「新たなる思い」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

新たなる思い」(2018/01/30 (火) 00:49:32) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*新たなる思い  ◆LuuKRM2PEg 「そうか……お前が剣崎の最後を看取ってくれたのか。それなのにすまない、早とちりをしてしまって」 「別にいい……俺も一真のブレイバックルを奪われたから、お互い様だ」 「例えそうだとしても、剣崎だったら同じ選択を望んでいたはずだ。だから、気を落とさないでくれ」 「……大体わかった」  夜空の輝きに照らされた『E-5』エリアの草原で、門矢士は橘朔也の言葉に静かに頷く。剣崎一真の遺体が埋められた大地を見守りながら。  破壊のカリスマを自称した未確認生命体、ゴ・ガドル・バとの戦いの後で出会った朔也に全てを告げる。しかし士を責めるどころか、むしろその選択を認めていた。 「剣崎を眠らせる手伝いをしてくれてありがとう……せめてあいつの身体だけは無茶苦茶にされたくなかった」 「大ショッカーの奴ら……相変わらず悪趣味なことをしやがる」  剣崎が眠っていた『E-4』エリアは大ショッカーによって進入禁止にされ、そこに留まっていると首輪が爆破される仕組みになる。それは既に死んでいる剣崎も例外ではない。  故に士と朔也は剣崎の遺体を『E-5』エリアに埋葬した。全ての人々を守るために戦った彼の尊厳をこれ以上壊させないために。 「それと、小野寺のことなんだが……」 「わかっている、あいつはアルティメットクウガになったのなら俺が止めるだけだ」 「……すまない。俺が余計なことを言ったせいで」 「全く、相変わらず余計なことをする奴だ……」  朔也が沈んだ表情を浮かべる中、士は溜息と共にぼやいた。  一真の遺体を埋葬する直前、朔也は士に放送前に起こった全てを話す。ン・ダグバ・ゼバと名乗った未確認生命体との戦いの末に、小野寺ユウスケが究極の闇に目覚めてしまったと。そしてユウスケは自分達を巻き込まない為に、一人で東に言ってしまったことも話した。 (あの野郎、朔也とヒビキを心配させやがって……会ったらとっちめてやる)  長らく共に戦ってきた仲間に向かって毒を吐きながら、士は考える。  先程戦ったガドルすらも上回ると言われる、ン・ダグバ・ゼバ。朔也とヒビキの話から推測すると、アルティメットクウガになってようやく立ち向かえる程の相手らしい。  いくら究極の力を得たとはいえ、そんな奴を相手に一人で突っ込んでも生きていられるとは思えなかった。例え戦いに勝利したとしても、その後からユウスケが笑顔を見せてくれるとも思えない。  ライジングアルティメットになれればいいが、もしもダグバがそれに匹敵する力を持っていたら結果は同じだ。手遅れになる前に、何としてでもユウスケを見つける事を考えなければならない。 (お前まで、夏海の所に逝くなよ……そんなの夏海が望むわけないからな)  夜の闇によって光が僅かしか残らない夜空を眺めながら、士は声に出さずにそう告げる。不意に彼は、この夜空がユウスケの心情を表しているようだと思った。 ◆  身体の節々に鈍い痛みが走り、倦怠感を感じる。しかし妙に心地よい暖かさが全身を包んでいた。  葦原涼はそれに違和感を感じながらゆっくりと瞼を開けると、視界に白い天井が映る。そのまま身体を起こすが、激痛によって顔を顰めた。すると、白い布団が身体に掛けられているのが見える。  白い天井に白い布団。どうやらここは病室のようだった。 「おっ、目が覚めたか」  涼が今いる場所が何処なのかを察していると、突然聞き覚えのない朗らかな声が聞こえる。振り向いた先には、体格のいい壮年の男が爽やかな笑みを浮かべながら椅子に座っていた。 「大丈夫か、葦原……だっけ?」 「誰だあんたは、何故俺の名前を知っている?」 「門矢から聞いたんだ……あと、津上からもお前のことを聞いているよ。みんなを守るために戦った頼れる仲間だってね」 「津上だと?」  長らく共に戦ってきた戦友の名前を出されたことで、涼は怪訝な表情を浮かべる。 「あ、俺の名前はヒビキ。名簿じゃ日高仁志って書いてあるけど、ヒビキって呼んでくれ」 「そうか……そういえば、俺と一緒にいた男はどうした?」 「ああ、門矢の事か。あいつは今、俺と一緒にいた橘朔也って奴と一緒に剣崎一真……お前が持っていたブレイバックルの持ち主を埋葬しているよ」 「ブレイバックルの?」  ヒビキと名乗った日高仁志という男の言葉によって涼は気づいた。通りすがりの仮面ライダーと自称したあの男から渡された変身アイテムが、この手にない事を。  傍らに置いてあったデイバッグのファスナーを開いて探すが、何処にも見当たらない。 「……そういえば、一体何がどうなっている? 俺達は怪物と戦っていた筈だ」 「俺も聞いた話だからよくわからないけど、門矢を庇って倒れたお前をここまで運んできた……門矢自身がな。その際に、ブレイバックルを手放すことになったようだ」 「それは本当か?」 「ああ」  ヒビキが頷くのを見て、涼は胸が痛むのを感じる。  門矢士。恐らく自分を導こうとしたあの男の名前だろう。あいつは見知らぬ自分なんかの為にわざわざブレイバックルを渡した。だが、結果はこのザマだ。 (俺が無力なせいで、あいつや剣崎という奴の思いを踏み躙ってしまったのか……)  ヒビキの話から推測するに、ブレイバックルはもうあのガドルとかいう奴に奪われているだろう。これでは殺し合いを潰すどころか、殺し合いに乗った奴らに力を与えているようなものだ。  その事実にやり切れなさを感じた涼は、ベッドから降りながらデイバッグを手に取る。もう身体の痛みは大分癒えていた。 「おい葦原、まだ寝ていた方が……」 「もう大丈夫だ」  ヒビキの制止を無視し、涼は急ぎ足で病室から廊下に出た。窓から月光が差し込む肌寒い道を歩き、外に続くドアを開ける。  夜風が一気に吹き付ける中、涼はすぐに士を見つけた。そして、ドアが開く音に反応したのか向こうも振り向いてくる。 「何だ、やっと起きたのか」 「……すまない、俺が弱いせいで剣崎という男の遺品が奪われることになってしまって」 「いや、その事は気にしないでくれ」  涼の表情が微かに曇る中、士の隣にいた見知らぬ男が前に出た。涼は病室での話を思い出して彼が橘朔也であると気付く。 「俺は剣崎と長い付き合いだから分かる……お前のような男を守るためならば、剣崎は同じ状況に陥っても門矢と同じ選択を取っていたことを」 「あんた、剣崎の知り合いなのか? なら、尚更俺は……」 「それ以上は言うな」  朔也は涼の言葉を遮るように、右手で肩を叩いた。 「もしもお前が剣崎の意思を継ぎたいのなら、あいつの分までみんなを守るために戦うと誓ってくれ……それが、あいつの為でもある」 「みんなの為……」  そう呟いた瞬間、士と朔也の後ろにある地面が不自然に盛り上がっているのを涼は見つける。その下には一真という男が眠っているのは明らかだった。  涼は数歩だけ進み、前に立つ。 「剣崎といったか……俺はお前のブレイバックルを受け取っておきながら満足に使いこなせず、挙句の果てには奪われてしまった。本当にすまない」  顔も知らない男だが、翔一のように常に誰かの為に戦っている人間であると朔也の話から想像できた。そして士が自分にブレイバックルを渡したのは、一真の意志を継いで欲しいと願ったからだと気づく。  それをまともに果たすことができなかった事に自責の念を感じるが、悔やんだりなどしない。ここで止まった所で、今が変わるわけではないからだ。 「俺はお前の分まで戦う、そしてブレイバックルも絶対に取り返してみせる。だからお前はゆっくり眠っててくれ……」  そう穏やかに涼は語る。  本当に一真を思うのなら尚更挫けたりなんかしないで戦わなければならない。道半ばで倒れてしまった彼の無念を晴らす為にも、必ずこんな戦いを仕組んだ大ショッカーや殺し合いに乗った奴らを潰し、一人でも多くを守らなければならなかった。  そんな彼の決意を見守るかのように、星空は静かに輝いていた。 ◆ 「ところで、俺と一緒にいた彼女は……亜樹子はどうしたんだ? お前は俺のことを追ってきたが」 「あいつは矢車に任せた。多分まだ病院にいると思うが」 「そうか」  一真への誓いを果たした涼に士はそう告げる。  彼と共にいた女、鳴海亜樹子は聞くところによると先程崩れ落ちた東京タワーで呼びかけをした張本人らしい。だが彼女は涼を裏切って刺し殺そうとした。 「もう一度聞くぞ。お前、まだあいつの事を信じているのか? あいつはさっきお前を刺そうとした筈だ」 「例えそうだったとしても、俺があいつを見捨てていい理由にはならない。あいつはこんな馬鹿げた事に巻き込まれた被害者なんだ」 「そうか……なら、お前の思うように行け。あいつがどうなっていようとも、お前はあいつを救うって約束したんだろ?」 「言われなくてもそのつもりだ。亜樹子が何を考えていようとも、俺の気持ちは変わらない……俺はもうあいつから逃げたりしない」  涼の瞳からはもう、一切の迷いが感じられなかった。その姿は、大切な人を思うが故に大切な人から逃げ続けた『アギトの世界』を象徴する仮面ライダーアギトに変身する男、葦川ショウイチに似ていると改めて士は思う。 「そういえば、さっきお前が言っていた制限とは何のことだ」 「ああ、まだ言ってなかったな……大ショッカーが作ったこの首輪には、どうやら俺達の変身を邪魔する効果があるようだ」 「どういうことだ?」 「詳しいことはわからないが、どうやら俺達全員は長時間の変身が不可能な上にもう一度変身するのに時間が必要なようだ。どうせ、俺達を効率よく潰そうって魂胆だろ」 「連中の考えそうなことだ」 「全くだ……」  士は涼の言葉に同意しながら病院に向かって歩く。亜樹子と想の二人と合流して、今後の行動を決めなければならなかった。元々涼は『B-6』エリアのホテルにいる仲間達の元に、亜樹子を連れ戻すつもりだったらしい。  その一方で、朔也とヒビキの二人は大ショッカーに反抗する者を探す為に別行動している仲間達と、この後の0時に病院で合流する予定と聞いた。それだと、別行動を取らざるを得ないかもしれない。 「そういえば涼、確かお前の仲間には野上良太郎がいたよな?」 「そうだが……知り合いなのか?」 「ああ、前にちょっとだけ会った事がある」  ホテルで待つ涼の仲間の一人に、士の知る人物がいた。  時を越える列車、デンライナーに乗って過去を変えようとするイマジンという怪人から時の運行を守る仮面ライダー電王に変身する野上良太郎。しかし彼がこちらを知っているとは限らない。  一真が自分を知らなかったように、別の世界に生きるよく似た良太郎である可能性も充分にあった。ここにいるヒビキのように。  そしてそれは亜樹子にも言える。かつてスーパーショッカーとの戦いで仮面ライダーWと力を合わせた後、Wに変身する二人の男の隣に彼女がいた。病院で見かけた時はあまりに唐突な出来事だったので思い出せなかったが、あの顔は確かに亜樹子だった。  もっとも、彼女が自分の事を知っているのかは定かではないが。 「ヒビキ、ちょっといいか」 「ん?」  朔也と一緒に少し前を歩いていたヒビキは振り向いてくる。 「あんたは鍛えているのか」 「うん、鍛えてるよ。だから大丈夫!」 「本当か?」 「小野寺から聞いたんだ、俺とは別のヒビキさんが悲しみと戦い続けたって……心配してくれてありがとな、俺は絶対にこの力でみんなを守ってみせるから」  スポーツマンのように爽やかで明るい笑顔でヒビキは朗らかに言った。  それを見た士は、この男は何も心配がいらないと感じる。このヒビキは鬼の力をしっかりと自分自身の物にしており、牛鬼になる可能性は考えられなかった。  もしかしたら以前訪れた『響鬼の世界』で出会ったヒビキも、鬼の力を押さえられなくなる前は彼のような男だったのかもしれない。無論、これはただの推測でしかないが。 「おーい、涼君!」  士が過去を思い返している中、病院から一人の少女が飛び出してくる。その隣には、矢車想が相変わらずの仏頂面で歩いていた。 「亜樹子!」  そして涼も、現れた鳴海亜樹子の元に走っていった。 ◆  盛大な爆発によって倒壊した『D-5』エリアの東京タワー跡地にて、野上良太郎は俯いていた。共に殺し合いを打破する仲間だと思っていた志村純一が、実は殺し合いに乗っていたという事実にショックを受けて。  瓦礫の下からローズオルフェノクの姿となって現れた村上峡児が純一を襲ったと思ったが、実際はその逆。むしろ純一の暴虐を食い止めようとしていたのだ。  純一は天美あきらと園咲冴子と共にここから離れている。だとすると本性を現して、二人の命を奪う可能性が大いにあった。 (良太郎……)  脳裏に響くウラタロスの言葉が良太郎の心に響き渡る。  思えば彼は純一の言動に警戒心を持っていたのに、それを自分は無視して勝手に飛び出してこんな結果を招いてしまう。純一が逃がしたのは自分の責任だ。 「いつまでそんな所で蹲っているつもりですか?」  そんな彼の耳に峡児の言葉が突き刺さる。叱責と侮蔑が混じった声は刃物のように鋭利で、氷のように冷たく感じた。 「貴方は言ったはずでしょう? もう誰にも傷ついて欲しくないと……貴方自身がそう言ったのではありませんか?」  鋭い視線と共に突き付けられた言葉は良太郎に強く圧し掛かり、押し潰されそうになる。それを言ったのは自分ではなく、自分の中にいるウラタロスだ。  思えば、今までイマジンとの戦いを乗り越えるのに自分一人ではまともに戦えていない。この殺し合いだって、牙王や峡児を相手に自分一人で立ち向かうことが出来なかった。  そして今は、純一の真意に気づけずにこんな結果を招いてしまう。 「その言葉や決意は嘘だったのですか? ただ、私達に取り入ろうとするためだけの出鱈目だったのですか?」 「……ッ!」  溜息と共に漏れたその言葉を受けてようやく良太郎は顔を上げた。未だに冷淡な視線を向ける峡児を前に、真摯な目線で答える。 「……違います」 「ほう?」 「誰にも傷ついて欲しくないのは、嘘じゃありません……嘘じゃないんです!」  それを強調するかのように声を荒げるが、明らかに弱々しかった。こんな悲劇を招いてしまった自身への憤りによって、今にも心が崩れそうになっている。  しかしそれではモモタロスの無念を晴らす事は出来ないし、離れ離れとなったリュウタロスを見つける事も出来ない。何よりも今は、純一や牙王のような殺し合いに乗った奴らから多くの人を守る。  それだけが今の良太郎を支える唯一の思いだった。 「なるほど……ならばそれを証明してみせるのですね。これ以上、あの男の好きにさせたくない事を」  そう言い放つと、峡児は良太郎から背を向けて周囲に散らばった瓦礫の上を進む。その後を良太郎はゆっくりとした足取りでついていった。  一歩一歩進むたびに足元が崩れ落ちそうになるが、それでも彼は罪の重圧に耐える。本当にみんなを守りたいと思うなら、峡児の言うようにこんな所で蹲っている場合ではない。   (良太郎……お前、大丈夫か?) (そうだよ、お願いだからあんまり無茶をしないでよね……いくら志村の事があったからって)  キンタロスとウラタロスの声は、明らかにこちらを心配しているようだった。普段ならば喜んでいただろうが、今は事情が事情なのでそう思えない。  しかしそれでも、彼らの思いを無碍にする事は出来なかった。 (ありがとう二人とも……でも僕なら大丈夫だから)  だから良太郎は出来る限りの力を出して二人に告げる。少しでも困難を乗り越える為の力になると信じて。 ◆ (やれやれ……世話の焼ける方だ)  ようやく奮起を取り戻した野上良太郎を見て、村上峡児は胸の内で溜息を吐いた。  東京タワーを爆破させた志村純一を無様にも逃がしてしまい、天美あきらや園咲冴子といった人材を失ってしまう。恐らく志村は既に二人の命を奪い、逃走を続けている筈だ。可能性としては、そこから自分達を殺そうと他の参加者達に取り入る事すら考えられる。  もっとも、その時が来れば返り討ちにしてやればいいだけの話だが。 (まあ、これ以上の失態を重ねるのなら容赦はしませんが……精々、私を失望させないようにするのですね)  野上良太郎の同行を許した理由は、単純に単独行動が望ましくなかった為。この殺し合いが始まってからの六時間で、二十人もの参加者が既に死んでいると大ショッカーは告げた。その中には乾巧の協力者である人間の園田真理や、スマートブレインに反旗を翻す木場勇治や海堂直也も含まれている。  