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狼と死神」(2012/02/21 (火) 17:09:44) の最新版変更点

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*狼と死神 ◆nXoFS1WMr6 志村純一はGトレーラーの中で休息をとっていた。 別に激しい戦いをしたわけではない、それに長時間走り続けたわけでもない。 ではなぜ彼は息を切らしているのか?それは今彼がいるここGトレーラーに入っていたものが原因だった。 彼が数十分前にこのトラックの鍵をデイパックの中から見つけ出し、コンテナ内に入った際、いちばん先に目に入ったものは多数の重火器だった。 見れば銃が二丁にナイフが一本、正確な名はそれぞれGM-01スコーピオン、GG-02サラマンダー、GK-06ユニコーンという。 どれもデイパックに入れてもパーフェクトゼクターよりはあまりかさばらない物でありこの時点でも元から別にこの車を探し求めていたわけでもない純一にとっては棚から牡丹餅なのだ。 しかし、彼の笑顔をさらに歪ませるものがこの中にはあった。 黒いボディに青の複眼、頭には二本の角、それは開発者の小沢澄子でさえ恐怖し封印せざるを得なかった悪魔の装甲。 G4システムがそこにはあった、本来人間が使用を続けるならば死が待っているという恐怖の装甲、しかし不死の生命体たるアンデッド、しかもその最上位に値するジョーカーである彼にとってそんな副作用は無に等しいと思われる、なれば後に残るのはその圧倒的な戦力のみ。 それに彼がG4を手に入れて歓喜した理由はそれだけではない、何とそのG4はバッテリーが続く限り使用できるというメリットがあった。 更に説明書にはバッテリーが続く時間はおよそ15分と記してあった、説明書の記述をどこまで信用していいものか決めかねるものの純一が把握している変身制限は10分である。 そう、つまりわかりやすく言えばG4は他の変身道具よりも5分も長く仮面ライダーの力を纏えるのだ。 たかが5分と侮ってはいけない、この戦いをずっと見てきたものなら分かる通り、この地ではものの1分、いや1秒だろうと相手より長く変身できていたほうが勝利をつかむのだ。 それが同じ瞬間で変身しても5分も続く、これは純一でなくても歓喜に値する代物だろう、しかしG-4はグレイブやオルタナティブ・ゼロのように手軽に持ち運び、及び手軽に変身できるものではない。 無論、一度使用すればその後はGトレーラー内にある充電装置でバッテリーを充電する間長く使えないと表記されていた、これも自分がこの戦いの中で見つけた制限、つまり一度変身能力を使えばそれがたとえ己の真の力でも最低2時間は使用不可になるというもののことだ。 もしかすればG4に限れば再変身までの時間は他のものより長いのかもしれない、とにかくそれは今わかるものではないし、今後考えていけばいいだろう。 持ち運ぶのも容易ではないし、Gトレーラーの中で装着するにも誰か協力者がいたほうがスムーズだ。 しかし、今の彼のスタンスは通称ステルスマーダー、善人のふりをしてお人よしに近づき、隙をついてその命を奪うというものだ。 それゆえ、G4装着のサポートをする者をずっと生かしておかなければならない、それは他世界の人物であれば自分の世界の保守のためとはいえ非常に手間だ。 なれば同じ世界の者ならどうか。 橘朔也は恐らく殺し合いにはのっていないだろう、自分の話術をもってすれば洗脳するのは簡単かもしれないが、自分が他世界の者を殺していると分かれば面倒だし、それを隠すのも面倒だ。 ならばそれより自分の言うことを忠実に聞き、なおかつそれ自身もある程度の戦闘力があった者のほうが安心できる。 しかし、そんな人物がそもそもいるのかと彼が悩みを抱えた瞬間、ある大事なことに気づく。 「不味い……バイクが外のままだ」 もう自分はGトレーラーという便利な移動手段があるとはいえ、バイクのほうが小回りが利くし、他にもいろいろ便利だ。 一応自分がこの中にいる間、外でエンジン音はしなかったため持ち去られてはいないとは思うが……。 少しの心配を抱きつつ彼が外に出た時、一人の青年と目があった。 ◆ 乾巧は暗い夜道を歩いていた。 先ほど同行者である天道総司を失ってから早くも数十分も経っていた。 そして今彼が目指していたのは数時間前までずっと留まっていた警視庁である。 本当は今の怪我を考えれば病院を目指したかったのだがそこにはまで距離もあるうえに、それに名護たちとの合流時間までまだ結構あった。 故に今は近くの施設の警視庁に行き自分たちがいないうちに訪れた参加者に先ほどの眼鏡の男とそれに操られる男の危険性を伝える、それが自分の使命だ。 そう考え彼が警視庁についたのがおよそ十数分前、内部をざっと探したが参加者の姿は見当たらず、警視庁は諦めそうそうに移動しようかと彼が警視庁をでた時だった。 「ん?」 外部にあったバイクとその横のトラック、数時間前ここに来た時も見つけてはいたがどこか違和感がある。 しかし何が違うのかまではわからない、自分の思い違いだったのか。 どこか煮え切らない思いを抱きつつ彼がバイクから目を離そうとしたその瞬間だった。 「これは……?」 そう一人呟いてまたバイクを見つめる。 正確にいえば右グリップを、だが。 数時間前彼と天道がこのバイクに気づきつつもバイクを使用できなかった理由、それが右グリップが無かったためなのだ。 天道は使えないならそれまでとすぐ思考から切り捨てていたようだが巧は違かった。 もしかすると、彼のもとの世界での愛車、オートバジンも似たような性能を持っていたために頭の片隅に引っ掛かっていたのかもしれない。 しかし、バイクがひとりでに動き、右グリップを取り付けることなどできるはずもない。 故に近くに参加者がいるのではないか、ふとそう思うもしかし警視庁内に人の気配は感じられなかった。 つまり自分の支給品として配られていたバイクのグリップを取り付け、この場から去った? いや、さすがにそれはないだろう、この近辺で戦いが起こった様子は見当たらないため急いで去るを得なかった訳でもなさそうだ。 ならばまだこの近くにいるのか?そう思い、巧は少し身構える。 