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*防人(後篇)◆/kFsAq0Yi2  今の二人にできる最大最強の一撃・ディケイドエッジを繰り出した後、ディケイドは天にブレイドブレードを放り投げた。  軽く浮いた状態でブレイドブレードが、先の逆再生のように仮面ライダーブレイドの姿へと戻る。ただ胸部装甲だけは修復されたままだった。  着地したブレイドは、ディケイドに尋ねた。 「終わったんだな」 「――ああ、多分な」  適当な相槌のようにディケイドが答えると同時、三度目の恐怖が、彼らの全身を駆け巡る。 「――やはり見事だ。仮面ライダー達よ」  ディケイドエッジの余波により、コンクリートが割れて剥き出しになった大地を歩むのは、鍛え抜かれた肉体を覆う漆黒の外骨格と、黄金に輝くバックルを持った大柄な怪人。  ゴ・ガドル・バだった。  そのカブトムシを思わせる角は、Y字に別れた内の左先から断たれている。左胸から下腹部にかけて一直線に酷い裂傷が走り、左腕からも赤い血を零していた。ブレイドブレードを受けとめようとしたガドルの大剣は、半ばからへし折られている。  だがそれでも、ガドルは未だ倒れていなかった。 「楽しいな、仮面ライダーよ。心躍るぞ」  ガドルは仮面ライダーに惜しみない称賛を送りつつ、その身を金色に変えた。  ゴ・ガドル・バ電撃体。  持ち得る力を使い果たした二人の仮面ライダーは、ガドルの見せたさらなる力を前に、リアクションが遅れた。  その隙を、同じく限界の近いガドルは見逃さなかった。  電撃体となっても修復されていない左半身の裂傷から血を零しながら駆け出し、一歩ごとにその両足に電流が走る。  十分な助走を得て、ガドルは高く跳躍した。  ようやく驚愕を終え、何らかの対処を試みようとしているディケイドの方へ、ガドルは両足を向ける。  その巨躯が錐揉み回転を始め、両足から膨大な稲妻を撒き散らしながら、もはや回避の叶わぬ速度、迎撃しようとも防御不能の、恐るべきゼンゲビ・ギブブが世界の破壊者を砕かんと迫る。  その両足に捕えられる直前、ディケイドの前に立つ白銀の影があった。 「――おまえ……っ!」 「ハァァアアアアアアアアッ!」  ――Tackle――  アンデッドの力を解放、強力な突進攻撃を可能としたブレイドは、そのままガドルに飛び出した。  勝算があったわけではない。だが、正面から飛び込んで少しでも威力を相殺するしか、自分の背にしたディケイドを護る手段がないのだと、ブレイドは考えたのかもしれない。  ガドルの両足が、白銀の装甲を捉え、そして粉砕した。  修復された鎧が砕かれた時には、ブレイドは背後のディケイドを巻き込んで吹き飛んでいた。 「ぐぁっ!」  ブレイド越しに味わった衝撃でも、この威力。路面に叩きつけられながら、ディケイドは自らの盾になったブレイドを探す。  直ぐ脇に、既にブレイドの鎧はなく、生身を晒した葦原涼の姿を見つけた。  彼の額から流れる血を見た途端、ディケイドの心胆が凍え、同時に強い怒りが沸騰する。  がしゃんという音がなくとも、ディケイドはガドルの方を向いていただろう。  先の音は、その場に残されていたブレイバックルがガドルの足で踏まれた音だった。  それを自分に託して逝った剣崎一真の姿を思い出し、ディケイドはライドブッカーを手にする。 「う……っ」  だがそこで暴発しかけた彼を正気に戻したのは、涼の漏らした苦鳴だった。  両者揃って本来の力を引き出せなかったとはいえ、ブレイドとの二人掛かりで倒すことができなかった相手だ。それでもブレイドとの激突の際に傷口から裂いた血の華を見れば、相手も弱っていることは明白。この危険過ぎる相手を始末するチャンスを前に、本来ならディケイドに撤退などという選択肢はなかったかもしれない。  だが―― 『ブレイドの……仮面ライダーの力で……みんなを護ってくれ……』  脳裏に蘇ったのは、剣崎一真の、仮面ライダーブレイドの、最期の頼み。  どう見ても迅速な治療が必要な涼を置いて、勝てる保証のない相手へそれでも突貫するのが、彼の望みだろうか?  せめてこの場に仲間がもう一人いたならその選択もあるだろうが、今、涼の命を救えるのは、門矢士しかあり得なかった。 「一真……許せよ」  ディケイドはライドブッカーからカードを取り出し、ディケイドライバーへと投げた。  ――KAMENRIDE BLADE―― 「その姿は……」  ガドルが驚愕の声を漏らした時には、ディケイドの姿は変わっていた。  命ある限り、人を護るために戦う運命の戦士、仮面ライダーブレイドへと。  ディケイドブレイドはライドブッカーから次のカードを取り出し、ライドした。  ――ATACKRIDE MACH――  電子音が高々と響いた次の瞬間、マッハの名の通り高速移動に入ったディケイドブレイドは、息も絶え絶えな葦原涼と二人分のデイパックを抱えて全速離脱を開始した。  一真の願いは、敵を倒すことではなく、皆を護ること――  門矢士は、そのために彼から授かったブレイドの力を行使した。 「逃げる、か」  一体いくつ隠し玉があるのか。先程の白銀の戦士へ姿を変えたマゼンタの仮面ライダーにそう思いながら身構えたガドルだったが、予想に反して奴は逃げ出した。  最初に来たのは失望だった。こちらは先の一撃に残った力の殆どを費やした。今両の足で立てているのは、勝者として君臨するための意地に過ぎず。なおもこの戦士に隠された力があるとすれば、弱所として晒された傷のことを考えても、ガドルが倒される可能性は十分にあった。