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滂沱」(2011/01/03 (月) 19:36:42) の最新版変更点

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*滂沱 ◆M5iWBd9Yc2 F-06市街地……そこで、異なる世界の者たちが争いを行っていた。 といってもそれは口喧嘩レベルのようで、ライダーバトルには発展していない。 「貴様……男たるもの、妻だけを愛するのは当然だろう!」 「ふん、何を言っている。勿論一番愛するのは妻だが、俺は世界中の女性を愛せる男だ。お前とは器が違う!」 「やめろ!!!お前ら!!!」 この三人……乾巧、紅音也、園咲霧彦は出会ってすぐ互いに戦う気がない事を確認できたが、 情報交換や大ショッカーへの不満を語り合っている最中、音也と霧彦の恋愛感が激突してこうなってしまったのだ。 「この園咲霧彦の器が小さいだと! 背を比べてやろうか!?」 「ふん、女に捨てられた男に相応しい単純な物の考え方だな」 「ぬぉあ!やめろ!人が口を滑らせたのをいいことに!」 「止めろ!!!お前ら!!!」 霧彦がいうにはこの男、自分の妻……園咲冴子に後ろから撃たれ、死んだと思った瞬間にこの場に来ていたらしい。 なにがなんだかわからぬまま大ショッカーの話を聞き、会場に放り出されて混乱しているところで出会った友好的な 人間達についつい思うがままのことを喋ってしまったのも無理はない。 巧の制止もきかず、ついに音也と霧彦が互いの拳で語り合い始めた。 二人の正拳がクロスカウンターの形になって互いの頬を打ち抜き、そのままの状態で停止する。 今にも二撃目が放たれそうな空気を、巧が体を割り込ませることでようやく止める。 「まったく、お前ら……今はそんな事で喧嘩してるときじゃないだろ。協力して大ショッカーの言っている事が  本当かどうか探るんじゃなかったのか?」 「それもそうだな、乾。私としてもこんな程度の低い人間にムキになるのは本位ではない。話を進めよう」 「では俺はここで失礼しよう。野郎共とおしゃべりするなんてこれ以上はごめんなんでな」 「逃がさんぞ!」 「止めろ!!!お前ら!!!」 まるで協調しようとしない変なおっさん二人を相手に、巧もそろそろ限界が来ていた。 彼とてそれほど社交的な人間ではないが、真理、草加といった仲間達の為に少しでも何かできる事をやろうと思っているのだ。 (草加……お前があんな簡単に死ぬわけねぇよな。木場の奴もどうにかして生きてたみたいだし) 巧は死んだはずの人間を大ショッカーの演説中に発見していた。霧彦も似たようなものだというし、 ひょっとしたら大ショッカーにはスマートブレインのように死者を蘇らせる力があるのかもしれないが、 巧としては仲間達がそんな連中の力に頼らず、実は生きていたと考える方が救われるものがあった。 「わかったわかった、まあどうせ探す人間もいないんだ。お前の妻とやらを拝むのも悪くないかもな」 「ふん、腰を抜かすなよ。本来なら貴様のような軽薄な人間が一生かけても口をきくことすらできない女性だからな!」 「もう嫁さんがどーこーいう話はいいだろ……おいあんた、さっき息子が参加してるって……」 「ああ。この名簿の名前の配置といい、お前達の知り合いの話が本当なら世界が複数あることは間違いないだろうな」 「いやそうじゃなくて、探さなくていいのか?」 「あいつも立派な大人だ。俺が手を焼かなくてもなんとかするさ。それに面倒だしな」 (何歳だよこのおっさんは……) ため息をつく巧に、慌てた声で霧彦が話しかける。 霧彦はまだ調べていなかった自分の支給品を確認していたようで、手に機械を持っていた。 「乾、大変だ!これを見ろ、この周囲に大勢の参加者がいるぞ!」 「なに!?……近いぞ!」 霧彦に支給されたのは、首輪探知機。周囲1kmの参加者の位置を確認できる道具であった。 慌てて周囲を見回す三人に、次々と来客が訪れる。 「ここか……祭りの場所は」 「貴様ら……アギトの力を持っていないなら全ての支給品を俺に渡せ。持っているなら……死ね!」 