だがいるとしたら果たして何処に?思考した瞬間に巧の眼に目の前のトラックが映る。 これも数時間前は鍵がかかっていて入ることの叶わなかったものである。 そんな都合のいいことはないとは思うがもしやこの中にいるのか、そう思い彼が恐る恐るトラックによっていったそんなとき、ゆっくり、ゆっくりとだがトラックのドアが開き、そして一人の青年と目があった。 ◆ 二人の間を沈黙が支配した。 お互いまさか参加者がいるとは思っておらず、油断した状態であった。 しかし、先に冷静に場を処理したのは純一だった。 彼は明らかに敵意を向けている遭遇者にむけて自分は無抵抗だということを示すため両手をあげ、デイパックを投げた。 無論、襲いかかってきた時やデイパックを持って逃げようとした時用にいつでも真の力を解放できるように身構えつつもそれを悟られないようにし――。 「俺は志村純一って言います、この殺し合いには乗っていません、もしよければ俺と情報交換しませんか?」 可能な限りの善人の行動を使って自分に敵意が無いことを示す。 最初に遭遇した時の第一印象から彼が積極的に殺し合いに乗っていないことは分かった。 故にこの行動をした際相手がどう動くか大体の見当は付いている。 あまりにも手際のよい志村の動きに遭遇者は驚きつつも言葉を紡ぐ。 「お、俺も殺し合いには乗ってない、俺の名前は乾巧、よろしくな」 ゆっくりとだがしっかりそう答えた男の名前に志村は少しうろたえざるを得なかった。 ◆ それから数分が経ち彼等は協力して外に放置されていたバイク、トライチェイサー2000をGトレーラーの中に運び込み、それから情報交換を行っていた。 まず話し出したのは巧だった、それは数十分前に起きた惨劇についての情報のこと。 「……つまり、あなたは約一時間前にその驚異的な戦闘能力を持つ二人の参加者と戦い、同行者である天道総司さんを失ってしまったんですね」 巧は黙って、しかし強く頷く。 そしてどんなに嘆いても一度消えた命はもう戻らないと知りつつも強く答えた。 「俺はあの時逃げることしか出来なかった……だが、もうあんなことは繰り返させねえ」 強く、確かな気持ちで以ってそう告げる。 しかし、それを聞く志村の表情はどこか悲しげで、何かとても後悔してるようにも見えた。 「俺もあなたと同じです、俺はあの時逃げることしかできなかった」 そう言いながら彼が懐から取り出したのは黄金に輝く、彼が数十分前まで持っていたものと良く似ている物だった。 そしてその物に描かれていたアルファベットはT、つまりそれは自分の探していた人物の持っているはずの物だった。 「なっ!?タブーだと!?なんでお前が持ってんだよ!」 それは自分達がこの場に来て初めて看取った心優しき男、園咲霧彦の妻である園咲冴子が持っているはずの物だった。 驚愕の表情で志村に言いよるが彼は悲しそうな顔をしたまま言葉を続けた。 「そうですか、彼女はあなたの知り合いだったんですか、本当にすみませんでした」 泣きそうな顔でそう言う志村を見て思わず巧の勢いは失われてしまう。 「いきなり怒鳴って悪かった、でも本当になんでお前がそれを持ってんだ?」 「はい、あれは放送後すぐの東京タワーでのことでした」 それから彼は話を続けた。 放送前からホテルで遭遇した天美あきら、園咲冴子、野上良太郎、村上峡児達の集団と行動をともにし、放送直前に東京タワーまで移動。 そこで放送を聞き、自分の先輩である剣崎一真らの死に嘆いていた時、突然野上と村上が東京タワー内を見てくると言い出し、自分達が下で待っているとあまりにも帰りが遅いので迎えに行こうとした瞬間――。 ――東京タワーが爆発したのだという。 突然のことに驚きつつも女性二人を何とか爆風と瓦礫から守りぬいたとき舌打ちとともに二人が現れたというのだ。 「村上が……」 「はい、恐らく彼らは東京タワー内部で打ち合わせをし、事前に仕掛けてあったか、自分たちで仕掛けるかした爆弾で僕たちを一掃するつもりだったんでしょう」 そしてその後村上の変身した携帯を使う黒い仮面ライダーとの戦闘となり、その圧倒的な戦闘能力に三人がかりでも軽く倒されたらしい。 その志村の言葉に巧は驚愕する。 今、確かに携帯を使った黒いライダーに村上が変身したといったか? 「おい、志村、一つ聞いていいか、その仮面ライダーってもしかして黒のスーツに白のラインの入った奴じゃなかったか?」 多少その後に来る答えに巧が怯えつつも聞いておかなければいかない質問をする。 彼の脳裏にいるのはあのどこか気弱な、しかし優しい笑顔を持った自分の戦友、三原修二である。 もし村上が変身した黒いライダーが三原の持っているはずのデルタであるなら、いろいろ納得がいく。 東京タワー内部に長くいたことももしかしたら三原からデルタを奪い、殺害するのに必要な時間だったのかもしれない。 もしその場ではデルタを奪われただけだとしても結局タワーの爆発に巻き込まれてもしかしたら今は瓦礫の中に埋まっているかもしれない。 だとしたら自分はまた大事な者を一人失ったことになる、悲しさと自分へのふがいなさで心がぐちゃぐちゃになる寸前の彼を救ったのは他でもない志村だった。 「?……いいえ、村上が変身したのは黒の鎧に金のラインの入った仮面ライダーでした。本人はオーガとか言ってましたが」 その言葉に巧はもう一度驚愕する。 黒の鎧に金のラインの仮面ライダー、オーガ? そんなもの見たことも聞いたこともない、だが志村の言うオーガの能力は明らかに他のライダーズギアと同じようなものであった。 どういうことだとまたも頭を悩ませた巧はしかし一応三原が村上には殺されていないことに安堵する。 「あの……続けてもいいですか?」 「あぁ、すまねぇまだ話の途中だったな」 そうして志村は話を戻した。 呆気なく守るべき二人の女性は惨殺され、自分はただ彼女らのデイパックを持って逃走することしかできなかった。 涙ながらにそう語る純一のことを巧が責められるはずもない。 巧はいまだ泣く純一を慰め、そして情報交換を再開した。 この場に設けられた変身制限について。 自分が放送前に戦った軍服の男ゴ・ガドル・バ他危険人物について。 大ショッカーを倒すためより多くの参加者との協力を目指し仲間である名護啓介達とE-5の病院地区に夜の12時に集合する予定。 そして――。 