別に彼らが死んだ所でどうという事もないが、自分が生きる世界の生存率が半分にまで減少した事になる。大ショッカーの言葉が真実は分からないが、もしも本当に世界が消えてしまってはオルフェノクを繁栄させるどころではない。  殺し合いに乗った下の下の者がまだ大勢いる以上、単独行動をしては無駄に消耗する結果を招いてしまう。それを避ける為には一人でも多くの手駒を得る必要があるので、良太郎を連れて行くことを選んだ。  本来なら致命的な失態を侵した者と同行するなど耐え難かったが、贅沢は言っていられない。 (志村純一……貴方は私を出し抜こうと企んでいるようですが、二度目はない。今度こそ、私は貴方を潰してみせましょう)  峡児の誇りは強い怒りへと変貌していき、白き死神に向けられる。  冷たい瞳の奥底には、殺意に満ちた炎が燃え上がっていた。 【1日目 夜】 【D-5 東京タワー跡地】 【野上良太郎@仮面ライダー電王】 【時間軸】第38話終了後 【状態】強い決意、疲労(中)、ダメージ(中) 【装備】デンオウベルト&ライダーパス@仮面ライダー電王、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式 【思考・状況】 基本行動方針:モモタロスの分まで、皆を守る為に戦いたい。 0:極力自分の力で、自分に出来る事、やるべき事をやる。 1:今は村上さんと一緒に、志村純一を探す。 2:亜樹子が心配。一体どうしたんだろう… 3:リュウタロスを捜す。 4:殺し合いに乗っている人物に警戒 5:電王に変身できなかったのは何故…? 6:橘朔也との合流を目指したい。相川始を警戒。 7:あのゼロノスは一体…? 【備考】 ※ハナが劇中で述べていた「イマジンによって破壊された世界」は「ライダーによって破壊された世界」ではないかと考えています。確証はしていません。 ※キンタロス、ウラタロスが憑依しています。 ※ウラタロスは志村と冴子に警戒を抱いています。 ※ブレイドの世界の大まかな情報を得ました。 ※ドッガハンマーは紅渡の元へと召喚されました。本人は気付いていません。 ※現れたゼロノスに関しては、桜井侑斗ではない危険人物が使っていると推測しています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。 ※ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 【村上峡児@仮面ライダー555】 【時間軸】不明 少なくとも死亡前 【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、バードメモリに溺れ気味、、オーガ及びローズオルフェノクに1時間50分変身不可 【装備】オーガギア@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト 【道具】支給品一式、バードメモリ@仮面ライダーW 不明支給品×1(確認済み) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らないが、不要なものは殺す。 1:良太郎の同行は許すが、もしもまだ失態を重ねるようであれば容赦しない。 2:志村は敵。次に会った時には確実に仕留めるべき。 3:亜樹子の逃走や、それを追った涼にはあまり感心が沸かない。 4:冴子とガイアメモリに若干の警戒。 【備考】 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。 ※ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※オーガギアは、村上にとっても満足の行く性能でした。 【全体の備考】 ※この二人がこれから何処に行くのかは、後続の書き手さんにお任せします。 ◆ 「……だとすると君は、その霧島美穂って女に脅されて東京タワーに爆弾を仕掛けたのか?」 「うん……ごめんなさい、あたしが弱かったせいでみんなの行動を侮辱しちゃって」  鳴海亜樹子は橘朔也に弱弱しい態度で答える。  矢車想と出会ってから病院を抜け出し、四人を見つけてから彼女は全てを話した。拡声器を使って東京タワー参加者達を呼びかけ、仕掛けた爆弾を使ってみんなを殺そうとしたことを。  そして、それをやるように仕向けたのは霧島美穂とアポロガイストの二人で、拒否をすれば命を奪うと脅されていたと話す。 「あたし、弱かったの……自分の命が惜しいあまりに仮面ライダーの名前を悪用しちゃったから」 「そうか……だが君は葦原の話によると、野上達の元から離れて殺し合いに乗ったそうだが」 「今はもう、そんな事は考えていないわ!」  朔也の鋭い目を前に、亜樹子は必死に叫んだ。 「確かにここに連れて来られてからのあたしはそうだったわ……でもそれは間違いだって気づいたの! こんな事をしたって、何にもならないって!」 「成る程な……しかしだからといって、俺はお前を完全に信じることは出来ない。状況が状況だからな」 「そう……それだけでも大丈夫。ありがとう」  彼の返答は充分に予想の範囲内だった。野上良太郎や天美あきらのようなお人よしでなければ、こんな状況で安易に人を信じるなど出来る訳がない。  だから少しでも、相手の知る必要があった。 「すまない……俺も出来るなら君を信じたい。だが……」 「いいの、あたしは疑われて当然の事をしたんだから」  罪悪感で表情を曇らせている朔也を見て、亜樹子は確信する。この男はリアリストに見えて、その根は左翔太郎やフィリップのようなお人よしである事を。  それはここにいる男達全員にも言える。あの翔太郎とフィリップほどではないだろうが、何だかんだで情に弱い連中だ。油断をしなければ、出し抜けるチャンスはきっと来る。  それまでは罪悪感に溺れた善人の皮を被ればいい。全てはみんなが望む理想の風都を守るためだからと、亜樹子は自分に言い聞かせていた。 ◆ 「すまない葦原、彼女を疑ってしまって……」 「いや、あんたの言うことは分かる……あいつを信じてくれるなら、それでいい」  朔也が涼に謝っている中、病院のロビーに集まった士達は今後の方針について考えている。  23時に病院の大半が進入不可となるとあまり長居は出来ないが、ここには仲間達が集まる予定になっていた。そしてその一方で、涼は亜樹子を連れて離れた良太郎達の元に戻る予定を取っている。  しかしこの状況で戦力を分散させては、ヒビキや朔也と別行動を取った海堂直也のように殺されてしまう恐れもあった。 「津上や小沢さん達も、西にいるだろうしなぁ……参ったな、ここから無闇に動くわけにもいかないし」 「矢車、お前は元隊長だろ? 何か案はないのか」 「そんなもの、とっくに犬に食わせた」 「……お前に聞いた俺が馬鹿だった」  投げやりにしか思えない想の態度に士は舌打ちをしながら地図を取り出す。  西エリアの街と北のホテル。どちらも病院から距離が離れすぎていて、普通に行けば片道だけでも一時間以上かかるかもしれない。それにもしも、何かの事情があって仲間達が目的地より離れたら致命的なロスタイムになる。 「さて、どうするか……?」  ここで全員集まって仲間達を待つか、それとも人数を分散させて仲間達を探すか。  かつて罪を犯してしまった女を信じるか、敵とみなすか。  別の世界に生きる自分と同じ名前を持つ男の思いを、自分が受け継いでみせる。  志半ばで倒れた男の意志を継いで、みんなを守るために戦いたい。  妹と認めた女の闇と、絶望から立ち直った男の闇を見守りたい。  何を犠牲にしてでも、どれだけ手を汚そうとも愛する世界を守りたい。  限られた時間しかいる事が許されない病院という空間の中で、それぞれの思いが交錯していた。 【1日目 夜】 【E-5 病院ロビー】 【門矢士@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】MOVIE大戦終了後 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、決意、仮面ライダーディケイドに1時間変身不可 【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド 【道具】支給品一式×2、不明支給品×2、ガイアメモリ(ヒート)@仮面ライダーW、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、ライダーカード(G3)@仮面ライダーディケイド 【思考・状況】 基本行動方針:大ショッカーは、俺が潰す! 1:今後の行動方針を考える。 2:仲間との合流。 3:友好的な仮面ライダーと協力する。 4:ユウスケを見つけたらとっちめる。 5:ガドルから必ずブレイバックルを取り戻す。 6:「ダグバ」に強い関心。 【備考】 ※現在、ライダーカードはディケイド、ブレイドの物以外、力を使う事が出来ません。 ※該当するライダーと出会い、互いに信頼を得ればカードは力を取り戻します。 ※ライダーカード(G3)はディエンド用です。 ※葦原涼がギルスである事は、大体わかりました。 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】疲労(大)、ダメージ(中)、全身に中程度の火傷、罪悪感、クウガとダグバに対する恐怖 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×3、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードはついてません)@仮面ライダーカブト、ファイズポインター&カイザポインター@仮面ライダー555、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:今後の行動方針を考える。 2:とにかく首輪を解除するため、『ガイアメモリのある世界』の人間と接触する。 3:小野寺が心配。 4:キング(@仮面ライダー剣)は自分が封印する。 5:出来るなら、亜樹子を信じたい。 6:殺し合いで勝たなければ自分たちの世界が滅びる……。 【備考】 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※ガイアメモリが全員に支給されていると勘違いしています。 ※現状では、亜樹子の事を信じています。 【日高仁志@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】本編第41話終了後 【状態】疲労(小)、ダメージ(小)、全身に中程度の火傷、罪悪感 【装備】変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、着替え(残り1着) 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:今後の行動方針を考える。 2:打倒大ショッカー 3:殺し合いはさせない 4:大ショッカー、ガイアメモリを知る世界、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触 5:小野寺を心配。 6:小沢さんに会ったら、北條(名前を知らない)からの遺言を伝える。 【備考】 ※アギトの世界についての基本的な情報を得ました。アギト世界での『第四号』関連の情報を得ました。 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※ガイアメモリが全員に支給されていると勘違いしています。 ※ガイアメモリは自分にも支給されていたが、知らない間にどこかに落としてしまったと勘違いしています。 【葦原涼@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編36話終了後 【状態】疲労(中)、ダメージ(中)、胸元に中ダメージ 【装備】なし 【道具】支給品一式、不明支給品×2(確認済) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いに乗ってる奴らはブッ潰す! 1:剣崎の意志を継いでみんなの為に戦う。 2:人を護る。 3:亜樹子を信じる。 4:あきらや良太郎の下に戻ったら、一緒に行動する 5:鉛色と深緑の怪人、白い鎧の戦士を警戒 6:ガドルから絶対にブレイバックルを取り返す 【備考】 ※変身制限について、大まかに知りました。 ※現状では、亜樹子の事を信じています。 【矢車想@仮面ライダーカブト】 【時間軸】48話終了後 【状態】全身に傷(手当て済)、闇の中に一人ではなくなったことへの喜び 【装備】ゼクトバックル+ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト、ゼクトマイザー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式、キバーラ@仮面ライダーディケイド 基本行動方針:弟を殺した大ショッカーを潰す。 1:士の中の闇を見極めたい。 2:殺し合いも戦いの褒美もどうでもいいが、大ショッカーは許さない。 3:妹(亜樹子)と話をする。 4:天道と出会ったら……? 5:音也の言葉が、少しだけ気がかり。 6:自分にだけ掴める光を探してみるか……? 【備考】 ※ディケイド世界の参加者と大ショッカーについて、大まかに把握しました。 ※10分間の変身制限を把握しました。 ※仮面ライダーキバーラへの変身は夏海以外は出来ないようです。 ※黒いカブト(ダークカブト)の正体は、天道に擬態したワームだと思っています。 ※鳴海亜樹子を妹にしました。 【鳴海亜樹子@仮面ライダーW】 【時間軸】番組後半(劇場版『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』直後) 【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、極めて強い覚悟 【装備】無し 【道具】無し 【思考・状況】 基本行動方針:風都を護るため、殺し合いに乗る。 0:例え仲間を犠牲にしてでも優勝し、照井や父を生き返らせて悲しみの無い風都を勝ち取る。 1:まずはこの連中を利用する。 2:他の参加者を利用して潰し合わせ、その間に自分の戦力を整える。 3:良太郎は利用できる? 4:当面は殺し合いにはもう乗ってないと嘘を吐く。 5:東京タワーのことは全て霧島美穂に脅され、アポロガイストに利用されていたことにする。 【備考】 ※良太郎について、職業:芸人、憑依は芸と誤認しています。 ※放送で照井竜の死を知ってしまいました。 【全体事項】 ※剣崎一真の遺体がE-5 平原に埋葬されました。 ※この六人は今、今後の行動について話し合っています。 ※人数を分散して別のエリアに向かうか、この病院に待機しているかどうかは後続の書き手さんにお任せします。 |097:[[眠りが覚めて]]|投下順|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |092:[[Sを受け入れて/地獄の兄妹]]|時系列順|075:[[交錯]]| |087:[[防人(後篇)]]|[[門矢士]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |087:[[防人(後篇)]]|[[日高仁志]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |085:[[愚者の祭典/終曲・笑う死神(後編)]]|[[野上良太郎]]|110:[[Kamen Rider:Battride War]]| |087:[[防人(後篇)]]|[[橘朔也]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |087:[[防人(後篇)]]|[[葦原涼]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |085:[[愚者の祭典/終曲・笑う死神(後編)]]|[[村上峡児]]|110:[[Kamen Rider:Battride War]]| |092:[[Sを受け入れて/地獄の兄妹]]|[[矢車想]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |092:[[Sを受け入れて/地獄の兄妹]]|[[鳴海亜樹子]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| ----
*新たなる思い  ◆LuuKRM2PEg 「そうか……お前が剣崎の最後を看取ってくれたのか。それなのにすまない、早とちりをしてしまって」 「別にいい……俺も一真のブレイバックルを奪われたから、お互い様だ」 「例えそうだとしても、剣崎だったら同じ選択を望んでいたはずだ。だから、気を落とさないでくれ」 「……大体わかった」  夜空の輝きに照らされた『E-5』エリアの草原で、門矢士は橘朔也の言葉に静かに頷く。剣崎一真の遺体が埋められた大地を見守りながら。  破壊のカリスマを自称した未確認生命体、ゴ・ガドル・バとの戦いの後で出会った朔也に全てを告げる。しかし士を責めるどころか、むしろその選択を認めていた。 「剣崎を眠らせる手伝いをしてくれてありがとう……せめてあいつの身体だけは無茶苦茶にされたくなかった」 「大ショッカーの奴ら……相変わらず悪趣味なことをしやがる」  剣崎が眠っていた『E-4』エリアは大ショッカーによって進入禁止にされ、そこに留まっていると首輪が爆破される仕組みになる。それは既に死んでいる剣崎も例外ではない。  故に士と朔也は剣崎の遺体を『E-5』エリアに埋葬した。全ての人々を守るために戦った彼の尊厳をこれ以上壊させないために。 「それと、小野寺のことなんだが……」 「わかっている、あいつはアルティメットクウガになったのなら俺が止めるだけだ」 「……すまない。俺が余計なことを言ったせいで」 「全く、相変わらず余計なことをする奴だ……」  朔也が沈んだ表情を浮かべる中、士は溜息と共にぼやいた。  一真の遺体を埋葬する直前、朔也は士に放送前に起こった全てを話す。ン・ダグバ・ゼバと名乗った未確認生命体との戦いの末に、小野寺ユウスケが究極の闇に目覚めてしまったと。そしてユウスケは自分達を巻き込まない為に、一人で東に言ってしまったことも話した。 (あの野郎、朔也とヒビキを心配させやがって……会ったらとっちめてやる)  長らく共に戦ってきた仲間に向かって毒を吐きながら、士は考える。  先程戦ったガドルすらも上回ると言われる、ン・ダグバ・ゼバ。朔也とヒビキの話から推測すると、アルティメットクウガになってようやく立ち向かえる程の相手らしい。  いくら究極の力を得たとはいえ、そんな奴を相手に一人で突っ込んでも生きていられるとは思えなかった。例え戦いに勝利したとしても、その後からユウスケが笑顔を見せてくれるとも思えない。  ライジングアルティメットになれればいいが、もしもダグバがそれに匹敵する力を持っていたら結果は同じだ。手遅れになる前に、何としてでもユウスケを見つける事を考えなければならない。 (お前まで、夏海の所に逝くなよ……そんなの夏海が望むわけないからな)  夜の闇によって光が僅かしか残らない夜空を眺めながら、士は声に出さずにそう告げる。不意に彼は、この夜空がユウスケの心情を表しているようだと思った。 ◆  身体の節々に鈍い痛みが走り、倦怠感を感じる。しかし妙に心地よい暖かさが全身を包んでいた。  葦原涼はそれに違和感を感じながらゆっくりと瞼を開けると、視界に白い天井が映る。そのまま身体を起こすが、激痛によって顔を顰めた。すると、白い布団が身体に掛けられているのが見える。  白い天井に白い布団。どうやらここは病室のようだった。 「おっ、目が覚めたか」  涼が今いる場所が何処なのかを察していると、突然聞き覚えのない朗らかな声が聞こえる。振り向いた先には、体格のいい壮年の男が爽やかな笑みを浮かべながら椅子に座っていた。 「大丈夫か、葦原……だっけ?」 「誰だあんたは、何故俺の名前を知っている?」 「門矢から聞いたんだ……あと、津上からもお前のことを聞いているよ。みんなを守るために戦った頼れる仲間だってね」 「津上だと?」  長らく共に戦ってきた戦友の名前を出されたことで、涼は怪訝な表情を浮かべる。 「あ、俺の名前はヒビキ。名簿じゃ日高仁志って書いてあるけど、ヒビキって呼んでくれ」 「そうか……そういえば、俺と一緒にいた男はどうした?」 「ああ、門矢の事か。あいつは今、俺と一緒にいた橘朔也って奴と一緒に剣崎一真……お前が持っていたブレイバックルの持ち主を埋葬しているよ」 「ブレイバックルの?」  ヒビキと名乗った日高仁志という男の言葉によって涼は気づいた。通りすがりの仮面ライダーと自称したあの男から渡された変身アイテムが、この手にない事を。  傍らに置いてあったデイバッグのファスナーを開いて探すが、何処にも見当たらない。 「……そういえば、一体何がどうなっている? 俺達は怪物と戦っていた筈だ」 「俺も聞いた話だからよくわからないけど、門矢を庇って倒れたお前をここまで運んできた……門矢自身がな。その際に、ブレイバックルを手放すことになったようだ」 「それは本当か?」 「ああ」  ヒビキが頷くのを見て、涼は胸が痛むのを感じる。  門矢士。恐らく自分を導こうとしたあの男の名前だろう。あいつは見知らぬ自分なんかの為にわざわざブレイバックルを渡した。だが、結果はこのザマだ。 (俺が無力なせいで、あいつや剣崎という奴の思いを踏み躙ってしまったのか……)  ヒビキの話から推測するに、ブレイバックルはもうあのガドルとかいう奴に奪われているだろう。これでは殺し合いを潰すどころか、殺し合いに乗った奴らに力を与えているようなものだ。  その事実にやり切れなさを感じた涼は、ベッドから降りながらデイバッグを手に取る。もう身体の痛みは大分癒えていた。 「おい葦原、まだ寝ていた方が……」 「もう大丈夫だ」  ヒビキの制止を無視し、涼は急ぎ足で病室から廊下に出た。窓から月光が差し込む肌寒い道を歩き、外に続くドアを開ける。  夜風が一気に吹き付ける中、涼はすぐに士を見つけた。そして、ドアが開く音に反応したのか向こうも振り向いてくる。 「何だ、やっと起きたのか」 「……すまない、俺が弱いせいで剣崎という男の遺品が奪われることになってしまって」 「いや、その事は気にしないでくれ」  涼の表情が微かに曇る中、士の隣にいた見知らぬ男が前に出た。涼は病室での話を思い出して彼が橘朔也であると気付く。 「俺は剣崎と長い付き合いだから分かる……お前のような男を守るためならば、剣崎は同じ状況に陥っても門矢と同じ選択を取っていたことを」 「あんた、剣崎の知り合いなのか? なら、尚更俺は……」 「それ以上は言うな」  朔也は涼の言葉を遮るように、右手で肩を叩いた。 「もしもお前が剣崎の意思を継ぎたいのなら、あいつの分までみんなを守るために戦うと誓ってくれ……それが、あいつの為でもある」 「みんなの為……」  そう呟いた瞬間、士と朔也の後ろにある地面が不自然に盛り上がっているのを涼は見つける。その下には一真という男が眠っているのは明らかだった。  涼は数歩だけ進み、前に立つ。 「剣崎といったか……俺はお前のブレイバックルを受け取っておきながら満足に使いこなせず、挙句の果てには奪われてしまった。本当にすまない」  顔も知らない男だが、翔一のように常に誰かの為に戦っている人間であると朔也の話から想像できた。そして士が自分にブレイバックルを渡したのは、一真の意志を継いで欲しいと願ったからだと気づく。  それをまともに果たすことができなかった事に自責の念を感じるが、悔やんだりなどしない。ここで止まった所で、今が変わるわけではないからだ。 「俺はお前の分まで戦う、そしてブレイバックルも絶対に取り返してみせる。だからお前はゆっくり眠っててくれ……」  そう穏やかに涼は語る。  本当に一真を思うのなら尚更挫けたりなんかしないで戦わなければならない。道半ばで倒れてしまった彼の無念を晴らす為にも、必ずこんな戦いを仕組んだ大ショッカーや殺し合いに乗った奴らを潰し、一人でも多くを守らなければならなかった。  そんな彼の決意を見守るかのように、星空は静かに輝いていた。 ◆ 「ところで、俺と一緒にいた彼女は……亜樹子はどうしたんだ? お前は俺のことを追ってきたが」 「あいつは矢車に任せた。多分まだ病院にいると思うが」 「そうか」  一真への誓いを果たした涼に士はそう告げる。  彼と共にいた女、鳴海亜樹子は聞くところによると先程崩れ落ちた東京タワーで呼びかけをした張本人らしい。