蛇のような造形の鎧を装着した男と、サングラスをかけた男が、別方向の路地から姿を現す。 どうやら双方友好的な感情は持っていないらしく、今にも襲い掛かってきそうに距離を狭めてくる。 「糞……しょうがねえ、二人とも、変身して戦うぞ!」 「いいだろう。乾、お前に支給されたノーマルガイアメモリとは違う、ゴールドメモリの力を見せてやるぞ」 「俺は控えだ。相手も丁度二人だ、お前らが戦え」 「誰でもいい……殴らせろ……」 「そうだよ、僕を笑顔にしてよ」 「一人増えたぞ!早く変身しろ!」 「真打ちは後になって出てくるもんだ。それに奴らもそれぞれ協力する気はなさそうだぞ」 声を聞きつけたのか新たに現れた青年が怪人体に変化する。 その純白の荘厳な姿は、巧に草加たちと同じく死んだはずの村上という男の姿を思い浮かべさせた。 仮面ライダーファイズ、ナスカドーパントに変身した巧と霧彦をよそに、音也は腕を組んでまるで働く意思を見せない。 だが彼の言うとおり、現れた敵……仮面ライダー王蛇、木野薫、ン・ダグバ・ゼバはまるで仲間には見えず、 誰を先に倒すか決めかねている様子すら見えた。 「とりあえず、あの一見普通の人間のサングラスを倒そう。そうして出来た隙をついて戦うなり逃げ出すなりすればいい」 「待て、普通の人間を殺すなんて……」 「襲ってきたのはあちらだ。文句もあるまい」 「ふん……アンノウンが一匹にアギトもどきが一体、アギトが一人か……そしてそこのお前、今使ったのはなんだ?」 「ガイアメモリだ。知らないのか?」 「いや、持っている。どうやら使えるようだな……アギトの力は温存したい、こちらを使おう」 言って、木野が取り出したのは霧彦のナスカ・メモリと同じくゴールドクラスのメモリ……霧彦もよく知っているもの。 首輪に突き刺すと同時に、そのメモリの力を示す音声が轟く。 『テラー』 「な、なにっ!馬鹿なっ!お義父さんがそのメモリを手放す筈がない!まさか、本当に私の風都が滅……」 「ほう……これはいいものだな。はっ!」 異形の姿に変貌した木野が邪悪な波動を放ち、その場の全員がその黒いオーラに飲み込まれる。 制限によってそのままダメージを受けることはなかったが、テラーの力によって五人の力は減少していく。 「うわああああああああああああああああああああ!!!!」 もっとも強くテラー・ドーパントの力を受けたのは、ン・ダグバ・ゼバだった。怪人体のままその場を走り去り、 一瞬で見えなくなる。グロンギの王として人間を超越し、恐怖などという感情と無縁の人外の精神を獲得した彼にとって、 テラー・ドーパントが放つテラーフィールドによる理屈抜きの恐怖を植えつけられる事は、人間が同じ事をされるより 遥かに強くその心を折る結果に繋がってしまったのだ。純白のキャンパスにこそ黒は色濃く染みるといったところか。 強力な力を持つと見るだけで分かるダグバの醜態に、他の者たちも背筋に氷の棒を入れられたような絶望を覚える。 特に変身を横着して生身のまま予想外の不意討ちを受けた音也は、消耗しきって地面に大の字になっていた。 「く……お義父さん以外にアレを使いこなせる奴がいるなど……あのサングラスの男、一体どれ程の恐怖を内に……」 「体が上手く動かねえっ……怯えてるのか、俺はっ!?」 「面白い……まずはお前だ」 その好戦的な性格から、比較的症状の軽い王蛇がデッキからカードを取り出して木野に突撃していく。 巧と霧彦も、音也の容態を気にしながらも、気力を振り絞ってそれぞれの能力を発動させる。 「アギトの力を持つ者は逃げたか……まあいい、貴様らにも教えてやる。この世にアギトは俺だけでいいということを!」 ● 「ふふふ……ふふふふ……」 市街地の一角の民家。 その一室で、変身を解いたダグバは、ベッドに突っ伏して笑っていた。 冷や汗をだらだらかき、いまだ消えぬ恐怖を腹の中で反芻しながら、笑っていた。 真の王とは、何度王座を追われてもそこに戻るもの。 ダグバもまた、初めて感じる恐怖を美酒としながら、その悪夢的な力を高めようとしていた。 恐怖が完全に愉悦に変わった時、一体彼はどのような笑顔を見せてくれるのだろうか……。 「……?」 コロン、と部屋の隅で音がする。 