「ガイアメモリのある世界の人物が首輪を解除できる可能性があると?」 「あぁ、俺たちと同じように大ショッカーを倒そうと考えてる奴が考えたらしいんだが……、俺の遭遇した園咲霧彦って奴は全然そんなこと言ってなかったんだよな」 「えぇ、俺と行動していた園咲冴子さんもそんなこと全く口にしていませんでした」 その純一の言葉に巧は首を傾げる。 本来この話題は数時間前の名護たちとの情報交換の場で言えたならすべて解決したはずなのだが、あの時巧は放送で知らされた仲間たちの死を整理するので精一杯でとてもじゃないが情報交換にちゃんと参加していたとはいえなかった。 ならば天道が指摘してくれればよかったのにとその後どんなことを話したのか彼に巧が聞きそれを愚痴ったときあの男はまたしても不敵に笑って言ったのだった。 「おばあちゃんが言っていた、どんな些細なことでも疑うより信じるほうが楽だ、とな」 そんなことを言ったって一応名護たちに霧彦のことを伝えておいたほうが良かったのではないか、そう言おうとも一瞬思ったがやめた。 この会話をこの二人の間で続けていても無意味だと思ったため。 このことを今うじうじ言っても名護たちはここにいない、故にこのことを話すのは12時に病院で集まったときでも遅くないはず。 そう考え自分の少し前を歩く天道に追いつこうとしたときだった、今となっては忌々しいあの銃声が聞こえてきたのは。 「一応、俺とおまえの間で『ガイアメモリのある世界』の人物ならだれでも首輪を解除できるわけじゃないのはわかってるんだが……」 「はい、問題はだれなら首輪の解除が可能なのか、というよりそもそもそんな人物いるのかどうか、ですよね」 「あぁ、もう頭痛くなってきたぜ、そんな奴のことあいつは一言も話してな……」 そういった時に巧の言葉は止まる。 待てよ、本当にそんなこと一言も言っていなかったか?よく思い出せ、この頭の引っ掛かりはなんだ? その時、ふと彼は思い出した、一人だけ首輪の解除のできる可能性がある人物について霧彦が触れていたことに。 「そうだ……、フィリップって奴は確か仮面ライダーWってのの頭脳的存在で理由はわからねえが分かりやすく言えばありえねえほど頭がいいらしい」 霧彦は幾度となく戦った敵でもある仮面ライダーWのことを冷静に観察していた。 その際、仮面ライダーWの右側、つまりフィリップがいつも自分達が世に送り出したドーパントの弱点を調べ実行に移しているのだ、という結論に至った。 霧彦によれば地球の記憶をそのまま具現化したドーパントの能力を正確に分析するのはエリートである霧彦自身も出来ないと断言していた、そのためそれを初見で冷静に分析するフィリップの力があれば首輪の解除も夢ではないといっていいだろう。 それを志村に説明し、次に今後の目標を立てる。 まず夜12時に集合となっている病院に今から向かい、禁止エリアになる前に病院内の医療道具を出来る限りGトレーラーに詰め込む。 そうすれば病院が禁止エリアになり傷の治療に西側の病院まで行かなくてはいけないという事態を防げる。 二人の行動方針はこれで決まり、巧は病院に向かって運転を始めた志村の横に座った。 (村上……) 彼が思考しているのは元の世界でも結局自分達が倒すことの叶わなかった強敵村上峡児について。 オーガとかいう仮面ライダーに変身したことについても気になるがそれより村上が霧彦の妻を殺したということのほうが彼にとっては大事だった。 (村上、それに野上良太郎、お前らが今どんなに強いのかは俺はわからねぇ、でもお前らは絶対に俺が倒す!) 最初、志村の体から血の匂いがしたのはやはり自分の勘違いではなかった。 しかし一瞬彼を疑ってしまったことを逆に巧は悔やんでいた。 彼は他の参加者を殺すばかりか、自分には出来なかった園崎冴子を守るという使命を果たそうとしていた。 たとえそれが失敗に終わったとしても、同じように天道を見殺しにしてしまった自分にどうこう言う資格はない。 そして次の瞬間、彼の心に芽生えたのは謝罪の気持ち。 (霧彦、すまねぇな、お前の嫁さん守るって約束したのによ) 今、巧の心は霧彦への罪悪感でいっぱいだった。 彼から託されたナスカメモリは敵に奪われ、挙句彼に必ず守ると約束した彼の妻が死ぬのを自分は防げなかった。 しかし、だからこそそれを伝えてくれた志村には感謝の気持ちを抱くと同時に彼の心には新たな思いも芽生えていた。 霧彦を殺したあの薄笑みの優男とその妻の命を奪った村上峡児と野上良太郎への激しい怒りが彼の中で渦巻いていた。 (天道、霧彦、俺今度こそやってやる、絶対に志村をお前たちのところへは行かせない、俺がこいつを今度こそ守り抜く) それゆえにまた新しく出来た仲間である志村純一は、いやそれだけじゃないもうこの場にいるすべての罪なき人を絶対に天道たちのところへは行かせない。 今度こそは絶対に自分の命に代えてでも守り抜く、その強い正義の炎が巧を動かす原動力となって、巧は、Gトレーラーは闇を進む。 横にいる男が霧彦の妻を殺した男だと気づかぬまま。 ◆ (園田真理から聞いてはいたが……ここまでお人よしとはな) 志村純一はGトレーラーのハンドルを握りながら思考していた。 先ほどから行動を共にしているこの男、乾巧の名を彼は知っていた。 それはこの殺し合いの開始後早々に殺害した女性、園田真理が情報を教えてくれていたため。 彼女は一応自分の世界の仮面ライダーの中では一番信用できると語っていたがまさかここまでとは。 正直、園咲冴子について知っていてくれた上、村上峡児の敵対関係にあったのは自分にとって最高の出来事だった。 あとはそのまま園咲冴子、天美あきら殺害の罪を自分にとって現在最大の問題である自分が殺し合いに乗っていると知っている野上良太郎と巧の敵でもある村上峡児になすりつければ全てがうまくいった。 野上はともかく、村上に関して言えばこの殺し合いで今のところ誰も殺してないだろうとはいえ、元の世界でやっていたことがやっていたことなので罪をなすりつけてもすんなりと納得された。 まぁ奴らの汚評を広められたのが今回一人だけだったとはいえ、噂はたちまち広がっていくだろう。 一人に話せば伝染病のようにたとえそれが誤解であっても先に回ってきた噂を信じてしまう、それが愚かな人間という生き物なのだ。 