死闘を覚悟したというのに、奴は我が身惜しさに逃げ出したというのか。  だが、直ぐに否とガドルは首を振る。  仮面ライダーは、リントを護るために戦う戦士だ。  先程まで白銀の仮面ライダーに変身していた男は、ガドルのゼンゲビ・ビブブの直撃で瀕死の重傷。放送前に戦ったあの仮面ライダーの時とは違い、マゼンタの仮面ライダーが護らねばならないリントは自力では動けず、またそれを助ける仲間もいない。  ならば防人たる仮面ライダーの本懐に従えば、マゼンタの戦士の選択肢はガドルと雌雄を決することではなく、男を救うことしかなかったのだろう。そう納得した。  正義とは何なのか、グロンギであるガドルには理解できない。  だがそれが強き戦士の誇りであることは、彼らが教えてくれた。  放送前にガドルを破ったあの蛇の男のように、マゼンタの戦士もその誇りに従う真の仮面ライダーだと言うことなのだろう。  ただ自分の身が可愛くて逃げ出した腰抜けではない。そんな者に、こんな傷は付けられない。ガドルはそう、自らの左半身に走る裂傷に触れる。  実質的に自分をより追い詰めたのはあの蛇の男だが、ガドルの生涯でも最も深いだろうこの傷を与えたのはあの二人の仮面ライダーだ。  敬意を払うべき、強き戦士であることに間違いはない。  ゲゲルのスコアこそ得られなかったが、ガドルはこの闘争に充足感を覚えていた。  ガドルは一度射撃体になり、強化した五感で周辺に戦いの気配も、敵の存在も感知できなかったことを認めてから、変身を解いた。  ガドルはそこで膝を着く。  ダメージ故に、だけではない。足で押さえておいた、ブレイバックルを拾うため。 「仮面ライダーの力……か」  やむにやまれぬ状況になれば、身に纏うこともあるだろう。  だがガドルは、気高き正義の仮面ライダーの敵であることに、誇りを覚えている。  出来得るならば自分ではなく、使いこなせるだろう他の参加者に渡し、戦いたかった。  歩けるだけ回復した後、来た道を戻り、ガドルは戦いの前に発見していた、ある物の前に出る。  それは流線的な美しいフォルムをした、深いワインレッドの一台のバイク。  天の道を行き、総てを司る男の愛車、カブトエクステンダーだった。  その内回復するだろうが、さすがにこの重傷では長距離移動は厳しいだろう。そういう意味では、願ってもない拾い物だった。  マップ東側の二つの市街地は既に捜索し終えた。故にガドルは、マップ西側の一つしかない代わりに最も巨大な市街地に次の目的地を定めていた。  自らの誇りを満たす、さらなる強者との闘争を求めて。  正義に燃える仮面ライダー達と同じように、破壊のカリスマもまた、その歩みを止めはしなかった。 【1日目 夜】 【F-6 市街地】 【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】 【時間軸】第45話 クウガに勝利後 【状態】疲労(大)、ダメージ(極大)、左腕及び左上半身に酷い裂傷、怪人態に1時間50分変身不可、アームズドーパントに50分変身不可、少しだけ満足 【装備】ガイアメモリ(アームズ)@仮面ライダーW 、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式、ガイアメモリ(メタル)@仮面ライダーW 、ブレイバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(スペードA~6.9)@仮面ライダー剣 【思考・状況】 基本行動方針:ゲゲルを続行し、最終的にはダグバを倒す。 1:強い「仮面ライダー」及びリントに興味。 2:タツロットの言っていた紅渡、紅音也、名護啓介、キングに興味。 3:蛇の男は、真の仮面ライダー。彼のような男に勝たねばならない。 4:仮面ライダーの「正義」という戦士の心に敬意を払う。 5:仮面ライダーの力(ブレイバックル)は、自分では使わず他の参加者に渡して戦いたい。 6:ゲゲルが完了したらキング(@仮面ライダー剣)を制裁する。 【備考】 ※変身制限がだいたい10分であると気付きました。 ※『キバの世界』の情報を、大まかに把握しました。 ※ガドルとタツロットは互いに情報交換しました。 ※タツロットはガドルの事を『自分を鍛えるために戦う男』と勘違いしています。 ※また、ガドルが殺し合いに乗っている事に気づいていません。 ※海堂直也のような男を真の仮面ライダーなのだと認識しました。  ディケイドブレイドはマッハの効果が切れた後も、必死に走っていた。  涼への負担を考えればもっとゆっくり走るべきなのかもしれない。だがあの恐るべき敵から涼を遠ざけるためにも、一刻も早い治療を施すためにも、急ぐ必要があった。 「……本当に何だったんだ、あのグロンギは」  ほんの一分前まで戦っていた恐るべき怪人について、ディケイドは考える。  クウガの世界において最も強い力を持つ者は、究極の闇だと思っていた。だがこれまでの旅で戦って来たそれらを、あの怪人は凌駕しかねない力を持っていた。  この地に来て最初に戦った牙の意匠を持った仮面ライダーと言い、全ての仮面ライダーを破壊したはずの自分が及ばぬ実力を持つ者が、この会場には集められている。  無論、この会場ではこれまでに集めた仮面ライダー達の力が失われ、自身が弱体化していることも一つの要因なのだろうが……  彼らは知らない。互いの知る究極の闇が異なることを。  また、グロンギにおいてもそれに最も近き位置に立つガドルに比べると、通りすがっただけの士はその真髄の深さを知らない。  不完全な復活に加えて、力を行使する意思の伴わなかったン・ガミオ・ゼダ。この地でユウスケがそうなったように、装着者の意思を介してアマダムが覚醒し究極に至ったものではなく、キバーラの魔皇力によって姿と力の一部を引き出しただけで、ユウスケの意識が残ったこれまた不完全な変化だったアルティメットクウガ。士が出会って来た究極の闇とは、所詮はその一端に過ぎなかったのである。  また、アルティメットクウガと戦った激情態に比べ今のディケイドはスペックで劣り、ブレイド以外のライダーの力を失ったことに加えて、かつて二度に渡り組織を壊滅させた力を恐れた大ショッカーによる制限。それらによって今現在の己の力を見誤ったことが、相対的にガドルをより恐ろしい相手だと士に感じさせていたのだ。  だがそれよりも、士の関心を引く事柄があった。 「ダグバ……か」  究極の闇を口に出した時、ガドルはダグバを知っているのかと尋ねて来た。  ダグバ。それがガドルの居たクウガの世界の、究極の闇を齎す者。  その名前に強く惹かれていることに、ディケイド自身戸惑っていた。 (世界を滅ぼす者同士、シンパシーを感じているってことか?)  かつてクウガの世界で出会ったガミオもそう言えば、ディケイドに対してそういう感情を抱いているように見えた。 (バカバカしい。俺は世界の滅びを破壊する、仮面ライダーだ――そうだろ、一真、夏海?)  そう、自分は仮面ライダーとして生きることを彼らに誓ったのだ。  涼を抱いて走りながら、ディケイドは心中で一真に詫びる。 (すまない、一真。俺のせいでブレイバックルが悪に奪われた)  あの時マッハで仕掛ければ、あるいはバックルを取り戻すことはできたかもしれない。  だがその後に、涼を連れて逃げ切れるとは思えなかった。故にディケイドは、一真から託されたブレイバックルを諦めて、涼の命を優先した。  だからこそ、絶対に涼の命だけは救わなければならない。  二兎を諦め、一兎だけに絞ったのだ。これで二兎共得ずでは、笑い話にもなりはしない。 (だが、俺は必ずこの男を救う。そしてブレイドの力を取り戻す。だから、信じていてくれ)  そう新たな誓いを立てながら、ブレイドの姿でディケイドは駆ける。 「――ブレイドッ!?」  その時だった。T字路の前方から、二人の男が現れたのは。  まずい。もし殺し合いに乗っている奴らだったら…… 「おまえが剣崎を殺した奴かぁっ!」  ディケイドこそ一真を殺し、ブレイバックルを奪ったと犯人と勘違いしたのだろう。男の一人がベルトを腰に巻き、もう一人の制止を振り切り変身しようとする。  そのベルトがギャレンバックルであることに、ディケイドは気づいていた。  彼にもディケイドと同じぐらい冷静な観察眼があれば、このブレイドのバックルが違うことによる違和感に気づけただろうに。 「変身!」  男はレバーを引く。だが、何も起こらなかった。 「変わら……ない」  ディケイドは知る由もないが、目の前の男――橘朔也がギャレンに変身したのは、午後5時を回ったちょうどその時。  現在時刻は、未だ7時に届いていない。それ故に制限が掛かっていたのだ。  同時に、ディケイドも10分の変身限界時間を迎える。  ディケイドの鎧が分解され、急激に重みを増した涼の身体を抱えながら、士は口を開いていた。 「仮面ライダーギャレン……橘朔也か」  かつて訪れたブレイドの世界で、ギャレンに変身していた菱形サクヤと同じ名前を持つ男。剣崎一真との位置関係からも、恐らく彼がギャレンだろうと士は頭に入れておいた。 「貴様、その人をどうするつもりだっ!?」 「落ち着け橘! この青年くんが殺し合いに乗ってる証拠なんてないのに、らしくないぞ!?」  後ろの男が涼を指差して叫ぶ橘を制止する。士はそんな彼らに短く、「退いてくれ」と告げた。 「こいつを病院に連れて行く。急いで治療しないと手遅れになるかもしれない」  つい先程の誓いを思い出し、強い意志を持って告げる士の様子に、殺し合いに乗っていないことを悟ってくれたのか……橘は落ち着きを取り戻したようだった。 「あ……すまない、失礼なことをした。だが何故君はブレイドに……?」 「一真の死に際に立ち会った。俺も、あいつの仲間だと言うならあんたと話がしたい」 「そりゃ良い話じゃないか、橘。俺達も病院を目指していたんだからな」  もう一人の男がそう賛成し、橘に言う。士はその二人を置いて、可能な限り急ぎながらも慎重に移動する。 「だがまずはこいつの治療が先だ。構わないな?」  どこか尊大な士の態度にも、勘違いから攻撃しようとした罪悪感からか橘は特に反発せず頷く。後ろの男も、元からそういう人柄なのだろう、さして気にした様子はなかった。  一真の仲間であることから半ば予想していたが、彼らも殺し合いには乗っていないらしい。変身手段を使い果たしたこと以上に、涼のために戦いを避けなければならなかった士にとっては僥倖だった。  こうして、殺し合いを打倒せんとする傷だらけの仮面ライダー達が四人、揃った。  彼らが病院に向けて、歩み始めたところで――  ――東京タワー倒壊を知らせる轟音が、彼らの耳に届いた。 