…」 整理すると、盗難事件がおきて、起きた場所がボクに関係あるところで、 犯人は特殊な香水をつけていて、今から捜査をするってことでいいのかな? 「大体あってるわ。 それじゃあ操作を始めるわよ、ついてきて」 「…え?何でボクぼ考えてることが…」 「…エスパーだから」 「いや、それは舞園さんの芸風…」 「早くしなさい、置いていくわよ」 …あ、少し恥ずかしかったのか顔が赤い。珍しい表情の霧切さんだ。 …ってそうじゃないだろボク! 「ちょ、ちょっと待ってよ霧切さん! 現場って何処なの?ボクに関係のあるところって…」 ボクの言葉を聞いて、霧切さんが振り返り、 ボクを…、いや、ボクの後ろを指差す。 「この部屋よ」 「え?」 「鍵は私と苗木君しか持ってないわ。 だから苗木君を疑ってしまったのだけど……、 そもそも苗木君が犯人のはずがないのに…、 私としたことが…、焦っているようね。らしくないわ」 「待って、とりあえず詳しい話を聞かせてよ」 「……そうね。 まず、犯行の内容は窃盗が一件。 現場はここ、探偵同好会室。 犯行は昨日の夜19時から朝6時にかけて、 現場には嗅いだことのない香がかすかに残っていたわ。 盗まれたのは……、小物よ」 「…小物?」 霧切さんが最後だけ言葉を濁した。 ボクからも目線を逸らしてるし、気持ち顔が青い気もする。 「そうよ。 それじゃあ探しに行くわよ。 どうやって部屋に入ったかは知らないけど、香を頼りに虱潰しに探せばきっと…」 「…」 …おかしいぞ? 見たところ窓や扉もこじ開けられたような様子はないし、 金目のものがなくなったりしてもいない。 つまり、この場合犯人といえる人はあの人しか居ないのに……、 霧切さんがそれに気づかないなんて、よっぽど大切なものなのかな…。 「…霧切さん」 「まずはうちのクラスね。 特に怪しい人は居ないけど、まずは身近から…」 「霧切さん!」 「…え!? ちょっと、苗木君!?」 ボクは強引に霧切さんの手を掴んで、目的の場所へと足を走らせた。 霧切さんほどの人が冷静になれないなんてよっぽど大切なものなんだろう。 「犯人というか、とりあえず心当たりのある人がいるから、 そこまで行こう!」 「……わかったわ」 彼女は少し驚いた顔をしながらも頷いてくれた。 ここからそんなに遠くはない。すぐに着くだろう。 何気に初めて彼女の手を握ったのだが、その感触を楽しむ前に目的地に着いた。 「……ここは」 「…失礼します」 ボクはノックをして、返事を確認してから部屋に入った。 同時に爽やかな臭いが空間を満たしているのを感じる。 霧切さんの表情が変わったところを見ると、 どうやらこの臭いが例の香だろうと推測できる。 「誰かと思えば苗木君に…響子じゃないか。 …随分仲が良いんだね」 「……お父さん」 「学園長、1つ尋ねたいんですが…」 「構わないよ、そこに座りなさい。 お茶を出すから少し待っててくれ」 「いえ、すぐ済む用事なので…、 あの、昨日ボク達の同好会室に入りませんでしたか?」 「…ん? ああ、そうだった。今日授業の時に渡そうと思っていたんだ」 そういって学園長は机の中からネックレスを取り出した。 「…っ! それは!」 「中から音がしたから確認に入ったんだけど、 これが床に落ちててね、念のため預かっておいて後で渡そうと思ってたんだ。 超高校級の鍵師とかも居るしね」 はははっ、と爽やかに笑う学園長。 というか、もしかしてあのネックレス……。 「マスターキー……そんな初歩的なことを忘れるなんて……」 「その反応を見ると響子の物らしいな。 次からは貴重品を教室に置いてかないように気をつけるんだぞ」 「……はい」 「ありがとうございました!」 ボクと霧切さんは学園長に礼を言って部屋を出た。 それにしても……、 「なくなったのってそのネックレスだったんだね。 