そして何故彼が先ほど自分で馬鹿馬鹿しいとまで表現した激戦地区になっているかもしれない病院に行くことを自ら提案したのか、それは先ほどまでとは事情がかなり変わったためであった。 (首輪を解除できるかもしれない魔少年、フィリップか、面白い……) それは先ほど巧から聞いた首輪が解除できる可能性が最も高いとされる少年のことであった。 この忌々しい首輪さえ外れればいずれ世界を支配する自分をこんな戦場に投げ込み、ゲームのコマとして扱った大ショッカーの連中を皆殺しにするのも悪くない。 (いや、奴らは俺でさえ気づかない内にこんな戦場に送り込むことのできる奴らだ、下手なことは考えないほうが身のためか) しかし、今現在彼らの技術力は自分の世界にあったすべての物を超越している事を考え、その考えをやめる。 まぁとりあえず首輪さえ解除できればどうとでもなる、故に今はそのフィリップが行きそうなところを優先していこうとしているのだ。 (この俺にここまで気を遣わせるとは……、これで首輪の解除は僕にはできません、なんていったらどうしてやろうか) 別にフィリップであれば必ず首輪の解除ができるという保証はない。 しかし、首輪に彼らの世界の技術がつかわれているのは事実、そのため今はその可能性を信じるしかないだろう。 フィリップについての思考はここでやめ、彼はまた違うあることについて考え始める。 (石を持った眼鏡の男に、それに操られる男……確かライジングアルティメットと言ったか) そう、次に彼が考えているのは先ほど乾からもたらされた超危険人物である二人組のことについてだ。 乾の話からするにその眼鏡の男自体に洗脳能力はなく、彼が持っていたというその石に力があると考えていいだろう。 更にその石で乾やその同行者であったという天道総司という人物を洗脳しなかったことを考えるとその石の能力はライジングアルティメットとやらに変身する男にのみ作用するものなのだと考えられる。 ここから導き出される答えはただ一つ――。 (もし俺がその石を奪えばその圧倒的な力は俺の物となるのか?) 園田真理から聞いた乾巧の力は恐らく彼女の世界の仮面ライダーでは最も強いと言っていいとまでいっていた。 そんな男を更にもう一人加えてもまったくもって歯が立たないとまで言わしめるその実力に志村はある種心躍っていた。 無論敵に回ればそれ以上怖いものはないだろうが味方にすればこれ以上心強いものはない。 それにそんな忠実で強力な僕がいればG4の装着もスムーズになり、今までの彼の問題点はほとんど改善される。 一応、ライジングアルティメットは戦いの最中一度も声を発さなかったと巧が言っていたため、彼から情報を得ることは難しい、或いは支配下に置いている限りは不可能だろう。 しかしそこまで強い僕が手に入り、しかも首輪を解除することができたなら今までの自分の他者の隙を狙い殺すではなく、純粋に他の参加者に会ったらそれを殺すという風に少しこの殺し合いに積極的になるのもいいかもしれない。 志村は気付けなかった、いいこと続きで少し注意力散漫となった彼を鏡の中から見つめる複数の影がいたことに。 ◆ 東京タワーが爆発した後、数体の仲間を失ったゼールたちはその原因ともいうべき男を追っていた。 男の名は志村純一、東京タワー爆破後、二人の女性を襲い殺害した彼に全くもって襲える隙が無かったわけではない。 というよりむしろ彼が警視庁についてからはいくらでも彼を襲える瞬間はあった。 傷を負っているとはいえ、未だ残る仲間たちとともに鏡の中から奇襲すれば恐らく純一になすすべはなかっただろう。 なのに何故彼らは乾巧という新しい餌が増えた今も純一を襲おうとしないのか。 それは純一の持つある一枚のカードの持つ効果のせいであった。 ――SEAL―― それは鏡の世界に存在するミラーモンスターの攻撃を防ぐための封印のカード。 たとえその効果に気づいていないものが持っていようと、ただ持っていればその効果を発揮する。 しかし、何故それを志村が持っているのか? 元々それはこの場において紅渡が殺害してしまった男、加賀美新の持っていた物であった。 このカードは説明書を読んだ園咲冴子が護身用に自身のポケットにしまっていたものであり、それゆえ紅渡もその存在に気づかぬまま彼女のそばを去ってしまった。 そして、その些細な見落としが今、志村純一の命を支えているのだ。 もし、今後戦闘において志村が自身を狙っているモンスター、及び自身の持つ封印のカードがそれの出現を邪魔しているのだと分かり、彼がこのカードを何かしらの方法で消去、或いは気付かずとも誰かの手で破壊されてしまった場合、その時にはガゼールたちは情け容赦なくその場にいるものを食らいつくすだろう。 その時をひそかに待ちつつ、ゼールたちは傷を癒していた。 ――それぞれ違う思惑を抱いた二人の男に複数のモンスター―― ――それらすべてを乗せたGトレーラーは走る―― ――これから先に待つであろう、究極の闇とそれに相反するこの場での希望に向かって―― 【1日目 夜中】 【E-6 道路(Gトレーラー内部)】 【乾巧@仮面ライダー555】 【時間軸】原作終了後 【状態】疲労(中)、ダメージ(大)、深い悲しみと罪悪感、決意、ナスカ・ドーパントに50分変身不可、ウルフオルフェノクに50分分変身不可、仮面ライダーファイズに1時間変身不可、右手に軽い怪我と出血(ほぼ完治) 、Gトレーラーの助手席に乗車中。 【装備】ファイズギア+ファイズショット+ファイズアクセル@仮面ライダー555 【道具】支給品一式×3、ルナメモリ@仮面ライダーW、首輪探知機、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW 、ディエンド用ケータッチ@仮面ライダー電王トリロジー、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎 【思考・状況】 基本行動方針:打倒大ショッカー。世界を守る。 0:天道の遺志を継ぐ。 1:今度こそだれも死なせない。 2:園咲夫妻の仇を討つ。 3:仲間を探して協力を呼びかける。 4:間宮麗奈、乃木怜治、相川始、それと特に村上峡児、野上良太郎を警戒。 5:霧彦のスカーフを洗濯する。 6:後でまた霧彦のいた場所に戻り、綺麗になった世界を見せたい。 7:橘朔也、日高仁志、小野寺ユウスケに伝言を伝える。 