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「江ノ島ってさぁなんか調子乗ってない?」
「あーわかるわかる」
「カリスマギャルとかっていつの時代だよって感じ」
「てか雑誌と実物違いすぎ
「だよね!キャハハハ」

くだらない
くだらない
くだらない
そんな低レベルの陰口じゃ全然絶望できない
「ほらこっち見てるよぉだっさいカラコンのつけちゃってさ」
もっと
もっと
もっと
私を絶望させて!!

「……ちゃん」

真っ暗な穴の中に蹴り飛ばして落として上から汚物をおもいっきりぶっかけてそれからめいいっぱいの罵詈雑言を

「……ちゃん!!江ノ島ちゃん!!」

「え?」
ちょっと昔。
この学校に来る前のとるに足らない記憶をつらつらと思い出していたらいつのまにかぼーっとしていたらしい
目の前で朝比奈葵が心配そうに眉を寄せながら手を振っていた
「どうしたの?」
私は努めて明るく、「カリスマギャル」に相応しくニッと笑った
「ああ、ちょっと見てよ朝比奈ちゃん」
「なになに?」
「このまえ苗木に撮らせた写真!!超酷くない?私の顔石丸の敬礼で隠れちゃってるし!マジありえない!」

「あ!本当だ!ちょっと石丸!!」
「なんだ藪から棒に」
「なんだじゃないよう見てよこの写真」
「朝比奈葵殿どうされた」
「なにか事件?」
「朝比奈っちどうしたんだべ」
朝比奈葵の言葉にクラスメイトがわらわらと集まってくる
「あ……これ石丸君の腕で江ノ島さんの顔が隠れちゃってる、ね」
「本当ですわ。写真を撮る際に後ろの方女性を慮れないなんて……最低ですわ」
「うむ……我よりも江ノ島が前にいたほうがよかったかも知れぬな」
「さくらちゃんは悪くないよ!悪いのは空気読まないポーズした石丸と写真撮った苗木!」
「僕!?」
「何!?僕の規則正しいポージングに文句があるというのか!」
「規則正しいポージングってなんだよ」
「この敬礼は大日本帝国時代の陸軍のものね。海軍のように脇を締めればよか」
「お姉ちゃんうるさい」

一枚の写真を囲んで皆がワイワイと談笑し始める。
笑顔
笑顔
笑顔
私も笑ってる

「つーかさ江ノ島前にしてまた取り直せばいいんじゃね?」
「そうですね!江ノ島さん、今度は私の隣はどうですか?」
「えー舞園ちゃんの隣顔でかく見えるからマジムリ」
「……対して変わらないくせに……ちょっと顔が小さいからって……」
「腐川、お前は顔がでかいんだから俺の後ろあたりに立っていろ」
「はいっ白夜様」

「とりあえず取り直せばいいんだよね……山田君カメラ貸して」
「苗木殿!このカメラは幾度の闘いを経て入手した僕の命……いや娘と」
「黙れ腐れラードとっととブツを出しなさい」

「ほらほら江ノ島ちゃんこっちこっちって桑田邪魔!」
「え俺舞園の隣が」
「目立ちたいのなら我が抱えてやろうか」
「つーかさぁ、それ無理」

「皆~撮るよ~」
「うっしゃぁ!てめぇら笑え!」

「はいチーズ!!」

皆仲良し
笑顔の絶えない楽しい楽しい学園生活
皆大好き
大切な大切な私のお友達

きっとね、
ううん絶対
この素晴らしき青春を
ぐちゃぐちゃに叩き壊してバラバラにして
そうね
コロシアイゲームでも始めてみたら
私きっとすごくすごくせごくすごくすごくすごくすごくすごくすごくすごくすごく絶望出来る気がする!!
「江ノ島ちゃん?凄く楽しそうだね良かった!」
明るい日に焼けた顔。この顔が恐怖と絶望と怒りと憎悪とありったけの負の感情を貼付けて私を見つめる日がいつか来るとしたら。

ああ。
なんて
なんて
なんて
絶望的なんでしょう!


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