kk8_810


彼のキスには魔力がある。
――勿論、本来なら私はそんなオカルトじみた事は信じてない。
けれど彼はそんな私に信じさせてしまう。

朝、彼にキスをされるとその日1日ずっと満たされた気持ちになる。
昼にキスされると夢に彼が出てくる。
夜にキスされると、その日の疲れがすべて吹き飛ぶ。
……夜にキスされると、彼の夢を見ることなく朝を迎える場合の方が多いが……

そうして彼は私を虜にする。
けれど最近はその頻度が減ってきている……。
まさか彼に嫌われたのか…あるいは飽きられたのか
想像するだけで絶望に染まり、気持ちが沈んでしまう。

もう私は彼なしではダメみたいだ……。


「ねぇ苗木君…私に何か至らない点があるなら改善するから…私のこと嫌いにならないで」
そう彼に懇願する。

すると彼は心底驚いたようで
「えぇ!?僕が霧切さんの事を嫌いになるわけないよ」
「むしろ大好きなんだよ。なのに何でそんな誤解を……」
なんて言うもんだから……私は正直に打ち明けた。
「だって……キスの回数が減ったじゃない」
「もう私の事好きじゃないのかと……」

「それは…この季節霧切さんがそんなブーツを履いてるからだよ」
「僕がキスするためにはこうしなくちゃいけないでしょ」
目一杯背伸びする彼

久し振りに感じる唇の感触――体中を駆け巡る多幸感
嬉しくて涙が出てきて……私はその日から2度とブーツは履かなくなった。
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。