8:仲間達を失った事による悲しみ、罪悪感。それに負けない決意。 9:首輪を解除するため、『ガイアメモリのある世界』の人間(フィリップ優先)と接触する。 10:石を持った眼鏡の男(金居)とそれに操られている仮面ライダー(五代)の危険性を他の参加者に伝える。 【備考】 ※変身制限について天道から聞いています。 ※天道の世界、音也の世界、霧彦の世界、志村の世界の大まかな情報を得ました。 ※参加者達の時間軸に差異が出る可能性に気付きました。 ※志村の血の匂いに気づいていますが、それはすべて村上たちのせいだと信じています。 【志村純一@仮面ライダー剣MISSING ACE】 【時間軸】不明 【状態】軽い全身打撲、Gトレーラーを運転中 【装備】グレイブバックル@仮面ライダー剣MISSING ACE、オルタナティブ・ゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×3(ただし必要な物のみ入れてます)、ZECT-GUN(分離中)@仮面ライダーカブト、ファンガイアスレイヤー@仮面ライダーキバ 、アドベントカード(SEAL)@仮面ライダー龍騎、ガイアメモリ(タブー)+ガイアドライバー@仮面ライダーW、トライチェイサー2000A@仮面ライダークウガ 、G3の武器セット(GM-01スコーピオン、GG-02サラマンダー、GK-06ユニコーン)@仮面ライダーアギト、G4システム@仮面ライダーアギト 【思考・状況】 基本行動方針:自分が支配する世界を守る為、剣の世界を勝利へ導く。 0:G4に興味、使う機会があれば使う。 1:病院に行き、フィリップを探す。 2:人前では仮面ライダーグレイブとしての善良な自分を演じる。 3:誰も見て居なければアルビノジョーカーとなって少しずつ参加者を間引いていく。 4:野上と村上の悪評を広め、いずれは二人を確実に潰したい。 5:ライジングアルティメットとやらを手中に置いてみるのも悪くない。 6:ライジングアルティメットを支配し、首輪を解除したら殺し合いに積極的になるのもいいかもしれない。 【備考】 ※555の世界、カブトの世界、キバの世界の大まかな情報を得ました。 ※電王世界の大まかな情報を得ました。  ただし、野上良太郎の仲間や電王の具体的な戦闘スタイルは、意図的に伏せられています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。  ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※名簿に書かれた金居の事を、ギラファアンデッドであると推測しています。 ※放送を行ったキングがアンデッドである事に気付いているのかどうかは不明です。 ※封印のカードの効果に気づいていません。 【全体備考】 ※ゼール軍団は志村を狙っていますが、封印のカードにより今は攻撃できません。 ※ゼール軍団が何が何匹死んだのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※Gトレーラー内にはG4の充電装置があります。 ※G4は説明書には連続でおよそ15分使えるとありますが、実際どのくらいの間使えるのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※G4を再度使用するのにどれくらい充電すればいいのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※トライチェイサー2000A、及びG4システムはデイパック内ではなくGトレーラー内に置かれています。 |099:[[それぞれの決意(状態表)]]|投下順|101:[[Oの始まり/嗤う運命(前篇)]]| |099:[[それぞれの決意(状態表)]]|時系列順|101:[[Oの始まり/嗤う運命(前篇)]]| |088:[[太陽は闇に葬られん(後編)]]|[[乾巧]]|101:[[Oの始まり/嗤う運命(前篇)]] |095:[[志村運送(株)]]|[[志村純一]]|101:[[Oの始まり/嗤う運命(前篇)]]| ----
*狼と死神 ◆nXoFS1WMr6 志村純一はGトレーラーの中で休息をとっていた。 別に激しい戦いをしたわけではない、それに長時間走り続けたわけでもない。 ではなぜ彼は息を切らしているのか?それは今彼がいるここGトレーラーに入っていたものが原因だった。 彼が数十分前にこのトラックの鍵をデイパックの中から見つけ出し、コンテナ内に入った際、いちばん先に目に入ったものは多数の重火器だった。 見れば銃が二丁にナイフが一本、正確な名はそれぞれGM-01スコーピオン、GG-02サラマンダー、GK-06ユニコーンという。 どれもデイパックに入れてもパーフェクトゼクターよりはあまりかさばらない物でありこの時点でも元から別にこの車を探し求めていたわけでもない純一にとっては棚から牡丹餅なのだ。 しかし、彼の笑顔をさらに歪ませるものがこの中にはあった。 黒いボディに青の複眼、頭には二本の角、それは開発者の小沢澄子でさえ恐怖し封印せざるを得なかった悪魔の装甲。 G4システムがそこにはあった、本来人間が使用を続けるならば死が待っているという恐怖の装甲、しかし不死の生命体たるアンデッド、しかもその最上位に値するジョーカーである彼にとってそんな副作用は無に等しいと思われる、なれば後に残るのはその圧倒的な戦力のみ。 それに彼がG4を手に入れて歓喜した理由はそれだけではない、何とそのG4はバッテリーが続く限り使用できるというメリットがあった。 更に説明書にはバッテリーが続く時間はおよそ15分と記してあった、説明書の記述をどこまで信用していいものか決めかねるものの純一が把握している変身制限は10分である。 そう、つまりわかりやすく言えばG4は他の変身道具よりも5分も長く仮面ライダーの力を纏えるのだ。 たかが5分と侮ってはいけない、この戦いをずっと見てきたものなら分かる通り、この地ではものの1分、いや1秒だろうと相手より長く変身できていたほうが勝利をつかむのだ。 それが同じ瞬間で変身しても5分も続く、これは純一でなくても歓喜に値する代物だろう、しかしG-4はグレイブやオルタナティブ・ゼロのように手軽に持ち運び、及び手軽に変身できるものではない。 