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希望ヶ峰を卒業した私は、現在苗木君と行動を共にしている。
コロシアイ学園生活を過ごしている最中には、戻らなかった記憶だが……
今日彼と偶然通りがかった公園で私は妙な既視感を覚えた…。

「ここは公園だったみたいだね」
壊れたベンチや折れた電灯、噴水に残された生々しい爪痕を見る。

「そうみたいね…(なぜかしら…この公園どこかで見たことがあるような)」
「……」「どうしたの霧切さん?」
彼が突然黙り込んだ私を心配して顔を覗き込んでくる…
すると唐突に記憶がフラッシュバックしてきた。

あれは…雪が降っていて…周りには幸せそうな恋人達がいて…木々が鮮やかに発光していて
そうあれはいつかのクリスマス――私はそこでキスをされたんだ……

決して寒さのせいだけではなく、羞恥と歓喜に彩られた頬の赤み。
私の顔を覗き込んできた、私より少し背が低い、今隣にいる彼に……。

私と彼はそのクリスマスまで、友達以上恋人未満の関係だった…。
正直に言うと私は彼の事が好きだった…けれど彼は不思議と人を引き付けて
いつも周りに喧騒が絶えなかった。

人より孤独を好む私は、最初はそんな彼を疎ましく思っていた。
けれどそんな私も気づけば彼の傍にいた…彼の傍にいるとなにか心が落ち着く
今まで生きてきた社会では、男に負けぬよう肩肘を張って生きてきたが
彼の傍ではそんなことをする必要はどこにもなくて――表面上は冷静を装っていたけど
それを彼に見抜かれたくなくて、敢えて無愛想なフリもした。

それでも内心では彼に嫌われたくなくて……なにかと口実をつけては
彼をあちこちに連れまわした…。
そしてそのクリスマスの日。――私は彼をこの公園に誘い出して告白したのだ。

告白した瞬間に、これでもう前みたいな関係に戻れなくなった――そう思った。
そうして彼の返事をうつむきながら待っていると……
私の視界の先に彼の靴が見えた。と、思ったら

下から覗き込むようにキスをされた…。

「これが僕の答えだよ。……霧切さん、ここまですればわかるよね?」
「…苗木君のくせに生意気ね」


一瞬の内に記憶が流れ込んできて、頭の中が少しばかりフリーズした。
「あ…あぁ……そうだったのね…」
「どうかしたの霧切さん?」そう言ってまだ私を覗き込んでいる。
この様子だと彼は何も覚えちゃいないようだ……。

「苗木君、ホワイトクリスマス、公園、イルミネーション…何か思い出せる?」
念のための確認。
「???ごめん何にも思い出せないよ。霧切さん、どうかしたの?」
「はぁー何でもないわ……」
「何か悩み事?よかったら相談に乗るよ?」
「ナン・デモ・ナイ!!(あなたのせいじゃない……!!)」
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