だが彼女は涼を裏切って刺し殺そうとした。 「もう一度聞くぞ。お前、まだあいつの事を信じているのか? あいつはさっきお前を刺そうとした筈だ」 「例えそうだったとしても、俺があいつを見捨てていい理由にはならない。あいつはこんな馬鹿げた事に巻き込まれた被害者なんだ」 「そうか……なら、お前の思うように行け。あいつがどうなっていようとも、お前はあいつを救うって約束したんだろ?」 「言われなくてもそのつもりだ。亜樹子が何を考えていようとも、俺の気持ちは変わらない……俺はもうあいつから逃げたりしない」  涼の瞳からはもう、一切の迷いが感じられなかった。その姿は、大切な人を思うが故に大切な人から逃げ続けた『アギトの世界』を象徴する仮面ライダーアギトに変身する男、葦川ショウイチに似ていると改めて士は思う。 「そういえば、さっきお前が言っていた制限とは何のことだ」 「ああ、まだ言ってなかったな……大ショッカーが作ったこの首輪には、どうやら俺達の変身を邪魔する効果があるようだ」 「どういうことだ?」 「詳しいことはわからないが、どうやら俺達全員は長時間の変身が不可能な上にもう一度変身するのに時間が必要なようだ。どうせ、俺達を効率よく潰そうって魂胆だろ」 「連中の考えそうなことだ」 「全くだ……」  士は涼の言葉に同意しながら病院に向かって歩く。亜樹子と想の二人と合流して、今後の行動を決めなければならなかった。元々涼は『B-6』エリアのホテルにいる仲間達の元に、亜樹子を連れ戻すつもりだったらしい。  その一方で、朔也とヒビキの二人は大ショッカーに反抗する者を探す為に別行動している仲間達と、この後の0時に病院で合流する予定と聞いた。それだと、別行動を取らざるを得ないかもしれない。 「そういえば涼、確かお前の仲間には野上良太郎がいたよな?」 「そうだが……知り合いなのか?」 「ああ、前にちょっとだけ会った事がある」  ホテルで待つ涼の仲間の一人に、士の知る人物がいた。  時を越える列車、デンライナーに乗って過去を変えようとするイマジンという怪人から時の運行を守る仮面ライダー電王に変身する野上良太郎。しかし彼がこちらを知っているとは限らない。  一真が自分を知らなかったように、別の世界に生きるよく似た良太郎である可能性も充分にあった。ここにいるヒビキのように。  そしてそれは亜樹子にも言える。かつてスーパーショッカーとの戦いで仮面ライダーWと力を合わせた後、Wに変身する二人の男の隣に彼女がいた。病院で見かけた時はあまりに唐突な出来事だったので思い出せなかったが、あの顔は確かに亜樹子だった。  もっとも、彼女が自分の事を知っているのかは定かではないが。 「ヒビキ、ちょっといいか」 「ん?」  朔也と一緒に少し前を歩いていたヒビキは振り向いてくる。 「あんたは鍛えているのか」 「うん、鍛えてるよ。だから大丈夫!」 「本当か?」 「小野寺から聞いたんだ、俺とは別のヒビキさんが悲しみと戦い続けたって……心配してくれてありがとな、俺は絶対にこの力でみんなを守ってみせるから」  スポーツマンのように爽やかで明るい笑顔でヒビキは朗らかに言った。  それを見た士は、この男は何も心配がいらないと感じる。このヒビキは鬼の力をしっかりと自分自身の物にしており、牛鬼になる可能性は考えられなかった。  もしかしたら以前訪れた『響鬼の世界』で出会ったヒビキも、鬼の力を押さえられなくなる前は彼のような男だったのかもしれない。無論、これはただの推測でしかないが。 「おーい、涼君!」  士が過去を思い返している中、病院から一人の少女が飛び出してくる。その隣には、矢車想が相変わらずの仏頂面で歩いていた。 「亜樹子!」  そして涼も、現れた鳴海亜樹子の元に走っていった。 ◆  盛大な爆発によって倒壊した『D-5』エリアの東京タワー跡地にて、野上良太郎は俯いていた。共に殺し合いを打破する仲間だと思っていた志村純一が、実は殺し合いに乗っていたという事実にショックを受けて。  瓦礫の下からローズオルフェノクの姿となって現れた村上峡児が純一を襲ったと思ったが、実際はその逆。むしろ純一の暴虐を食い止めようとしていたのだ。  純一は天美あきらと園咲冴子と共にここから離れている。だとすると本性を現して、二人の命を奪う可能性が大いにあった。 (良太郎……)  脳裏に響くウラタロスの言葉が良太郎の心に響き渡る。  思えば彼は純一の言動に警戒心を持っていたのに、それを自分は無視して勝手に飛び出してこんな結果を招いてしまう。純一が逃がしたのは自分の責任だ。 「いつまでそんな所で蹲っているつもりですか?」  そんな彼の耳に峡児の言葉が突き刺さる。叱責と侮蔑が混じった声は刃物のように鋭利で、氷のように冷たく感じた。 「貴方は言ったはずでしょう? もう誰にも傷ついて欲しくないと……貴方自身がそう言ったのではありませんか?」  鋭い視線と共に突き付けられた言葉は良太郎に強く圧し掛かり、押し潰されそうになる。それを言ったのは自分ではなく、自分の中にいるウラタロスだ。  思えば、今までイマジンとの戦いを乗り越えるのに自分一人ではまともに戦えていない。この殺し合いだって、牙王や峡児を相手に自分一人で立ち向かうことが出来なかった。  そして今は、純一の真意に気づけずにこんな結果を招いてしまう。 「その言葉や決意は嘘だったのですか? ただ、私達に取り入ろうとするためだけの出鱈目だったのですか?」 「……ッ!」  溜息と共に漏れたその言葉を受けてようやく良太郎は顔を上げた。未だに冷淡な視線を向ける峡児を前に、真摯な目線で答える。 「……違います」 「ほう?」 「誰にも傷ついて欲しくないのは、嘘じゃありません……嘘じゃないんです!」  それを強調するかのように声を荒げるが、明らかに弱々しかった。こんな悲劇を招いてしまった自身への憤りによって、今にも心が崩れそうになっている。  しかしそれではモモタロスの無念を晴らす事は出来ないし、離れ離れとなったリュウタロスを見つける事も出来ない。何よりも今は、純一や牙王のような殺し合いに乗った奴らから多くの人を守る。  それだけが今の良太郎を支える唯一の思いだった。 「なるほど……ならばそれを証明してみせるのですね。これ以上、あの男の好きにさせたくない事を」  そう言い放つと、峡児は良太郎から背を向けて周囲に散らばった瓦礫の上を進む。その後を良太郎はゆっくりとした足取りでついていった。  一歩一歩進むたびに足元が崩れ落ちそうになるが、それでも彼は罪の重圧に耐える。本当にみんなを守りたいと思うなら、峡児の言うようにこんな所で蹲っている場合ではない。   (良太郎……お前、大丈夫か?) (そうだよ、お願いだからあんまり無茶をしないでよね……いくら志村の事があったからって)  キンタロスとウラタロスの声は、明らかにこちらを心配しているようだった。普段ならば喜んでいただろうが、今は事情が事情なのでそう思えない。  しかしそれでも、彼らの思いを無碍にする事は出来なかった。 (ありがとう二人とも……でも僕なら大丈夫だから)  だから良太郎は出来る限りの力を出して二人に告げる。少しでも困難を乗り越える為の力になると信じて。 ◆ (やれやれ……世話の焼ける方だ)  ようやく奮起を取り戻した野上良太郎を見て、村上峡児は胸の内で溜息を吐いた。  東京タワーを爆破させた志村純一を無様にも逃がしてしまい、天美あきらや園咲冴子といった人材を失ってしまう。恐らく志村は既に二人の命を奪い、逃走を続けている筈だ。可能性としては、そこから自分達を殺そうと他の参加者達に取り入る事すら考えられる。  もっとも、その時が来れば返り討ちにしてやればいいだけの話だが。 (まあ、これ以上の失態を重ねるのなら容赦はしませんが……精々、私を失望させないようにするのですね)  野上良太郎の同行を許した理由は、単純に単独行動が望ましくなかった為。この殺し合いが始まってからの六時間で、二十人もの参加者が既に死んでいると大ショッカーは告げた。その中には乾巧の協力者である人間の園田真理や、スマートブレインに反旗を翻す木場勇治や海堂直也も含まれている。  別に彼らが死んだ所でどうという事もないが、自分が生きる世界の生存率が半分にまで減少した事になる。大ショッカーの言葉が真実は分からないが、もしも本当に世界が消えてしまってはオルフェノクを繁栄させるどころではない。  