無論、一度使用すればその後はGトレーラー内にある充電装置でバッテリーを充電する間長く使えないと表記されていた、これも自分がこの戦いの中で見つけた制限、つまり一度変身能力を使えばそれがたとえ己の真の力でも最低2時間は使用不可になるというもののことだ。 もしかすればG4に限れば再変身までの時間は他のものより長いのかもしれない、とにかくそれは今わかるものではないし、今後考えていけばいいだろう。 持ち運ぶのも容易ではないし、Gトレーラーの中で装着するにも誰か協力者がいたほうがスムーズだ。 しかし、今の彼のスタンスは通称ステルスマーダー、善人のふりをしてお人よしに近づき、隙をついてその命を奪うというものだ。 それゆえ、G4装着のサポートをする者をずっと生かしておかなければならない、それは他世界の人物であれば自分の世界の保守のためとはいえ非常に手間だ。 なれば同じ世界の者ならどうか。 橘朔也は恐らく殺し合いにはのっていないだろう、自分の話術をもってすれば洗脳するのは簡単かもしれないが、自分が他世界の者を殺していると分かれば面倒だし、それを隠すのも面倒だ。 ならばそれより自分の言うことを忠実に聞き、なおかつそれ自身もある程度の戦闘力があった者のほうが安心できる。 しかし、そんな人物がそもそもいるのかと彼が悩みを抱えた瞬間、ある大事なことに気づく。 「不味い……バイクが外のままだ」 もう自分はGトレーラーという便利な移動手段があるとはいえ、バイクのほうが小回りが利くし、他にもいろいろ便利だ。 一応自分がこの中にいる間、外でエンジン音はしなかったため持ち去られてはいないとは思うが……。 少しの心配を抱きつつ彼が外に出た時、一人の青年と目があった。 ◆ 乾巧は暗い夜道を歩いていた。 先ほど同行者である天道総司を失ってから早くも数十分も経っていた。 そして今彼が目指していたのは数時間前までずっと留まっていた警視庁である。 本当は今の怪我を考えれば病院を目指したかったのだがそこにはまで距離もあるうえに、それに名護たちとの合流時間までまだ結構あった。 故に今は近くの施設の警視庁に行き自分たちがいないうちに訪れた参加者に先ほどの眼鏡の男とそれに操られる男の危険性を伝える、それが自分の使命だ。 そう考え彼が警視庁についたのがおよそ十数分前、内部をざっと探したが参加者の姿は見当たらず、警視庁は諦めそうそうに移動しようかと彼が警視庁をでた時だった。 「ん?」 外部にあったバイクとその横のトラック、数時間前ここに来た時も見つけてはいたがどこか違和感がある。 しかし何が違うのかまではわからない、自分の思い違いだったのか。 どこか煮え切らない思いを抱きつつ彼がバイクから目を離そうとしたその瞬間だった。 「これは……?」 そう一人呟いてまたバイクを見つめる。 正確にいえば右グリップを、だが。 数時間前彼と天道がこのバイクに気づきつつもバイクを使用できなかった理由、それが右グリップが無かったためなのだ。 天道は使えないならそれまでとすぐ思考から切り捨てていたようだが巧は違かった。 もしかすると、彼のもとの世界での愛車、オートバジンも似たような性能を持っていたために頭の片隅に引っ掛かっていたのかもしれない。 しかし、バイクがひとりでに動き、右グリップを取り付けることなどできるはずもない。 故に近くに参加者がいるのではないか、ふとそう思うもしかし警視庁内に人の気配は感じられなかった。 つまり自分の支給品として配られていたバイクのグリップを取り付け、この場から去った? いや、さすがにそれはないだろう、この近辺で戦いが起こった様子は見当たらないため急いで去るを得なかった訳でもなさそうだ。 ならばまだこの近くにいるのか?そう思い、巧は少し身構える。 だがいるとしたら果たして何処に?思考した瞬間に巧の眼に目の前のトラックが映る。 これも数時間前は鍵がかかっていて入ることの叶わなかったものである。 そんな都合のいいことはないとは思うがもしやこの中にいるのか、そう思い彼が恐る恐るトラックによっていったそんなとき、ゆっくり、ゆっくりとだがトラックのドアが開き、そして一人の青年と目があった。 ◆ 二人の間を沈黙が支配した。 お互いまさか参加者がいるとは思っておらず、油断した状態であった。 しかし、先に冷静に場を処理したのは純一だった。 彼は明らかに敵意を向けている遭遇者にむけて自分は無抵抗だということを示すため両手をあげ、デイパックを投げた。 無論、襲いかかってきた時やデイパックを持って逃げようとした時用にいつでも真の力を解放できるように身構えつつもそれを悟られないようにし――。 「俺は志村純一って言います、この殺し合いには乗っていません、もしよければ俺と情報交換しませんか?」 可能な限りの善人の行動を使って自分に敵意が無いことを示す。 最初に遭遇した時の第一印象から彼が積極的に殺し合いに乗っていないことは分かった。 故にこの行動をした際相手がどう動くか大体の見当は付いている。 あまりにも手際のよい志村の動きに遭遇者は驚きつつも言葉を紡ぐ。 「お、俺も殺し合いには乗ってない、俺の名前は乾巧、よろしくな」 ゆっくりとだがしっかりそう答えた男の名前に志村は少しうろたえざるを得なかった。 ◆ それから数分が経ち彼等は協力して外に放置されていたバイク、トライチェイサー2000をGトレーラーの中に運び込み、それから情報交換を行っていた。 まず話し出したのは巧だった、それは数十分前に起きた惨劇についての情報のこと。 「……つまり、あなたは約一時間前にその驚異的な戦闘能力を持つ二人の参加者と戦い、同行者である天道総司さんを失ってしまったんですね」 巧は黙って、しかし強く頷く。 そしてどんなに嘆いても一度消えた命はもう戻らないと知りつつも強く答えた。 「俺はあの時逃げることしか出来なかった……だが、もうあんなことは繰り返させねえ」 強く、確かな気持ちで以ってそう告げる。 しかし、それを聞く志村の表情はどこか悲しげで、何かとても後悔してるようにも見えた。 「俺もあなたと同じです、俺はあの時逃げることしかできなかった」 そう言いながら彼が懐から取り出したのは黄金に輝く、彼が数十分前まで持っていたものと良く似ている物だった。 