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会食参加希望者達(後編)」(2018/10/16 (火) 21:53:55) の最新版変更点

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*会食参加希望者達(後編) ◆/kFsAq0Yi2  そんな牙の王に続く、人ならざる影が二つ。  一つは鏡の中に潜むデストワイルダー。このモンスターもまた、爆発の現場にいるのが自身の追い掛けていた獲物だと気づいていた。  牙王に気づかれないように、ひっそりと、ゆっくりと。彼のかつての主人だった東條のように、奇襲を仕掛けるタイミングを探りながら、デストワイルダーはヒビキの変身したギャレンによって傷つけられた身を物陰に隠しつつ、牙の王の開く会食の場へと誘われて行った……。  そして上空から牙王を観察し続ける黄金の昆虫型コア――コーカサスゼクターもまた、牙の王を追って激戦の跡地に向かおうとしていた。  そこで彼は気づく。自分達の目指す先に――同族の気配が存在することに……  時間は少しだけ巻き戻る――  今は亡き加賀美新の相棒・ガタックゼクターに導かれ、紅渡の相棒・キバットバットⅢ世は、大ショッカーの用意したバトルロワイヤル会場の空を飛び続けていた。  ファンガイアのキングを襲名し、自らの世界を護るためにマーダーへと堕ちつつある渡を救おうとしてくれた、加賀美の遺志を継ぐ者を探して。  今は別れた渡への不安と、長時間の飛行は、陽気なキバットから口数を奪っていた。  そうして彼らがD-2の市街地上空に到着した辺りで、ベルトを持ち飛んでいたガタックゼクターが前進をやめ、その場で滞空し始めた。 「――ここにいるのか?」  キバットの問いかけに、ガタックゼクターは答えない。そもそもガタックゼクターが渡を救おうとしてくれているというのも、キバットの勝手な妄想かも知れないのだが。  ガタックゼクターはキバットに答える代わりに、じっと地上を凝視している。キバットもそれに倣うと、先程までは聞こえなかった怒号や剣劇の音が耳に届く。視線を彷徨わせ、やがて三人の仮面ライダーと四体の怪人が争っているのを発見する。  いや、正確には、赤と銀の二人のライダーを、緑色のライダーが怪人を率いて襲撃している光景がキバットの大きな瞳に映った。 「あの野郎……っ!」  パタパタと滞空しながら、キバットは義憤に鋭い歯を食い縛る。  仮面ライダーは、本来は加賀美のように、皆のために戦うヒーローのはずなのに。  殺し合いに乗り、他の参加者を傷つける仮面ライダーの姿は、渡もやがてはこうなるのだとキバットに突きつけようとしているようであり、また、渡が誰かのために戦う本当の仮面ライダーを見て今の考えを改めてくれないかというキバットの希望を、あの亜樹子のように打ち砕こうとしているようでもあり、受け入れ難い眺めであった。  しかもその悪の仮面ライダーは、従える四体の怪人ともども強い。二人の仮面ライダーは一方的に痛めつけられていた。 「畜生……これじゃあ、嬲り殺しじゃねぇか!」  赤いライダーが、緑のライダーの持つ杖に激しく打ち据えられ、吹き飛ばされる。数回転がった彼の元へと銀色のライダーが駆け付けるも、その時には彼らは五体の敵によって完全に追い詰められていた。  キバットは自身の無力を憎む。キバの鎧を託す相棒もいない自分では彼らを救えるかはわからないし、渡を助けるまで死ぬわけにもいかない。それでもいっそ、飛び込むべきか――本気でキバットがそう考えた、まさに時だった。 「おおおおおりゃあああああぁぁぁぁぁぁ!」  突如として、戦場に響き渡る絶叫。それを耳にして、キバットは声の出所に目を向ける。  そこに現れたのは、赤と銀のライダーを飛び越え、炎を纏った跳び蹴りを緑のライダーに放つ赤い戦士。 昆虫のクワガタを模したような二本角、火炎のように赤く染まった瞳と全身、腰に輝くベルトを持った――仮面ライダーだった。 彼の蹴りは、相手を砕かんと一直線に進む。しかし、すんでの所で植物の怪人が動き、緑のライダーの盾になるように立つ。  結果、炎のキックは植物の怪人を吹き飛ばすだけに終わってしまった。  蹴りの反動で新たに現れた仮面ライダーは僅かに宙を舞って、地面に着地する。  そのまま、後ろを振り返って何事かを叫ぶと、仮面ライダーは五人の凶手に突撃した。  