CHAPTER03の真実

食堂…そこに二つの影があった
セレスと山田である
山田はニコニコと笑いながらミルクティーをセレスに渡す
セレスは味が薄いなどと文句を言いながらも結局全部飲み干す
山田はその事を指摘するとセレスは不機嫌になり山田をののしり始める
…いつもの日常だ…
そしてそのいつもの日常が終わりにセレスはこう聞いた
セレス「…あなたは何故私に紅茶を入れてくれるのです?」
山田「…どうしてそんな事を聞くのです?」
セレス「…毎日あれだけののしられながら紅茶を入れても楽しくないのに…
なぜ私に紅茶を入れてくれるのです?」
山田「…何故って言われても…考えた事もありませんでしたな…」
セレス「…ふぅ…そんな事を毎日やっていたら何かしら理由が見えてくる
ものでしょう…それを考えた事も無いなんて…」
山田「す、すみません…」
セレス「…一度考えて見てはどうですか?」
山田「…と、言われましても…」
セレス「…うじうじせず考えて見ろってんだよぉぉ!!」
山田「ひいっ!!急に怒らないで下さい…
今すぐ考えますから…そうですねぇ…しいて言うなら…
寂そうだからですかねぇ?」
セレス「…寂しそうだから…?」
山田「…セレス殿って…いつも皆から少し浮いてるような気がして…
だから…独りぼっちになって寂しくならないように…と思って…」
セレス「…そんなの今のうちだけですわ。いつかいやになるでしょう。」
山田「いや、セレス殿が寂しそうじゃないなら…
…何故か全然嫌ではないのです。」
セレス「!」
…それはセレスが始めて聞いたような答えだった…
今まセレスは憎まれていた…ギャンブルで負けて金を取られた相手に…
だから誰も寄り付こうとしなかった…あいつは笑顔で金を巻き上げる
悪女だと…その皆の思いがセレスを作り上げた…
…人とかみ合わぬ嫌われ者…セレスティア・ルーデンベルクを…
…しかし…山田だけは違った…いかに自分が人から嫌われるような
行動をとっても心からついてきてくれるのだ…
セレスはその山田の「全然いやではない」と言う言葉になぜか
胸が苦しくなった…
セレス「…うぅ…」
山田「どうしたのでありますか?具合でも悪いのですか?」
セレス「…な…なんでもありません…
…それより一人にさせてください…!!」
山田「…わかりました…」
山田はそう言うと食堂から出て行った…
セレス(何故…何故私を嫌わない…嫌われて当然の私を…何故嫌わない…!!)
…セレスは自分の中に生まれた理解不能な感情に苦しんだ…
セレス(…何故…このままでは…私は…どうにかなるのではないか…?)
…そしてセレスはなぜか理解不能の不安にもかられていた…
セレス(…あの豚がいる限り…私は…いずれ壊れるのではないか…?)
…セレスはそう思い込み始めた…暴走に近い思い込みを…
そして…その暴走は…最悪のピリオドを迎えた…
セレス(…あの豚を…殺さないか限り…私は…終わる…!!)

暴走したセレスはその思いを実行に移した…
山田を計略にはめて殺したのだ…
セレス(…ふ…ふふふ…私を壊そうとしたからだ…
…だからこそ…お前は死ぬべきなんだよぉぉ…!!)
セレスはにやりと笑った…しかし…
セレスの心のどこかにもやもやとした思いが浮かび始めた…
セレス(…何故…こんな気持ちに…なるの…?
こんな…後悔のような気持ちに…)
セレスはその思いを理解できなかった…
そして学級裁判が始まった後もセレスはもやもやを抑え切れなかった…
そしてセレスはその学級裁判に敗れ去った…
そしてセレスはなぜ山田を殺したのかと聞かれた…
セレスはとっさに自分の夢をかなえるためだと嘘をついた…
セレス(…夢なんかどうでもいい…私は…壊れるのがいやだっただけだ…
…誰からも嫌われるだけの自分を…)
しかしその直後だった…
(…本当によかったの…?)
セレスの頭の中で声がしたような気がした…
セレス(…なに…この声…?)
(…本当は…変わりたかったんじゃないの…?
今の…自分を壊して…)
セレス(…そ…そんなわけがない…!!
…自分を…今まで作ってきた自分を…壊したいはずはない…!!)
(…あなたが今まで作ってきた自分…それは他人に作られた自分のはず…
…だからこそ…本当の自分を作らなければいけなかったんじゃないの?)
セレス(…そんなことはない…!!
嫌われ者の自分こそが本当の自分…!!)
(…それは嘘…あなたの本当の自分の姿は…寂しがりやなはず…)
セレス(!?)
(…あなたが山田君を殺したのは…自分の中に生まれた変わりたいという
感情を理解できなかったから…おさえ切れなかったから…)
セレス(…し…知ったような口をきくな…!!
お前は…誰!?)
(…あなたの良心ですわ。)
セレス(!!)
(…あなたは本当は…変わりたかったはず…でも…作られた自分のせいで…
変わることが出来なかった…そのチャンスすら…逃してしまった…)
セレス(…)
(…あなたは…どうしていいのかわからなかった…でも…
…最後に分かってくれたみたいですわね。)
セレス(…でも…もう…遅い…山田君は…)
(…確かに…こればかりはやり直せないことですわね…
だから…最後の最後こそ…その罪をしっかりと償ってみては…?)
セレス(…そうですわね…)
(…それでこそ…あなたが本当になりたかった自分…
…さいごの最後に…変われてよかったですわね…)
そこで声は途切れた…そしてセレスはこう思った
セレス(…山田君…あなたの心に気付かずに…あなたの心を…
踏みにじるような事をして申し訳ありません…もし…私があの世で…
あなたにあっても許してくれなくて結構です…その代わり…
…もし一緒に生まれ変わるなら…いくらでも罪を償える人になりたい…
そしてあなたは…それを見守ってくれる人でいてください…)
そしてセレスは処刑場の皆に向かって
セレス「御機嫌よう…また来世でお会いしましょう…」
と言った…このような思いをこめながら…
セレス(そのときは…きっと皆から好かれるような自分になってますね…)


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