そしてその物に描かれていたアルファベットはT、つまりそれは自分の探していた人物の持っているはずの物だった。 「なっ!?タブーだと!?なんでお前が持ってんだよ!」 それは自分達がこの場に来て初めて看取った心優しき男、園咲霧彦の妻である園咲冴子が持っているはずの物だった。 驚愕の表情で志村に言いよるが彼は悲しそうな顔をしたまま言葉を続けた。 「そうですか、彼女はあなたの知り合いだったんですか、本当にすみませんでした」 泣きそうな顔でそう言う志村を見て思わず巧の勢いは失われてしまう。 「いきなり怒鳴って悪かった、でも本当になんでお前がそれを持ってんだ?」 「はい、あれは放送後すぐの東京タワーでのことでした」 それから彼は話を続けた。 放送前からホテルで遭遇した天美あきら、園咲冴子、野上良太郎、村上峡児達の集団と行動をともにし、放送直前に東京タワーまで移動。 そこで放送を聞き、自分の先輩である剣崎一真らの死に嘆いていた時、突然野上と村上が東京タワー内を見てくると言い出し、自分達が下で待っているとあまりにも帰りが遅いので迎えに行こうとした瞬間――。 ――東京タワーが爆発したのだという。 突然のことに驚きつつも女性二人を何とか爆風と瓦礫から守りぬいたとき舌打ちとともに二人が現れたというのだ。 「村上が……」 「はい、恐らく彼らは東京タワー内部で打ち合わせをし、事前に仕掛けてあったか、自分たちで仕掛けるかした爆弾で僕たちを一掃するつもりだったんでしょう」 そしてその後村上の変身した携帯を使う黒い仮面ライダーとの戦闘となり、その圧倒的な戦闘能力に三人がかりでも軽く倒されたらしい。 その志村の言葉に巧は驚愕する。 今、確かに携帯を使った黒いライダーに村上が変身したといったか? 「おい、志村、一つ聞いていいか、その仮面ライダーってもしかして黒のスーツに白のラインの入った奴じゃなかったか?」 多少その後に来る答えに巧が怯えつつも聞いておかなければいかない質問をする。 彼の脳裏にいるのはあのどこか気弱な、しかし優しい笑顔を持った自分の戦友、三原修二である。 もし村上が変身した黒いライダーが三原の持っているはずのデルタであるなら、いろいろ納得がいく。 東京タワー内部に長くいたことももしかしたら三原からデルタを奪い、殺害するのに必要な時間だったのかもしれない。 もしその場ではデルタを奪われただけだとしても結局タワーの爆発に巻き込まれてもしかしたら今は瓦礫の中に埋まっているかもしれない。 だとしたら自分はまた大事な者を一人失ったことになる、悲しさと自分へのふがいなさで心がぐちゃぐちゃになる寸前の彼を救ったのは他でもない志村だった。 「?……いいえ、村上が変身したのは黒の鎧に金のラインの入った仮面ライダーでした。本人はオーガとか言ってましたが」 その言葉に巧はもう一度驚愕する。 黒の鎧に金のラインの仮面ライダー、オーガ? そんなもの見たことも聞いたこともない、だが志村の言うオーガの能力は明らかに他のライダーズギアと同じようなものであった。 どういうことだとまたも頭を悩ませた巧はしかし一応三原が村上には殺されていないことに安堵する。 「あの……続けてもいいですか?」 「あぁ、すまねぇまだ話の途中だったな」 そうして志村は話を戻した。 呆気なく守るべき二人の女性は惨殺され、自分はただ彼女らのデイパックを持って逃走することしかできなかった。 涙ながらにそう語る純一のことを巧が責められるはずもない。 巧はいまだ泣く純一を慰め、そして情報交換を再開した。 この場に設けられた変身制限について。 自分が放送前に戦った軍服の男ゴ・ガドル・バ他危険人物について。 大ショッカーを倒すためより多くの参加者との協力を目指し仲間である名護啓介達とE-5の病院地区に夜の12時に集合する予定。 そして――。 「ガイアメモリのある世界の人物が首輪を解除できる可能性があると?」 「あぁ、俺たちと同じように大ショッカーを倒そうと考えてる奴が考えたらしいんだが……、俺の遭遇した園咲霧彦って奴は全然そんなこと言ってなかったんだよな」 「えぇ、俺と行動していた園咲冴子さんもそんなこと全く口にしていませんでした」 その純一の言葉に巧は首を傾げる。 本来この話題は数時間前の名護たちとの情報交換の場で言えたならすべて解決したはずなのだが、あの時巧は放送で知らされた仲間たちの死を整理するので精一杯でとてもじゃないが情報交換にちゃんと参加していたとはいえなかった。 ならば天道が指摘してくれればよかったのにとその後どんなことを話したのか彼に巧が聞きそれを愚痴ったときあの男はまたしても不敵に笑って言ったのだった。 「おばあちゃんが言っていた、どんな些細なことでも疑うより信じるほうが楽だ、とな」 そんなことを言ったって一応名護たちに霧彦のことを伝えておいたほうが良かったのではないか、そう言おうとも一瞬思ったがやめた。 この会話をこの二人の間で続けていても無意味だと思ったため。 このことを今うじうじ言っても名護たちはここにいない、故にこのことを話すのは12時に病院で集まったときでも遅くないはず。 そう考え自分の少し前を歩く天道に追いつこうとしたときだった、今となっては忌々しいあの銃声が聞こえてきたのは。 「一応、俺とおまえの間で『ガイアメモリのある世界』の人物ならだれでも首輪を解除できるわけじゃないのはわかってるんだが……」 「はい、問題はだれなら首輪の解除が可能なのか、というよりそもそもそんな人物いるのかどうか、ですよね」 「あぁ、もう頭痛くなってきたぜ、そんな奴のことあいつは一言も話してな……」 そういった時に巧の言葉は止まる。 待てよ、本当にそんなこと一言も言っていなかったか?よく思い出せ、この頭の引っ掛かりはなんだ? その時、ふと彼は思い出した、一人だけ首輪の解除のできる可能性がある人物について霧彦が触れていたことに。 「そうだ……、フィリップって奴は確か仮面ライダーWってのの頭脳的存在で理由はわからねえが分かりやすく言えばありえねえほど頭がいいらしい」 霧彦は幾度となく戦った敵でもある仮面ライダーWのことを冷静に観察していた。 その際、仮面ライダーWの右側、つまりフィリップがいつも自分達が世に送り出したドーパントの弱点を調べ実行に移しているのだ、という結論に至った。 