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私と苗木君が付き合いだしてもうすぐ2年になる。
学園を卒業すれば、彼と離れ離れになる可能性が高い……そんなの堪えられない!
だから……彼には悪いけど私と一緒にいて欲しいからこの半年間温めていた計画を実行する事にした。


「えっ?今週末ウチに泊まりたい?」
「えぇ…あなたの妹さんが是非って言ってたでしょ」
「確かに前に遊びに来た時にそんな事言ってたような」
「丁度今週末なら予定が空いているのよ…いいでしょ?」
「そりゃ構わないけど」
「なら決定ね。私の方から妹さんとお母様に連絡しておくわ」

いつの間にか僕の妹と母さんとメールアドレスを交換していた響子さん。
…確かに最近は母さんも「誠くん霧切さんはいつ遊びに来るの」や「もっと頻繁にお誘いなさい」等々…催促する様なメールが来る。

――週末――
「ただいまー」「お邪魔します。今日明日とお世話になります。こちらお口にあえばよろしいのですが」
「あらあら、そんなに気を使わなくてイイのよ。自分の家みたいにくつろいでね。」「そんな…ご迷惑をおかけします。」
「そうだよ霧切さんは私が誘ったんだから。早く私の部屋に行こう」
「…響子さんは僕の彼女なんだけどな……」

一通り妹さんの服でファッションショーをした後
「やっぱり霧切さんて背も高いし脚もスラッとしてるから何着ても似合うよね」
「そうかしら?」「そうだよーまるでモデルさんだよ。あーあやっぱりお姉ちゃんが欲しかったな~」
「お兄ちゃんじゃ駄目なの?」
「だってお兄ちゃんは確かに優しいし意外と頼りになるけど、私より背が低いし、やっぱり姉妹で服の貸し借りとかしたいもん。」
「霧切さんみたいな美人さんがお姉ちゃんだったらなぁ~しかも探偵でしょ。格好いいよね」
「そんなに褒めたって何も出ないわよ」
「…ねぇ霧切さん」「何かしら」「お姉ちゃんになってよ」「えっ?」

「そうだよ!霧切さんがお姉ちゃんになってくれたら全部解決だよ」「お姉ちゃんになっててそんな……」
「ダメ?」「(っ!そんなそっくりの顔でそんな事言われたら)……私としてもこんな可愛い妹がいてくれたらとても嬉しいわ」
「いいの?」「でも私は良くても誠君が……」「お兄ちゃんが?」
「確かに付き合ってるけど、彼が本当に私の事好きかどうか……」
「学園を卒業したら離れ離れになるかもしれないのにハッキリしてくれないの――私達の将来の事」
「確かにお兄ちゃん草食系だもんね……私の方からお兄ちゃんに発破かけるからさ――だから響子お姉ちゃんって呼んでいいかな?」

「えぇ……ありがとうね妹ちゃん。………(よし!まず妹ちゃん陥落)」


「おっ今日の晩御飯は豪勢だな」「えぇ、だって今日は霧切さんが来てるんだもの」
「それにご飯の支度も手伝って貰ったのよ。お客様なのにありがとうね」
「いえそんな…ご迷惑をおかけしていますので、せめてお手伝い位させて下さい。」「誠は幸せ者だな…こんな器量に気立てが良い彼女がいて」
「私の方こそあんなに素敵な人が恋人で恐縮です」「そんな畏まらないでね…それに惚気かしら?」
「い、いえそんな…正直な気持ちです。誠君が素敵なのはやっぱりご両親の愛情のお陰だと思うんです。」
「そんな事無いと思うけど」
「前に少しだけお話させていただいたと思うんですけど、私の母は幼い頃に他界して…父も家を出て、両親の愛をほとんど知らないんです。」
「でも私は誠君からそれに似た気持ちを貰うことが出来て――それはご両親の深い愛情が真っ直ぐ届いていたからだと思うんです。」
「そんな風に言ってくれたら照れるな」「私は父の事も母の事もよく分からないんです。だからお二人の事を本当の両親の様に思ってもいいですか……?」
「勿論いいとも」「嬉しいわ私達なんかがあなたのご両親代わりで本当に良いのかしら」「お義父様…お義母様」
「では是非私の事を名前で呼んでください」「響子さん」「響子ちゃん」「…ありがとうございます」
「だったらそんな堅苦しい喋り方をやめて、もっと普通に話そう?僕の事はお父さん」「私の事はお母さんでいいわよ」
「ありがとうお父さんお母さん」

「早速で悪いんですが、私―この苗木家の本当の家族になりたいんです。」「それってつまり……」「響子ちゃんなら大歓迎よ。」
「ただ私がなりたくても誠君の方が――――」
「全く息子ながら情けない」「ちょっと弱気すぎるのよね…私達に任せといて」
「ありがとうお父さんお母さん(……よし2人とも落とせたわ後は……!)」
「そういやその息子はどうしたんだ?」「妹ちゃんと買い出しに行ってます」

――――――
「それ重たいだろ、僕が持つよ」「ありがとうお兄ちゃん」
僕らは急に足りない物があるとかで――こうして買い物に来ている。
「ねぇ…お兄ちゃん」「ん、そっちの方が重たかったか?」
「違うよ…あのさ、私お姉ちゃんが欲しいな」「お姉ちゃん?妹じゃなくてか?」
「はぁ…何で分からないんだろ……」「??」「私ね…霧切さんみたいなお姉ちゃんが欲しいな」
「確かに響子さんみたいなお姉ちゃんなら頼りがいもあるし、美人だし自慢できるもんな」
「ふざけてるの?」「別にふざけてないけど」「私は霧切さんにお姉ちゃんになって欲しいの!!」
「えっ…それってつまりそういうこと?」「当たり前でしょ!他にどういう意味があるのよ」
「でも響子さんとは卒業したら離れ離れになるだろうし、僕みたい足手まといは必要ないだろうし、第一僕が良くても彼女が……」
「何言ってるのよバカ!」「酷いな兄に向かってバカはないだろ」
「霧…響子お姉ちゃん言ってたよ!『私はいいけど、彼がハッキリしてくれない』って…お姉ちゃん離れるの嫌だって」
「響子さんがそんな事を?」「お姉ちゃん待ってるんだから、お兄ちゃんがどうするのかを」

そして帰宅してすぐに僕は両親に捕まった。

「いいか誠…お前はあんな素敵な彼女をいつまで待たせる気だ?」「そうよ誠くん響子ちゃんあなたと離れたくないって言ってるわよ」
「えっ?えっ?突然何?」
「誠…お前も男ならこれから先どうするかさっさと決めろ」「響子ちゃんを悲しませちゃダメよ」
「いや…だって僕らまだ学生だし、それに僕が良くても…」
「お前は本気で言ってるのか?言い訳ばっかりしてないで自分の気持ちに素直になれ」
「それに学生であろうとなかろうとそんな事は問題ないだろ」
「そうよ誠くん。響子ちゃんなんて『私が食べさせてあげますから』なんて言って…情けなくないの」

「うん…僕が臆病だったんだ。彼女どこへ行こうがついて行けばいいんだ…決して離れないように。」

リビングに家族が揃ったところで僕は告げた。

「響子さん――足手まといになるだろうし、負担になるだけだろうけど…学園を卒業してからもずっと一緒にいて欲しい」
「卒業したらすぐに結婚しよう!…この気持ちは嘘じゃない家族が証人だ。」

「誠君嬉しいわ……喜んで」



「(…全て私の計画通り)」キリギリ
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