殺し合いに乗った下の下の者がまだ大勢いる以上、単独行動をしては無駄に消耗する結果を招いてしまう。それを避ける為には一人でも多くの手駒を得る必要があるので、良太郎を連れて行くことを選んだ。  本来なら致命的な失態を侵した者と同行するなど耐え難かったが、贅沢は言っていられない。 (志村純一……貴方は私を出し抜こうと企んでいるようですが、二度目はない。今度こそ、私は貴方を潰してみせましょう)  峡児の誇りは強い怒りへと変貌していき、白き死神に向けられる。  冷たい瞳の奥底には、殺意に満ちた炎が燃え上がっていた。 【1日目 夜】 【D-5 東京タワー跡地】 【野上良太郎@仮面ライダー電王】 【時間軸】第38話終了後 【状態】強い決意、疲労(中)、ダメージ(中) 【装備】デンオウベルト&ライダーパス@仮面ライダー電王、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式 【思考・状況】 基本行動方針:モモタロスの分まで、皆を守る為に戦いたい。 0:極力自分の力で、自分に出来る事、やるべき事をやる。 1:今は村上さんと一緒に、志村純一を探す。 2:亜樹子が心配。一体どうしたんだろう… 3:リュウタロスを捜す。 4:殺し合いに乗っている人物に警戒 5:電王に変身できなかったのは何故…? 6:橘朔也との合流を目指したい。相川始を警戒。 7:あのゼロノスは一体…? 【備考】 ※ハナが劇中で述べていた「イマジンによって破壊された世界」は「ライダーによって破壊された世界」ではないかと考えています。確証はしていません。 ※キンタロス、ウラタロスが憑依しています。 ※ウラタロスは志村と冴子に警戒を抱いています。 ※ブレイドの世界の大まかな情報を得ました。 ※ドッガハンマーは紅渡の元へと召喚されました。本人は気付いていません。 ※現れたゼロノスに関しては、桜井侑斗ではない危険人物が使っていると推測しています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。 ※ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 【村上峡児@仮面ライダー555】 【時間軸】不明 少なくとも死亡前 【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、バードメモリに溺れ気味、、オーガ及びローズオルフェノクに1時間50分変身不可 【装備】オーガギア@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト 【道具】支給品一式、バードメモリ@仮面ライダーW 不明支給品×1(確認済み) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らないが、不要なものは殺す。 1:良太郎の同行は許すが、もしもまだ失態を重ねるようであれば容赦しない。 2:志村は敵。次に会った時には確実に仕留めるべき。 3:亜樹子の逃走や、それを追った涼にはあまり感心が沸かない。 4:冴子とガイアメモリに若干の警戒。 【備考】 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。 ※ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※オーガギアは、村上にとっても満足の行く性能でした。 【全体の備考】 ※この二人がこれから何処に行くのかは、後続の書き手さんにお任せします。 ◆ 「……だとすると君は、その霧島美穂って女に脅されて東京タワーに爆弾を仕掛けたのか?」 「うん……ごめんなさい、あたしが弱かったせいでみんなの行動を侮辱しちゃって」  鳴海亜樹子は橘朔也に弱弱しい態度で答える。  矢車想と出会ってから病院を抜け出し、四人を見つけてから彼女は全てを話した。拡声器を使って東京タワー参加者達を呼びかけ、仕掛けた爆弾を使ってみんなを殺そうとしたことを。  そして、それをやるように仕向けたのは霧島美穂とアポロガイストの二人で、拒否をすれば命を奪うと脅されていたと話す。 「あたし、弱かったの……自分の命が惜しいあまりに仮面ライダーの名前を悪用しちゃったから」 「そうか……だが君は葦原の話によると、野上達の元から離れて殺し合いに乗ったそうだが」 「今はもう、そんな事は考えていないわ!」  朔也の鋭い目を前に、亜樹子は必死に叫んだ。 「確かにここに連れて来られてからのあたしはそうだったわ……でもそれは間違いだって気づいたの! こんな事をしたって、何にもならないって!」 「成る程な……しかしだからといって、俺はお前を完全に信じることは出来ない。状況が状況だからな」 「そう……それだけでも大丈夫。ありがとう」  彼の返答は充分に予想の範囲内だった。野上良太郎や天美あきらのようなお人よしでなければ、こんな状況で安易に人を信じるなど出来る訳がない。  だから少しでも、相手の知る必要があった。 「すまない……俺も出来るなら君を信じたい。だが……」 「いいの、あたしは疑われて当然の事をしたんだから」  罪悪感で表情を曇らせている朔也を見て、亜樹子は確信する。この男はリアリストに見えて、その根は左翔太郎やフィリップのようなお人よしである事を。  それはここにいる男達全員にも言える。あの翔太郎とフィリップほどではないだろうが、何だかんだで情に弱い連中だ。油断をしなければ、出し抜けるチャンスはきっと来る。  それまでは罪悪感に溺れた善人の皮を被ればいい。全てはみんなが望む理想の風都を守るためだからと、亜樹子は自分に言い聞かせていた。 ◆ 「すまない葦原、彼女を疑ってしまって……」 「いや、あんたの言うことは分かる……あいつを信じてくれるなら、それでいい」  朔也が涼に謝っている中、病院のロビーに集まった士達は今後の方針について考えている。  23時に病院の大半が進入不可となるとあまり長居は出来ないが、ここには仲間達が集まる予定になっていた。そしてその一方で、涼は亜樹子を連れて離れた良太郎達の元に戻る予定を取っている。  しかしこの状況で戦力を分散させては、ヒビキや朔也と別行動を取った海堂直也のように殺されてしまう恐れもあった。 「津上や小沢さん達も、西にいるだろうしなぁ……参ったな、ここから無闇に動くわけにもいかないし」 「矢車、お前は元隊長だろ? 何か案はないのか」 「そんなもの、とっくに犬に食わせた」 「……お前に聞いた俺が馬鹿だった」  投げやりにしか思えない想の態度に士は舌打ちをしながら地図を取り出す。  西エリアの街と北のホテル。どちらも病院から距離が離れすぎていて、普通に行けば片道だけでも一時間以上かかるかもしれない。それにもしも、何かの事情があって仲間達が目的地より離れたら致命的なロスタイムになる。 「さて、どうするか……?」  ここで全員集まって仲間達を待つか、それとも人数を分散させて仲間達を探すか。  かつて罪を犯してしまった女を信じるか、敵とみなすか。  別の世界に生きる自分と同じ名前を持つ男の思いを、自分が受け継いでみせる。  志半ばで倒れた男の意志を継いで、みんなを守るために戦いたい。  妹と認めた女の闇と、絶望から立ち直った男の闇を見守りたい。  何を犠牲にしてでも、どれだけ手を汚そうとも愛する世界を守りたい。  限られた時間しかいる事が許されない病院という空間の中で、それぞれの思いが交錯していた。 【1日目 夜】 【E-5 病院ロビー】 【門矢士@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】MOVIE大戦終了後 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、決意、仮面ライダーディケイドに1時間変身不可 【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド 【道具】支給品一式×2、不明支給品×2、ガイアメモリ(ヒート)@仮面ライダーW、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、ライダーカード(G3)@仮面ライダーディケイド 【思考・状況】 基本行動方針:大ショッカーは、俺が潰す! 1:今後の行動方針を考える。 