【1日目 夜】 【E-5 道路】 【門矢士@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】MOVIE大戦終了後 【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、決意、仮面ライダーディケイドに2時間変身不可 【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド 【道具】支給品一式×2、不明支給品×2、ガイアメモリ(ヒート)@仮面ライダーW、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、ライダーカード(G3)@仮面ライダーディケイド 【思考・状況】 基本行動方針:大ショッカーは、俺が潰す! 1:葦原涼を救う。 2:仲間との合流。 3:友好的な仮面ライダーと協力する。 4:橘ともう一人の男(ヒビキ)と共に病院に向かい、情報交換を行う。 5:東京タワーが…… 6:ガドルから必ずブレイバックルを取り戻す。 7:「ダグバ」に強い関心。 【備考】 ※現在、ライダーカードはディケイド、ブレイドの物以外、力を使う事が出来ません。 ※該当するライダーと出会い、互いに信頼を得ればカードは力を取り戻します。 ※ライダーカード(G3)はディエンド用です。 ※葦原涼がギルスである事は、大体わかりました。 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】疲労(大)、ダメージ(中)、全身に中程度の火傷、罪悪感、クウガとダグバに対する恐怖、仮面ライダーギャレンに10分変身不可 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×3、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードはついてません)@仮面ライダーカブト、ファイズポインター&カイザポインター@仮面ライダー555、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:今は病院に行って、怪我を治す。 2:とにかく首輪を解除するため、『ガイアメモリのある世界』の人間と接触する。 3:目の前の青年(門矢士)と情報交換。 4:小野寺が心配。 5:キング(@仮面ライダー剣)は自分が封印する。 6:東京タワーが……。 7:殺し合いで勝たなければ自分たちの世界が滅びる……。 【備考】 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※ガイアメモリが全員に支給されていると勘違いしています。 【日高仁志@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】本編第41話終了後 【状態】疲労(中)、ダメージ(中)、全身に中程度の火傷、罪悪感、仮面ライダー響鬼に10分変身不可、仮面ライダーギャレンに1時間変身不可 【装備】変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、着替え(残り1着) 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:今は病院に行って、怪我を治す。 2:打倒大ショッカー 3:殺し合いはさせない 4:大ショッカー、ガイアメモリを知る世界、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触 5:目の前の青年(門矢士)と情報交換。 6:小野寺を心配。 7:東京タワーが…… 。 8:小沢さんに会ったら、北條(名前を知らない)からの遺言を伝える。 【備考】 ※アギトの世界についての基本的な情報を得ました。アギト世界での『第四号』関連の情報を得ました。 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※ガイアメモリが全員に支給されていると勘違いしています。 ※ガイアメモリは自分にも支給されていたが、知らない間にどこかに落としてしまったと勘違いしています。 【葦原涼@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編36話終了後 【状態】疲労(大)、ダメージ(極大)、背中に火傷、胸元に大ダメージ、仮面ライダーギルスに50分変身不可、仮面ライダーブレイドに1時間57分変身不可 、気絶中 【装備】なし 【道具】支給品一式、不明支給品×2(確認済) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いに乗ってる奴らはブッ潰す! 0:俺が俺である意味を見付けたい。 1:……(気絶中) 2:人を護る。 3:亜樹子を止める。 4:あきらや良太郎の下に戻ったら、一緒に行動する 5:鉛色と深緑の怪人、白い鎧の戦士を警戒 6:制限とは何だ……? 【全体事項】 ※F-6エリア 市街地が戦いの余波によって、半壊しました。 |087:[[防人(中編)]]|投下順|088:[[太陽は闇に葬られん(前編)]]| |087:[[防人(中編)]]|時系列順|089:[[肩の荷は未だ降りず]]| |087:[[防人(中編)]]|[[ゴ・ガドル・バ]]|091:[[献上]]| |087:[[防人(中編)]]|[[葦原涼]]|098:[[新たなる思い]]| |087:[[防人(中編)]]|[[橘朔也]]|098:[[新たなる思い]]| |087:[[防人(中編)]]|[[日高仁志]]|098:[[新たなる思い]]| |087:[[防人(中編)]]|[[門矢士]]|098:[[新たなる思い]]| ----
*防人(後篇)◆/kFsAq0Yi2  今の二人にできる最大最強の一撃・ディケイドエッジを繰り出した後、ディケイドは天にブレイドブレードを放り投げた。  軽く浮いた状態でブレイドブレードが、先の逆再生のように仮面ライダーブレイドの姿へと戻る。ただ胸部装甲だけは修復されたままだった。  着地したブレイドは、ディケイドに尋ねた。 「終わったんだな」 「――ああ、多分な」  適当な相槌のようにディケイドが答えると同時、三度目の恐怖が、彼らの全身を駆け巡る。 「――やはり見事だ。仮面ライダー達よ」  ディケイドエッジの余波により、コンクリートが割れて剥き出しになった大地を歩むのは、鍛え抜かれた肉体を覆う漆黒の外骨格と、黄金に輝くバックルを持った大柄な怪人。  ゴ・ガドル・バだった。  そのカブトムシを思わせる角は、Y字に別れた内の左先から断たれている。左胸から下腹部にかけて一直線に酷い裂傷が走り、左腕からも赤い血を零していた。ブレイドブレードを受けとめようとしたガドルの大剣は、半ばからへし折られている。  だがそれでも、ガドルは未だ倒れていなかった。 「楽しいな、仮面ライダーよ。心躍るぞ」  ガドルは仮面ライダーに惜しみない称賛を送りつつ、その身を金色に変えた。  ゴ・ガドル・バ電撃体。  持ち得る力を使い果たした二人の仮面ライダーは、ガドルの見せたさらなる力を前に、リアクションが遅れた。  その隙を、同じく限界の近いガドルは見逃さなかった。  電撃体となっても修復されていない左半身の裂傷から血を零しながら駆け出し、一歩ごとにその両足に電流が走る。  十分な助走を得て、ガドルは高く跳躍した。  ようやく驚愕を終え、何らかの対処を試みようとしているディケイドの方へ、ガドルは両足を向ける。  その巨躯が錐揉み回転を始め、両足から膨大な稲妻を撒き散らしながら、もはや回避の叶わぬ速度、迎撃しようとも防御不能の、恐るべきゼンゲビ・ビブブが世界の破壊者を砕かんと迫る。  その両足に捕えられる直前、ディケイドの前に立つ白銀の影があった。 「――おまえ……っ!」 「ハァァアアアアアアアアッ!」  ――Tackle――  アンデッドの力を解放、強力な突進攻撃を可能としたブレイドは、そのままガドルに飛び出した。  勝算があったわけではない。だが、正面から飛び込んで少しでも威力を相殺するしか、自分の背にしたディケイドを護る手段がないのだと、ブレイドは考えたのかもしれない。  ガドルの両足が、白銀の装甲を捉え、そして粉砕した。  修復された鎧が砕かれた時には、ブレイドは背後のディケイドを巻き込んで吹き飛んでいた。 「ぐぁっ!」  ブレイド越しに味わった衝撃でも、この威力。路面に叩きつけられながら、ディケイドは自らの盾になったブレイドを探す。  直ぐ脇に、既にブレイドの鎧はなく、生身を晒した葦原涼の姿を見つけた。  彼の額から流れる血を見た途端、ディケイドの心胆が凍え、同時に強い怒りが沸騰する。  がしゃんという音がなくとも、ディケイドはガドルの方を向いていただろう。  先の音は、その場に残されていたブレイバックルがガドルの足で踏まれた音だった。  それを自分に託して逝った剣崎一真の姿を思い出し、ディケイドはライドブッカーを手にする。 「う……っ」  だがそこで暴発しかけた彼を正気に戻したのは、涼の漏らした苦鳴だった。  両者揃って本来の力を引き出せなかったとはいえ、ブレイドとの二人掛かりで倒すことができなかった相手だ。それでもブレイドとの激突の際に傷口から裂いた血の華を見れば、相手も弱っていることは明白。この危険過ぎる相手を始末するチャンスを前に、本来ならディケイドに撤退などという選択肢はなかったかもしれない。  だが―― 『ブレイドの……仮面ライダーの力で……みんなを護ってくれ……』  脳裏に蘇ったのは、剣崎一真の、仮面ライダーブレイドの、最期の頼み。  どう見ても迅速な治療が必要な涼を置いて、勝てる保証のない相手へそれでも突貫するのが、彼の望みだろうか?  せめてこの場に仲間がもう一人いたならその選択もあるだろうが、今、涼の命を救えるのは、門矢士しかあり得なかった。 「一真……許せよ」  ディケイドはライドブッカーからカードを取り出し、ディケイドライバーへと投げた。  ――KAMENRIDE BLADE―― 「その姿は……」  ガドルが驚愕の声を漏らした時には、ディケイドの姿は変わっていた。  命ある限り、人を護るために戦う運命の戦士、仮面ライダーブレイドへと。  ディケイドブレイドはライドブッカーから次のカードを取り出し、ライドした。  ――ATACKRIDE MACH――  電子音が高々と響いた次の瞬間、マッハの名の通り高速移動に入ったディケイドブレイドは、息も絶え絶えな葦原涼と二人分のデイパックを抱えて全速離脱を開始した。  一真の願いは、敵を倒すことではなく、皆を護ること――  門矢士は、そのために彼から授かったブレイドの力を行使した。 「逃げる、か」  一体いくつ隠し玉があるのか。先程の白銀の戦士へ姿を変えたマゼンタの仮面ライダーにそう思いながら身構えたガドルだったが、予想に反して奴は逃げ出した。  最初に来たのは失望だった。こちらは先の一撃に残った力の殆どを費やした。今両の足で立てているのは、勝者として君臨するための意地に過ぎず。なおもこの戦士に隠された力があるとすれば、弱所として晒された傷のことを考えても、ガドルが倒される可能性は十分にあった。死闘を覚悟したというのに、奴は我が身惜しさに逃げ出したというのか。  だが、直ぐに否とガドルは首を振る。  仮面ライダーは、リントを護るために戦う戦士だ。  先程まで白銀の仮面ライダーに変身していた男は、ガドルのゼンゲビ・ビブブの直撃で瀕死の重傷。放送前に戦ったあの仮面ライダーの時とは違い、マゼンタの仮面ライダーが護らねばならないリントは自力では動けず、またそれを助ける仲間もいない。  ならば防人たる仮面ライダーの本懐に従えば、マゼンタの戦士の選択肢はガドルと雌雄を決することではなく、男を救うことしかなかったのだろう。そう納得した。  正義とは何なのか、グロンギであるガドルには理解できない。  だがそれが強き戦士の誇りであることは、彼らが教えてくれた。  放送前にガドルを破ったあの蛇の男のように、マゼンタの戦士もその誇りに従う真の仮面ライダーだと言うことなのだろう。  ただ自分の身が可愛くて逃げ出した腰抜けではない。そんな者に、こんな傷は付けられない。ガドルはそう、自らの左半身に走る裂傷に触れる。  実質的に自分をより追い詰めたのはあの蛇の男だが、ガドルの生涯でも最も深いだろうこの傷を与えたのはあの二人の仮面ライダーだ。  敬意を払うべき、強き戦士であることに間違いはない。  ゲゲルのスコアこそ得られなかったが、ガドルはこの闘争に充足感を覚えていた。  ガドルは一度射撃体になり、強化した五感で周辺に戦いの気配も、敵の存在も感知できなかったことを認めてから、変身を解いた。  ガドルはそこで膝を着く。  ダメージ故に、だけではない。足で押さえておいた、ブレイバックルを拾うため。 「仮面ライダーの力……か」  やむにやまれぬ状況になれば、身に纏うこともあるだろう。  だがガドルは、気高き正義の仮面ライダーの敵であることに、誇りを覚えている。  出来得るならば自分ではなく、使いこなせるだろう他の参加者に渡し、戦いたかった。  歩けるだけ回復した後、来た道を戻り、ガドルは戦いの前に発見していた、ある物の前に出る。  それは流線的な美しいフォルムをした、深いワインレッドの一台のバイク。  天の道を行き、総てを司る男の愛車、カブトエクステンダーだった。  その内回復するだろうが、さすがにこの重傷では長距離移動は厳しいだろう。そういう意味では、願ってもない拾い物だった。  マップ東側の二つの市街地は既に捜索し終えた。故にガドルは、マップ西側の一つしかない代わりに最も巨大な市街地に次の目的地を定めていた。  自らの誇りを満たす、さらなる強者との闘争を求めて。  正義に燃える仮面ライダー達と同じように、破壊のカリスマもまた、その歩みを止めはしなかった。 【1日目 夜】 【F-6 市街地】 【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】 【時間軸】第45話 クウガに勝利後 【状態】疲労(大)、ダメージ(極大)、左腕及び左上半身に酷い裂傷、怪人態に1時間50分変身不可、アームズドーパントに50分変身不可、少しだけ満足 【装備】ガイアメモリ(アームズ)@仮面ライダーW 、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式、ガイアメモリ(メタル)@仮面ライダーW 、ブレイバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(スペードA~6.9)@仮面ライダー剣 【思考・状況】 基本行動方針:ゲゲルを続行し、最終的にはダグバを倒す。 1:強い「仮面ライダー」及びリントに興味。 2:タツロットの言っていた紅渡、紅音也、名護啓介、キングに興味。 3:蛇の男は、真の仮面ライダー。彼のような男に勝たねばならない。 4:仮面ライダーの「正義」という戦士の心に敬意を払う。 5:仮面ライダーの力(ブレイバックル)は、自分では使わず他の参加者に渡して戦いたい。 6:ゲゲルが完了したらキング(@仮面ライダー剣)を制裁する。 【備考】 ※変身制限がだいたい10分であると気付きました。 ※『キバの世界』の情報を、大まかに把握しました。 ※ガドルとタツロットは互いに情報交換しました。 ※タツロットはガドルの事を『自分を鍛えるために戦う男』と勘違いしています。 ※また、ガドルが殺し合いに乗っている事に気づいていません。 ※海堂直也のような男を真の仮面ライダーなのだと認識しました。  ディケイドブレイドはマッハの効果が切れた後も、必死に走っていた。  涼への負担を考えればもっとゆっくり走るべきなのかもしれない。だがあの恐るべき敵から涼を遠ざけるためにも、一刻も早い治療を施すためにも、急ぐ必要があった。 「……本当に何だったんだ、あのグロンギは」  ほんの一分前まで戦っていた恐るべき怪人について、ディケイドは考える。  クウガの世界において最も強い力を持つ者は、究極の闇だと思っていた。だがこれまでの旅で戦って来たそれらを、あの怪人は凌駕しかねない力を持っていた。  この地に来て最初に戦った牙の意匠を持った仮面ライダーと言い、全ての仮面ライダーを破壊したはずの自分が及ばぬ実力を持つ者が、この会場には集められている。  無論、この会場ではこれまでに集めた仮面ライダー達の力が失われ、自身が弱体化していることも一つの要因なのだろうが……  彼らは知らない。互いの知る究極の闇が異なることを。  また、グロンギにおいてもそれに最も近き位置に立つガドルに比べると、通りすがっただけの士はその真髄の深さを知らない。  不完全な復活に加えて、力を行使する意思の伴わなかったン・ガミオ・ゼダ。この地でユウスケがそうなったように、装着者の意思を介してアマダムが覚醒し究極に至ったものではなく、キバーラの魔皇力によって姿と力の一部を引き出しただけで、ユウスケの意識が残ったこれまた不完全な変化だったアルティメットクウガ。士が出会って来た究極の闇とは、所詮はその一端に過ぎなかったのである。  また、アルティメットクウガと戦った激情態に比べ今のディケイドはスペックで劣り、ブレイド以外のライダーの力を失ったことに加えて、かつて二度に渡り組織を壊滅させた力を恐れた大ショッカーによる制限。それらによって今現在の己の力を見誤ったことが、相対的にガドルをより恐ろしい相手だと士に感じさせていたのだ。  だがそれよりも、士の関心を引く事柄があった。 「ダグバ……か」  究極の闇を口に出した時、ガドルはダグバを知っているのかと尋ねて来た。  ダグバ。それがガドルの居たクウガの世界の、究極の闇を齎す者。  その名前に強く惹かれていることに、ディケイド自身戸惑っていた。 (世界を滅ぼす者同士、シンパシーを感じているってことか?)  かつてクウガの世界で出会ったガミオもそう言えば、ディケイドに対してそういう感情を抱いているように見えた。 (バカバカしい。俺は世界の滅びを破壊する、仮面ライダーだ――そうだろ、一真、夏海?)  そう、自分は仮面ライダーとして生きることを彼らに誓ったのだ。  涼を抱いて走りながら、ディケイドは心中で一真に詫びる。 (すまない、一真。俺のせいでブレイバックルが悪に奪われた)  あの時マッハで仕掛ければ、あるいはバックルを取り戻すことはできたかもしれない。  だがその後に、涼を連れて逃げ切れるとは思えなかった。故にディケイドは、一真から託されたブレイバックルを諦めて、涼の命を優先した。  だからこそ、絶対に涼の命だけは救わなければならない。  二兎を諦め、一兎だけに絞ったのだ。これで二兎共得ずでは、笑い話にもなりはしない。 (だが、俺は必ずこの男を救う。そしてブレイドの力を取り戻す。だから、信じていてくれ)  そう新たな誓いを立てながら、ブレイドの姿でディケイドは駆ける。 「――ブレイドッ!?」  その時だった。T字路の前方から、二人の男が現れたのは。  まずい。もし殺し合いに乗っている奴らだったら…… 「おまえが剣崎を殺した奴かぁっ!」  ディケイドこそ一真を殺し、ブレイバックルを奪ったと犯人と勘違いしたのだろう。男の一人がベルトを腰に巻き、もう一人の制止を振り切り変身しようとする。  そのベルトがギャレンバックルであることに、ディケイドは気づいていた。  彼にもディケイドと同じぐらい冷静な観察眼があれば、このブレイドのバックルが違うことによる違和感に気づけただろうに。 「変身!」  男はレバーを引く。だが、何も起こらなかった。 「変わら……ない」  ディケイドは知る由もないが、目の前の男――橘朔也がギャレンに変身したのは、午後5時を回ったちょうどその時。  現在時刻は、未だ7時に届いていない。それ故に制限が掛かっていたのだ。  同時に、ディケイドも10分の変身限界時間を迎える。  ディケイドの鎧が分解され、急激に重みを増した涼の身体を抱えながら、士は口を開いていた。 「仮面ライダーギャレン……橘朔也か」  かつて訪れたブレイドの世界で、ギャレンに変身していた菱形サクヤと同じ名前を持つ男。名簿上の剣崎一真との位置関係からも、恐らく彼がギャレンだろうと士は頭に入れておいた。 「貴様、その人をどうするつもりだっ!?」 「落ち着け橘! この青年くんが殺し合いに乗ってる証拠なんてないのに、らしくないぞ!?」  後ろの男が涼を指差して叫ぶ橘を制止する。士はそんな彼らに短く、「退いてくれ」と告げた。 「こいつを病院に連れて行く。急いで治療しないと手遅れになるかもしれない」  つい先程の誓いを思い出し、強い意志を持って告げる士の様子に、殺し合いに乗っていないことを悟ってくれたのか……橘は落ち着きを取り戻したようだった。 「あ……すまない、失礼なことをした。だが何故君はブレイドに……?」 「一真の死に際に立ち会った。俺も、あいつの仲間だと言うならあんたと話がしたい」 「そりゃ良い話じゃないか、橘。俺達も病院を目指していたんだからな」  もう一人の男がそう賛成し、橘に言う。士はその二人を置いて、可能な限り急ぎながらも慎重に移動する。 「だがまずはこいつの治療が先だ。構わないな?」  どこか尊大な士の態度にも、勘違いから攻撃しようとした罪悪感からか橘は特に反発せず頷く。後ろの男も、元からそういう人柄なのだろう、さして気にした様子はなかった。  一真の仲間であることから半ば予想していたが、彼らも殺し合いには乗っていないらしい。変身手段を使い果たしたこと以上に、涼のために戦いを避けなければならなかった士にとっては僥倖だった。  こうして、殺し合いを打倒せんとする傷だらけの仮面ライダー達が四人、揃った。  彼らが病院に向けて、歩み始めたところで――  ――東京タワー倒壊を知らせる轟音が、彼らの耳に届いた。 【1日目 夜】 【E-5 道路】 【門矢士@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】MOVIE大戦終了後 【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、決意、仮面ライダーディケイドに2時間変身不可 【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド 【道具】支給品一式×2、不明支給品×2、ガイアメモリ(ヒート)@仮面ライダーW、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、ライダーカード(G3)@仮面ライダーディケイド 【思考・状況】 基本行動方針:大ショッカーは、俺が潰す! 1:葦原涼を救う。 