kk8_636

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//ベタベタ zGtzHYdZ 最近の私の休日は苗木君をからかって遊ぶことに費やしている。 ……悪趣味だとは分かってはいる、けれど彼の反応が面白くて歯止めがきかないのだ。そんな訳で今日も彼をからかう為に寮の部屋の前まで来た。 「苗木君?いくら自室に居てもドアくらいは閉めておきなさい」 扉に何か荷物が挟まって半開きだったのだ。だからドアを開けながらそう声をかけた……。 そして信じられない光景を目にした――苗木君が見知らぬ女子とキスをしようとしている光景を……… 急速に顔から血の気が引いていくのが分かった、そして何故かは分からないけど憤りを覚えてどうにか声を絞り出した。 「お、お邪魔だったかしら…ごめんなさい。わ、私はただのクラスメートで…とにかくごめんなさい……」 「苗木君可愛い彼女がいるならもっと早く教えて欲しかったわ、お幸せに―」そう告げて脱兎の様に駆け出した。 「霧切さん――」彼が何か言っていた様だが全く耳に入らなかった。 ――――――― 僕は本当についていない―霧切さんにあんな誤解をさせるなんて 最近の僕の休日は霧切さんと過ごすことだ。毎回彼女にからかわれて、その後お詫びと称してデートのようなものをしている。 彼女はどう思ってるか知らないけれど、僕はその休みの日を楽しみにしている。今日だって霧切さんの部屋に遊びに行こうと思っていたのだ。 昨日家から電話があって妹が遊びに来るのを知らなければ…… 僕が家に置いて来た着替えや差し入れなどを持って来ているらしく荷物を抱えていたのだ。 とりあえず荷物をドアの前に置いてもらって部屋にあげた、そしたら偶々目にゴミが入ったらしくそれを取るために顔を近づけた所で霧切さんがドアを開いた。 「――お幸せに」そう言って彼女が走り出した。「霧切さんそれは誤解だよー!!」そう叫んだけれど彼女には届かなかったみたいで 僕が混乱していると妹の「何やってんの早く追いかけなさいよ、」という怒鳴り声で正気に戻り急いで霧切さんを追いかけた。 ――――――― 何故こんなに胸が痛いのだろう、何故こんなに悲しいのだろう、どうして涙が出てくるのだろう。 苗木君はとても魅力的な人。彼女が居ても何らおかしくないのに…何故その事実を知っただけでこんなに辛く悔しい思いをするのだろう。 気がつけば苗木君とよく来る公園にいた。原因が分からない涙を拭い、彼に非礼を詫びねばと思い少し憂鬱な気持ちでベンチに腰掛けた。 すると後方から息を切らせながら私を呼ぶ声がした。「霧切さん…ハァ…ハァ…待ってよ…ハァ…あれは誤解だって……」 彼が息を整えるのを待ってから「何が誤解だというのかしら?」と問う 「ごめんね。怒らないで聞いて欲しいんだけど」「別に怒ってないわ」 「ともかくあれは誤解なんだ。あれは彼女じゃなくて妹だよ」なんて言うから 「言い訳はよして、どこの世界に妹キスをする兄がいると言うの!」彼のあんまりな言い訳に私は我慢できなかった。 すると彼が「キス?僕とアイツが?」なんて本当に驚いた顔をするので、私は幾分か冷静になって「だって顔を寄せて見つめ合ってたじゃない」と証拠を叩きつけた。 思い出したらまた胸に痛みを覚えた…… 「ぷっ…くっ……あはっ…ははっアハハハ…」急に彼が笑い出した。 「何よ私をバカにしてるの!」こっちは胸が変に痛むのに馬鹿笑いなんかして! 「ちがっ違うよ…急に彼女と幸せに―なんて言うからどうしたのかと思ったんだよ…そしたら…ハハハハ」私が怒っているのに彼が笑うもんだから急に不安になってきて 「あれはアイツの目にゴミが入ったから取ってやろうとしただけなんだよ。」「え……?」そんな事って…… 「でも驚いたな…普段冷静な霧切さんがそんな事も見抜けなかったなんて」「もう…何よここぞとばかりにいつもの仕返し?」 「いや違うよ、あんな勘違いをしてそんな泣き腫らした顔されたら何か嬉しくって」「それはっ…あなたが妹さんの事教えてくれなかったから……嬉しいって?」 「僕が一方的に霧切さんを好きって訳じゃないってことだよ。」 「あらためまして、初めまして霧切響子です。」「初めまして妹です。これから宜しくお願いしますね響子お姉ちゃん」 「何で霧切さんの事お姉ちゃんなの?」「さっき公園でキスしてたじゃない、不束な兄ですが宜しくお願いします。」 「「っ!!」」

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