2:仲間との合流。 3:友好的な仮面ライダーと協力する。 4:ユウスケを見つけたらとっちめる。 5:ガドルから必ずブレイバックルを取り戻す。 6:「ダグバ」に強い関心。 【備考】 ※現在、ライダーカードはディケイド、ブレイドの物以外、力を使う事が出来ません。 ※該当するライダーと出会い、互いに信頼を得ればカードは力を取り戻します。 ※ライダーカード(G3)はディエンド用です。 ※葦原涼がギルスである事は、大体わかりました。 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】疲労(大)、ダメージ(中)、全身に中程度の火傷、罪悪感、クウガとダグバに対する恐怖 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×3、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードはついてません)@仮面ライダーカブト、ファイズポインター&カイザポインター@仮面ライダー555、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:今後の行動方針を考える。 2:とにかく首輪を解除するため、『ガイアメモリのある世界』の人間と接触する。 3:小野寺が心配。 4:キング(@仮面ライダー剣)は自分が封印する。 5:出来るなら、亜樹子を信じたい。 6:殺し合いで勝たなければ自分たちの世界が滅びる……。 【備考】 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※ガイアメモリが全員に支給されていると勘違いしています。 ※現状では、亜樹子の事を信じています。 【日高仁志@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】本編第41話終了後 【状態】疲労(小)、ダメージ(小)、全身に中程度の火傷、罪悪感 【装備】変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、着替え(残り1着) 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:今後の行動方針を考える。 2:打倒大ショッカー 3:殺し合いはさせない 4:大ショッカー、ガイアメモリを知る世界、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触 5:小野寺を心配。 6:小沢さんに会ったら、北條(名前を知らない)からの遺言を伝える。 【備考】 ※アギトの世界についての基本的な情報を得ました。アギト世界での『第四号』関連の情報を得ました。 ※『Wの世界』の人間が首輪の解除方法を知っているかもしれないと勘違いしています。 ※ガイアメモリが全員に支給されていると勘違いしています。 ※ガイアメモリは自分にも支給されていたが、知らない間にどこかに落としてしまったと勘違いしています。 【葦原涼@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編36話終了後 【状態】疲労(中)、ダメージ(中)、胸元に中ダメージ 【装備】なし 【道具】支給品一式、不明支給品×2(確認済) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いに乗ってる奴らはブッ潰す! 1:剣崎の意志を継いでみんなの為に戦う。 2:人を護る。 3:亜樹子を信じる。 4:あきらや良太郎の下に戻ったら、一緒に行動する 5:鉛色と深緑の怪人、白い鎧の戦士を警戒 6:ガドルから絶対にブレイバックルを取り返す 【備考】 ※変身制限について、大まかに知りました。 ※現状では、亜樹子の事を信じています。 【矢車想@仮面ライダーカブト】 【時間軸】48話終了後 【状態】全身に傷(手当て済)、闇の中に一人ではなくなったことへの喜び 【装備】ゼクトバックル+ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト、ゼクトマイザー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式、キバーラ@仮面ライダーディケイド 基本行動方針:弟を殺した大ショッカーを潰す。 1:士の中の闇を見極めたい。 2:殺し合いも戦いの褒美もどうでもいいが、大ショッカーは許さない。 3:妹(亜樹子)と話をする。 4:天道と出会ったら……? 5:音也の言葉が、少しだけ気がかり。 6:自分にだけ掴める光を探してみるか……? 【備考】 ※ディケイド世界の参加者と大ショッカーについて、大まかに把握しました。 ※10分間の変身制限を把握しました。 ※仮面ライダーキバーラへの変身は夏海以外は出来ないようです。 ※黒いカブト(ダークカブト)の正体は、天道に擬態したワームだと思っています。 ※鳴海亜樹子を妹にしました。 【鳴海亜樹子@仮面ライダーW】 【時間軸】番組後半(劇場版『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』直後) 【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、極めて強い覚悟 【装備】無し 【道具】無し 【思考・状況】 基本行動方針:風都を護るため、殺し合いに乗る。 0:例え仲間を犠牲にしてでも優勝し、照井や父を生き返らせて悲しみの無い風都を勝ち取る。 1:まずはこの連中を利用する。 2:他の参加者を利用して潰し合わせ、その間に自分の戦力を整える。 3:良太郎は利用できる? 4:当面は殺し合いにはもう乗ってないと嘘を吐く。 5:東京タワーのことは全て霧島美穂に脅され、アポロガイストに利用されていたことにする。 【備考】 ※良太郎について、職業:芸人、憑依は芸と誤認しています。 ※放送で照井竜の死を知ってしまいました。 【全体事項】 ※剣崎一真の遺体がE-5 平原に埋葬されました。 ※この六人は今、今後の行動について話し合っています。 ※人数を分散して別のエリアに向かうか、この病院に待機しているかどうかは後続の書き手さんにお任せします。 |097:[[眠りが覚めて]]|投下順|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |092:[[Sを受け入れて/地獄の兄妹]]|時系列順|075:[[交錯]]| |087:[[防人(後篇)]]|[[門矢士]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |087:[[防人(後篇)]]|[[日高仁志]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |085:[[愚者の祭典/終曲・笑う死神(後編)]]|[[野上良太郎]]|110:[[Kamen Rider: Battride War]]| |087:[[防人(後篇)]]|[[橘朔也]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |087:[[防人(後篇)]]|[[葦原涼]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |085:[[愚者の祭典/終曲・笑う死神(後編)]]|[[村上峡児]]|110:[[Kamen Rider: Battride War]]| |092:[[Sを受け入れて/地獄の兄妹]]|[[矢車想]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| |092:[[Sを受け入れて/地獄の兄妹]]|[[鳴海亜樹子]]|099:[[それぞれの決意(前篇)]]| ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: