kk5_847-849

霧「んー……んふふ…」
苗「飲みすぎだってば…」
霧「ん?なぁに、苗木君…」
苗「ホラ、もう帰るよ。明日も依頼入ってるんでしょ」
霧「依頼は午後からよ…もう少しいいでしょう」
苗「…酔っ払っても、そういうことは覚えてるんだ」
霧「聞き捨てなららいわね…一体誰が酔っ払っれいるの?」
苗「呂律回ってないからね」

苗「ホラ、もう帰るよ」
霧「何言ってるのよ…まだまだ夜はこれからでしょぉ…もう一軒付き合いなさい…」
苗「わ、危ないって!足フラフラじゃない…もうタクシー呼ぶからね。…あ、もしもし」
霧「嫌!ヤダ!まだ帰らないわ!」
苗「ヤダ、って…もう電話しちゃったよ」
霧「…今日を逃したら、次はいつあなたと一緒に過ごせるかわからないじゃない」
苗「え…?」
霧「……」
苗「……」

苗「あ…ホラ、タクシー来たよ霧切さん」
霧「……」
苗「乗らないと。ね」
霧「……」

―――――

苗「霧切さん、家に着いたよ。霧切さん?」
霧「…ぐぅ」
苗「えー…もう、しょうがないなぁ…よい、しょっと。思ったより軽いな…」
霧「!?」
苗「……」
霧「……ぐぅ」
苗「霧切さん、実は起きてるでしょ」
霧「…ぐぅ」
苗「もう…あ、玄関の鍵がないと、家に入れないや」
霧「…コートの右ポケットよ」
苗「やっぱり起きてるよね」
霧「ぐぅ」

ガチャガチャ

苗「おじゃまします、と…寝室どっちだっけ」
霧「リビングの隣よ」
苗「はいはい…お水飲む?」
霧「お願いするわ。コップは冷蔵庫の隣の棚」
苗「起きてるよね」
霧「ぐぅ」

苗「…はあ、もう。ここで下ろしちゃおっかな」
霧「……ぐぅう」
苗「ぐふっ…わかった、わかったから…首に体重掛けないで…」

苗「ホラ、ベッド着いたよ。今水汲んでくるから」
霧「んー…」

 ジャー コポポポポ…

苗「はぁ…絶対男として意識されてないもんなぁ」
苗「いや、そりゃ押し倒して襲いかかる勇気なんて、僕にはないけどさ」
苗「こんな簡単に家に上がらせて、不用心だよ。他の男の人にも、こうなのかな」
霧「…聞こえてるわよー」
苗「聞こえるように言ってるの」

苗「ただいま。これ、水ね……って、ちょ…なんで服脱いでるの!?」
霧「コート着たままじゃ寝られないでしょ…お水、ありがと」
苗「…もう、脱いだコートはちゃんとホラ、畳まないと…」
霧「……」
苗「僕もう帰るから、戸締りはちゃんと、」

 ギュっ

苗「うぇっ!?」
霧「……」
苗「あの、霧切さん?離してくれないと、帰れないよ」
霧「…ダメ」
苗「な、何が?」
霧「帰っちゃダメ。一緒に寝るのよ」
苗「え!?そ、それはさすがに…」
霧「いつもいてほしい時にいないんだから、今日くらい……っ、一緒に……寝なさいよ…」
苗「え、ちょ、泣いてる!?」
霧「ひっ…く、ふぇ…っ」
苗「あ、わかった!寝る、一緒に寝るから」
霧「…ホント?」
苗「え、あ、うーん……じゃ、じゃあ布団だけもらえるかな…絨毯の上で、」
霧「床じゃロクに寝られないでしょ。ベッドに入りなさい」
苗「いや、あの、さすがにそれは…」
霧「うっ…ふぐっ…!」
苗「入る、入ります!」

霧「寝にくいでしょ、上着は脱ぎなさい」
苗「…はい」
霧「…離れすぎよ。間に風が入るわ、もっとこっち来て」
苗「うっ…はい」
霧「なんでそっち向いて寝るのよ。こっち向きなさい」
苗「…もうどうにでもなーれ」

霧「…苗木君」
苗「…今度は何ですか」
霧「私は…あまり自分の家に人を上げるの、本当は好きじゃないのよ」
苗「え?」
霧「恥ずかしい秘密や、自分でも知らない自分の一面を覗き見られているような気がして…」
霧「でも…あなたなら見られてもいい、と…そう思ったの…だから……」
霧「……ここまで、言えば……わかる……」

霧「……ぐぅ」
苗「えぇー…」



霧(……なぜ、隣に苗木君が…)

霧(いえ、それはいいのよ…問題は、なぜ私も苗木君も下着姿で…!?)
霧(私が誘った…のよね、それは覚えてる…駄々をこねて……恥ずかしい、この歳にもなって)
霧(何か恥ずかしいことも口走った気がするけれど…そこから先の記憶が…)

霧(え? まさか、そういう…? いえ、草食系代表の苗木君に限ってまさかそんな… いや、でも…)

霧「…苗木君が起きたら問い詰めないといけないわね」
苗「っ…」ビクッ
霧「……」
苗「…ぐぅ」
霧「…この私にタヌキ寝入りが通じるとでも思っているのかしら」
苗「…だって、昨日霧切さんも」
霧「私も、何?」
苗「あ、いや…」

霧「…苗木君、正直に言って」
苗「う、ん……」
霧「昨日、私がベッドに入った後…何があったの?」

苗(…寝顔が可愛すぎて思わずキスしちゃったの、まさか気づいていたなんて…)
霧(この、いかにも隠し事してます、と言わんばかりの表情…やっぱり…)

霧「…そう。そうなのね」
苗「…ご、ゴメン…」
霧「…あなたが謝ることはないわ。今回の件は、無防備に振舞った私に落ち度があるのだから…」
苗「う、ううん…でも、ホント事故みたいなものでさ、霧切さんが寝がえりを打った拍子に、偶々しちゃったというか…」
霧「…?」
苗「ねえ、それよりもそろそろ服を着た方が…」
霧「もう今更、必要ないでしょう。下着姿くらいどうってことないわ」
苗「そ、そんなことないよ…!」
霧「それよりも、その…一応私は初めてだったんだけど…もし万が一の時には…責任取って、くれるのよね?」
苗「責任、って?」
霧「だから、その…出来ちゃった時、よ」
苗「!?」

苗「……ねえ、霧切さん。僕、ちょっと考えたんだけど」
霧「……ええ。お互いの認識に齟齬がありそうね」
苗「確認するけど…霧切さんが言っているのは、僕が霧切さんにキスしたこと…だよね?」
霧「え?……キス、だけ?」
苗「だけ、ってどういうこと?」
霧「!! あ、いえ、別になんでもないのよ」
苗「そういえばさっきも、一応初めてとか、出来ちゃったとか…霧切さん、何考えてたの?」
霧「あ、あなたが紛らわしい反応するから悪いのよ…」
苗「それは違うよ、元はと言えば霧切さんが酔っ払って僕に絡むから…」


霧(…何気に流したけれど、つまり苗木君に唇を奪われた、ということ…なのかしら…///)
苗(…霧切さん、やけに顔が赤いと思ったら『僕とそういうことをした』って勘違いしてたのか…///)


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