kk7_800-801

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霧「あら、苗木君」 苗「あ、霧切さん! 良かった、丁度用事があったんだ」 霧「私に用事……その手に持っているゴミ袋からすると、トラッシュルームに関することかしら?」 苗「うん。清掃当番、霧切さんだったよね」 霧「ええ。そうよ」 苗「シャッターを開けてもらいたいんだけど、いいかな? ……あ、忙しいんだったら鍵を貸してくれるだけでもいいんだけどさ」 霧「いえ。時間も空いているし、付き合うわ」 苗「本当? 悪いね」 霧「構わないわよ……用事はそれだけ?」 苗「え?」 霧「それだけみたいね。その様子から察するに」 苗「うん。時間は取らせないから、安心してよ」 霧「……そう」 苗「? どうかした?」 霧「別に……何も。それより、早く行きましょう(スタスタ」 苗「あ、ちょっと待ってよ!」 霧(何であんなことを訊いてしまったのかしら、私……あれではまるで彼に構ってもらいたいみたいじゃない) 苗(どうしたんだろ、霧切さん。なんだかちょっと残念そうにも見えたけど……気のせいだよなぁ) ----------トラッシュルーム---------- 苗「よっ……と。これで全部かな」 霧「随分貯めこんでいたのね」 苗「うん……ゴミを捨てるにも清掃当番を探さなきゃいけないから、面倒くさくてつい、ね」 霧「気持ちは分からなくもないけれど、あまり感心はできないわ」 苗「ははは……。ま、ともかく後はボタンを押して焼却するだけってことで」 霧「…………」 霧(苗木君の部屋のゴミ、か……) 霧(この学園内で出る部屋のゴミなんて知れたものだけれど……それでも、そこから得られる情報はそれなりにあるでしょうね) 霧(例えば、苗木君が倉庫にあるお菓子の中で何が好きなのか、とか……人となりを知るのにゴミは恰好の情報源……) 霧(あるいは……使い古した歯ブラシだとか、穴の開いてしまった靴下だとか……) 霧(……苗木君の……使った……) 苗「あの……霧切さん?」 霧「……!?」 苗「どうしたの、突然ぼーっとして?」 霧「そ、それは……」 苗「?」 霧「……少し考え事をしていただけよ」 苗「そ、そう?(なんだか妙に嬉しそうというか……こころなしかニヤけてるようにも見えたような……)」 霧「ええ、あなたが気にすることじゃないわ……。ボタン、押すわね」 カチッ ゴォォォォォォ 霧(まったく……何を考えているの、霧切響子。ストーカーじゃあるまいし) 霧(大体、何故彼に対してそんなことを……? 彼はただの級友で……それ以上でも以下でもないはずなのに……) 霧(いえ、それ以前にそんな真似をしてしまったら、霧切の、超高校の■■の名が……) 霧(……あれ?) 霧(超高校級の……何だったかしら?) ------------------- 霧「……用事は済んだわね。それじゃあ、もう行くわ」 苗「あ、ちょっと待って!」 霧「何? 用事はこれだけだったんでしょう?」 苗「霧切さん、まだ時間ある?」 霧「別に……火急の用は特に無いけれど」 苗「あの、よかったらさ。食堂でもお茶でも飲んでいかない?」 霧「……いいの?」 苗「『いいの』って……ボクが訊いてるんだけど」 苗(なんだか……霧切さんらしからぬ受け答えだな。さっきの考え事と何か関係があるのかな……?) 霧「…………」 霧「……いいわ。丁度、あなたと話がしたかったところだし」 苗「ボクと?」 霧「ええ。偶にはあなたの話も聞いてみたいと思ってね……あなたの、個人的なことについての話をね」

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