そちらをビクッと振り返ったダグバの目に、先ほど自分に理不尽な力で撤退をやむなくさせたアイテムが映る。 孤高の魔王に巡りあった運命のガイアメモリ、その名は―――。 『ユートピア』 ……果たして彼の理想郷は、一体どこにあるのだろうか? 【1日目 日中】 【F-06 市街地】 【乾巧@仮面ライダー555】 【時間軸】原作終了後 【状態】恐怖(中) 疲労(中) 仮面ライダーファイズに変身中 【装備】ファイズギア@仮面ライダー555 【道具】支給品一式、不明ガイアメモリ×1(ゴールドクラスではない) 【思考・状況】 1:打倒大ショッカー 2:仲間を探して協力を呼びかける 3:テラー・ドーパントへの対処 【園咲霧彦@仮面ライダーW】 【時間軸】死の直前 【状態】恐怖(中) 疲労(中) ナスカ・ドーパントに変身中 【装備】ガイアメモリ(ナスカ)+ガイアドライバー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式、首輪探知機 【思考・状況】 1:打倒大ショッカー 2:今度こそ冴子を説得し、帰還後共に風都を守る 3:テラー・ドーパントへの対処 【備考】 ※ガイアドライバーを使って変身しているため、メモリの副作用がありません。 【紅音也@仮面ライダーキバ】 【時間軸】原作終盤(少なくとも渡を自分の息子と認識している時期) 【状態】気絶 恐怖(中) 疲労(大) 【装備】イクサナックル(プロトタイプ)@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済) 【思考・状況】 1:最後まで生き残り、元の世界に帰還する 2:女性を見たらとりあえず口説く 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 【時間軸】不明 【状態】恐怖(小) 疲労(中) 【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済) 【思考・状況】 1:イライラするんだよ…… 2:殴るか殴られるかしてないと落ち着かない 【木野薫@仮面ライダーアギト】 【時間軸】不明 【状態】健康 テラー・ドーパントに変身中 【装備】ガイアメモリ(テラー) 【道具】支給品一式 【思考・状況】 1:全てのアギトを倒す 2:アンノウンも全て倒す 3:大ショッカー、世界の崩壊などのことはアギトを全て倒してから考える 【備考】 ※ン・ダグバ・ゼバをアギトの力を持つ物と認識しています(人間体から直接異形の姿になった為) ※仮面ライダーファイズをG-3のような人造アギトと認識しています(道具を使って変身した為) ※仮面ライダー王蛇をアンノウンと認識しています(出会った時には既に変身していた為) 【制限】 テラーメモリのテラーフィールドの効果は、本来より意志力で破りやすくなっています。 また、受けたキャラの性格・覚悟・意志力によって効き目が大きく変わります。 【1日目 日中】 【F-06 民家】 【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】 【時間軸】不明 【状態】恐怖(大) 疲労(中) 怪人体に二時間変身不可 【装備】 【道具】支給品一式、ガイアメモリ(ユートピア)+ガイアドライバー@仮面ライダーW 【思考・状況】 1:怖い……ふふふ…… 2:しばらくこの恐怖を楽しむ |015:[[エレジー♪支えてくれるひと]]|投下順|017:[[カテゴリーK]]| |015:[[エレジー♪支えてくれるひと]]|時系列順|017:[[カテゴリーK]]| |&color(cyan){GAME START}|[[紅音也]]|| |&color(cyan){GAME START}|[[乾巧]]|| |&color(cyan){GAME START}|[[園咲霧彦]]|| |&color(cyan){GAME START}|[[木野薫]]|| |&color(cyan){GAME START}|[[ン・ダグバ・ゼバ]]|| |&color(cyan){GAME START}|[[浅倉威]]|| ----
