kk8_630

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僕と霧切さんが付き合い始めてちょうど3ヶ月 //ySRX9s6+ 僕らの仲も進展して、最近ようやくお互いを名前で呼べるようになってきた。 自分で言うのも何だが僕達の関係はようやく恋人らしくなってきた。 もっとも周りの人達に言わせればヤキモキさせられるらしい。 今日は僕の方からデートに誘ってみた。 いつもの放課後デートではなく休日に最寄りの駅にお昼に集合って、普通のカップルみたいに。 案の定予定より30分早く着いた僕より先に霧…響子さんがいた。 僕が言うのも何だが早く来すぎじゃないだろうか…… 「お待たせ。き…響子さん」「あら早かったのね……誠君」 「まだ30分も早いよ」「あなたを待たせるハズないじゃない」 「…ごめん僕が遅くなって」「そういう意味じゃないわ」 「ちゃんとしたデートなんて久し振りだから、ちょっと気が急いただけよ。気にしないで」 「響子さん…嬉しいよ僕とのデートそんなに楽しみにしてただなんて」 「誠君のクセに生意気ね」 そういってお互いに頬を染める――周りが何と言おうが僕らの関係は僕らが築くんだ。 だけどさすがに3ヶ月―そろそろさらなる進展を目指したい。 「誠君そろそろ移動しましょ。いくら暖かくなってきたとはいえ3月はまだ少し肌寒いわ」そう言いながら先を歩き始める響子さん 「そうだね」僕も頷き後を追いかける 僕らが向かったのは地元にある遊園地――小さい頃からの行きつけだ。 「これで僕のささやかな夢の一つが叶ったよ」「夢って?」 「それはね――ここのメリーゴーランドに大好きな彼女と一緒に乗ることなんだ」「なっ―」「……嫌だった?子供っぽいかなやっぱり」 「違うわ。いきなり大好きな―なんて言うから」顔を赤くしながら彼女が言う 「僕だって恥ずかしいけど、このセリフを言うってのも夢だったから…。」僕も負けじと顔を赤くしながら返す 「……フフフ」「何かおかしいかな?」「えぇ…それに可愛らしい夢だったからつい」ちょっとバカにされた気がしたから 「響子さんの方がすごく可愛いよ」なんてからかってみた 「ありがとうとても嬉しいわ」と素敵な笑顔で返されて二の句を告げられなかった。 ――――――― その後色々な乗り物にのって遊園地から帰る時に僕は本来の目的を思い出したんだ。――そう今日は手を繋ぐんだ。 思えば付き合うきっかけとなったあの冬の日からチャンスはあったけど、勇気が足りなくて中々手を握る事が出来なかった。 自分でも変だと分かっている、付き合う前は自然に出た手なのに――今は緊張して自然に手を出すという事ができない。 響子さんは気にしない素振りをしているけど僕は知っている、今日だって沢山のカップルがいて彼女がその手元に目をやっていたのを。 今だって小学生のカップルをどこか羨ましそうに見つめている。 勇気を出すんだ「……響子さん―手を繋いでもいいかな……」 言ったぞ…言ってやった。「何よ突然手を繋ぎたいなんて…そんな事できないわ」けれど彼女は首を横に振った。 「どうして?」「だって私の手は……それに手袋も着けてるし」そういって手を振る 「そんな事問題じゃないよ……」「手袋の中は家族になるような人にしか見せないって決めてるの」 「誠君になら見せてもいいかな…と思うけど、こんな衆目の中ではちょっと……」 「ならさ、こうしようよ」そう言いながら彼女の手を僕のコートのポケットに引き寄せ、器用に手袋を脱がせて指を絡めた―いわゆる恋人繋ぎってやつだ。 「これなら手袋越しでもないし、誰にも見られないよ。」「あなたって人は……」 どこか呆れながら嬉しそうに 「誠君のクセに生意気ね」

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