「止まらないB/もえるホテル」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

止まらないB/もえるホテル」(2011/01/18 (火) 23:58:30) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*止まらないB/もえるホテル ◆N3gVt389NE -----私、天美 あきらは突然殺し合いに参加させられました。見知らぬホテルで目を覚ました私はそこで大変なものを見てしまう。今、私の目の前には…悪魔がいる! ----- ---1時間前 「これより諸君には、己が世界の命運を賭けて殺し合ってもらう」 私には目の前の老人が何を言っているのか、すぐには理解出来ませんでした。 …世界の命運……殺し合い…何一つとして現実味を感じません。 ようやく理解出来たのは、それから間もなくのこと…弾けとんだ男性の首。吹き出す血潮。 まやかしではない…現実の死… 魔化魍に襲われたわけでもない…ただの悪意によって人の命が奪われた。 その事実が私の心に届いたとき、やっと老人の言葉が嘘ではないと理解することが出来ました。 「最後に生き残るのはどこの世界か――戦わなければ生き残れない。抗うがいい、仮面ライダーたちよ!」 頭上から迫り来る光の壁…それに飲み込まれた私は…その衝撃に意識を失いました… -----気がついたとき、私は見知らぬベッドの上にいました。 普段の生活とは無縁な、明らかに高級感漂う純白のベールをどけ、起き上がった私の目の前には…一人の紳士がいました。 「お目覚めになられましたか…」 「あの…ここは…?」 「B-6…ホテルの一室。これが会場の地図です」 高級なホテルが醸し出す雰囲気に、その紳士の佇まいは非常に良く馴染んでいました。 彼が手渡してくれた地図は、殺し合いの舞台であるこの会場の地図…やはり、あの老人の言葉は嘘ではなかった。 「いきなり殺し合いを強要されては戸惑い、気を失うのも無理はありません。よろしかったらお水をどうぞ」 「どうも…」 私の戸惑いはまだ醒めず、手渡されたペットボトルを開けることも出来ず…ただ目の前の紳士の顔を眺めていました。 「申し遅れました…私はスマートブレイン代表取締役社長、村上峡児と申します。この参加者名簿では上から4つめの世界の参加者として書かれていますね」 丁寧に名刺を渡しながら、参加者名簿の名前と照らし合わせて自己紹介をする姿勢、先ほどまでの親切な振る舞い…それらに私はとても好感を覚えました。 「失礼ですが…お嬢さん。あなたのお名前は?」 「あ…天美 あきらです…」 「成る程…6つ目の世界の方ですか。参加者が4人とは大変少ないですね…どなたかお知り合いはいらっしゃいますか?」 名簿に目を通した私は知り合いの名前を見つけ、喜びと戸惑いが激しく混ざり合いました。 イブキさんは…いない。 ヒビキさん、ザンキさんはこんな状況でもきっと大丈夫…鬼として、殺し合いに巻き込まれた人たちを助けているはず。 桐谷くんは…まだまだ、ただの一般人。こんな殺し合いにいてはいけない。 「3人とも…知り合いです。そのうちの2人はとても強く、しっかりとしている方たちですが……」 「助けが必要な方もいらっしゃる…?」 「…はい!」 私は鬼にはなれない…これまでの修行を通して、そう実感した。 でも…安達くんと桐谷くんには未来がある。彼らならきっと鬼になれる。 だから、桐谷くんをここで死なせるわけにはいかない…私は鬼にはなれないが、人を助けるという道は…決して鬼になるということだけではない。 「私は…正直、誰かを守るために十分な力はありません。でも…それでも困っている方々の助けになりたいと思います…村上さん、手伝っていただけませんか?」 「…素晴らしい! いや、お若いのに実に崇高な精神の持ち主だ…まさに上の上と言ったところです……ただし………」 村上さんの笑顔が消え、その顔に暗い影が落ちるのを…私ははっきりと見ました。 「ここが戦場であることを考慮に入れるならば…その精神は下の下です…!」 -----私、天美 あきらは突然殺し合いに参加させられました。見知らぬホテルで目を覚ました私はそこで大変なものを見てしまう。今、私の目の前には…悪魔がいる! ----- 「戦場では力なき者から消えていく…あなたが力なき者で…非常に残念です」 目の目の紳士は一転、それは…まるでベッドのシーツのような、純白の悪魔へと姿を変えました。 「村上さん……まさか、殺し合いに乗るんですか!?」 「いいえ、大ショッカーのいいなりになるなど下の下…以下です」 白い悪魔の拳が眼前に迫るのを、思わず屈んで避けると、私はもう使うことなどないと思っていた…鬼笛を手に取りました。 甲高くもどこか清らかな音が鳴り響くと、私のカバンから出てきたのはディスクアニマル…ニビイロヘビ。 「何ですか…これは…?」 細長い体をくねらせ、必死で食らいつきにいくニビイロヘビ。それに村上さんが気を取られている隙に、私は自分のカバンを取り、中身を確認しました。 先ほどディスクアニマルが出てきたカバンです。他にも、何かこの場を切り抜けられるものが入っていると信じて…… 「…煩わしい!」 村上さんはニビイロヘビをつかむと、苛立ちのあまりかそれを投げ捨てました。 窓ガラスを突き破って消えていくニビイロヘビを一瞥すると、村上さんは再びこちらに向かってきます。 「あなたの力は分かりました。どうです…? あのヘビを操る力について教えてくれませんか…? 共に大ショッカーと戦う力があるならば、ここで殺す必要もない。役立たずの下の下の命しか、私は奪うつもりはありませんから……」 「…お断りします!」 私は鬼笛を鳴らすと、それを額に翳す…完全な鬼にはなれないが…抗う力くらいならば…… 「ハァッ…!」 風を纏い、風を切り裂く…以前にも感じた鬼へと変わるこの感覚… 「ほぉ…まだそんな力も持っていたとは…どうです…? 共に戦う気はありませんか…?」 「簡単に…人の命を奪おうとする人の言うことなど…聞けません…」 「そうですか…実に、残念です」 村上さんの拳には、これまで以上の殺意がこもっていました。鬼としての修行で鍛えた反射神経…胴体視力…それらを総動員しても避けるのがやっと…… カバンから取り出した不格好な剣を持ってはみたものの、とても反撃する暇がありません。 「異世界の戦士の力…この程度ですか…」 そう言うと、彼の頭から飛びだしたのは…薔薇の花びら… 紙吹雪のように舞う無数の花びらが、私の体の周りで爆発していく。為す術も無く爆発に巻き込まれていく私の視界に入ったのは、青白く輝く村上さんの掌… そこから飛び出してきた光の球をまともに腹に受けた私は……そのまま、意識を失いました。 -----1時間前 -----私、村上峡児は怒りを感じていた。上の上たる自分に訳の分からない殺し合いを強要した大ショッカーに対して…----- B-6…ホテルの一室。 見るからに上の上たるスイートルーム。まさに私に相応しい部屋だ。ベッドに見知らぬ子供が寝ているのは気になるが……とりあえず、現状を整理しよう。 ここは殺し合いの場…異世界の住人を滅ぼさなければ、元の世界に帰れない…? だから、大ショッカーのいいなりになって殺しあう…? そんなの下の下以下の行動だ。 ならば、今後の方針は決まっている。大ショッカーを滅ぼす…それが上の上の選択。 戦力となる人材を集め、役立たずは始末する。 大ショッカーの言葉を信じるわけではないが、最終的に自分の世界だけが助かればいい。 他世界のお荷物まで面倒を見る必要はない。役に立たなければ消えればいい。 そして大ショッカーを滅ぼし、この世界から脱出する。 「そのためには…この首輪が邪魔ですね…」 名簿を確認するに、自分の知らぬ世界の住人が多数いる。 彼らから情報を集め、戦力を募り、目標を達成する…… まずは、支給品の確認…次に、目の前の少女から話を聞くとしますか。 ------そして、今に至る。 オルフェノクでも、ライダーズギアを使ったわけでもなく、変身してみせた彼女の力に興味はあるが、仲間になるつもりがないならば仕方がない。 「他愛もない…とどめです」 変身が解け、ベッドの上でうつ伏せになって倒れこむ裸の少女に手を翳す。 「女の子に乱暴するなんて、関心しないな…」 そのとき、背後から聞こえた声に私はとっさに振り向いた。 「何者です…?」 「女の子の味方…かな…?」 青いメッシュの入った髪に、あくまでもおしゃれを装ったような眼鏡。 まさに、今時の若い男といった風貌だ。 「ド…ドーパント…!? その娘から…離れなさい!!」 その傍らには、これまた若い娘…あの男の連れだろう。 そんなことよりも、第一に感じた疑問がある…… 「あなた…何故、この広いホテルで、私がここにいると分かったのです?」 「案内してもらったのさ…そこのヘビさんにね…」 男の指差したものは、先ほど投げ捨てたヘビのおもちゃ…成る程、主に仕える使いとしてはなかなか優秀だ。 「始めは何かの罠かとも思ったけど、他人の釣りを見極めてみるのも悪くないかと思ってね…でも、女の子が助けを呼んでいたとはね。来て正解だったわけだ」 男はそう言うとベルトを腰に巻き、こちらに歩み寄ってくる。 「良太郎くん…? そのベルトって…もしかして…私聞いてない…!!」 「亜樹子ちゃん、ここは僕に任せて。あの女の子をお願い…」 「…分かった。良太郎くんも気をつけて…!」 女は少女をシーツで包んで担ぎ上げると、一目散に部屋から出て行く。 そして、男がベルトのボタンを押すと何やら賑やかな音楽が流れ出した。 「…変身」 -----Rod form----- 黒いスーツを纏い、さらにその上から宙を舞った装甲が装着された男。 彼は長い棒状の武器を器用に組み立てると、こちらに向かって軽く手を伸ばす。 「お前…僕に釣られてみる?」 長い棒を室内の空間目一杯に振り回し、こちらを打ち据えてくる。 だが、こちらも上の上だるオルフェノク。幸い相手の力はファイズたちとさほど変わらない… この程度の攻撃ならばどうということはない。 もともと硬い装甲なのだ。まともに浴びても怖くない。 だが、いつまでも攻撃を浴びつづけるのも気にくわない。 落ち着いて一撃一撃を見切り、カウンターぎみに拳を一発叩き込むのみ。 正面から打ってきた…片手で竿を掴み、空いた片手でガラ空きの胴体を殴りつける。 横薙ぎに振るってきた…竿の進行方向に合わせてこちらも動く。そのまま相手の背後に回ってエルボーを叩き込む。 相手の体制が崩れた隙に追い討ちをかけるように背中を蹴り込む…! 「意外と硬いな…キンちゃん、交代…!」 ---ほい、来た! 任せんかい…! --- -----Axe form----- 再び、相手の装甲が宙を舞い、その姿を変えていく。それに合わせて手元の武器も長竿から斧へと変形されていく。 「俺の強さにお前が泣いた…!」 姿が変わったところで、先ほどと同じ戦士。その性能は推して知るべし。 余裕の姿勢を崩さずに立ち向かう…つもりだった。 「なに…!?」 急速に体から力が抜けていく…そして、オルフェノクの変身が解けていく… まさか…変身に対する制限…? これも大ショッカーの仕業か…!? 「ここは…一旦引かざるをえませんね…」 支給品の確認を済ませておいて正解だった。スーツのポケットから取り出したメモリを首輪へと差し込む。 ----バード----- 「成る程…これはいい…」 体中に染み渡るオルフェノクとはまた違った力…肉体の変質…高揚感さえ感じる…… 「待て、逃すかい……」 斧を持った戦士が向かってくるが、羽の一振りが発する風圧で弾き飛ばす。 実にいい…素晴らしい力だ……このまま飛び立つ…あの窓から…! 先ほどヘビを投げ捨てた窓から、今度は私自身が飛び立つ…素晴らしい… 私は今…空を飛んでいる……!! -----10分前 -----僕、野上良太郎は今日も不運の真っ只中です。殺し合いに巻き込まれた僕の足元にいたのは、1匹のヘビでした----- 「それじゃあ、亜樹子ちゃん。とりあえずどこか落ち着けるところに行こうか…まずは今後のことをゆっくりと考えてみないかい?」 「うん…そうだね。ごめんね、良太郎くん…私、いきなりこんなところ連れてこられたから、何か…自分でもどうしたらいいのか、よくわかんなくて…」 「こんな状況じゃ当然さ…さぁ、行こう…」 -----ウラタロス、どこに向かうの?----- 「女性と休憩する場所といったら決まってるでしょ、良太郎…」 -----それって…もしかして…----- 「あったあった。地図の通りだ…立派なホテルじゃない…亜樹子ちゃん、ここに入るよ…って、うわっ…!」 足元に違和感を感じて思わず転ぶ…流石良太郎。不運全開…… -----ウラタロス、何かが足にまとわりついてる!----- 「分かってる…何だこれ…?」 -----ヘビ…やな----- -----そう…みたいだね----- 「良太郎くん…大丈夫?」 「大丈夫だよ、亜樹子ちゃん。それより…あのヘビは?」 「ホテルの中に入っていったよ…」 -----ウラタロス、どうする?----- 「面白いじゃない…亜樹子ちゃん、あのヘビの後を追うよ…」 「え…ちょっと、良太郎くん!?」 ------そして、今に至る。 「なんや、けったいな奴やったな…やたらと気分良く空飛んでったで」 -----何か危ない感じだったね。ああいうのがいっぱいいるとなると気をつけないと----- -----そうだね…とりあえず、亜樹子さんたちのところに戻ろうか…----- 【1日目 日中】 【B-6 ホテル】 【鳴海亜樹子@仮面ライダーW】 【時間軸】番組後半 【状態】健康 【装備】ツッコミ用のスリッパ@仮面ライダーW 【道具】支給品一式、不明支給品(0~2) 【思考・状況】 1:風都のために戦うべきか、他の世界を守るべきか。結論が出せない。 2:知り合いと合流する。 3:良太郎のお笑い魂には関心。 4:良太郎くんが仮面ライダー? 私聞いてない! 【備考】 ※ 良太郎について、職業:芸人、憑依は芸と誤認しています。 【天美 あきら@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】 41話終了後 【状態】全裸 気絶中 全身に軽度の怪我 あきら変身体2時間変身不可 【装備】鬼笛@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、ニビイロヘビ@仮面ライダー響鬼、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト、不明支給品(0~1 確認済) 【思考・状況】 1:人を助けるため、自分に出来ることをやる。 2:知り合いと合流する。 【野上良太郎@仮面ライダー電王】 【時間軸】第38話終了後 【状態】頭痛 キンタロス憑依中 電王2時間変身不可 【装備】デンオウベルト&ライダーパス@仮面ライダー電王 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考・状況】 1:とりあえず、殺し合いには乗らない。 2:亜樹子、少女(あきら)と一緒に行動する。 3:モモタロス、リュウタロスを捜す。 4:殺し合いに乗っている人物に警戒 【備考】 ※ ハナが劇中で述べていた「イマジンによって破壊された世界」は「ライダーによって破壊された世界」ではないかと考えています。確証はしていません。 ※ キンタロス、ウラタロスが憑依しています。 【村上峡児@仮面ライダー555】 【時間軸】不明 少なくとも死亡前 【状態】健康  気分高揚 ローズオルフェノク2時間変身不可 バードドーパント変身中 【装備】なし 【道具】支給品一式、バードメモリ@仮面ライダーW 不明支給品×2(確認済み) 【思考・状況】 1:バードメモリの毒素で不安定。 |025:[[魔王 が 動き出す 日]]|投下順|027:[[Iは流れる/朽ち果てる]]| |025:[[魔王 が 動き出す 日]]|時系列順|032:[[カンタータ・オルビス]]| |004:[[Wアクション/二人の不幸重なるとき]]|[[鳴海亜樹子]]|033:[[そして、Xする思考]]| |&color(cyan){GAME START}|[[天美 あきら]]|033:[[そして、Xする思考]]| |004:[[Wアクション/二人の不幸重なるとき]]|[[野上良太郎]]|033:[[そして、Xする思考]]| |&color(cyan){GAME START}|[[村上峡児]]|033:[[そして、Xする思考]]| ----
*止まらないB/もえるホテル ◆N3gVt389NE -----私、天美 あきらは突然殺し合いに参加させられました。見知らぬホテルで目を覚ました私はそこで大変なものを見てしまう。今、私の目の前には…悪魔がいる! ----- ---1時間前 「これより諸君には、己が世界の命運を賭けて殺し合ってもらう」 私には目の前の老人が何を言っているのか、すぐには理解出来ませんでした。 …世界の命運……殺し合い…何一つとして現実味を感じません。 ようやく理解出来たのは、それから間もなくのこと…弾けとんだ男性の首。吹き出す血潮。 まやかしではない…現実の死… 魔化魍に襲われたわけでもない…ただの悪意によって人の命が奪われた。 その事実が私の心に届いたとき、やっと老人の言葉が嘘ではないと理解することが出来ました。 「最後に生き残るのはどこの世界か――戦わなければ生き残れない。抗うがいい、仮面ライダーたちよ!」 頭上から迫り来る光の壁…それに飲み込まれた私は…その衝撃に意識を失いました… -----気がついたとき、私は見知らぬベッドの上にいました。 普段の生活とは無縁な、明らかに高級感漂う純白のベールをどけ、起き上がった私の目の前には…一人の紳士がいました。 「お目覚めになられましたか…」 「あの…ここは…?」 「B-6…ホテルの一室。これが会場の地図です」 高級なホテルが醸し出す雰囲気に、その紳士の佇まいは非常に良く馴染んでいました。 彼が手渡してくれた地図は、殺し合いの舞台であるこの会場の地図…やはり、あの老人の言葉は嘘ではなかった。 「いきなり殺し合いを強要されては戸惑い、気を失うのも無理はありません。よろしかったらお水をどうぞ」 「どうも…」 私の戸惑いはまだ醒めず、手渡されたペットボトルを開けることも出来ず…ただ目の前の紳士の顔を眺めていました。 「申し遅れました…私はスマートブレイン代表取締役社長、村上峡児と申します。この参加者名簿では上から4つめの世界の参加者として書かれていますね」 丁寧に名刺を渡しながら、参加者名簿の名前と照らし合わせて自己紹介をする姿勢、先ほどまでの親切な振る舞い…それらに私はとても好感を覚えました。 「失礼ですが…お嬢さん。あなたのお名前は?」 「あ…天美 あきらです…」 「成る程…6つ目の世界の方ですか。参加者が4人とは大変少ないですね…どなたかお知り合いはいらっしゃいますか?」 名簿に目を通した私は知り合いの名前を見つけ、喜びと戸惑いが激しく混ざり合いました。 イブキさんは…いない。 ヒビキさん、ザンキさんはこんな状況でもきっと大丈夫…鬼として、殺し合いに巻き込まれた人たちを助けているはず。 桐谷くんは…まだまだ、ただの一般人。こんな殺し合いにいてはいけない。 「3人とも…知り合いです。そのうちの2人はとても強く、しっかりとしている方たちですが……」 「助けが必要な方もいらっしゃる…?」 「…はい!」 私は鬼にはなれない…これまでの修行を通して、そう実感した。 でも…安達くんと桐谷くんには未来がある。彼らならきっと鬼になれる。 だから、桐谷くんをここで死なせるわけにはいかない…私は鬼にはなれないが、人を助けるという道は…決して鬼になるということだけではない。 「私は…正直、誰かを守るために十分な力はありません。でも…それでも困っている方々の助けになりたいと思います…村上さん、手伝っていただけませんか?」 「…素晴らしい! いや、お若いのに実に崇高な精神の持ち主だ…まさに上の上と言ったところです……ただし………」 村上さんの笑顔が消え、その顔に暗い影が落ちるのを…私ははっきりと見ました。 「ここが戦場であることを考慮に入れるならば…その精神は下の下です…!」 -----私、天美 あきらは突然殺し合いに参加させられました。見知らぬホテルで目を覚ました私はそこで大変なものを見てしまう。今、私の目の前には…悪魔がいる! ----- 「戦場では力なき者から消えていく…あなたが力なき者で…非常に残念です」 目の目の紳士は一転、それは…まるでベッドのシーツのような、純白の悪魔へと姿を変えました。 「村上さん……まさか、殺し合いに乗るんですか!?」 「いいえ、大ショッカーのいいなりになるなど下の下…以下です」 白い悪魔の拳が眼前に迫るのを、思わず屈んで避けると、私はもう使うことなどないと思っていた…鬼笛を手に取りました。 甲高くもどこか清らかな音が鳴り響くと、私のカバンから出てきたのはディスクアニマル…ニビイロヘビ。 「何ですか…これは…?」 細長い体をくねらせ、必死で食らいつきにいくニビイロヘビ。それに村上さんが気を取られている隙に、私は自分のカバンを取り、中身を確認しました。 先ほどディスクアニマルが出てきたカバンです。他にも、何かこの場を切り抜けられるものが入っていると信じて…… 「…煩わしい!」 村上さんはニビイロヘビをつかむと、苛立ちのあまりかそれを投げ捨てました。 窓ガラスを突き破って消えていくニビイロヘビを一瞥すると、村上さんは再びこちらに向かってきます。 「あなたの力は分かりました。どうです…? あのヘビを操る力について教えてくれませんか…? 共に大ショッカーと戦う力があるならば、ここで殺す必要もない。役立たずの下の下の命しか、私は奪うつもりはありませんから……」 「…お断りします!」 私は鬼笛を鳴らすと、それを額に翳す…完全な鬼にはなれないが…抗う力くらいならば…… 「ハァッ…!」 風を纏い、風を切り裂く…以前にも感じた鬼へと変わるこの感覚… 「ほぉ…まだそんな力も持っていたとは…どうです…? 共に戦う気はありませんか…?」 「簡単に…人の命を奪おうとする人の言うことなど…聞けません…」 「そうですか…実に、残念です」 村上さんの拳には、これまで以上の殺意がこもっていました。鬼としての修行で鍛えた反射神経…胴体視力…それらを総動員しても避けるのがやっと…… カバンから取り出した不格好な剣を持ってはみたものの、とても反撃する暇がありません。 「異世界の戦士の力…この程度ですか…」 そう言うと、彼の頭から飛びだしたのは…薔薇の花びら… 紙吹雪のように舞う無数の花びらが、私の体の周りで爆発していく。為す術も無く爆発に巻き込まれていく私の視界に入ったのは、青白く輝く村上さんの掌… そこから飛び出してきた光の球をまともに腹に受けた私は……そのまま、意識を失いました。 -----1時間前 -----私、村上峡児は怒りを感じていた。上の上たる自分に訳の分からない殺し合いを強要した大ショッカーに対して…----- B-6…ホテルの一室。 見るからに上の上たるスイートルーム。まさに私に相応しい部屋だ。ベッドに見知らぬ子供が寝ているのは気になるが……とりあえず、現状を整理しよう。 ここは殺し合いの場…異世界の住人を滅ぼさなければ、元の世界に帰れない…? だから、大ショッカーのいいなりになって殺しあう…? そんなの下の下以下の行動だ。 ならば、今後の方針は決まっている。大ショッカーを滅ぼす…それが上の上の選択。 戦力となる人材を集め、役立たずは始末する。 大ショッカーの言葉を信じるわけではないが、最終的に自分の世界だけが助かればいい。 他世界のお荷物まで面倒を見る必要はない。役に立たなければ消えればいい。 そして大ショッカーを滅ぼし、この世界から脱出する。 「そのためには…この首輪が邪魔ですね…」 名簿を確認するに、自分の知らぬ世界の住人が多数いる。 彼らから情報を集め、戦力を募り、目標を達成する…… まずは、支給品の確認…次に、目の前の少女から話を聞くとしますか。 ------そして、今に至る。 オルフェノクでも、ライダーズギアを使ったわけでもなく、変身してみせた彼女の力に興味はあるが、仲間になるつもりがないならば仕方がない。 「他愛もない…とどめです」 変身が解け、ベッドの上でうつ伏せになって倒れこむ裸の少女に手を翳す。 「女の子に乱暴するなんて、関心しないな…」 そのとき、背後から聞こえた声に私はとっさに振り向いた。 「何者です…?」 「女の子の味方…かな…?」 青いメッシュの入った髪に、あくまでもおしゃれを装ったような眼鏡。 まさに、今時の若い男といった風貌だ。 「ド…ドーパント…!? その娘から…離れなさい!!」 その傍らには、これまた若い娘…あの男の連れだろう。 そんなことよりも、第一に感じた疑問がある…… 「あなた…何故、この広いホテルで、私がここにいると分かったのです?」 「案内してもらったのさ…そこのヘビさんにね…」 男の指差したものは、先ほど投げ捨てたヘビのおもちゃ…成る程、主に仕える使いとしてはなかなか優秀だ。 「始めは何かの罠かとも思ったけど、他人の釣りを見極めてみるのも悪くないかと思ってね…でも、女の子が助けを呼んでいたとはね。来て正解だったわけだ」 男はそう言うとベルトを腰に巻き、こちらに歩み寄ってくる。 「良太郎くん…? そのベルトって…もしかして…私聞いてない…!!」 「亜樹子ちゃん、ここは僕に任せて。あの女の子をお願い…」 「…分かった。良太郎くんも気をつけて…!」 女は少女をシーツで包んで担ぎ上げると、一目散に部屋から出て行く。 そして、男がベルトのボタンを押すと何やら賑やかな音楽が流れ出した。 「…変身」 -----Rod form----- 黒いスーツを纏い、さらにその上から宙を舞った装甲が装着された男。 彼は長い棒状の武器を器用に組み立てると、こちらに向かって軽く手を伸ばす。 「お前…僕に釣られてみる?」 長い棒を室内の空間目一杯に振り回し、こちらを打ち据えてくる。 だが、こちらも上の上だるオルフェノク。幸い相手の力はファイズたちとさほど変わらない… この程度の攻撃ならばどうということはない。 もともと硬い装甲なのだ。まともに浴びても怖くない。 だが、いつまでも攻撃を浴びつづけるのも気にくわない。 落ち着いて一撃一撃を見切り、カウンターぎみに拳を一発叩き込むのみ。 正面から打ってきた…片手で竿を掴み、空いた片手でガラ空きの胴体を殴りつける。 横薙ぎに振るってきた…竿の進行方向に合わせてこちらも動く。そのまま相手の背後に回ってエルボーを叩き込む。 相手の体制が崩れた隙に追い討ちをかけるように背中を蹴り込む…! 「意外と硬いな…キンちゃん、交代…!」 ---ほい、来た! 任せんかい…! --- -----Axe form----- 再び、相手の装甲が宙を舞い、その姿を変えていく。それに合わせて手元の武器も長竿から斧へと変形されていく。 「俺の強さにお前が泣いた…!」 姿が変わったところで、先ほどと同じ戦士。その性能は推して知るべし。 余裕の姿勢を崩さずに立ち向かう…つもりだった。 「なに…!?」 急速に体から力が抜けていく…そして、オルフェノクの変身が解けていく… まさか…変身に対する制限…? これも大ショッカーの仕業か…!? 「ここは…一旦引かざるをえませんね…」 支給品の確認を済ませておいて正解だった。スーツのポケットから取り出したメモリを首輪へと差し込む。 ----バード----- 「成る程…これはいい…」 体中に染み渡るオルフェノクとはまた違った力…肉体の変質…高揚感さえ感じる…… 「待て、逃すかい……」 斧を持った戦士が向かってくるが、羽の一振りが発する風圧で弾き飛ばす。 実にいい…素晴らしい力だ……このまま飛び立つ…あの窓から…! 先ほどヘビを投げ捨てた窓から、今度は私自身が飛び立つ…素晴らしい… 私は今…空を飛んでいる……!! -----10分前 -----僕、野上良太郎は今日も不運の真っ只中です。殺し合いに巻き込まれた僕の足元にいたのは、1匹のヘビでした----- 「それじゃあ、亜樹子ちゃん。とりあえずどこか落ち着けるところに行こうか…まずは今後のことをゆっくりと考えてみないかい?」 「うん…そうだね。ごめんね、良太郎くん…私、いきなりこんなところ連れてこられたから、何か…自分でもどうしたらいいのか、よくわかんなくて…」 「こんな状況じゃ当然さ…さぁ、行こう…」 -----ウラタロス、どこに向かうの?----- 「女性と休憩する場所といったら決まってるでしょ、良太郎…」 -----それって…もしかして…----- 「あったあった。地図の通りだ…立派なホテルじゃない…亜樹子ちゃん、ここに入るよ…って、うわっ…!」 足元に違和感を感じて思わず転ぶ…流石良太郎。不運全開…… -----ウラタロス、何かが足にまとわりついてる!----- 「分かってる…何だこれ…?」 -----ヘビ…やな----- -----そう…みたいだね----- 「良太郎くん…大丈夫?」 「大丈夫だよ、亜樹子ちゃん。それより…あのヘビは?」 「ホテルの中に入っていったよ…」 -----ウラタロス、どうする?----- 「面白いじゃない…亜樹子ちゃん、あのヘビの後を追うよ…」 「え…ちょっと、良太郎くん!?」 ------そして、今に至る。 「なんや、けったいな奴やったな…やたらと気分良く空飛んでったで」 -----何か危ない感じだったね。ああいうのがいっぱいいるとなると気をつけないと----- -----そうだね…とりあえず、亜樹子さんたちのところに戻ろうか…----- 【1日目 日中】 【B-6 ホテル】 【鳴海亜樹子@仮面ライダーW】 【時間軸】番組後半 【状態】健康 【装備】ツッコミ用のスリッパ@仮面ライダーW 【道具】支給品一式、不明支給品(0~2) 【思考・状況】 1:風都のために戦うべきか、他の世界を守るべきか。結論が出せない。 2:知り合いと合流する。 3:良太郎のお笑い魂には関心。 4:良太郎くんが仮面ライダー? 私聞いてない! 【備考】 ※ 良太郎について、職業:芸人、憑依は芸と誤認しています。 【天美 あきら@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】 41話終了後 【状態】全裸 気絶中 全身に軽度の怪我 あきら変身体2時間変身不可 【装備】鬼笛@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、ニビイロヘビ@仮面ライダー響鬼、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト、不明支給品(0~1 確認済) 【思考・状況】 1:人を助けるため、自分に出来ることをやる。 2:知り合いと合流する。 【野上良太郎@仮面ライダー電王】 【時間軸】第38話終了後 【状態】頭痛 キンタロス憑依中 電王2時間変身不可 【装備】デンオウベルト&ライダーパス@仮面ライダー電王 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考・状況】 1:とりあえず、殺し合いには乗らない。 2:亜樹子、少女(あきら)と一緒に行動する。 3:モモタロス、リュウタロスを捜す。 4:殺し合いに乗っている人物に警戒 【備考】 ※ ハナが劇中で述べていた「イマジンによって破壊された世界」は「ライダーによって破壊された世界」ではないかと考えています。確証はしていません。 ※ キンタロス、ウラタロスが憑依しています。 【村上峡児@仮面ライダー555】 【時間軸】不明 少なくとも死亡前 【状態】健康  気分高揚 ローズオルフェノク2時間変身不可 バードドーパント変身中 【装備】なし 【道具】支給品一式、バードメモリ@仮面ライダーW 不明支給品×2(確認済み) 【思考・状況】 1:バードメモリの毒素で不安定。 |025:[[魔王 が 動き出す 日]]|投下順|027:[[Iは流れる/朽ち果てる]]| |025:[[魔王 が 動き出す 日]]|時系列順|032:[[カンタータ・オルビス]]| |004:[[Wアクション/二人の不幸重なるとき]]|[[鳴海亜樹子]]|033:[[そして、Xする思考]]| |&color(cyan){GAME START}|[[天美あきら]]|033:[[そして、Xする思考]]| |004:[[Wアクション/二人の不幸重なるとき]]|[[野上良太郎]]|033:[[そして、Xする思考]]| |&color(cyan){GAME START}|[[村上峡児]]|033:[[そして、Xする思考]]| ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: