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*Rの定義/心に響く声 ◆LuuKRM2PEg 空より降り注ぐ輝きによって、辺りは暖かかった。 全ての生物が必要な、光という存在。 しかしそれを浴びても、道を歩く一組の男女は良い感情を抱かなかった。 とある民家で、つい先程出会った二人。 桐谷京介と間宮麗奈。 一見すると、年の離れた姉弟のように見える二人。 そんな中、麗奈の表情は恐怖に染まっていた。 彼女の脳裏に、ある光景が浮かんでいる為。 (化け物…………) 何度もフラッシュバックする、異形の姿。 蟹のシオマネキと似ている、白い化け物。 何故かは知らないが、よく知っている気がした。 まるで、運命共同体であるかのように。 ここではない何処かから、まるで自分のことを見つめているような気がする。 もしかしたら今も、何処かで監視しているかもしれない。 『間宮麗奈』 頭の中で、自分のことを呼ぶ声がする。 黒装束を纏った女が、自分を見つめていた。 その視線には、明確な殺意が感じられる。 『お前は―――の心を失った、処刑する』 人形のように、暖かみが感じられない言葉。 その瞬間、女は化け物へと変わっていく。 自分のことを殺すために。 何故、ただの声楽家である自分を襲うのか。 何故、只の人間である自分を襲うのか。 (…………人間?) 不意に、疑問が芽生える。 自分は本当に、人間なのか。 この世界に連れてこられる前の、記憶がないのに。 もしかしたら、自分のあの怪物と同じ存在。 (違う…………私は間宮麗奈、間宮麗奈という人間) 頭の中で、必死に連呼した。 自分は何処にでもいる、普通の人間であると。 劇団で歌を歌い、多くの歌劇を奏でてきた。 仲間達から、支えて貰いながら。 (麗奈さん) そして、そんな自分を支えてくれた大切な人。 風間大介。 風のように現れて、自分のことを守ってくれた。 その彼はここにはいない。 でも、あの人は自分を人間だと証明してくれている。 「あの、間宮さん……?」 耳に声が響いて、麗奈は顔を上げた。 見ると、その先には桐谷が怪訝な表情でこちらを見つめている。 「どうかしたんですか?」 「いえ、何でもないわ……」 麗奈はぎこちない笑みを浮かべながら、言葉を紡いだ。 このような年下の少年を、不安にさせないため。 彼女の意図を酌み取ったのか、桐谷も笑顔を浮かべる。 しかし彼は、麗奈が怯えていることが容易に読みとれた。 こんな戦場に放り込まれて、不安になるのは当然。 鬼としての修行を積んだ自分でも、怖くないと言えば嘘になる。 でも、怯えている場合じゃない。 (ここには、ヒビキさん達だっている…………俺がしっかりしないと) 大ショッカーという奴らに連れてこられたのは、自分だけではない。 配られた名簿には、知っている名前がいくつかあった。 自分や安達明日夢がヒビキと呼んでいる師匠、日高仁志。 イブキの弟子の少女、天美あきら。 二人が連れてこられたことに、桐谷は驚く。 そしてもう一つ、信じられない名前があったのだ。 財津原蔵王丸。 ザンキと呼ばれる彼もまた、鬼の一人だった。 響鬼の先輩であり、多くの人から尊敬を得ている。 しかし彼は、既に亡くなったはず。 もしかしたら、同名の他人か。 (…………いや、今はそんなことよりも、間宮さんを守らないと) 自分にそう言い聞かせながら、桐谷は周りに意識を向ける。 最初に連れてこられたホールには、魔化魍とよく似た化け物がいた。 そいつらが、この近くに彷徨いているかもしれない。 未熟な自分がどれだけやれるかは分からないが、麗奈だけは守ってみせる。 ヒビキさん達もきっと、同じ行動を取るはずだから。 「…………ん?」 麗奈の前を歩いていた桐谷は、声を漏らす。 目の前に、二人組の男性を見つけた為。 それぞれ炎のように赤いジャケットと、茶色のロングコートを身に纏っている。 どちらも自分より年上に見えた。 桐谷が声を掛けようとした途端、向こうと視界が合う。 どうやらあちらも自分達に、気づいたようだった。 恐らく、敵意はないと思われる。 そう判断した桐谷は、二人の方へ近づいた。 ◆ E-2地点の、とある民家。 そこでは、外で出会った四人が集まっていた。 『クウガの世界』より連れてこられた、一条薫。 『響鬼の世界』より連れてこられた、桐谷京介。 『カブトの世界』より連れてこられた、間宮麗奈。 『Wの世界』より連れてこられた、照井竜。 彼らは、互いの持つ情報を交換していた。 同じ世界に住む、知人達。 自分の世界にいる仮面ライダーと、人々に危害を加える怪人達。 そして互いに渡された支給品。 桐谷の話す情報を、一条と照井は受け取っていた。 しかし、怯えている麗奈からは、そういった情報はあまり得られていない。 最も、誰一人として聞くつもりはなかった。 精神が不安定な一般市民に、無理に話をさせてもどうにもならない。 怯えている麗奈を一条が落ち着かせている一方で、照井と桐谷は顔を合わせていた。 「つまり、君の世界では『鬼』と呼ばれる戦士が『仮面ライダー』…………なのか?」 「そうですね、ずっと昔から人を襲う『魔化魍』って化け物と戦っています」 「なるほどな……」 説明を受け止める。 そして照井は、これまでに得た『仮面ライダー』についての情報を、整理し始めた。 一条の住む世界では、人類に牙を向ける存在である『仮面ライダー』。 桐谷の住む世界では、古来より『魔化魍』から人々を守る『仮面ライダー』は『鬼』と呼ばれる。 そして、自分の住む世界では町を守るヒーローとされている『仮面ライダー』。 (…………やはり、定義はそれぞれの世界で違っているようだな) これまでの情報を元に、仮説を立てる。 最初の場所で、死神博士という老人は『仮面ライダー』が、世界を崩壊させる原因と言った。 その言葉の通り、一条の世界の『仮面ライダー』とは『未確認生命体』と呼ばれる怪人らしい。 だが、桐谷という少年の世界では『仮面ライダー』は、人々のために戦っている。 自分の世界とほぼ定義が近い。 これらの事実から推測するに、世界によって意味が違うのかもしれない。 ある世界では『仮面ライダー』は人類の味方でも、ある世界では『仮面ライダー』は人類の敵。 そしてまた別の世界では、更に違う意味合いを持つ可能性も否定できない。 恐らく、世界ごとで『仮面ライダー』の認識に、それぞれ食い違いがあるだろう。 (どうやら、この単語を出すのに細心の注意を払う必要があるな) 先程、一条は『仮面ライダー』を警戒しているような事を言っていた。 それと同じように、他の世界では『仮面ライダー』に悪い感情を持っている人物も、いるかもしれない。 最悪のケースとしては、この単語を聞いただけで一悶着を起こす者も出てくる可能性がある。 その可能性を危惧した照井は、ここにいる三人に告げた。 『仮面ライダー』の単語は、無闇に口にするべきではないと。 そして『仮面ライダー』に関する認識が、世界ごとに違う可能性も。 照井の提案を、三人は頷いた。 そこから、彼らは今後の行動方針を決める。 自分と同じ世界にいる知人との合流。 一条薫のパートナー、五代雄介。 桐谷京介と同じ志を持つ二人、日高仁志と天美あきら。 照井竜の知人である、左翔太郎とフィリップと鳴海亜紀子の三人。 特にフィリップは、この首輪を外すのに大いに力になるかもしれない。 そう、照井は語った。 「間宮さん、大丈夫ですか……?」 「え、ええ……大丈夫です」 一条は、麗奈の身体を支えながら口を開く。 同行していた桐谷が言うには、彼女は一部の記憶を失っているようだ。 そんな一般人まで、こんな殺し合いに駆り出される事実に、一条は憤りを感じる。 何故、彼女を連れてくる必要があるのか。 (まさか、少しでも『仮面ライダー』に関与しただけで、この戦いに関与させられてしまったのか?) 先程麗奈から聞いたことを、一条は思い返す。 奇妙な機械を使って、不気味な化け物と戦う戦士達。 それが彼女の世界の『仮面ライダー』なのかもしれないが、信頼に当たる人物なのかは判別がつかない。 照井の言葉通り、人類に牙を向ける存在である可能性も充分にある。 だが、そちらにばかり気を向けていられない。 麗奈の言っていた『仮面ライダー』が、必ずこの世界にいる訳でもないからだ。 楽観的に考えるつもりはないが、いるか分からない者の事を考えていても仕方がない。 まずは五代、そして照井や桐谷の知り合いと合流を目指して、大ショッカーを打倒するための策を練ることからだ。 それぞれ違う世界から連れてこられた四人は、行動を開始する。 ◆ 麗奈の脳裏に、浮かぶ光景。 それは始まりの地で、直面した悲劇だった。 大ショッカーによって、奪われた一つの命。 スーツを身に纏った、見知らぬ男性。 それでも、初めて見た気がしなかった。 まるで、何度も会った事がある気がする。 (あの人は一体…………?) 眠っている、ワームとしての本能が知っていたのだ。 影山瞬という人間を。 間宮麗奈という皮を被った、ウカワーム。 『カブトの世界』で人類を欺き続けた怪人、ワーム。 その本性を取り戻す時は来るのか。 誰にも分からない。 【1日目 午後】 【E-2 民家】 【全体事項】 ※四人の間で、情報交換が行われました(どの程度かは、後続の書き手さんにお任せします) 【一条薫@仮面ライダークウガ】 【時間軸】第46話 未確認生命体第46号(ゴ・ガドル・バ)撃破後 【状態】健康 【装備】AK-47 カラシニコフ(対オルフェノク用スパイラル弾入り)@仮面ライダー555 【道具】支給品一式、名護のボタンコレクション@仮面ライダーキバ、車の鍵@??? 【思考・状況】 1:照井、桐谷、麗奈と行動を共にする。 2:鍵に合う車を探す。 3:『仮面ライダー』には気をつける。一般人は他世界の人間であっても危害は加えない。 4:五代、桐谷や照井の知り合いと合流したい。 5:未確認への対抗が世界を破壊に導いてしまった……? 6:麗奈を保護する。 【備考】 ※ 『仮面ライダー』はグロンギのような存在のことだと誤認しています。 ※ 『オルフェノク』は『ある世界の仮面ライダー≒グロンギのような存在』だと思っています。 ※ 対オルフェノク用のスパイラル弾はオルフェノクにほぼ効きませんが、有効なものであると勘違いしいています。 ※ 『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 【照井竜@仮面ライダーW】 【時間軸】第20話終了あたり(初登場ごろ) 【状態】健康 【装備】アクセルドライバー&アクセルメモリ@仮面ライダーW 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考・状況】 1:一条、桐谷、麗奈と行動を共にする。 2:知り合いとの合流。 3:『仮面ライダー』が敵……? 【備考】 ※ 参戦時期が早いため、復讐心や他人に対する態度は安定していません。 ※ 『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 【間宮麗奈@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第40話終了後 【状態】健康 人間不信 ワームの記憶喪失 【装備】ファンガイアバスター@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式、デンカメンソード@仮面ライダー電王、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW 【思考・状況】 0:化け物……? 1:とりあえず一条、京介、照井についていく。 2:他人が怖い。 3:殺さなければ殺される……。 4:あの人(影山)は一体……? 【備考】 ※ウカワームの記憶を失っているため、現状では変身することができませんが、何かの拍子で思い出すかもしれません。 ※ 『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 【桐矢京介@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】最終回後 【状態】健康 【装備】変身音叉@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、不明支給品×0~2 【思考・状況】 1:人を守る。 2:麗奈を守る。 3:化け物(イマジン)が気になる。 4:一条、照井、麗奈と行動を共にする。 5:響鬼達との合流を目指す。 【備考】 ※名簿に書かれた『財津原蔵王丸』の事を、同名の他人だと思っています。 ※ 『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 |043:[[太陽と天候]]|投下順|045:[[亜樹子オン・ザ・ライ]]| |042:[[三様]]|時系列順|045:[[亜樹子オン・ザ・ライ]]| |001:[[ふたりのP/団結]]|[[一条薫]]|| |001:[[ふたりのP/団結]]|[[照井竜]]|| |021:[[差し伸べる手]]|[[間宮麗奈]]|| |021:[[差し伸べる手]]|[[桐矢京介]]|| ----
*Rの定義/心に響く声 ◆LuuKRM2PEg 空より降り注ぐ輝きによって、辺りは暖かかった。 全ての生物が必要な、光という存在。 しかしそれを浴びても、道を歩く一組の男女は良い感情を抱かなかった。 とある民家で、つい先程出会った二人。 桐谷京介と間宮麗奈。 一見すると、年の離れた姉弟のように見える二人。 そんな中、麗奈の表情は恐怖に染まっていた。 彼女の脳裏に、ある光景が浮かんでいる為。 (化け物…………) 何度もフラッシュバックする、異形の姿。 蟹のシオマネキと似ている、白い化け物。 何故かは知らないが、よく知っている気がした。 まるで、運命共同体であるかのように。 ここではない何処かから、まるで自分のことを見つめているような気がする。 もしかしたら今も、何処かで監視しているかもしれない。 『間宮麗奈』 頭の中で、自分のことを呼ぶ声がする。 黒装束を纏った女が、自分を見つめていた。 その視線には、明確な殺意が感じられる。 『お前は―――の心を失った、処刑する』 人形のように、暖かみが感じられない言葉。 その瞬間、女は化け物へと変わっていく。 自分のことを殺すために。 何故、ただの声楽家である自分を襲うのか。 何故、只の人間である自分を襲うのか。 (…………人間?) 不意に、疑問が芽生える。 自分は本当に、人間なのか。 この世界に連れてこられる前の、記憶がないのに。 もしかしたら、自分のあの怪物と同じ存在。 (違う…………私は間宮麗奈、間宮麗奈という人間) 頭の中で、必死に連呼した。 自分は何処にでもいる、普通の人間であると。 劇団で歌を歌い、多くの歌劇を奏でてきた。 仲間達から、支えて貰いながら。 (麗奈さん) そして、そんな自分を支えてくれた大切な人。 風間大介。 風のように現れて、自分のことを守ってくれた。 その彼はここにはいない。 でも、あの人は自分を人間だと証明してくれている。 「あの、間宮さん……?」 耳に声が響いて、麗奈は顔を上げた。 見ると、その先には桐谷が怪訝な表情でこちらを見つめている。 「どうかしたんですか?」 「いえ、何でもないわ……」 麗奈はぎこちない笑みを浮かべながら、言葉を紡いだ。 このような年下の少年を、不安にさせないため。 彼女の意図を酌み取ったのか、桐谷も笑顔を浮かべる。 しかし彼は、麗奈が怯えていることが容易に読みとれた。 こんな戦場に放り込まれて、不安になるのは当然。 鬼としての修行を積んだ自分でも、怖くないと言えば嘘になる。 でも、怯えている場合じゃない。 (ここには、ヒビキさん達だっている…………俺がしっかりしないと) 大ショッカーという奴らに連れてこられたのは、自分だけではない。 配られた名簿には、知っている名前がいくつかあった。 自分や安達明日夢がヒビキと呼んでいる師匠、日高仁志。 イブキの弟子の少女、天美あきら。 二人が連れてこられたことに、桐谷は驚く。 そしてもう一つ、信じられない名前があったのだ。 財津原蔵王丸。 ザンキと呼ばれる彼もまた、鬼の一人だった。 響鬼の先輩であり、多くの人から尊敬を得ている。 しかし彼は、既に亡くなったはず。 もしかしたら、同名の他人か。 (…………いや、今はそんなことよりも、間宮さんを守らないと) 自分にそう言い聞かせながら、桐谷は周りに意識を向ける。 最初に連れてこられたホールには、魔化魍とよく似た化け物がいた。 そいつらが、この近くに彷徨いているかもしれない。 未熟な自分がどれだけやれるかは分からないが、麗奈だけは守ってみせる。 ヒビキさん達もきっと、同じ行動を取るはずだから。 「…………ん?」 麗奈の前を歩いていた桐谷は、声を漏らす。 目の前に、二人組の男性を見つけた為。 それぞれ炎のように赤いジャケットと、茶色のロングコートを身に纏っている。 どちらも自分より年上に見えた。 桐谷が声を掛けようとした途端、向こうと視界が合う。 どうやらあちらも自分達に、気づいたようだった。 恐らく、敵意はないと思われる。 そう判断した桐谷は、二人の方へ近づいた。 ◆ E-2地点の、とある民家。 そこでは、外で出会った四人が集まっていた。 『クウガの世界』より連れてこられた、一条薫。 『響鬼の世界』より連れてこられた、桐谷京介。 『カブトの世界』より連れてこられた、間宮麗奈。 『Wの世界』より連れてこられた、照井竜。 彼らは、互いの持つ情報を交換していた。 同じ世界に住む、知人達。 自分の世界にいる仮面ライダーと、人々に危害を加える怪人達。 そして互いに渡された支給品。 桐谷の話す情報を、一条と照井は受け取っていた。 しかし、怯えている麗奈からは、そういった情報はあまり得られていない。 最も、誰一人として聞くつもりはなかった。 精神が不安定な一般市民に、無理に話をさせてもどうにもならない。 怯えている麗奈を一条が落ち着かせている一方で、照井と桐谷は顔を合わせていた。 「つまり、君の世界では『鬼』と呼ばれる戦士が『仮面ライダー』…………なのか?」 「そうですね、ずっと昔から人を襲う『魔化魍』って化け物と戦っています」 「なるほどな……」 説明を受け止める。 そして照井は、これまでに得た『仮面ライダー』についての情報を、整理し始めた。 一条の住む世界では、人類に牙を向ける存在である『仮面ライダー』。 桐谷の住む世界では、古来より『魔化魍』から人々を守る『仮面ライダー』は『鬼』と呼ばれる。 そして、自分の住む世界では町を守るヒーローとされている『仮面ライダー』。 (…………やはり、定義はそれぞれの世界で違っているようだな) これまでの情報を元に、仮説を立てる。 最初の場所で、死神博士という老人は『仮面ライダー』が、世界を崩壊させる原因と言った。 その言葉の通り、一条の世界の『仮面ライダー』とは『未確認生命体』と呼ばれる怪人らしい。 だが、桐谷という少年の世界では『仮面ライダー』は、人々のために戦っている。 自分の世界とほぼ定義が近い。 これらの事実から推測するに、世界によって意味が違うのかもしれない。 ある世界では『仮面ライダー』は人類の味方でも、ある世界では『仮面ライダー』は人類の敵。 そしてまた別の世界では、更に違う意味合いを持つ可能性も否定できない。 恐らく、世界ごとで『仮面ライダー』の認識に、それぞれ食い違いがあるだろう。 (どうやら、この単語を出すのに細心の注意を払う必要があるな) 先程、一条は『仮面ライダー』を警戒しているような事を言っていた。 それと同じように、他の世界では『仮面ライダー』に悪い感情を持っている人物も、いるかもしれない。 最悪のケースとしては、この単語を聞いただけで一悶着を起こす者も出てくる可能性がある。 その可能性を危惧した照井は、ここにいる三人に告げた。 『仮面ライダー』の単語は、無闇に口にするべきではないと。 そして『仮面ライダー』に関する認識が、世界ごとに違う可能性も。 照井の提案を、三人は頷いた。 そこから、彼らは今後の行動方針を決める。 自分と同じ世界にいる知人との合流。 一条薫のパートナー、五代雄介。 桐谷京介と同じ志を持つ二人、日高仁志と天美あきら。 照井竜の知人である、左翔太郎とフィリップと鳴海亜紀子の三人。 特にフィリップは、この首輪を外すのに大いに力になるかもしれない。 そう、照井は語った。 「間宮さん、大丈夫ですか……?」 「え、ええ……大丈夫です」 一条は、麗奈の身体を支えながら口を開く。 同行していた桐谷が言うには、彼女は一部の記憶を失っているようだ。 そんな一般人まで、こんな殺し合いに駆り出される事実に、一条は憤りを感じる。 何故、彼女を連れてくる必要があるのか。 (まさか、少しでも『仮面ライダー』に関与しただけで、この戦いに関与させられてしまったのか?) 先程麗奈から聞いたことを、一条は思い返す。 奇妙な機械を使って、不気味な化け物と戦う戦士達。 それが彼女の世界の『仮面ライダー』なのかもしれないが、信頼に当たる人物なのかは判別がつかない。 照井の言葉通り、人類に牙を向ける存在である可能性も充分にある。 だが、そちらにばかり気を向けていられない。 麗奈の言っていた『仮面ライダー』が、必ずこの世界にいる訳でもないからだ。 楽観的に考えるつもりはないが、いるか分からない者の事を考えていても仕方がない。 まずは五代、そして照井や桐谷の知り合いと合流を目指して、大ショッカーを打倒するための策を練ることからだ。 それぞれ違う世界から連れてこられた四人は、行動を開始する。 ◆ 麗奈の脳裏に、浮かぶ光景。 それは始まりの地で、直面した悲劇だった。 大ショッカーによって、奪われた一つの命。 スーツを身に纏った、見知らぬ男性。 それでも、初めて見た気がしなかった。 まるで、何度も会った事がある気がする。 (あの人は一体…………?) 眠っている、ワームとしての本能が知っていたのだ。 影山瞬という人間を。 間宮麗奈という皮を被った、ウカワーム。 『カブトの世界』で人類を欺き続けた怪人、ワーム。 その本性を取り戻す時は来るのか。 誰にも分からない。 【1日目 午後】 【E-2 民家】 【全体事項】 ※四人の間で、情報交換が行われました(どの程度かは、後続の書き手さんにお任せします) 【一条薫@仮面ライダークウガ】 【時間軸】第46話 未確認生命体第46号(ゴ・ガドル・バ)撃破後 【状態】健康 【装備】AK-47 カラシニコフ(対オルフェノク用スパイラル弾入り)@仮面ライダー555 【道具】支給品一式、名護のボタンコレクション@仮面ライダーキバ、車の鍵@??? 【思考・状況】 1:照井、桐谷、麗奈と行動を共にする。 2:鍵に合う車を探す。 3:『仮面ライダー』には気をつける。一般人は他世界の人間であっても危害は加えない。 4:五代、桐谷や照井の知り合いと合流したい。 5:未確認への対抗が世界を破壊に導いてしまった……? 6:麗奈を保護する。 【備考】 ※ 『仮面ライダー』はグロンギのような存在のことだと誤認しています。 ※ 『オルフェノク』は『ある世界の仮面ライダー≒グロンギのような存在』だと思っています。 ※ 対オルフェノク用のスパイラル弾はオルフェノクにほぼ効きませんが、有効なものであると勘違いしいています。 ※ 『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 【照井竜@仮面ライダーW】 【時間軸】第20話終了あたり(初登場ごろ) 【状態】健康 【装備】アクセルドライバー&アクセルメモリ@仮面ライダーW 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考・状況】 1:一条、桐谷、麗奈と行動を共にする。 2:知り合いとの合流。 3:『仮面ライダー』が敵……? 【備考】 ※ 参戦時期が早いため、復讐心や他人に対する態度は安定していません。 ※ 『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 【間宮麗奈@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第40話終了後 【状態】健康 人間不信 ワームの記憶喪失 【装備】ファンガイアバスター@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式、デンカメンソード@仮面ライダー電王、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW 【思考・状況】 0:化け物……? 1:とりあえず一条、京介、照井についていく。 2:他人が怖い。 3:殺さなければ殺される……。 4:あの人(影山)は一体……? 【備考】 ※ウカワームの記憶を失っているため、現状では変身することができませんが、何かの拍子で思い出すかもしれません。 ※ 『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 【桐矢京介@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】最終回後 【状態】健康 【装備】変身音叉@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、不明支給品×0~2 【思考・状況】 1:人を守る。 2:麗奈を守る。 3:化け物(イマジン)が気になる。 4:一条、照井、麗奈と行動を共にする。 5:響鬼達との合流を目指す。 【備考】 ※名簿に書かれた『財津原蔵王丸』の事を、同名の他人だと思っています。 ※ 『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 |043:[[太陽と天候]]|投下順|045:[[亜樹子オン・ザ・ライ]]| |042:[[三様]]|時系列順|045:[[亜樹子オン・ザ・ライ]]| |001:[[ふたりのP/団結]]|[[一条薫]]|053:[[強魔(前編)]]| |001:[[ふたりのP/団結]]|[[照井竜]]|053:[[強魔(前編)]]| |021:[[差し伸べる手]]|[[間宮麗奈]]|053:[[強魔(前編)]]| |021:[[差し伸べる手]]|[[桐矢京介]]|053:[[強魔(前編)]]| ----

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