【新春ダンガンバトル】 ~後編~

「【新春ダンガンバトル】 ~後編~」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

【新春ダンガンバトル】 ~後編~」(2011/02/05 (土) 21:27:55) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

第六回戦【葉隠vs腐川】 葉隠「いよっしゃ。助かったベ。というか桑田っちが勝ってくれたから男子の勝利は決定的だけどな」 モノクマ「実はそーなんだよねぇ。しょぼーん」 大神「どういう意味だ? まだ3対2、逆転の可能性は残されているぞ」 セレス「腐川さんは十神さんの味方。勝敗を左右する局面まで彼女が残った時点で私達の負けなのですわ」 石丸「それでは八百長試合じゃないか!」 大和田「だから葉隠の勝ちってことかよ。気にいらねえな」 モノクマ「確かに八百長は良くないよねぇ。よし安易に負けないよう今回はキツ~イ罰ゲームにしよう」 葉隠「余計なことすんなって! 腐川っち、総合で勝てば十神っちも大喜び間違いなしだべ」 腐川「びゃ、白夜様が喜ぶなら罰ゲームくらい……」 苗木「それは違う! 考えてみてよ。そんな薄っぺらい勝利、誇り高い十神くんが喜ぶはずないよ!」 十神「当然だ。だが喜びもしないが気にもしない。腐川の思うようにするがいい。俺には関係ない」 腐川「わ、私は……」 舞園「でも! ここで腐川さんが負けを選んだら十神さんの最終戦がなくなっちゃますよ!」 セレス「腐川さんは十神くんが無様に負けると思っているから身代わりになろうと言うのですわね」 腐川「びゃ、白夜さまが負けるわけない! 誰が相手でも華麗に勝つに決まってるわ!」 山田「ヒーローの勝利を信じて戦いに赴くヒロイン。なんか、キタ!」 朝日奈「うんうん。十神の勝利を信じるなら葉隠にガツーンと勝って次につながなきゃ!」 霧切「腐川さん。あなたは誰を勝たせたいの? そして誰に負けたいの? ここまで言えば分かるわね?」 腐川「私は……白夜さまに負けたい……だから葉隠には負けない!」 葉隠「どういう理屈だよそれ! なあ不戦勝のチャンスなんだから皆もフォローしてくれって」 不二咲「ズルは良くないと思うよ」 桑田「つーかさ。てめぇだけ楽しようとすんなってーの!」 大和田「やり方がセコいんだよ」 葉隠「何だよ皆して。なら本気でやってやんべ。体力勝負なら負けねぇしな」 苗木「女の子相手に威張らないでよ。えーと次の競技は……【ダンガンカルタ】?」 モノクマ「お正月らしくカルタ取りだよ。僕が詠み人で多く札を取った方が勝ち」 舞園「やったぁインドアゲームですよ! しかもどことなく文系っぽい」 霧切「不味いわ。この勝負、葉隠くんに有利かもしれない……」 葉隠「鋭いな霧切っち。何を隠そう俺は学校のカルタ大会じゃ毎回上位に入るカルタ名人だったべ」 桑田「ピンポイントで葉隠の得意分野かよ!」 大神「腐川はカルタ取りの経験は?」 腐川「ル、ルールは知ってるけど…実際にやったことは…」 朝日奈「ええー! やったことないの!」 腐川「カルタに限らず大人数で遊んだことなんてないのよ!」 江ノ島「不憫すぎて笑えない……」 山田「泣けてきますな」 (準備完了) モノクマ「お手付きは30秒のペナルティだよ、いいね。じゃあいくよー。『【た】ダンガンロンパぁ!』」 葉隠「これだべ!」 腐川「あっ!?」 大神「早い……カルタ名人と自称するだけのことはある」 モノクマ『【ど】どっひゃー!』 葉隠「おっし!」 不二咲「また即座に……まるで読まれる札を知っているみたい」 苗木「だろうね。おそらく……」 石丸「そうか分かったぞ! 占いで次に読まれる札を察知しているんだな!」 モノクマ『【ほ】僕は買うけどね。二本買うけどね』 葉隠「ほい! 石丸っち正解だべ。俺の占いは三割当たる! だから外れた時だけ実力勝負だべ」 霧切「札の多い序盤に三割もリードされたら初心者の腐川さんじゃ勝負にならない!」 腐川「うう……占いなんて卑怯よ!」 十神「卑怯ではあるまい。占い師が占うのは当然だ。お前は何だ? カルタをただ見ているだけか?」 腐川「た、ただ見ているだけじゃ……ぶつぶつ……」 (中略、葉隠優勢) 葉隠「はっはっは。わざわざ不戦勝狙わなくてもこのまま楽勝だな」 朝日奈「もう十枚くらい連続で取られてるよ! 何とかしないと負けちゃう!」 腐川「大丈夫……大体覚えた(ゴゴゴゴゴゴ……)!!」 山田「い、今なんと! 『大体覚えた』言いましたか! 腐川冬子殿の背後に奇妙な擬音が見えまする!」 モノクマ『【え】エスパーですから』 腐川「これっ! と…取った、取りました白夜様!」 十神「一枚取ったくらいでいちいち騒ぐな。それに俺は敵チームだぞ」 葉隠「頑張ったな腐川っち。記念に一枚くらいやるべ。だが俺の占いは三割当たる!」 腐川「あ、あんたの占いは七割外れよ! 私が残りを総取りする(ドドドドド……)!!」 モノクマ『【す】スパぁイクぅ~!』 腐川「はいっ!」 江ノ島「よし、また取った!」 大神「空気が変わった……何かを掴んだようだな」 (中略、腐川反撃) モノクマ『【き】希望のゲストと絶望の緒方!』 腐川「えいっ!」 葉隠「な、何だべこの瞬間的な反応は!? まだ枚数が多いってのに」 セレス「なるほど。言葉の通りですか。『見て』いたのではなく『読んで』いたのですね」 桑田「はぁ? 見るのも読むのも同じことだろ?」 霧切「カルタは文字を取る遊びよ。たった数十文字をね。そして彼女は超高校生級の文学少女」 モノクマ『【な】苗木くん、ここまで言えば分かるわね』 腐川「はいっ! 札の配置は全部覚えたわ。イラストと文字から読まれる文章も全部妄想できてる……」 石丸「丸暗記は基本ではあるが……妄想?」 大和田「文学オタクの肩書きは伊達じゃねえってか」 十神「できるなら最初からやれ。鈍い女だ」 モノクマ『【は】犯人はヤスヒロ………』 腐川「これっ!」 葉隠「不味い、このままじゃ追いつかれちまう! 仕方ねえ、今こそ禁断の必殺技を見せる時だべ!」 山田「必殺技! なんかクライマックスの予感!」 苗木「……(何だか猛烈に嫌な予感がする)」 葉隠「必殺! 葉隠忍法・木の葉隠の術だべー!」 (ばっさばっさ!) 腐川「えっ!?」 山田「ガクランで扇いで風を起こしカルタの配置を掻き混ぜたですとー!」 桑田「セコいっつーか何つーか……」 霧切「だけど効果的よ。腐川さんがもう配置を覚え直すには時間が掛るわ」 セレス「勝利への努力は評価するべきでしょうか?」 モノクマ『【そ】それは違う!』 腐川「え、あれ?」 葉隠「貰ったー! ふっふっふ。形勢逆転だべ!」 朝日奈「ズルいよ! 学生服を使うなんて反則じゃないの!」 葉隠「言いがかりだべ! ガクランは身体の一部。大和田っちもそう思うよな」 大和田「あ? そ、それはそうだがよ……」 モノクマ「んーとね。ゲーム開始時に身に着けていたのでガクランは身体の一部とします。だから有効だね」 不二咲「酷い…腐川さんが可哀想だよ」 腐川「だったら…もう一回札を覚えて…」 葉隠「なら何度でも木の葉隠の術だべ(ばさばさ!)」 腐川「ぐ……ぐすん……くすん……くしゅん」 モノクマ『【よ】呼ばれて飛び出てジェノサイダー!』 葉隠「ほいっと! これで腐川っちじゃ俺に勝てねえのは確定的に明らかだべ」 ???「あぁん、誰が誰に勝てないってぇ? つか何やってんの皆して?」 苗木「ジェノサイダー!?」 山田「キタぁー! でも何で?」 霧切「墓穴を掘ったわね葉隠くん。あれだけホコリを撒き散らせばクシャミくらい出るわ」 舞園「翔さん、カクカクシカジカで大変なんです! 力を貸してください!」 ジェノ「おKラジャー了解。カルタなんて初めてだけど白夜様のためなら何だって出来ちゃうしぃ」 不二咲「これなら勝てるかも……頑張って!」 十神「素直に勝てるとは思えんながな」 石丸「言われてみれば記憶術がない分、実は彼女の方が弱いのではないだろうか?」 霧切「まさか!?」 モノクマ『【つ】つーかさ!結局のところ葉隠が犯人なんだろ!?』 葉隠「えーと…ほい。楽々ゲットだべ」 ジェノ「あらん? 意外と難しいわね。ゲラゲラゲラ」 朝日奈「あれぇー?」 江ノ島「出来なくても適当でも手を出しなって!」 ジェノ「だってぇ。下手に手を出して白夜様以外の男に触られたら嫌だしぃー」 山田「大逆転キタかと思ったのに事態が悪化してるー!」 葉隠「一時はどうなる事かと思ったけどジェノサイダーの方が安全だったべ」 ジェノ「それはどうかしらん?」 モノクマ『【い】いつでもどこでも殺れるようにねぇー』 (シャキーン!) 葉隠「どぁぁぁぁ!!! あっぶねー!!」 ジェノ「はい。いっただきぃ!」 苗木「札を取ろうとした葉隠くんにハサミで斬りつけて引っ込めさせた!?」 セレス「いいえ、斬りつけたのではなく『ハサミを持った手でカルタを取ろうとした』だけですわ」 大神「読まれたカルタを探すのではなく、葉隠の手の軌道を見切ったか」 葉隠「い、いくら何でも反則だべ!」 ジェノ「眼鏡っ娘の眼鏡は顔の一部、私のハサミは手の一部。これって常識でしょぉ」 山田「俗に言う『ベアークローは凶器じゃない理論』ですな!」 モノクマ「んーとね。ゲーム開始時に身に着けていたのでハサミも身体の一部とします。だから有効だね」 葉隠「んな馬鹿なー!」 朝日奈「凄い凄いどんどん取って大逆転で勝利は目前だよ!」 不二咲「かなり無茶苦茶な手だけど……」 葉隠「まだだ、まだ終わらんベ! もう一回、木の葉隠の術ー!!」 ジェノ「はあ? 何それ?」 葉隠「更に続けてもう一回! いつもより長く扇いでやるべ!」 桑田「今更意味ねーし。アホの一つ覚えってヤツか?」 セレス「不味いですわね。腐川さんの弱点に気が付かれましたわ」 ジェノ「あ、あれれ? へっくしゅん!?」 石丸「くしゃみで腐川くんに戻った!? しかしそれなら記憶術で……」 モノクマ『【せ】正解は卒業の後で!』 葉隠「取ったぁ!」 腐川「ああ!」 霧切「残りは数枚、既に配置記憶より反射神経の勝負。腐川さんが圧倒的に不利よ」 不二咲「ここまで来て……」 モノクマ『【わ】我は女だが?』 葉隠「とりゃ! 色々と危なかったがもう少しで俺の再逆転だべ。スマンな腐川っち」 腐川「ぎぎぎ……もう少しなのに……」 大和田「あぁ、あれじゃ勝てねえな。頑張った方だぜ」 十神「頑張ろうと負けは負けだ。だがまだ決まったわけではあるまい?」 モノクマ『【し】し、失礼した!』 葉隠「そりゃそりゃあ! 残り後ニ枚を俺が取れば勝利だべ!」 腐川「ぐぐぐ……痛っ!!」 朝日奈「落ち着いて腐川さん! ハサミを握っちゃダメだよ、手が切れちゃう!」 舞園「強く握りすぎで血が! 早く手当てしないと」 十神「ほほう。今度はそう来たか」 葉隠「早く保健室に連れて行った方がいいべ。んで残りの札は俺が取っとくから」 モノクマ「んじゃもうこれで決まりかなぁ? 『【ち】チミドロ……」 ジェノ「フィーバー!!!」 葉隠「ぎゃっ! め、目が……目がぁー!」 ジェノ「はい、いただき!」 江ノ島「えっぐぅ。自分の血を目潰しに使うなんて! でもいつの間に交代したのさ?」 苗木「そういえば腐川さんは血を見ると卒倒しちゃうんだっけ」 山田「すっかり忘れていましたな、そんな設定」 ジェノ「私、眼鏡にハサミそれに血が揃ってこそのキャラでございますゲラゲラゲラ」 モノクマ「やっと決着したね、腐川さんの勝利ー! あぁ長かった」 葉隠「酷い目に会ったべ。というか何で男子まで腐川っちの応援してたんだべ!」 大神「自分の胸に手を当ててみるがよかろう」 大和田「あんまり過ぎて、男子全員で腐川の応援してたしな」 十神「俺はどちらの味方もしていないぞ」 山田「いやいや十分ツンデレでしたが何か?」 セレス「勝負中の十神さんの表情を探っていると面白かったですわよ」 十神「ふっ、知らんな」 腐川「白夜様、勝ちました! 私、白夜様の最終戦を見るために勝ちました!」 十神「血で汚れた手で俺に触るな。貴様はさっさと保健室で手当てを受けろ。」 腐川「怪我の心配してくれた……大丈夫です。血を見ないよう我慢して最終戦を見ます!」 十神「体育館が汚れるから手当てしろと言っているんだ! 大神、朝日奈、こいつを保健室へ連行しろ!」 江ノ島「ダ~メだコイツ、自覚ゼロだよ」 モノクマ「はいはいツンデレは放って置いて、おしおき……じゃなくてキツめの罰ゲームいってみよ~」 葉隠「ああもう何か理不尽な気もすんけど負けは負けだべ! コスプレでも何でもやってやら!」 モノクマ「んじゃ。無敵鋼熊モノクマー3、カムヒアー!」 江ノ島「体育館の床下から巨大モノクマが!」 山田「大きいですなぁ。具体的には大神さくら殿が出演したCMムービーのモノクマくらい大きいですぞ!」 葉隠「な、何されるんだべ……ってうわぁぁぁぁー!!!」 大和田「おお。俺みたいに髪をストレートにされて……」 江ノ島「それから簀巻きにされて……」 セレス「モノクマー3に逆さまに持たれて……」 舞園「逆さ吊のまま黒い液体に頭を突っ込まれて……」 桑田「お、何かデカい紙に字を書き始めやがった」 霧切「苗木くん、ここまで言えば分かるわね?」 苗木「そうか分かったぞ! 葉隠くんの罰ゲームは『筆のコスプレ』なんだ!」 『初日の出』 石丸「思ったよりも数段達筆だな」 モノクマ「当然さ。僕の頭脳には一太郎搭載されているからね」 葉隠「いくらなんでも新年から酷すぎるべー」 第六戦【●葉隠vs腐川○】ダンガンカルタ】 最終戦【十神vs江ノ島】 モノクマ「さあ泣いても笑っても最終戦。まあ正直ここまでの接戦になるとは思わなかったけどね」 桑田「今まで勝った奴らも意外な面子だったしな」 不二咲「桑田くん……それじゃ自分も入ってるよ……」 苗木(女子チームはかなり強引な手段での勝利ばかりだということは黙っておこう) モノクマ「それじゃあ苗木くん最後の競技を引いてちょーだい!」 苗木「えーと最終種目は……【騎馬戦】だって」 大和田「タイマンで騎馬戦ってどういうことだ? 」 モノクマ「その名の通りだよ。騎手一人に馬三人で相手の騎手を落とした方が勝ち」 山田「見ようによっては非常に地味ですな……」 セレス「不味いですわね。体力勝負の団体戦だというのに大神さんが参加できませんわ」 不二咲「そっか……三人で馬を作るから体格が合わないとダメなんだ……」 霧切「ここに来て体力勝負だなんて(もう二度とあんな格好をするわけには!)」 十神「一つ聞きたい。男子からなら今までの戦績に関係なく誰をメンバーに選んでもいいのか?」 モノクマ「いいよぉ、好きなメンバー選んで。あ、不二咲君は男の子だからね、念のため」 江ノ島「さくらちゃんが体格的にダメ、腐川は怪我だし、セレスは……」 セレス「遠慮させていただきますわ」 山田「でしょうな。私も体格的にちょっと……」 十神「安心しろ頼まれても使わん。俺の方の馬は石丸、桑田、そして十神。つまり俺だ」 江ノ島「はぁ!? あんたが馬やんの?」 十神「男子からなら誰を選んでも良いと言われたからな。馬に自分を選んでも文句なかろう」 モノクマ「ちょ、ちょっと待ちなよ十神くん! それじゃ騎手は誰がやるのさ!」 十神「そこにいるだろう。まだ一度も競技に出ていない男子がな。苗木、出番だぞ」 苗木「えっ!? 僕が!?」 大和田「そういやチーム内の男子から選べとも言ってなかったな。頼むぜ苗木」 江ノ島「ていうか、そーいうのあり!?」 モノクマ「でも不注意とはいえ僕が選んでいいって言ったことだしぃ、面白そうだからありということで」 石丸「うむ。力を合わせて勝利へと邁進しようではないか!」 山田「真打ち登場ですな。さすがは主人公!」 桑田「すっかり忘れてたぜ」 江ノ島「そっちがその手ならこっちもこの手だ。馬には舞園、霧切、そして江ノ島盾子!!」 山田「こっちもダブルヒロイン+自分でキター!!」 桑田「苗木シフトってヤツか?」 モノクマ「えーとでは女子の騎手は誰に? 朝日奈さん辺り?」 江ノ島「騎手は……戦刃むくろ! そっちで捕まえてる16人目の超高校級の高校生がいるでしょ」 霧切「戦刃むくろ!? 