殺到する四体の怪人を、神速の勢いで捌き切る。歴戦の戦士としての圧倒的な力、それでいて誰かを守ろうとする優しさ。それら二つを感じさせる戦闘スタイルは、まさに―― ――皆の笑顔のために戦う、ヒーローのものだった。  その姿を初めて目にした時から、キバットの中に電撃のように衝撃が走り、それが今も続いていた。  何故かはわからない。だがこれは運命だと、どこかで感じる自分がいることにキバットは気づいていた。  蹴散らされた怪人達は既に姿を消し、対峙していた仮面ライダーと悪のライダーは互いに向けて勢い良く疾走し、同時に跳躍した。  赤い仮面ライダーの足に帯びた灼熱と、緑のライダーの両足から放たれる吹雪が互いに激突しながら、両者の距離が縮んでいく。  刹那、強大なエネルギー同士が空中で衝突。そこから両者は拮抗し、轟音と共に大量のエネルギーが周囲に拡散する。  しかしそれはほんの一瞬で、次の瞬間には凄まじい大爆発を起こした。圧倒的な爆風によって大気は揺らぎ、その衝撃がキバットとガタックゼクターを吹き飛ばそうとする。 「うおわぁあああああっ!?」  ウェザーの起こした突風にも負けない風圧に、再びキバットは遠くに吹き飛ばされそうになる。そのキバットの背後に回って、ガタックゼクターが必死に押し留めてくれる。  そうして巻き上げられた粉塵が晴れた時、そこには一人の男が倒れていた。  渡より少し年上ぐらいの、まだ若々しい雰囲気の青年。その姿を見ながら、キバットは問いをガタックゼクターに投げていた。 「あの兄ちゃん……なんだろ?」  キバットの言葉に、ガタックゼクターは頷きはしなった。  だが構わず、キバットはもう一度、確信を持って同じ問いを放っていた。 「あの兄ちゃんが……渡を救ってくれる、仮面ライダーなんだろっ!?」  理屈ではない直感が、キバットの中にあった。  あるいは別のキバの世界において、別世界の自分の相棒であった、人とファンガイアのハーフであるワタル少年の心を、あの青年――小野寺ユウスケが救ったことがあるのを、どこかで感じ取っているのかもしれない。  あるいはガタックゼクターも、どこかでその運命の鎖に導かれ、この場所へとキバットを誘ったのかもしれない。  また小野寺ユウスケは、二人目のガタックの有資格者であった剣崎一真と共に戦った、どこか天道総司を彷彿とさせる男・門矢士の相棒であり、そして本人もまた、加賀美新を連想させる人物であった。ガタックゼクターとも、ある意味因縁のある相手だと言えた。そして別世界の仮面ライダーキバを救ったことも含めると、この会場に集められた参加者の中でも次なるガタックの有資格者として最も適任であると考えられた。  それでもガタックゼクターは、ユウスケを資格者として完全に選んだわけではなかった。  理由は夕方、次なる資格者を探していたガタックゼクターがユウスケを見つけた直ぐ後のG-5の市街地で見た、あの黒い姿。  怒りと憎しみに支配され、究極の力を誇ったあの黒きクウガは、ガタックゼクターから見てもやはり恐ろしい存在だった。  どれだけ加賀美に似ていようと、また彼なら、加賀美が最期にやり遺した紅渡の救済をやり遂げてくれるだろうという運命的な直感があっても、参加者を虐殺したあの白い怪人を思わせる姿となったユウスケに対しガタックゼクターは一歩距離を置いて観察していた。故に、キバットの問いかけに頷くことができなかったというわけだ。  それでも眼前でたった今、ユウスケは、己の力で誰かを傷つける恐怖に負けずに、自分が救うことのできる誰かのために戦った。  強大な闇に負けずに自らの戦いを貫くその姿は、あの白い怪人より、かつてのガタックの有資格者達――加賀美新や剣崎一真を思い出させるものだった。 「ほら、行こうぜ!」  トレンチコートの男――ユウスケに救われたライダーが変身を解いたと思われる彼が、ユウスケを背負って移動し始めたのを見て、キバットがそうガタックゼクターを促す。 「待ってろよぉ、渡ぅー!」  そう言うや否や、地上に向けて降下し始めるキバットに一先ずは続こうとして――  ――背後から、こちらを見つめる視線を感じた。  ガタックゼクターは振り返り、虚空を睨むも、夜の闇に阻まれ何も目視できない。  ただそこに、自分と同じライダーシステムの、昆虫型ゼクターの気配を感じ取っていた。  だが今までに出会った覚えのない、ガタックゼクターの知らない謎のゼクター。  いったい、何者だというのか―― 「おーい、早くしろってぇ!」  