SSS『お正月』

「お正月にお休み取れて良かったです。苗木君の作ったお雑煮が食べられるなんて」
「年末の仕事終わって強行軍で帰って来たもんね、お疲れ様。…ボクなんかの作ったお雑煮で、なんか申し訳ないけど」
「そんなことないです!とっても美味しいですよ!」
「ありがとう。……極めて普通の味だと思うんだけど」

「そういえば苗木君、私の年賀状届きました?」
「あ、うん、届いたよ!…でも同じ寮に住んでるのにわざわざ出してくれたの?」
「ふふ、その方がお正月らしいじゃないですか」
「そうだね…ありがとう、舞園さん」
「あ、霧切さんの方にもちゃんと届いてますか?」
「……、」(コクリ)
「あ、ごめんなさい。食べてる最中に」
「……いえ。お餅がなかなか噛みきれなくて」
「霧切さんは海外からも届いてたよね」
「あれ、何で苗木君が知ってるんですか?」
「郵便受けに取りに行ったの、ボクだから…。霧切さんは寒いから嫌だって」
「苗木君、そういうのは『寒いから自分が気を利かせて取りに行った』と言った方が男としての点数稼ぎになるわよ」
「点数稼ぎって…」
「ところで、さっきから苗木君のフードに入ってるのは霧切さんからの年賀状でしょうか?」
「えっ?……うわ、本当に入ってる!何時の間に…」
「ちょっと舞園さん、教えちゃダメじゃない。苗木君に探偵としての注意力や観察力があるかどうか試してたのに」
「変な実験しないでよ!」

「それにしても、二人はずっと一緒にいたんですねぇ」
「ほとんどの寮生は帰っちゃってるしね。江ノ島さんと戦刃さんは二人でどこか行っちゃったし」
「いいなあ。私も一緒にのんびり過ごしたかったです」
「でもテレビでずっと舞園さんのこと応援してたわよ、苗木君。わざわざ私まで誘って」
「そりゃ、クラスメイトが頑張ってたら応援したいじゃない」
「ありがたいですけど…『わざわざ霧切さんを誘って』ですか。むしろそっちが本命なんじゃ、」
「あー、ボク片付けてくるね!ごちそうさま!」
「ごちそうさま…何を慌てているのかしら?」
「うふふ…ごちそうさまです」


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