その…、大切にしてもらってるみたいで凄くうれしいよ」 霧切さんがあんなに焦ってたのは初めて見た。 それだけ大切にしてくれているようだ。デザインが気に入ったのだろうか? なにはともわれ、あげた側としては嬉しい限りである。 「……疑ってごめんなさい。 それとありがとう、苗木君。 今日はもう帰るわ、騒がせてしまってごめんなさい」 「え、ちょっと…」 早口でそう言って、足早に帰っていってしまった。 最近は霧切さんの笑顔をみる機会も多くなったけれど、 あそこまで照れたような顔は初めてだ。 ボクは、自分の関係しているところで新しい霧切さんが見れることがなんだか嬉しかった。 また1つ霧切さんと仲良くなれたみたいだ。 ----
「苗木君、今すぐ服を脱ぎなさい」 「……は?」 ここは希望ケ峰学園探偵同好会室。 メンバーはボクと霧切さんだけの小さいと言うのもおこがましいほどの同好会だ。 ある程度実績がある為、部屋を与えてもらっている。 無論その実績の9割以上は目の前の彼女の功績だ。 そんな超高校級の探偵の彼女は、今ボクを指刺しながら理解不能な言葉を吐き出した。 「えっと…よく聞こえなかったんだけど……、もう一回言ってもらえるかな?」 多分聞き間違いだろう。 霧切さんは表情を表に出さないクールな女性だ。 2人だけの部屋でそんな服を脱げとかそんなことを言う人じゃ… 「服を脱ぎなさい、そう言ったのよ」 言う人だった。 いやいやいやいや、あれだ、理由とかあるんだきっと。 霧切さんと2人で今まで居たけどそんなアレはなかったし、 それに霧切さんはボクなんかと釣り合わないくらい綺麗だし、 そもそもボクより身長大きいし。 「何をブツブツ言ってるかは知らないけれど、勝手に脱がさせて貰ったわよ」 「…いやでも………え?」 「……あの香りはしないわね。 ありがとう、返すわ」 そういって学生服の上着を返してくる霧切さん。 い、いつのまに取られてたんだ……というか気づけよボク! 「え、えっと…結局なんだったのかな?」 「盗難が発生したわ。 苗木君には調査を手伝ってもらいたいのだけれど……、 でもその前に、念のため直接調べようかしら…」 そう言って霧切さんはボクの目の前に顔を近づけてくる。 …って、ええっ!? 「ちょっまっ!霧切さん!?」 ボクの声が裏返る。 おもわずギュッと目を瞑ってしまう。 しかし、どれだけ立っていても期待した(?)何かは来なかった。 少しだけ目を開けると、ボクの首に顔を寄せている霧切さんが目に入ってきた。 間近に雪のように白い肌が見える。 自然とボクの顔はりんごのように赤くなる。 「き、霧切さん? 何をしてるの…かな?」 「……」 霧切さんは無言でボクから顔を遠ざけ、次にボクの手首を掴み、 それを顔に寄せる。 「……あのー」 「…やっぱり苗木君が犯人ではないようね」 霧切さんが僕の手を離してそう言う。 えっと…、駄目だ。冷静になれない…。 「…犯人?」 「ええ、今回の盗難の犯人からは特殊な香水の香りがするはずよ。 現場が現場だから念入りに調べたけど、やっぱり苗木君は犯人ではないようね」 「えっと…」 整理すると、盗難事件がおきて、起きた場所がボクに関係あるところで、 犯人は特殊な香水をつけていて、今から捜査をするってことでいいのかな? 「大体あってるわ。 それじゃあ操作を始めるわよ、ついてきて」 「…え?何でボクぼ考えてることが…」 「…エスパーだから」 「いや、それは舞園さんの芸風…」 「早くしなさい、置いていくわよ」 …あ、少し恥ずかしかったのか顔が赤い。珍しい表情の霧切さんだ。 …ってそうじゃないだろボク! 「ちょ、ちょっと待ってよ霧切さん! 現場って何処なの?ボクに関係のあるところって…」 ボクの言葉を聞いて、霧切さんが振り返り、 ボクを…、いや、ボクの後ろを指差す。 「この部屋よ」 「え?」 「鍵は私と苗木君しか持ってないわ。 