目の前の希望に元気を取り戻したのか、先を行くキバットが陽気にそう声を掛けて来る。  ガタックゼクターは後ろ髪を引かれる思いでありながら、未知のゼクターの正体を解き明かすことを放棄し、キバットの後に続いた。  異なるカブトの世界から召喚された、二つのゼクター。  彼らがそれぞれ、自らの資格者たるに相応しいか見極めようとしている異世界の男達が接触するまで、残された時間はほんの僅か――  その邂逅が何をもたらすのか、その時はまだ、誰も知らなかった。 【1日目 夜中】 【D-2 市街地】 【牙王@仮面ライダー電王】 【時間軸】:死亡後 【状態】:疲労(小)、ダメージ(小)、苛立ち、強い興奮状態。 【装備】:ガオウベルト&マスターパス@仮面ライダー電王、ガイアメモリ(ホッパー) @仮面ライダーW、ライダーブレス(コーカサス)@劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED、マシンキバー@仮面ライダーキバ レンゲルバックル@仮面ライダー剣 【道具】支給品一式、首輪(キング)、ラウズカード(クラブA~10、ハート7~K、スペードの7,8,10~K)@仮面ライダー剣 【思考・状況】 基本行動方針:全ての参加者を喰らい、最後に大ショッカーも喰う。 1:赤いライダー(ユウスケ)の元に行き、戦う。 2:クウガ(ユウスケ)、ダグバ、ジョーカー(始)、渡、電王を喰らう。 3:変身が解除されたことによる、疑問。 4:最後に大ショッカーを喰らう際には、キング@仮面ライダー剣と優先的に戦う。 【備考】 ※コーカサスゼクターが牙王を認めているかは現状不明です。 ※スパイダーアンデッドによる精神支配を現状は受けていません。ですが、今後どうなるのかは後続の書き手さんにお任せします。 |083:[[会食参加希望者達(前編)]]|投下順|084:[[Round Zero ~Killing time]]| |083:[[会食参加希望者達(前編)]]|時系列順|086:[[This Love Never Ends♪音也の決意(前編)]]| |083:[[会食参加希望者達(前編)]]|[[牙王]]|093:[[君はあの人に似ている (前篇)]]| ----
*会食参加希望者達(後編) ◆/kFsAq0Yi2  そんな牙の王に続く、人ならざる影が二つ。  一つは鏡の中に潜むデストワイルダー。このモンスターもまた、爆発の現場にいるのが自身の追い掛けていた獲物だと気づいていた。  牙王に気づかれないように、ひっそりと、ゆっくりと。彼のかつての主人だった東條のように、奇襲を仕掛けるタイミングを探りながら、デストワイルダーはヒビキの変身したギャレンによって傷つけられた身を物陰に隠しつつ、牙の王の開く会食の場へと誘われて行った……。  そして上空から牙王を観察し続ける黄金の昆虫型コア――コーカサスゼクターもまた、牙の王を追って激戦の跡地に向かおうとしていた。  そこで彼は気づく。自分達の目指す先に――同族の気配が存在することに……  時間は少しだけ巻き戻る――  今は亡き加賀美新の相棒・ガタックゼクターに導かれ、紅渡の相棒・キバットバットⅢ世は、大ショッカーの用意したバトルロワイヤル会場の空を飛び続けていた。  ファンガイアのキングを襲名し、自らの世界を護るためにマーダーへと堕ちつつある渡を救おうとしてくれた、加賀美の遺志を継ぐ者を探して。  今は別れた渡への不安と、長時間の飛行は、陽気なキバットから口数を奪っていた。  そうして彼らがD-2の市街地上空に到着した辺りで、ベルトを持ち飛んでいたガタックゼクターが前進をやめ、その場で滞空し始めた。 「――ここにいるのか?」  キバットの問いかけに、ガタックゼクターは答えない。そもそもガタックゼクターが渡を救おうとしてくれているというのも、キバットの勝手な妄想かも知れないのだが。  ガタックゼクターはキバットに答える代わりに、じっと地上を凝視している。キバットもそれに倣うと、先程までは聞こえなかった怒号や剣劇の音が耳に届く。視線を彷徨わせ、やがて三人の仮面ライダーと四体の怪人が争っているのを発見する。  いや、正確には、赤と銀の二人のライダーを、緑色のライダーが怪人を率いて襲撃している光景がキバットの大きな瞳に映った。 「あの野郎……っ!」  パタパタと滞空しながら、キバットは義憤に鋭い歯を食い縛る。  仮面ライダーは、本来は加賀美のように、皆のために戦うヒーローのはずなのに。  