kk11_340-341

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霧「……」 苗「……」 霧「…苗木君」 苗「何、霧切さん?」 霧「貴方は何も…気付かないの?」 苗「え?」 霧「いつも通りのはずの日常に潜む違和感に…貴方は気付いていないの、と尋ねているのよ」  >……ど、どうしたんだろう、いきなり… 霧「…気付けないのだとしたら、貴方の危機管理能力を疑うわ」 苗「危機管理、って…そ、そんな深刻な事なの?」 霧「……」 苗「あの…」 霧「……そうね、ある意味深刻、とも言えるかもしれない…」  >…ある意味? 霧「まだ気付かないのね…よく探してみなさい」 苗「う、うん…」 霧「……いつも隣にいる大切な人の変化にすら気付けないのね…」 苗「え?」 霧「……それとも、隣にいることが当たり前すぎるから気付けないのかしら」  >そ、それってもしかして…  >いやでも、この『気付いて欲しそうな』彼女の反応からすると… 苗「…えっと、もしかしてさ」 霧「……」 苗「髪型のこと、だよね? 三つ編みの位置が、いつもよりちょっと上に…」 霧「苗木君」 苗「…は、はい」 霧「…貴方には失望したわ。私の口から言われるまで気付けないだなんて…」 苗「えぇー…」 霧「それでよく『超高校級の探偵』の助手を名乗れるわね…?」  >自分から名乗ったことなんて一度もないんだけど…  >というか、最初から気づいてはいたけれど、  >そんな些細な変化のことを言っているだなんて思わなかったんだ。  >…なんて言ったら、怒られるじゃ済まないだろう。 苗「えーと、その、ゴメンなさい…?」 霧「謝って済むなら探偵はいらないのよ…」 苗「…あ、でも、似合ってるよ、三つ編みを高く結ったの。ちょっと明るい感じになったし、可愛いと思う」 霧「な、」 霧「……そ、そんなとってつけたようなお世辞で…私が許すとでも…」 霧「……苗木君のクセに、ナマイキね…」  >許してくれたみたいだ。 苗「…で、でもさ、霧切さん」 霧「…何かしら」 苗「霧切さんの方こそ、僕のちょっとした変化に気付いてる?」 霧「……貴方の、変化?」 霧「……」 霧「……そういえば、最近数学の成績がかなり落ち込んで…」 苗「そういうことじゃないよ!」 霧「……英語?」 苗「勉強じゃなくって…というか、そういう傷口に塩を塗るようなことは止めてよ…」  >実は最近、ブーツを上げ底にしたんだけれど… 霧「……」 霧「そんな些細な変化、気付けるわけないじゃない」 苗「えー…」 霧「それほどに小さな変化に気付いてもらえると思ったの? …自意識過剰よ、苗木君」 苗「……そ、そうかな…」 霧「第一、1cmや2cm程度の差なんて…」 舞「それは違います!」 苗「うわっ!?」 霧「…舞園さん、いつからそこに?」 舞「最初からです。苗木君、私は気付いてましたよ? ちょっと身長伸びたかなぁ、って」 苗「ほ、ホント?」 舞「もちろんです! 私が苗木君の変化に気付かないワケ無いじゃないですか」 苗「舞園さんっ……ありがとう…!」 霧「……」 霧「…答え合わせをしてから『自分も知っていた』だなんて…見苦しいとは思わないの?」 舞「何のことでしょうか?」 霧「……貴方、苗木君にちょっと近づきすぎじゃないかしら」 舞「もしそうだとして、何かいけないことでもあるんですか?」  >うわ、ホントに近い! 舞園さんが、僕の腕を…  >……う、腕に、肘のあたりに何か、柔らかい感触が…むにゅ、って…  >こ、コレは…! 舞「ねえ、苗木君…霧切さんは酷いですね、1cmの差なんて大したことないそうですよ…?」 苗「は、はい…」 舞「そんなことないですよね、1cmの差って意外と大きいですよね? 私、知ってます…」 霧「舞園さん、その手を離しなさい…!」 舞「ほら…1cm違うだけで、こんなに…」 霧「……見損なったわ…苗木君、そして舞園さん」 舞「どうぞご自由に。見損なったのなら、もう放っておいて、二人きりにしてくれませんか?」 霧「…それとこれとは別問題よ。来なさい、苗木君。大事な話があるわ」  >ぼ、僕は一体、どうすれば… -----

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