超高校生級の軍人と呼ばれた彼女がここに!?」 苗木「ぐ、軍人? ってここに来て新キャラ投入?」 セレス「真のラスボス登場ですわね」 モノクマ「え、ええぇ? 戦刃むくろが騎手? それじゃ馬は?」 江ノ島「騎手は戦刃むくろ。馬は江ノ島盾子、馬は『江ノ島盾子』よ。女子なんだから文句ないでしょ?」 山田「大事なことだから二回言いました?」 モノクマ「え、えーと……試合開始前に休憩ー! トイレ&作戦ターイム!」 江ノ島「じゃ、私も勝負服に勝負下着、勝負メイクにして来よっかなー」 舞園「それは勝負の意味が違うような……」 霧切「苗木くん、戦刃むくろに気をつけて……」 (休憩中&作戦タイム) 戦刃「あの、えーと戦刃む……」 江ノ島「この娘が戦刃むくろ。みんなヨロシク」 戦刃「……よろしく」 朝日奈「あ、意外と可愛い」 不二咲「軍人って言うからもっと恐そうな人を想像してたよ……」 山田「第一印象は無口クール系ですな」 桑田「つーかさ。江ノ島の方が変わりすぎじゃね? 特に胸とか胸とか」 石丸「女性は化粧で化けるというが本当だったとは……」 苗木「戦刃さん、捕まっていたって聞いたけど一体どうして?」 戦刃「……モノ」 江ノ島「モノクマに喧嘩売って捕まったのよ。入学式の日に」 霧切「でも誰も彼女を見ていないわ」 戦刃「……最初に」 江ノ島「一番最初に来たのよ、それで。私は二番目だから捕まったとこ見てたの」 十神「知っていながら今まで貴様は黙っていたわけか?」 戦刃「……喋っ」 江ノ島「喋ったらコイツの命はないって脅かされてたから仕方ないでしょ!」 戦刃「……」 苗木「でも無事に合流できてよかったね。一人は辛かっただろうし」 戦刃「……あ、ありがとう」 苗木「……///」 戦刃「……///」 舞園「……」 霧切「……苗木くん、戦刃むくろに気をつけて……ホントに」 大和田「十神ちょっと待てや。体力勝負なら俺の出番だろうーがよ!」 石丸「うむ。桑田くんは間違いなく一流アスリートだが体力が特別あるわけではないからな」 桑田「そーそー、俺って天才型だからさ。大体よ、女の子とならともかく男を乗せたくねーって」 十神「選択権は俺にある。黙って従え、負け犬」 大和田「んだとコラァ!」 石丸「お、落ち着くんだ兄弟! 十神くん、一応メンバーの選考に理由があるなら教えて欲しい」 十神「そんなことも分からんのか? 大和田は負けた。石丸と桑田は勝った。それだけのことだ」 石丸「むむむ……俗に言う『勝ち馬に乗る』という奴か」 大和田「ちっ、俺が初戦で負けちまったのは事実だから仕方ねえ。そん代わり負けたら承知しねぇぞ!」 朝日奈「あらあら。私達が医務室に行ってる間にややこしい事になってるね」 大神「戦刃むくろ……今になって16人目とはな」 腐川「誰が来ても白夜様には勝ってこないわよ」 朝日奈「あんたはどっちの味方なのよ!」 腐川「白夜様に決まってるじゃない!」 舞園「言い切りましたね…」 セレス「何を今更」 モノクマ「ここで残念なお知らせだよ。一騎打ちを予定してたけど急遽ルールを変更しちゃう」 山田「作戦タイム意味なし!?」 モノクマ「せっかくだから4vs4のチーム戦。4人分の馬はモノクマーズの皆さんが担当しまーす」 (体育館の裏からモノクマの大群が出現) 大神「こやつら一体どこから……」 モノクマ「レッツゴー! フォーメイションK(騎馬戦)!」 騎馬クマ「クマー!」 不二咲「あ……普通に三体一組で騎馬戦の馬の形になったよ……」 山田「変形とか合体を期待してたんですが地味ですな」 モノクマ「見た目は可愛くても129.3馬力もあるんだ。どうだい僕って凄いだろ?」 苗木(江ノ島さん、何をコソコソしてるんだろ?) 十神「下らん。とっとと始めろ」 モノクマ「んじゃ相手チームを全員落馬させた方の勝ちだよ。準備はいい?」 桑田「ああー、やっぱり無理矢理にでも大和田に代わって貰うんだった…」 石丸「うむ。機械仕掛けとはいえ馬を駆る将となるのは男子として気分が高揚するな」 苗木「こっちにも向こうにも沢山のモノクマがいて何か目がチカチカする……」 十神「馬が同条件ならば後は戦術がモノを言う。苗木を中心に鶴翼の陣形を取れ!」 石丸「承知した!」 桑田「分かるように日本語で喋れってーの!」 霧切「馬が同条件ならば後は戦術の勝負ね」 舞園「その辺はよく分かりませんけど、馬役をやらなくて良かったです」 江ノ島「マジマジ。見てるならともかく自分で馬やるなんてホント最悪だかんね」 霧切「あなたは自分で馬になることを選んだのでしょう?」 江ノ島「そうだっけ? ウッカリしてた(馬なんかやってらんなからルール変えたんだよ)」 戦刃「……時間だ」 山田「さあ試合開始です。勝利の栄光は果たしてどちらの手になるか!?」 セレス「男子は石丸騎、桑田騎が左右に広がる鶴翼陣形。女子は密集突撃用の方錐陣形ですわね」 山田「馬はモノクマですから腕力差はあまり気になりませんね。セレス殿はどちらを有利と見ますか?」 セレス「そうですわね、如いて言うならば……」 大和田「何やってんだオメーら?」 不二咲「実況と解説みたいですね」 朝日奈「何で?」 山田「ヒマだからです」 セレス「ですわ」 江ノ島「男子の狙いは左右から挟み撃ちって感じ?」 戦刃「……だが展開する陣は薄い」 霧切「なら一点突破で崩せばいいわ。具体的には中央の苗木くんから叩く!」 舞園「異議なし!」 戦刃「……二人とも何か気が立ってないか?」 江ノ島「誰のせいだろね~?」 苗木「うわっ、舞園さんと霧切さんが二人ともこっち来た!」 十神「狙い通りエサに食いついたな。後は作戦通りに動け」 桑田「あいよ!」 石丸「心得た」 山田「さっそく霧切、舞園両名は中央突破で苗木騎に狙いを定めた様子!」 セレス「妥当な戦術ですわね。あの二人が苗木くんを押し倒すことはあっても逆は想像できませんから」 苗木「ちょっと待ってー!」 舞園「苗木くん、ごめんなさい!」 霧切「……!? 苗木くんがゆっくり後退している。これは!?」 桑田「苗木ばっかりモトモテなのはズルくね!? つーか舞園ごめんな!」 舞園「ちょ、桑田くん!? モノクマさん倒れないでくだ……きゃあああ!」(舞園リタイア) 山田「苗木騎に突っ込んだ両名の横から桑田石丸騎が挟み討ち、鶴翼と見せかけた釣り野伏せ(囮戦術)か! 」 モノクマ「横からの力には弱いんだよ。だって僕、足が長くて重心高いから」 石丸「そういうことだ。騎馬は横を突かれれば脆い! 霧切くん覚悟!」 霧切「甘い! 奇襲は虚を突いてこそ!」 セレス「一歩先を読み方向転換して石丸騎の突撃を受け止めたようですわね」 石丸「いいのかね霧切くん? こちらを向けば……」 苗木「霧切さん、ごめん!」 霧切「きゃ! イタタタ……苗木くんは後退してはずじゃ……」(霧切リタイア) 山田「これは霧切騎が方向転換すると同時に苗木騎が突撃していた模様」 セレス「二重の囮ですわね。戦術の基本でもありますが」 石丸「油断大敵、ということだ」 桑田「おっし、これで4対2。もう勝ったも当然だろ」 十神「所詮は女。物事を立体的に考えられないとはな」 不二咲「そもそも騎馬戦って平面的な戦いだと思うんだけど……」 江ノ島「立体的ってぇ、もしかしてぇ、こういう事ぉ?」 石丸「来たな!」 山田「霧切騎を倒した石丸騎の側面に江ノ島騎が突っ込むー! しかしこれは読まれていた!」 セレス「正面からなら騎馬クマ自体のパワーは互角。ここで倒せないとなると女子側はキビシイですわね」 石丸「油断大敵と言ったろう。それは僕自身への戒めでもある! 正面からでは互角だ」 江ノ島「それが油断だってぇーのっと!」 山田「何と江ノ島盾子殿、騎馬クマから跳び上がって直接飛び蹴りだー!」 石丸「空手柔剣道は日本男児の基礎教養。大袈裟な飛び蹴りなど……!? ぐあぁぁぁ!!」(石丸リタイア) セレス「飛び蹴りがクリーンヒットですわ! 大口叩いた割りに防御できませんでしたね」 山田「あの高角度、プレイヤーには見えませんが『モロなアングル』ですから仕方ありません」 不二咲「石丸くん、スカートの中を見ないように顔を背けたしね」 大和田「男を見せてもらったぜ、兄弟」 腐川「そもそも飛び蹴りなんて反則じゃないの?」 大神「例によって『落馬させれば方法は問わない』のだろう」 江ノ島「その通りだよぉ……あ!?」 朝日奈「?」 モノクマ「(アセアセ)その通りだよぉ」 桑田「つまり落馬させるためにはオッパイくらい触っちまっても問題ないってことか?」 苗木「それは違う!(AA略)」 戦刃「……別に問題ない。触れらればの話だが」 桑田「こっちにも飛び蹴りかよ! だが俺にその手は効かないぜ!」 山田「おおっと! 戦刃むくろ殿の飛び蹴りは……やはりクリーンヒットぉ!」 桑田「……白。ぐはっ(ばたん)」桑田リタイア 十神「何をやってるんだアイツは…」 戦刃「……蹴りが見えたところで防げなければ意味はない」 山田「さあ戦況は2対2。体育館中央に潰れた4騎(モノクマ12体)を挟んで両陣営が睨みあう膠着状態!」 セレス「お互い固まったまま、中央を挟んでグルグル回っているだけで埒が明きませんわね」 苗木「とはいえ正面から行けば蹴り倒されるだけだし……」 十神「気をつけろ、仕掛けてきたぞ」 山田「おおっと。早くも膠着状態に飽きたのか江ノ島騎、戦刃騎が左右に分かれて中央を迂回!」 セレス「上手くいけば挟み打ちか、失敗すれば確固撃破ですわね」 苗木「十神くん、どっち!?」 十神「先に江ノ島から二人がかりで潰すぞ! 全速力で突っ込め!」 山田「男子は江ノ島騎を標的にした模様!」 セレス「軍人とギャルならギャルの方が弱そうですからね」 江ノ島「私様も甘く見られたもんね。モノクマの扱いに関しちゃ一日の長があるのよ!」 十神「訳のわからん事を……騎馬クマが互角なら2対1は変わらん」 江ノ島「そっちの騎馬クマがオートマならこっちはマニュアルってことさ!」 山田「なんと騎馬クマが華麗なサイドステップで男子二騎の突撃を回避したー!」 十神「馬鹿な…あんな機動ができるわけ……」 大神「モノクマは我の動きについて来れるのだ。当然だろう」 江ノ島「はいはーい。こっちにばかり気を取られていると危ないよー」 苗木「戦刃さん……がいない!?」 戦刃「……ここにいる。とぉっ!」 山田「戦刃むくろ殿が自分の騎馬クマを捨て、中央の倒れた騎馬クマの上を走ってきたー!」 セレス「そしてまたも高く跳ぶ! 狙いは十神騎ですわ!」 十神「ふっ、馬鹿の一つ覚えの飛び蹴りか。ならば十神家の護身術を見せてやろう!」 戦刃「……遠慮する。せぇーのっ!!」 十神「なん……だと……!?」 山田「ガードを固める十神白夜殿を無視して、騎馬クマを蹴ったー!」 十神「き、騎馬クマ! この程度で崩れるな貴様ら!」十神リタイア 腐川「いやああん!」 苗木「十神くん!」 戦刃「……将を射んとすればまず馬を射よ」 山田「と空中で格好つけていますが戦刃むくろ殿、キックの反動が大きすぎてそのまま床に着地だー!」 セレス「着地地点まで考えていなかったのでしょうか? 残念な結果ですわね」 戦刃「(すちゃっ)……10.0点」戦刃リタイア 江ノ島「あの人が何を考えているのか、サッパリ分からない……」 苗木「江ノ島さん、前見て! 前!」 江ノ島「えっ!? きゃぁぁぁぁ!!!!」 山田「おおっと! 戦刃むくろ殿に気を取られていた二騎が正面衝突事故だー!」 セレス「二騎とも全速力で逆周りに走ってましたから。脇見運転は危ないですわね」 山田「二人はほぼ同時に落馬した模様、判定は写真判定に持ち込まれます」 江ノ島「イタタタた……」 苗木「だ、大丈夫? 怪我はない?」 江ノ島「……誰かさんのおかげでね」 苗木「それは良かった。それで、出来れば早くどいてくれると嬉しいんだけど」 江ノ島「はぁ? 女の子に重いって言うわけ? 信じらんない!」 苗木「いや、そういう意味じゃなくて……」 舞園&霧切「苗木くん大丈夫!?」 江ノ島「ああ、そういう意味ね。ゴメンね~気が利かなくって(ベタベタ)」 不二咲「……そう思ったら早くどいてあげればいいのに」 桑田「江ノ島にまでベタベタされちゃって羨ましい奴!」 葉隠「いずれ苗木っちを巡って惨劇が起こるベ。俺の占いは三割当たる」←競技が決着したので開放された (それから) 十神「ところで決着はどうなった?」 山田「えーと写真判定ですのでモノクマが……」 モノクマ「えーと……同時落下で引き分けだねぇ。ここまで苦労したのに残念。いやあ残念」 戦刃「どれどれ(落馬する盾子をかばった苗木が下に……)」 モノクマ「わっ! 引き分けって言ったら引き分けなの!(くしゃくしゃポイっ)」 戦刃「……そうか。じゃあ引き分けだな」 十神「ふん。どちらにせよ俺は勝てなかった。プランクトンに謝らねばならない」 大和田「それが謝る態度かコラ!」 石丸「あれでも精一杯の気持ちなのだろう。いたたた……」 桑田「舞園、俺の心配してくれなかったな~。俺だって顔が痛えのに」  こうして僕らの新春ダンガンバトルは引き分けに終わった。 引き分けだからと豪華特典は貰えないばかりか、何だったのかも教えてはくれなかったけど 戦刃さんという仲間が増えたことが何よりの豪華特典だったと思う。 少し怪我人も出たけどお互いに助けたり、助けられる大切さも学べたと思う。 (目的のためには手段を選ばないという部分も学んだような気もするけど) 江ノ島「るんるん♪」 戦刃「……また保健室で苗木をからかってきたの?」 江ノ島「んーん違うよ。舞園さんと霧切さんをからかってきたの」 戦刃「……どうちがうの?」 江ノ島「じゃあ説明したげるから一緒に保健室行こうか」 最終戦【△十神vs江ノ島△】騎馬戦  通算結果【両陣営とも三勝三敗一分】引き分け 新春ダンガンバトル<おしまい> ----
第六回戦【葉隠vs腐川】 葉隠「いよっしゃ。助かったベ。というか桑田っちが勝ってくれたから男子の勝利は決定的だけどな」 モノクマ「実はそーなんだよねぇ。しょぼーん」 大神「どういう意味だ? まだ3対2、逆転の可能性は残されているぞ」 セレス「腐川さんは十神さんの味方。勝敗を左右する局面まで彼女が残った時点で私達の負けなのですわ」 石丸「それでは八百長試合じゃないか!」 大和田「だから葉隠の勝ちってことかよ。気にいらねえな」 モノクマ「確かに八百長は良くないよねぇ。よし安易に負けないよう今回はキツ~イ罰ゲームにしよう」 葉隠「余計なことすんなって! 腐川っち、総合で勝てば十神っちも大喜び間違いなしだべ」 腐川「びゃ、白夜様が喜ぶなら罰ゲームくらい……」 苗木「それは違う! 考えてみてよ。そんな薄っぺらい勝利、誇り高い十神くんが喜ぶはずないよ!」 十神「当然だ。だが喜びもしないが気にもしない。腐川の思うようにするがいい。俺には関係ない」 腐川「わ、私は……」 舞園「でも! ここで腐川さんが負けを選んだら十神さんの最終戦がなくなっちゃますよ!」 セレス「腐川さんは十神くんが無様に負けると思っているから身代わりになろうと言うのですわね」 腐川「びゃ、白夜さまが負けるわけない! 誰が相手でも華麗に勝つに決まってるわ!」 山田「ヒーローの勝利を信じて戦いに赴くヒロイン。なんか、キタ!」 朝日奈「うんうん。十神の勝利を信じるなら葉隠にガツーンと勝って次につながなきゃ!」 霧切「腐川さん。あなたは誰を勝たせたいの? そして誰に負けたいの? ここまで言えば分かるわね?」 腐川「私は……白夜さまに負けたい……だから葉隠には負けない!」 葉隠「どういう理屈だよそれ! なあ不戦勝のチャンスなんだから皆もフォローしてくれって」 不二咲「ズルは良くないと思うよ」 桑田「つーかさ。てめぇだけ楽しようとすんなってーの!」 大和田「やり方がセコいんだよ」 葉隠「何だよ皆して。なら本気でやってやんべ。体力勝負なら負けねぇしな」 苗木「女の子相手に威張らないでよ。えーと次の競技は……【ダンガンカルタ】?」 モノクマ「お正月らしくカルタ取りだよ。僕が詠み人で多く札を取った方が勝ち」 舞園「やったぁインドアゲームですよ! しかもどことなく文系っぽい」 霧切「不味いわ。この勝負、葉隠くんに有利かもしれない……」 葉隠「鋭いな霧切っち。何を隠そう俺は学校のカルタ大会じゃ毎回上位に入るカルタ名人だったべ」 桑田「ピンポイントで葉隠の得意分野かよ!」 大神「腐川はカルタ取りの経験は?」 腐川「ル、ルールは知ってるけど…実際にやったことは…」 朝日奈「ええー! やったことないの!」 腐川「カルタに限らず大人数で遊んだことなんてないのよ!」 江ノ島「不憫すぎて笑えない……」 山田「泣けてきますな」 (準備完了) モノクマ「お手付きは30秒のペナルティだよ、いいね。じゃあいくよー。『【た】ダンガンロンパぁ!』」 葉隠「これだべ!」 腐川「あっ!?」 大神「早い……カルタ名人と自称するだけのことはある」 モノクマ『【ど】どっひゃー!』 葉隠「おっし!」 不二咲「また即座に……まるで読まれる札を知っているみたい」 苗木「だろうね。おそらく……」 石丸「そうか分かったぞ! 占いで次に読まれる札を察知しているんだな!」 モノクマ『【ほ】僕は買うけどね。二本買うけどね』 葉隠「ほい! 石丸っち正解だべ。俺の占いは三割当たる! だから外れた時だけ実力勝負だべ」 霧切「札の多い序盤に三割もリードされたら初心者の腐川さんじゃ勝負にならない!」 腐川「うう……占いなんて卑怯よ!」 十神「卑怯ではあるまい。占い師が占うのは当然だ。お前は何だ? カルタをただ見ているだけか?」 腐川「た、ただ見ているだけじゃ……ぶつぶつ……」 (中略、葉隠優勢) 葉隠「はっはっは。わざわざ不戦勝狙わなくてもこのまま楽勝だな」 朝日奈「もう十枚くらい連続で取られてるよ! 何とかしないと負けちゃう!」 腐川「大丈夫……大体覚えた(ゴゴゴゴゴゴ……)!!」 山田「い、今なんと! 『大体覚えた』言いましたか! 腐川冬子殿の背後に奇妙な擬音が見えまする!」 モノクマ『【え】エスパーですから』 腐川「これっ! と…取った、取りました白夜様!」 十神「一枚取ったくらいでいちいち騒ぐな。それに俺は敵チームだぞ」 葉隠「頑張ったな腐川っち。記念に一枚くらいやるべ。だが俺の占いは三割当たる!」 腐川「あ、あんたの占いは七割外れよ! 私が残りを総取りする(ドドドドド……)!!」 モノクマ『【す】スパぁイクぅ~!』 腐川「はいっ!」 江ノ島「よし、また取った!」 大神「空気が変わった……何かを掴んだようだな」 (中略、腐川反撃) モノクマ『【き】希望のゲストと絶望の緒方!』 腐川「えいっ!」 葉隠「な、何だべこの瞬間的な反応は!? まだ枚数が多いってのに」 セレス「なるほど。言葉の通りですか。『見て』いたのではなく『読んで』いたのですね」 桑田「はぁ? 見るのも読むのも同じことだろ?」 霧切「カルタは文字を取る遊びよ。たった数十文字をね。そして彼女は超高校生級の文学少女」 モノクマ『【な】苗木くん、ここまで言えば分かるわね』 腐川「はいっ! 札の配置は全部覚えたわ。イラストと文字から読まれる文章も全部妄想できてる……」 石丸「丸暗記は基本ではあるが……妄想?」 大和田「文学オタクの肩書きは伊達じゃねえってか」 十神「できるなら最初からやれ。鈍い女だ」 モノクマ『【は】犯人はヤスヒロ………』 腐川「これっ!」 葉隠「不味い、このままじゃ追いつかれちまう! 仕方ねえ、今こそ禁断の必殺技を見せる時だべ!」 山田「必殺技! なんかクライマックスの予感!」 苗木「……(何だか猛烈に嫌な予感がする)」 葉隠「必殺! 葉隠忍法・木の葉隠の術だべー!」 (ばっさばっさ!) 腐川「えっ!?」 山田「ガクランで扇いで風を起こしカルタの配置を掻き混ぜたですとー!」 桑田「セコいっつーか何つーか……」 霧切「だけど効果的よ。腐川さんがもう配置を覚え直すには時間が掛るわ」 セレス「勝利への努力は評価するべきでしょうか?」 モノクマ『【そ】それは違う!』 腐川「え、あれ?」 葉隠「貰ったー! ふっふっふ。形勢逆転だべ!」 朝日奈「ズルいよ! 学生服を使うなんて反則じゃないの!」 葉隠「言いがかりだべ! ガクランは身体の一部。大和田っちもそう思うよな」 大和田「あ? そ、それはそうだがよ……」 モノクマ「んーとね。ゲーム開始時に身に着けていたのでガクランは身体の一部とします。だから有効だね」 不二咲「酷い…腐川さんが可哀想だよ」 腐川「だったら…もう一回札を覚えて…」 葉隠「なら何度でも木の葉隠の術だべ(ばさばさ!)」 腐川「ぐ……ぐすん……くすん……くしゅん」 モノクマ『【よ】呼ばれて飛び出てジェノサイダー!』 葉隠「ほいっと! これで腐川っちじゃ俺に勝てねえのは確定的に明らかだべ」 ???「あぁん、誰が誰に勝てないってぇ? つか何やってんの皆して?」 苗木「ジェノサイダー!?」 山田「キタぁー! でも何で?」 霧切「墓穴を掘ったわね葉隠くん。あれだけホコリを撒き散らせばクシャミくらい出るわ」 舞園「翔さん、カクカクシカジカで大変なんです! 力を貸してください!」 ジェノ「おKラジャー了解。カルタなんて初めてだけど白夜様のためなら何だって出来ちゃうしぃ」 不二咲「これなら勝てるかも……頑張って!」 十神「素直に勝てるとは思えんながな」 石丸「言われてみれば記憶術がない分、実は彼女の方が弱いのではないだろうか?」 霧切「まさか!?」 モノクマ『【つ】つーかさ!結局のところ葉隠が犯人なんだろ!?』 葉隠「えーと…ほい。楽々ゲットだべ」 ジェノ「あらん? 意外と難しいわね。ゲラゲラゲラ」 朝日奈「あれぇー?」 江ノ島「出来なくても適当でも手を出しなって!」 ジェノ「だってぇ。下手に手を出して白夜様以外の男に触られたら嫌だしぃー」 山田「大逆転キタかと思ったのに事態が悪化してるー!」 葉隠「一時はどうなる事かと思ったけどジェノサイダーの方が安全だったべ」 ジェノ「それはどうかしらん?」 モノクマ『【い】いつでもどこでも殺れるようにねぇー』 (シャキーン!) 葉隠「どぁぁぁぁ!!! あっぶねー!!」 ジェノ「はい。いっただきぃ!」 苗木「札を取ろうとした葉隠くんにハサミで斬りつけて引っ込めさせた!?」 セレス「いいえ、斬りつけたのではなく『ハサミを持った手でカルタを取ろうとした』だけですわ」 大神「読まれたカルタを探すのではなく、葉隠の手の軌道を見切ったか」 葉隠「い、いくら何でも反則だべ!」 ジェノ「眼鏡っ娘の眼鏡は顔の一部、私のハサミは手の一部。これって常識でしょぉ」 山田「俗に言う『ベアークローは凶器じゃない理論』ですな!」 モノクマ「んーとね。ゲーム開始時に身に着けていたのでハサミも身体の一部とします。だから有効だね」 葉隠「んな馬鹿なー!」 朝日奈「凄い凄いどんどん取って大逆転で勝利は目前だよ!」 不二咲「かなり無茶苦茶な手だけど……」 葉隠「まだだ、まだ終わらんベ! もう一回、木の葉隠の術ー!!」 ジェノ「はあ? 何それ?」 葉隠「更に続けてもう一回! いつもより長く扇いでやるべ!」 桑田「今更意味ねーし。アホの一つ覚えってヤツか?」 セレス「不味いですわね。腐川さんの弱点に気が付かれましたわ」 ジェノ「あ、あれれ? へっくしゅん!?」 石丸「くしゃみで腐川くんに戻った!? しかしそれなら記憶術で……」 モノクマ『【せ】正解は卒業の後で!』 葉隠「取ったぁ!」 腐川「ああ!」 霧切「残りは数枚、既に配置記憶より反射神経の勝負。腐川さんが圧倒的に不利よ」 不二咲「ここまで来て……」 モノクマ『【わ】我は女だが?』 葉隠「とりゃ! 色々と危なかったがもう少しで俺の再逆転だべ。スマンな腐川っち」 腐川「ぎぎぎ……もう少しなのに……」 大和田「あぁ、あれじゃ勝てねえな。頑張った方だぜ」 十神「頑張ろうと負けは負けだ。だがまだ決まったわけではあるまい?」 モノクマ『【し】し、失礼した!』 葉隠「そりゃそりゃあ! 残り後ニ枚を俺が取れば勝利だべ!」 腐川「ぐぐぐ……痛っ!!」 朝日奈「落ち着いて腐川さん! ハサミを握っちゃダメだよ、手が切れちゃう!」 舞園「強く握りすぎで血が! 早く手当てしないと」 十神「ほほう。今度はそう来たか」 葉隠「早く保健室に連れて行った方がいいべ。んで残りの札は俺が取っとくから」 モノクマ「んじゃもうこれで決まりかなぁ? 『【ち】チミドロ……」 ジェノ「フィーバー!!!」 葉隠「ぎゃっ! め、目が……目がぁー!」 ジェノ「はい、いただき!」 江ノ島「えっぐぅ。自分の血を目潰しに使うなんて! でもいつの間に交代したのさ?」 苗木「そういえば腐川さんは血を見ると卒倒しちゃうんだっけ」 山田「すっかり忘れていましたな、そんな設定」 ジェノ「私、眼鏡にハサミそれに血が揃ってこそのキャラでございますゲラゲラゲラ」 モノクマ「やっと決着したね、腐川さんの勝利ー! あぁ長かった」 葉隠「酷い目に会ったべ。というか何で男子まで腐川っちの応援してたんだべ!」 大神「自分の胸に手を当ててみるがよかろう」 大和田「あんまり過ぎて、男子全員で腐川の応援してたしな」 十神「俺はどちらの味方もしていないぞ」 山田「いやいや十分ツンデレでしたが何か?」 セレス「勝負中の十神さんの表情を探っていると面白かったですわよ」 十神「ふっ、知らんな」 腐川「白夜様、勝ちました! 私、白夜様の最終戦を見るために勝ちました!」 十神「血で汚れた手で俺に触るな。貴様はさっさと保健室で手当てを受けろ。」 腐川「怪我の心配してくれた……大丈夫です。血を見ないよう我慢して最終戦を見ます!」 十神「体育館が汚れるから手当てしろと言っているんだ! 大神、朝日奈、こいつを保健室へ連行しろ!」 江ノ島「ダ~メだコイツ、自覚ゼロだよ」 モノクマ「はいはいツンデレは放って置いて、おしおき……じゃなくてキツめの罰ゲームいってみよ~」 葉隠「ああもう何か理不尽な気もすんけど負けは負けだべ! コスプレでも何でもやってやら!」 モノクマ「んじゃ。無敵鋼熊モノクマー3、カムヒアー!」 江ノ島「体育館の床下から巨大モノクマが!」 山田「大きいですなぁ。具体的には大神さくら殿が出演したCMムービーのモノクマくらい大きいですぞ!」 葉隠「な、何されるんだべ……ってうわぁぁぁぁー!!!」 大和田「おお。俺みたいに髪をストレートにされて……」 江ノ島「それから簀巻きにされて……」 セレス「モノクマー3に逆さまに持たれて……」 舞園「逆さ吊のまま黒い液体に頭を突っ込まれて……」 桑田「お、何かデカい紙に字を書き始めやがった」 霧切「苗木くん、ここまで言えば分かるわね?」 苗木「そうか分かったぞ! 葉隠くんの罰ゲームは『筆のコスプレ』なんだ!」 『初日の出』 石丸「思ったよりも数段達筆だな」 モノクマ「当然さ。僕の頭脳には一太郎搭載されているからね」 葉隠「いくらなんでも新年から酷すぎるべー」 第六戦【●葉隠vs腐川○】ダンガンカルタ】 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。