殺し合いに乗り、他の参加者を傷つける仮面ライダーの姿は、渡もやがてはこうなるのだとキバットに突きつけようとしているようであり、また、渡が誰かのために戦う本当の仮面ライダーを見て今の考えを改めてくれないかというキバットの希望を、あの亜樹子のように打ち砕こうとしているようでもあり、受け入れ難い眺めであった。  しかもその悪の仮面ライダーは、従える四体の怪人ともども強い。二人の仮面ライダーは一方的に痛めつけられていた。 「畜生……これじゃあ、嬲り殺しじゃねぇか!」  赤いライダーが、緑のライダーの持つ杖に激しく打ち据えられ、吹き飛ばされる。数回転がった彼の元へと銀色のライダーが駆け付けるも、その時には彼らは五体の敵によって完全に追い詰められていた。  キバットは自身の無力を憎む。キバの鎧を託す相棒もいない自分では彼らを救えるかはわからないし、渡を助けるまで死ぬわけにもいかない。それでもいっそ、飛び込むべきか――本気でキバットがそう考えた、まさに時だった。 「おおおおおりゃあああああぁぁぁぁぁぁ!」  突如として、戦場に響き渡る絶叫。それを耳にして、キバットは声の出所に目を向ける。  そこに現れたのは、赤と銀のライダーを飛び越え、炎を纏った跳び蹴りを緑のライダーに放つ赤い戦士。 昆虫のクワガタを模したような二本角、火炎のように赤く染まった瞳と全身、腰に輝くベルトを持った――仮面ライダーだった。 彼の蹴りは、相手を砕かんと一直線に進む。しかし、すんでの所で植物の怪人が動き、緑のライダーの盾になるように立つ。  結果、炎のキックは植物の怪人を吹き飛ばすだけに終わってしまった。  蹴りの反動で新たに現れた仮面ライダーは僅かに宙を舞って、地面に着地する。  そのまま、後ろを振り返って何事かを叫ぶと、仮面ライダーは五人の凶手に突撃した。  殺到する四体の怪人を、神速の勢いで捌き切る。歴戦の戦士としての圧倒的な力、それでいて誰かを守ろうとする優しさ。それら二つを感じさせる戦闘スタイルは、まさに―― ――皆の笑顔のために戦う、ヒーローのものだった。  その姿を初めて目にした時から、キバットの中に電撃のように衝撃が走り、それが今も続いていた。  何故かはわからない。だがこれは運命だと、どこかで感じる自分がいることにキバットは気づいていた。  蹴散らされた怪人達は既に姿を消し、対峙していた仮面ライダーと悪のライダーは互いに向けて勢い良く疾走し、同時に跳躍した。  赤い仮面ライダーの足に帯びた灼熱と、緑のライダーの両足から放たれる吹雪が互いに激突しながら、両者の距離が縮んでいく。  刹那、強大なエネルギー同士が空中で衝突。そこから両者は拮抗し、轟音と共に大量のエネルギーが周囲に拡散する。  しかしそれはほんの一瞬で、次の瞬間には凄まじい大爆発を起こした。圧倒的な爆風によって大気は揺らぎ、その衝撃がキバットとガタックゼクターを吹き飛ばそうとする。 「うおわぁあああああっ!?」  ウェザーの起こした突風にも負けない風圧に、再びキバットは遠くに吹き飛ばされそうになる。そのキバットの背後に回って、ガタックゼクターが必死に押し留めてくれる。  そうして巻き上げられた粉塵が晴れた時、そこには一人の男が倒れていた。  渡より少し年上ぐらいの、まだ若々しい雰囲気の青年。その姿を見ながら、キバットは問いをガタックゼクターに投げていた。 「あの兄ちゃん……なんだろ?」  キバットの言葉に、ガタックゼクターは頷きはしなった。  だが構わず、キバットはもう一度、確信を持って同じ問いを放っていた。 「あの兄ちゃんが……渡を救ってくれる、仮面ライダーなんだろっ!?」  理屈ではない直感が、キバットの中にあった。  あるいは別のキバの世界において、別世界の自分の相棒であった、人とファンガイアのハーフであるワタル少年の心を、あの青年――小野寺ユウスケが救ったことがあるのを、どこかで感じ取っているのかもしれない。  あるいはガタックゼクターも、どこかでその運命の鎖に導かれ、この場所へとキバットを誘ったのかもしれない。  また小野寺ユウスケは、二人目のガタックの有資格者であった剣崎一真と共に戦った、どこか天道総司を彷彿とさせる男・門矢士の相棒であり、そして本人もまた、加賀美新を連想させる人物であった。ガタックゼクターとも、ある意味因縁のある相手だと言えた。そして別世界の仮面ライダーキバを救ったことも含めると、この会場に集められた参加者の中でも次なるガタックの有資格者として最も適任であると考えられた。  