*滂沱 ◆M5iWBd9Yc2 F-06市街地……そこで、異なる世界の者たちが争いを行っていた。 といってもそれは口喧嘩レベルのようで、ライダーバトルには発展していない。 「貴様……男たるもの、妻だけを愛するのは当然だろう!」 「ふん、何を言っている。勿論一番愛するのは妻だが、俺は世界中の女性を愛せる男だ。お前とは器が違う!」 「やめろ!!!お前ら!!!」 この三人……乾巧、紅音也、園咲霧彦は出会ってすぐ互いに戦う気がない事を確認できたが、 情報交換や大ショッカーへの不満を語り合っている最中、音也と霧彦の恋愛感が激突してこうなってしまったのだ。 「この園咲霧彦の器が小さいだと! 背を比べてやろうか!?」 「ふん、女に捨てられた男に相応しい単純な物の考え方だな」 「ぬぉあ!やめろ!人が口を滑らせたのをいいことに!」 「止めろ!!!お前ら!!!」 霧彦がいうにはこの男、自分の妻……園咲冴子に後ろから撃たれ、死んだと思った瞬間にこの場に来ていたらしい。 なにがなんだかわからぬまま大ショッカーの話を聞き、会場に放り出されて混乱しているところで出会った友好的な 人間達についつい思うがままのことを喋ってしまったのも無理はない。 巧の制止もきかず、ついに音也と霧彦が互いの拳で語り合い始めた。 二人の正拳がクロスカウンターの形になって互いの頬を打ち抜き、そのままの状態で停止する。 今にも二撃目が放たれそうな空気を、巧が体を割り込ませることでようやく止める。 「まったく、お前ら……今はそんな事で喧嘩してるときじゃないだろ。協力して大ショッカーの言っている事が  本当かどうか探るんじゃなかったのか?」 「それもそうだな、乾。私としてもこんな程度の低い人間にムキになるのは本位ではない。話を進めよう」 「では俺はここで失礼しよう。野郎共とおしゃべりするなんてこれ以上はごめんなんでな」 「逃がさんぞ!」 「止めろ!!!お前ら!!!」 まるで協調しようとしない変なおっさん二人を相手に、巧もそろそろ限界が来ていた。 彼とてそれほど社交的な人間ではないが、真理、草加といった仲間達の為に少しでも何かできる事をやろうと思っているのだ。 (草加……お前があんな簡単に死ぬわけねぇよな。木場の奴もどうにかして生きてたみたいだし) 巧は死んだはずの人間を大ショッカーの演説中に発見していた。霧彦も似たようなものだというし、 ひょっとしたら大ショッカーにはスマートブレインのように死者を蘇らせる力があるのかもしれないが、 巧としては仲間達がそんな連中の力に頼らず、実は生きていたと考える方が救われるものがあった。 「わかったわかった、まあどうせ探す人間もいないんだ。お前の妻とやらを拝むのも悪くないかもな」 「ふん、腰を抜かすなよ。本来なら貴様のような軽薄な人間が一生かけても口をきくことすらできない女性だからな!」 「もう嫁さんがどーこーいう話はいいだろ……おいあんた、さっき息子が参加してるって……」 「ああ。この名簿の名前の配置といい、お前達の知り合いの話が本当なら世界が複数あることは間違いないだろうな」 「いやそうじゃなくて、探さなくていいのか?」 「あいつも立派な大人だ。俺が手を焼かなくてもなんとかするさ。それに面倒だしな」 (何歳だよこのおっさんは……) ため息をつく巧に、慌てた声で霧彦が話しかける。 霧彦はまだ調べていなかった自分の支給品を確認していたようで、手に機械を持っていた。 「乾、大変だ!これを見ろ、この周囲に大勢の参加者がいるぞ!」 「なに!?……近いぞ!」 霧彦に支給されたのは、首輪探知機。周囲1kmの参加者の位置を確認できる道具であった。 慌てて周囲を見回す三人に、次々と来客が訪れる。 「ここか……祭りの場所は」 「貴様ら……アギトの力を持っていないなら全ての支給品を俺に渡せ。持っているなら……死ね!」 蛇のような造形の鎧を装着した男と、サングラスをかけた男が、別方向の路地から姿を現す。 どうやら双方友好的な感情は持っていないらしく、今にも襲い掛かってきそうに距離を狭めてくる。 「糞……しょうがねえ、二人とも、変身して戦うぞ!」 「いいだろう。乾、お前に支給されたノーマルガイアメモリとは違う、ゴールドメモリの力を見せてやるぞ」 「俺は控えだ。相手も丁度二人だ、お前らが戦え」 「誰でもいい……殴らせろ……」 「そうだよ、僕を笑顔にしてよ」 「一人増えたぞ!早く変身しろ!」 「真打ちは後になって出てくるもんだ。それに奴らもそれぞれ協力する気はなさそうだぞ」 声を聞きつけたのか新たに現れた青年が怪人体に変化する。 その純白の荘厳な姿は、巧に草加たちと同じく死んだはずの村上という男の姿を思い浮かべさせた。 仮面ライダーファイズ、ナスカドーパントに変身した巧と霧彦をよそに、音也は腕を組んでまるで働く意思を見せない。 だが彼の言うとおり、現れた敵……仮面ライダー王蛇、木野薫、ン・ダグバ・ゼバはまるで仲間には見えず、 誰を先に倒すか決めかねている様子すら見えた。 「とりあえず、あの一見普通の人間のサングラスを倒そう。そうして出来た隙をついて戦うなり逃げ出すなりすればいい」 「待て、普通の人間を殺すなんて……」 「襲ってきたのはあちらだ。文句もあるまい」 「ふん……アンノウンが一匹にアギトもどきが一体、アギトが一人か……そしてそこのお前、今使ったのはなんだ?」 「ガイアメモリだ。知らないのか?」 「いや、持っている。どうやら使えるようだな……アギトの力は温存したい、こちらを使おう」 言って、木野が取り出したのは霧彦のナスカ・メモリと同じくゴールドクラスのメモリ……霧彦もよく知っているもの。 首輪に突き刺すと同時に、そのメモリの力を示す音声が轟く。 『テラー』 「な、なにっ!馬鹿なっ!お義父さんがそのメモリを手放す筈がない!まさか、本当に私の風都が滅……」 「ほう……これはいいものだな。はっ!」 異形の姿に変貌した木野が邪悪な波動を放ち、その場の全員がその黒いオーラに飲み込まれる。 制限によってそのままダメージを受けることはなかったが、テラーの力によって五人の力は減少していく。 「うわああああああああああああああああああああ!!!!」 もっとも強くテラー・ドーパントの力を受けたのは、ン・ダグバ・ゼバだった。怪人体のままその場を走り去り、 一瞬で見えなくなる。グロンギの王として人間を超越し、恐怖などという感情と無縁の人外の精神を獲得した彼にとって、 テラー・ドーパントが放つテラーフィールドによる理屈抜きの恐怖を植えつけられる事は、人間が同じ事をされるより 遥かに強くその心を折る結果に繋がってしまったのだ。純白のキャンパスにこそ黒は色濃く染みるといったところか。 強力な力を持つと見るだけで分かるダグバの醜態に、他の者たちも背筋に氷の棒を入れられたような絶望を覚える。 特に変身を横着して生身のまま予想外の不意討ちを受けた音也は、消耗しきって地面に大の字になっていた。 「く……お義父さん以外にアレを使いこなせる奴がいるなど……あのサングラスの男、一体どれ程の恐怖を内に……」 「体が上手く動かねえっ……怯えてるのか、俺はっ!?」 「面白い……まずはお前だ」 その好戦的な性格から、比較的症状の軽い王蛇がデッキからカードを取り出して木野に突撃していく。 巧と霧彦も、音也の容態を気にしながらも、気力を振り絞ってそれぞれの能力を発動させる。 「アギトの力を持つ者は逃げたか……まあいい、貴様らにも教えてやる。この世にアギトは俺だけでいいということを!」 ● 「ふふふ……ふふふふ……」 市街地の一角の民家。 その一室で、変身を解いたダグバは、ベッドに突っ伏して笑っていた。 冷や汗をだらだらかき、いまだ消えぬ恐怖を腹の中で反芻しながら、笑っていた。 真の王とは、何度王座を追われてもそこに戻るもの。 ダグバもまた、初めて感じる恐怖を美酒としながら、その悪夢的な力を高めようとしていた。 恐怖が完全に愉悦に変わった時、一体彼はどのような笑顔を見せてくれるのだろうか……。 「……?」 コロン、と部屋の隅で音がする。 そちらをビクッと振り返ったダグバの目に、先ほど自分に理不尽な力で撤退をやむなくさせたアイテムが映る。 孤高の魔王に巡りあった運命のガイアメモリ、その名は―――。 『ユートピア』 ……果たして彼の理想郷は、一体どこにあるのだろうか? 【1日目 日中】 【F-06 市街地】 【乾巧@仮面ライダー555】 【時間軸】原作終了後 【状態】恐怖(中) 疲労(中) 仮面ライダーファイズに変身中 【装備】ファイズギア@仮面ライダー555 【道具】支給品一式、不明ガイアメモリ×1(ゴールドクラスではない) 【思考・状況】 1:打倒大ショッカー 2:仲間を探して協力を呼びかける 3:テラー・ドーパントへの対処 【園咲霧彦@仮面ライダーW】 【時間軸】死の直前 【状態】恐怖(中) 疲労(中) ナスカ・ドーパントに変身中 【装備】ガイアメモリ(ナスカ)+ガイアドライバー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式、首輪探知機 【思考・状況】 1:打倒大ショッカー 2:今度こそ冴子を説得し、帰還後共に風都を守る 3:テラー・ドーパントへの対処 【備考】 ※ガイアドライバーを使って変身しているため、メモリの副作用がありません。 【紅音也@仮面ライダーキバ】 【時間軸】原作終盤(少なくとも渡を自分の息子と認識している時期) 【状態】気絶 恐怖(中) 疲労(大) 【装備】イクサナックル(プロトタイプ)@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済) 【思考・状況】 1:最後まで生き残り、元の世界に帰還する 2:女性を見たらとりあえず口説く 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 【時間軸】不明 【状態】恐怖(小) 疲労(中) 【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済) 【思考・状況】 1:イライラするんだよ…… 2:殴るか殴られるかしてないと落ち着かない 【木野薫@仮面ライダーアギト】 【時間軸】不明 【状態】健康 テラー・ドーパントに変身中 【装備】ガイアメモリ(テラー) 【道具】支給品一式 【思考・状況】 1:全てのアギトを倒す 2:アンノウンも全て倒す 3:大ショッカー、世界の崩壊などのことはアギトを全て倒してから考える 【備考】 ※ン・ダグバ・ゼバをアギトの力を持つ物と認識しています(人間体から直接異形の姿になった為) ※仮面ライダーファイズをG-3のような人造アギトと認識しています(道具を使って変身した為) ※仮面ライダー王蛇をアンノウンと認識しています(出会った時には既に変身していた為) 【制限】 テラーメモリのテラーフィールドの効果は、本来より意志力で破りやすくなっています。 また、受けたキャラの性格・覚悟・意志力によって効き目が大きく変わります。 【1日目 日中】 【F-06 民家】 【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】 【時間軸】不明 【状態】恐怖(大) 疲労(中) 怪人体に二時間変身不可 【装備】 【道具】支給品一式、ガイアメモリ(ユートピア)+ガイアドライバー@仮面ライダーW 【思考・状況】 1:怖い……ふふふ…… 2:しばらくこの恐怖を楽しむ |015:[[エレジー♪支えてくれるひと]]|投下順|017:[[カテゴリーK]]| |015:[[エレジー♪支えてくれるひと]]|時系列順|017:[[カテゴリーK]]| |&color(cyan){GAME START}|[[紅音也]]|034:[[動き出す闇]]| |&color(cyan){GAME START}|[[乾巧]]|034:[[動き出す闇]]| |&color(cyan){GAME START}|[[園咲霧彦]]|034:[[動き出す闇]]| |&color(cyan){GAME START}|[[木野薫]]|034:[[動き出す闇]]| |&color(cyan){GAME START}|[[ン・ダグバ・ゼバ]]|034:[[動き出す闇]]| |&color(cyan){GAME START}|[[浅倉威]]|034:[[動き出す闇]]| ----

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