だから苗木君を疑ってしまったのだけど……、 そもそも苗木君が犯人のはずがないのに…、 私としたことが…、焦っているようね。らしくないわ」 「待って、とりあえず詳しい話を聞かせてよ」 「……そうね。 まず、犯行の内容は窃盗が一件。 現場はここ、探偵同好会室。 犯行は昨日の夜19時から朝6時にかけて、 現場には嗅いだことのない香がかすかに残っていたわ。 盗まれたのは……、小物よ」 「…小物?」 霧切さんが最後だけ言葉を濁した。 ボクからも目線を逸らしてるし、気持ち顔が青い気もする。 「そうよ。 それじゃあ探しに行くわよ。 どうやって部屋に入ったかは知らないけど、香を頼りに虱潰しに探せばきっと…」 「…」 …おかしいぞ? 見たところ窓や扉もこじ開けられたような様子はないし、 金目のものがなくなったりしてもいない。 つまり、この場合犯人といえる人はあの人しか居ないのに……、 霧切さんがそれに気づかないなんて、よっぽど大切なものなのかな…。 「…霧切さん」 「まずはうちのクラスね。 特に怪しい人は居ないけど、まずは身近から…」 「霧切さん!」 「…え!? ちょっと、苗木君!?」 ボクは強引に霧切さんの手を掴んで、目的の場所へと足を走らせた。 霧切さんほどの人が冷静になれないなんてよっぽど大切なものなんだろう。 「犯人というか、とりあえず心当たりのある人がいるから、 そこまで行こう!」 「……わかったわ」 彼女は少し驚いた顔をしながらも頷いてくれた。 ここからそんなに遠くはない。すぐに着くだろう。 何気に初めて彼女の手を握ったのだが、その感触を楽しむ前に目的地に着いた。 「……ここは」 「…失礼します」 ボクはノックをして、返事を確認してから部屋に入った。 同時に爽やかな臭いが空間を満たしているのを感じる。 霧切さんの表情が変わったところを見ると、 どうやらこの臭いが例の香だろうと推測できる。 「誰かと思えば苗木君に…響子じゃないか。 …随分仲が良いんだね」 「……お父さん」 「学園長、1つ尋ねたいんですが…」 「構わないよ、そこに座りなさい。 お茶を出すから少し待っててくれ」 「いえ、すぐ済む用事なので…、 あの、昨日ボク達の同好会室に入りませんでしたか?」 「…ん? ああ、そうだった。今日授業の時に渡そうと思っていたんだ」 そういって学園長は机の中からネックレスを取り出した。 「…っ! それは!」 「中から音がしたから確認に入ったんだけど、 これが床に落ちててね、念のため預かっておいて後で渡そうと思ってたんだ。 超高校級の鍵師とかも居るしね」 はははっ、と爽やかに笑う学園長。 というか、もしかしてあのネックレス……。 「マスターキー……そんな初歩的なことを忘れるなんて……」 「その反応を見ると響子の物らしいな。 次からは貴重品を教室に置いてかないように気をつけるんだぞ」 「……はい」 「ありがとうございました!」 ボクと霧切さんは学園長に礼を言って部屋を出た。 それにしても……、 「なくなったのってそのネックレスだったんだね。 その…、大切にしてもらってるみたいで凄くうれしいよ」 霧切さんがあんなに焦ってたのは初めて見た。 それだけ大切にしてくれているようだ。デザインが気に入ったのだろうか? なにはともわれ、あげた側としては嬉しい限りである。 「……疑ってごめんなさい。 それとありがとう、苗木君。 今日はもう帰るわ、騒がせてしまってごめんなさい」 「え、ちょっと…」 早口でそう言って、足早に帰っていってしまった。 最近は霧切さんの笑顔をみる機会も多くなったけれど、 あそこまで照れたような顔は初めてだ。 ボクは、自分の関係しているところで新しい霧切さんが見れることがなんだか嬉しかった。 また1つ霧切さんと仲良くなれたみたいだ。 ----

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