2:仲間との合流。 3:友好的な仮面ライダーと協力する。 4:橘ともう一人の男(ヒビキ)と共に病院に向かい、情報交換を行う。 5:東京タワーが…… 6:ガドルから必ずブレイバックルを取り戻す。 7:「ダグバ」に強い関心。 【備考】 ※現在、ライダーカードはディケイド、ブレイドの物以外、力を使う事が出来ません。 ※該当するライダーと出会い、互いに信頼を得ればカードは力を取り戻します。 ※ライダーカード(G3)はディエンド用です。 ※葦原涼がギルスである事は、大体わかりました。 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】疲労(大)、ダメージ(中)、全身に中程度の火傷、罪悪感、クウガとダグバに対する恐怖、仮面ライダーギャレンに10分変身不可 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×3、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードはついてません)@仮面ライダーカブト、ファイズポインター&カイザポインター@仮面ライダー555、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:今は病院に行って、怪我を治す。 2:とにかく首輪を解除するため、『ガイアメモリのある世界』の人間と接触する。 3:目の前の青年(門矢士)と情報交換。 4:小野寺が心配。 5:キング(@仮面ライダー剣)は自分が封印する。 6:東京タワーが……。 7:殺し合いで勝たなければ自分たちの世界が滅びる……。 【備考】 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※ガイアメモリが全員に支給されていると勘違いしています。 【日高仁志@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】本編第41話終了後 【状態】疲労(中)、ダメージ(中)、全身に中程度の火傷、罪悪感、仮面ライダー響鬼に10分変身不可、仮面ライダーギャレンに1時間変身不可 【装備】変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、着替え(残り1着) 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:今は病院に行って、怪我を治す。 2:打倒大ショッカー 3:殺し合いはさせない 4:大ショッカー、ガイアメモリを知る世界、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触 5:目の前の青年(門矢士)と情報交換。 6:小野寺を心配。 7:東京タワーが…… 。 8:小沢さんに会ったら、北條(名前を知らない)からの遺言を伝える。 【備考】 ※アギトの世界についての基本的な情報を得ました。アギト世界での『第四号』関連の情報を得ました。 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※ガイアメモリが全員に支給されていると勘違いしています。 ※ガイアメモリは自分にも支給されていたが、知らない間にどこかに落としてしまったと勘違いしています。 【葦原涼@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編36話終了後 【状態】疲労(大)、ダメージ(極大)、背中に火傷、胸元に大ダメージ、仮面ライダーギルスに50分変身不可、仮面ライダーブレイドに1時間57分変身不可 、気絶中 【装備】なし 【道具】支給品一式、不明支給品×2(確認済) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いに乗ってる奴らはブッ潰す! 0:俺が俺である意味を見付けたい。 1:……(気絶中) 2:人を護る。 3:亜樹子を止める。 4:あきらや良太郎の下に戻ったら、一緒に行動する 5:鉛色と深緑の怪人、白い鎧の戦士を警戒 6:制限とは何だ……? 【全体事項】 ※F-6エリア 市街地が戦いの余波によって、半壊しました。 |087:[[防人(中編)]]|投下順|088:[[太陽は闇に葬られん(前編)]]| |087:[[防人(中編)]]|時系列順|089:[[肩の荷は未だ降りず]]| |087:[[防人(中編)]]|[[ゴ・ガドル・バ]]|091:[[献上]]| |087:[[防人(中編)]]|[[葦原涼]]|098:[[新たなる思い]]| |087:[[防人(中編)]]|[[橘朔也]]|098:[[新たなる思い]]| |087:[[防人(中編)]]|[[日高仁志]]|098:[[新たなる思い]]| |087:[[防人(中編)]]|[[門矢士]]|098:[[新たなる思い]]| ----

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