モノクマが仕掛けた笑いの罠に翻弄され、苗木達は疲労困憊の状態で休憩場所である職員室に辿り着いた。
ちなみに、参加させられているのは男性陣のみで、女性陣(と何故か不二咲)は別室でモニターしている。
葉隠「なあ、やっぱりこの机の引き出しって開けなきゃいかんのかな?」
山田「そりゃ開けなければいかんでしょう。机ネタはこの企画の定番ですからな。」
石丸「2人とも、机の引き出しを開けることを何故そんなに躊躇しているのだ?」
桑田「はぁ?知らねーのかよ。お前、大晦日は一体何観て過ごしてんだよ?」
石丸「僕は大晦日の夜は紅白歌合戦と決めているのだ!日本人なら大晦日は紅白だろう!」
桑田「知るかよ!おい葉隠!お前ちょっと開けてみろよ!年長者だろ!」
葉隠「こういう時だけ年長者扱いするのはズルいべ!そういう桑田っちが開けるべ!」
桑田「嫌に決まってるだろ!」
十神「おい苗木。アイツらは一体何を言い争っている?さっぱり意味が分からん。」
苗木「あ、うん。この企画のお決まりパターンの一つで、机の引き出しに色々仕込みがしてあるんだ。
笑いを誘う写真が入っていたり、開けた途端に仕掛けが作動したり、謎のスイッチが入っていたり…。」
十神「下らん。ならば引き出しを開けなければいいだけの話だ。」
山田「元も子もないことを言ってますな、十神白夜殿…。」
大和田「けっ。引き出しくらいでビビッてんじゃねーよ。俺がやってやらぁ。」
石丸「気をつけろ、兄弟。苗木君の話ではかなり危険が伴うようだ。」
大和田「おうよ。おらあっ!」
(ガラッ!)
一同「………。」
桑田「何も…」
苗木「起こらないね…。」
大和田「ほ、ほら見ろ!やっぱハッタリ…。」
(ぶしゅーっ!!!)
大和田「うおわああっ!!??」
石丸「兄弟っ!な、何だ!?引き出しから煙が!?」
葉隠「うおっ!時間差攻撃とは予想外だべ!」
大和田「畜生…。汚ねえ真似しやがって…。」
十神「罠があると分かっていて開けるからそうなる。まあ、残念な頭の貴様にはお似合いだがな。」
大和田「んだとコラァ!」
桑田「にしてもダッセーよなぁ!大和田の奴、マジでビビッてやんの!ぎゃはは!」
苗木「く、桑田君!」
桑田「へ?あああ!」
モノクマ<でで~ん!桑田、アウト~!>
(全身黒づくめの男が入ってきて桑田の尻をシバく)
桑田「いってえ!」
大和田「ふん。他人の不幸を笑うからそういう目に遭うんだよ。」
桑田「ちっきしょ…。おい、他誰か開けてみろよ!」
葉隠「そうは言われてもなあ。やっぱ気が引けると言うか何と言うか…。」
石丸「よし!では僕が開けよう!危険を恐れない兄弟の男気に感動した!僕も続くぞ!」
大和田「気ぃつけろよ、兄弟。あのモノクマのこった。何が飛び出してきてもおかしかねえからな。」
石丸「ああ。そりゃあ!」
(ガラッ! バチッ!)
石丸「ぬわああっ!!!」
大和田「兄弟!?」
葉隠「いいい、一体何が起きたべ!?」
苗木「今、バチッて音がしたよね…。ひょっとして電流?」
山田「心なしか一瞬火花が散ったように見えましたぞ!」
桑田「危ねーもん仕掛けやがるな…。」
葉隠「石丸っち。とりあえずお前の机の引き出しには触れない方が良さそうだべ。」
石丸「そ、そのようだな…。」
十神「ふっ。なかなか面白いじゃないか。おい苗木、俺の机の引き出しを開けろ。」
苗木「ええ!?何で僕が…。十神君の机なんだから十神君が開ければ…。」
十神「お前を信用しているから、この俺がわざわざ頼んでいるんだ。開けろ。」
葉隠「人にものを頼む態度じゃねーべ…。」
苗木「わ、分かったよ…。い、いくよ?」
(ガラッ!)
葉隠「ど、どうだべ?苗木っち…。」
苗木「う、うん。何か、見るからに怪しいスイッチが入ってた。」
山田「これはもしや、それを押すとコールされた人物が罰ゲームを受けるというアレですかな?」
桑田「おい苗木。押してみろよ。」
苗木「え?でも…。」
十神「待て。それを押すことは許さん。」
桑田「はあ?何でだよ?」
十神「決まっている。俺に当たる可能性があるからだ。俺が尻を叩かれることなどあってはならないからな。」
大和田「意味分からねえ御託並べてんじゃねー!貸せ、苗木!俺が押す!」
十神「何?そうはさせるか!」
苗木「ち、ちょっと!十神君も大和田君も落ち着いて…うわっ!」
(十神と大和田が苗木を押し倒し、スイッチは苗木の手から離れて葉隠のもとへ)
葉隠「お、おい…。俺っちの所へ来たけど、どうすりゃいいんだべ?」
十・大「よこせえええ!!!」
葉隠「ひいっ!十神っちも大和田っちもおっかねえべ!」
(カチッ!)
葉隠「あ。」
モノクマ<でで~ん!十神、タイキック~!>
十神「はあぁがあぁくうぅれえぇ!」
葉隠「ひっ!わ、わざとじゃねえべ!ついうっかり…。」
石丸「兄弟、タイキックとは一体何だ?」
大和田「ああ。ムエタイ選手がコールされた奴のケツを思い切り蹴飛ばすんだよ。この場合は十神だな。いい気味だぜ。」
大神「失礼する。」
葉隠「げっ!オーガじゃねえか!まさかタイキックはお前が?」
大神「うむ。我に与えられた大事な仕事だ。」
十神「ま、待て!俺は罰ゲームを受けるとは一言も…。」
山田「十神白夜殿。このゲームでは我々に拒否権など存在しないのですぞ。」
大神「すまぬ、十神よ。これも仕事なのでな。だが、手加減はするつもりだ。」
十神「ま、待て!」
大和田「往生際が悪いぞ、十神。」
石丸「君だけ罰ゲームを受けないというのは不公平だ!さあ!」
(大和田と石丸が十神の両腕を掴んで動きを封じる)
葉隠「本当にすまねえべ。十神っち…。」
大神「では…参る。」
十神「待て!頼むから待ってくれ!」
大神「ふんっ!」
十神「ぎゃあああああああああ!!!!!!」
別室
舞薗「うわぁ…。痛そうですね。」
不二咲「だ、大丈夫かな?あんな事して…。」
朝日奈「ねえセレスちゃん。やっぱりさくらちゃんにやらせるのは止めた方が良かったんじゃ…?」
セレス「あら?わざわざムエタイ選手を招く手間と人件費が省けた上に、十神君の貴重な映像が見られたから一石二鳥ではありませんこと?」
霧切「でも流石にコレはやり過ぎじゃないかしら?」
セレス「そんな事はありませんわ。普段傲慢な十神君には良いお灸になったではありませんか。」
腐川「ぐぬぬぬぬ…。あの筋肉ダルマめ、私だって白夜様のお尻に触ったことないのに…。」
朝日奈「悔しがる所そこなんだ?」
苗木「十神君、大丈夫?」
十神「大丈夫なわけあるか…。下半身が吹き飛ぶかと思ったぞ…。」
葉隠「マジですまねえべ。十神っち。それにしても誰だべ?オーガにタイキックやらせようなんて考えたのは?」
山田「恐らくはモノクマ、若しくは安広…。」
モノクマ<でで~ん!山田、タイキック~!>
山田「えええええええええ!!!???」
桑田「ところでよ。苗木の机には何が入ってるんだ?開けてみろよ。」
苗木「う、うん…。」
(ガラッ!)
桑田「何が入ってた?」
苗木「えっと…舞薗さんのサイン色紙と、霧切さんと同じデザインの手帳が入ってた。」
桑田「はあ?」
大和田「何でそんなもんが入ってんだよ?」
苗木「さ、さあ?」
石丸「良かったではないか苗木君。」
苗木「うん…。」
終わり
最終更新:2011年02月05日 00:45