kk3_117

「霧切さん入るよ」

霧切さんの部屋のドアを開けた瞬間、やっぱり……とボクは思った
霧切さんの悪癖だ
部屋にうっすらと漂う煙には嫌悪感を覚えずにはいられない
シャーロック・ホームズを気取っているのだろうか?
超高校級の探偵である彼女ならばその資格もあるのかもしれないが

「………なぁに?なにかよう?……苗木くん」

いつも凛とした彼女とはまるで違う弛んだ表情
ベッドの上に広がる銀髪、仰向けになりながらこちらをボーっと見つめる霧切さん
いや、ぼやけた視線からして見つめるというより眺めるという方が正しいのかもしれない
服もいつもとは違いワイシャツのみでその胸元もだらしなく開かれている
白い肌とチラリと見える下着が目に眩しい

「何かようって、霧切さんがボクを呼んだんじゃないか」

「………んー?」

宙に視線をさまよわせる霧切さん
こんな有り様の彼女を見たくないという自分とこんな彼女を独り占めにしたいという感情がせめぎ合う

「ああ…そうね、うん、こっちにきて苗木くん……」

ハマっている時の霧切さんはボクを抱き枕にするのがお気に入りだ
そもそも霧切さんにこんな趣味があると分かったのもそれが原因だった

「…うん」

答えながらボクも学生服を脱ぎ、ズボンとパーカー姿になる

「いいわぁ、落ち着く……すごくいい」

霧切さんにボクが覆い被さるような形で抱き締められる
頬を髪の毛にスリ寄せながら霧切さんはご満悦だ
手で頭を抑え、脚も腰に回してキツいくらいに締め付けてくる

止めるべきなのは分かっている
でも何故超高校級の探偵である彼女がこんな隙をボクに見せたのか、その意味を考えると踏みとどまってしまうのだ
月に一度あるかないか程度の頻度だから、素面の彼女が中毒にはなっていないと言うから、いつもそんな理由をつけて
結局ボクはこの霧切さんを手放したくないんだろう

終わり


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