kk3_915-916

 「う・・うぅん」
 浅い浅い眠りから目をさます・・・・・・・。
 頭が・・まだはっきりしないわ・・・ね。

 まどろみのなか、心地よい感覚が続いていく。
 自分の形がぼやけて、いてなにもはっきりととらえられない。
 けれど落ち着く感覚。
 ・・・なえぎ君?・・・・
 ふとその言葉が頭に浮かび、それから意識は覚醒しだした。
 ゆっくりと、頭に血が回ってくる。

 気がつくと私は、ベッドで眠っていた。
 といっても、今は夜ではない。捜査の途中で疲れて、
 苗木君の部屋で少し話をしていたらそのまま・・・・。

 そうか。ここは、
 ここは、苗木君の部屋だ。
 家具や物が少なく殺風景な部屋。もっとも、この学園では誰の部屋でも同じようなものだろう。
 部屋で喋る時にと食堂から持ってきたティーカップが唯一人の温かみを感じさせる。
 記憶では寝る前まで一緒にしゃべっていたはずなのに、部屋の主は不在だった。


 どこかに出かけるなら起こしてくれればいいじゃない。
 なんとなく不満に思いながら、私は再びベッドに身を倒した。

 なんといっても、疲れているのだ。
 苗木君と話をしていて、そのまま寝入ってしまうなんて。
 そんな事は今まで一度もなかった。
 このベッドが異常に落ち着くのがその原因かもしれないけれど。
 などと独り言を言いながら。

 ぼふっ

 枕に顔を埋める。うん。いい。
 落ち着く。苗木君の匂いがする。
 このままじゃスカートに皺がつくと考えて、もう手遅れな事を思い出した。
 どうせなら二度寝してしまおう。

 それにしても、苗木君の匂いがするから落ち着くなんて、私ちょっと変態なんじゃないかしら。
 もう頭が回らない。また、まどろみの中に落ちていく・・・・・zz。




 部屋に戻ると霧切さんは、もう起きていた。よかった。
 霧切さんの寝ている姿。特にスカートが乱れているあたりが気になって、
 男としての本能がガンガン刺激され、このまま同じ部屋にいちゃヤバイと思って、抜け出した僕としては、なんとか危ないところを乗り切ったって事だ。

 まぁ、ああいう無防備な姿を見られる機会もあまり無いだろうから。せっかくだからもっと堪能しておけば良かったかな、なんて今だからこそ考える。

 「良く眠れた?」
 「おかげさまでね。ありがとう苗木君。急に寝てしまってゴメンなさい。」
 それだけ告げて霧切さんは、そっけ無く帰ってしまった。
 でも顔がものすごく赤かったあたり、きっと寝てる姿を見られて恥ずかしく思っているんだろう。


 僕は、さっきまで霧切さんの寝ていたベッドに寝転んだ。なんだか、これはこれで緊張するなぁ。思わずつぶやく。
 ほんの少しだけ残っている気がする体温とか、少し乱れたシーツとか。
 あっ・・それに・・・・霧切さんの匂いがする。



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