それでもガタックゼクターは、ユウスケを資格者として完全に選んだわけではなかった。  理由は夕方、次なる資格者を探していたガタックゼクターがユウスケを見つけた直ぐ後のG-5の市街地で見た、あの黒い姿。  怒りと憎しみに支配され、究極の力を誇ったあの黒きクウガは、ガタックゼクターから見てもやはり恐ろしい存在だった。  どれだけ加賀美に似ていようと、また彼なら、加賀美が最期にやり遺した紅渡の救済をやり遂げてくれるだろうという運命的な直感があっても、参加者を虐殺したあの白い怪人を思わせる姿となったユウスケに対しガタックゼクターは一歩距離を置いて観察していた。故に、キバットの問いかけに頷くことができなかったというわけだ。  それでも眼前でたった今、ユウスケは、己の力で誰かを傷つける恐怖に負けずに、自分が救うことのできる誰かのために戦った。  強大な闇に負けずに自らの戦いを貫くその姿は、あの白い怪人より、かつてのガタックの有資格者達――加賀美新や剣崎一真を思い出させるものだった。 「ほら、行こうぜ!」  トレンチコートの男――ユウスケに救われたライダーが変身を解いたと思われる彼が、ユウスケを背負って移動し始めたのを見て、キバットがそうガタックゼクターを促す。 「待ってろよぉ、渡ぅー!」  そう言うや否や、地上に向けて降下し始めるキバットに一先ずは続こうとして――  ――背後から、こちらを見つめる視線を感じた。  ガタックゼクターは振り返り、虚空を睨むも、夜の闇に阻まれ何も目視できない。  ただそこに、自分と同じライダーシステムの、昆虫型ゼクターの気配を感じ取っていた。  だが今までに出会った覚えのない、ガタックゼクターの知らない謎のゼクター。  いったい、何者だというのか―― 「おーい、早くしろってぇ!」  目の前の希望に元気を取り戻したのか、先を行くキバットが陽気にそう声を掛けて来る。  ガタックゼクターは後ろ髪を引かれる思いでありながら、未知のゼクターの正体を解き明かすことを放棄し、キバットの後に続いた。  異なるカブトの世界から召喚された、二つのゼクター。  彼らがそれぞれ、自らの資格者たるに相応しいか見極めようとしている異世界の男達が接触するまで、残された時間はほんの僅か――  その邂逅が何をもたらすのか、その時はまだ、誰も知らなかった。 【1日目 夜中】 【D-2 市街地】 【牙王@仮面ライダー電王】 【時間軸】:死亡後 【状態】:疲労(小)、ダメージ(小)、苛立ち、強い興奮状態。 【装備】:ガオウベルト&マスターパス@仮面ライダー電王、ガイアメモリ(ホッパー) @仮面ライダーW、ライダーブレス(コーカサス)@劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED、マシンキバー@仮面ライダーキバ レンゲルバックル@仮面ライダー剣 【道具】支給品一式、首輪(キング)、ラウズカード(クラブA~10、ハート7~K、スペードの7,8,10~K)@仮面ライダー剣 【思考・状況】 基本行動方針:全ての参加者を喰らい、最後に大ショッカーも喰う。 1:赤いライダー(ユウスケ)の元に行き、戦う。 2:クウガ(ユウスケ)、ダグバ、ジョーカー(始)、渡、電王を喰らう。 3:変身が解除されたことによる、疑問。 4:最後に大ショッカーを喰らう際には、キング@仮面ライダー剣と優先的に戦う。 【備考】 ※コーカサスゼクターが牙王を認めているかは現状不明です。 ※スパイダーアンデッドによる精神支配を現状は受けていません。ですが、今後どうなるのかは後続の書き手さんにお任せします。 |083:[[会食参加希望者達(前編)]]|投下順|084:[[Round Zero ~Killing time]]| |083:[[会食参加希望者達(前編)]]|時系列順|086:[[This Love Never Ends♪音也の決意(前編)]]| |083:[[会食参加希望者達(前編)]]|[[牙王]]|093:[[君はあの人に似ている (前篇)]]| #region |068:[[愚者の祭典への前奏曲(第三楽章)]]|[[キバットバットⅢ世]]|093:[[君はあの人に似ている(前篇)]]| #endregion ---- ----

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