「kk34_514」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「kk34_514」(2016/10/16 (日) 22:26:27) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
「えへへ、これからよろしくお願いしますね霧切さん♪」
「ええ、よろしく、こまるさん」
「あっ、これから苗字一緒になるのに旧姓呼びはおかしいですかね?何か考えましょー!」
「え、ええ…//」
苗、…誠と名前が一緒になる、という事実に少し照れを感じ、少し頬を染める。
「やっぱ無難にお義姉さん?いや、ちょっとつまらないな…
あ、霧切さ…はお嬢様っぽいし、『響子お義姉さま』はどうでしょー?」
「…ぁ、や、やめてッ!」
おそらくは冗談で言ったであろうその呼び名__
それはあまりになじみ深く、あまりに苦痛な、唯一霧切のトラウマであった。
思い出したのだ、あの日を。
お姉さまと呼び、慕っていた人に裏切られた、あの日見た…
自分の手が焼きただれ、それを眺める彼女の目を。
泣けど叫べど、助けてくれはしない。無邪気な目の面影はない。
響子が、人を信じることができなくなった原因を、思い出したのだ。
響子の額が、じっとりと汗に濡れてゆく。
「ど、どうしたんですか?あ、何か気に障ること言っちゃいました!?ごめんなさい!…大丈夫ですか響子さん?」
急に大声を上げた私に驚いたこまるは、響子の異様な様子に気付いたみたいだった。
「はっ…だ、大丈夫。急に大声上げてごめんなさい。呼び名は今の 響子 でいいわ」
額の汗をぬぐう。
嫌なことを思い出した。急に大きな不安を感じる。
でも__
彼はきっと、私を裏切ったりしない。
そして私も裏切らない。
「…トラウマにされるなんて、嫌だもの」
誠が向こうから歩いてくる。
そして響子も、歩いて行った。