霧彦によれば地球の記憶をそのまま具現化したドーパントの能力を正確に分析するのはエリートである霧彦自身も出来ないと断言していた、そのためそれを初見で冷静に分析するフィリップの力があれば首輪の解除も夢ではないといっていいだろう。 それを志村に説明し、次に今後の目標を立てる。 まず夜12時に集合となっている病院に今から向かい、禁止エリアになる前に病院内の医療道具を出来る限りGトレーラーに詰め込む。 そうすれば病院が禁止エリアになり傷の治療に西側の病院まで行かなくてはいけないという事態を防げる。 二人の行動方針はこれで決まり、巧は病院に向かって運転を始めた志村の横に座った。 (村上……) 彼が思考しているのは元の世界でも結局自分達が倒すことの叶わなかった強敵村上峡児について。 オーガとかいう仮面ライダーに変身したことについても気になるがそれより村上が霧彦の妻を殺したということのほうが彼にとっては大事だった。 (村上、それに野上良太郎、お前らが今どんなに強いのかは俺はわからねぇ、でもお前らは絶対に俺が倒す!) 最初、志村の体から血の匂いがしたのはやはり自分の勘違いではなかった。 しかし一瞬彼を疑ってしまったことを逆に巧は悔やんでいた。 彼は他の参加者を殺すばかりか、自分には出来なかった園崎冴子を守るという使命を果たそうとしていた。 たとえそれが失敗に終わったとしても、同じように天道を見殺しにしてしまった自分にどうこう言う資格はない。 そして次の瞬間、彼の心に芽生えたのは謝罪の気持ち。 (霧彦、すまねぇな、お前の嫁さん守るって約束したのによ) 今、巧の心は霧彦への罪悪感でいっぱいだった。 彼から託されたナスカメモリは敵に奪われ、挙句彼に必ず守ると約束した彼の妻が死ぬのを自分は防げなかった。 しかし、だからこそそれを伝えてくれた志村には感謝の気持ちを抱くと同時に彼の心には新たな思いも芽生えていた。 霧彦を殺したあの薄笑みの優男とその妻の命を奪った村上峡児と野上良太郎への激しい怒りが彼の中で渦巻いていた。 (天道、霧彦、俺今度こそやってやる、絶対に志村をお前たちのところへは行かせない、俺がこいつを今度こそ守り抜く) それゆえにまた新しく出来た仲間である志村純一は、いやそれだけじゃないもうこの場にいるすべての罪なき人を絶対に天道たちのところへは行かせない。 今度こそは絶対に自分の命に代えてでも守り抜く、その強い正義の炎が巧を動かす原動力となって、巧は、Gトレーラーは闇を進む。 横にいる男が霧彦の妻を殺した男だと気づかぬまま。 ◆ (園田真理から聞いてはいたが……ここまでお人よしとはな) 志村純一はGトレーラーのハンドルを握りながら思考していた。 先ほどから行動を共にしているこの男、乾巧の名を彼は知っていた。 それはこの殺し合いの開始後早々に殺害した女性、園田真理が情報を教えてくれていたため。 彼女は一応自分の世界の仮面ライダーの中では一番信用できると語っていたがまさかここまでとは。 正直、園咲冴子について知っていてくれた上、村上峡児の敵対関係にあったのは自分にとって最高の出来事だった。 あとはそのまま園咲冴子、天美あきら殺害の罪を自分にとって現在最大の問題である自分が殺し合いに乗っていると知っている野上良太郎と巧の敵でもある村上峡児になすりつければ全てがうまくいった。 野上はともかく、村上に関して言えばこの殺し合いで今のところ誰も殺してないだろうとはいえ、元の世界でやっていたことがやっていたことなので罪をなすりつけてもすんなりと納得された。 まぁ奴らの汚評を広められたのが今回一人だけだったとはいえ、噂はたちまち広がっていくだろう。 一人に話せば伝染病のようにたとえそれが誤解であっても先に回ってきた噂を信じてしまう、それが愚かな人間という生き物なのだ。 そして何故彼が先ほど自分で馬鹿馬鹿しいとまで表現した激戦地区になっているかもしれない病院に行くことを自ら提案したのか、それは先ほどまでとは事情がかなり変わったためであった。 (首輪を解除できるかもしれない魔少年、フィリップか、面白い……) それは先ほど巧から聞いた首輪が解除できる可能性が最も高いとされる少年のことであった。 この忌々しい首輪さえ外れればいずれ世界を支配する自分をこんな戦場に投げ込み、ゲームのコマとして扱った大ショッカーの連中を皆殺しにするのも悪くない。 (いや、奴らは俺でさえ気づかない内にこんな戦場に送り込むことのできる奴らだ、下手なことは考えないほうが身のためか) しかし、今現在彼らの技術力は自分の世界にあったすべての物を超越している事を考え、その考えをやめる。 まぁとりあえず首輪さえ解除できればどうとでもなる、故に今はそのフィリップが行きそうなところを優先していこうとしているのだ。 (この俺にここまで気を遣わせるとは……、これで首輪の解除は僕にはできません、なんていったらどうしてやろうか) 別にフィリップであれば必ず首輪の解除ができるという保証はない。 しかし、首輪に彼らの世界の技術がつかわれているのは事実、そのため今はその可能性を信じるしかないだろう。 フィリップについての思考はここでやめ、彼はまた違うあることについて考え始める。 (石を持った眼鏡の男に、それに操られる男……確かライジングアルティメットと言ったか) そう、次に彼が考えているのは先ほど乾からもたらされた超危険人物である二人組のことについてだ。 乾の話からするにその眼鏡の男自体に洗脳能力はなく、彼が持っていたというその石に力があると考えていいだろう。 更にその石で乾やその同行者であったという天道総司という人物を洗脳しなかったことを考えるとその石の能力はライジングアルティメットとやらに変身する男にのみ作用するものなのだと考えられる。 ここから導き出される答えはただ一つ――。 (もし俺がその石を奪えばその圧倒的な力は俺の物となるのか?) 園田真理から聞いた乾巧の力は恐らく彼女の世界の仮面ライダーでは最も強いと言っていいとまでいっていた。 そんな男を更にもう一人加えてもまったくもって歯が立たないとまで言わしめるその実力に志村はある種心躍っていた。 無論敵に回ればそれ以上怖いものはないだろうが味方にすればこれ以上心強いものはない。 それにそんな忠実で強力な僕がいればG4の装着もスムーズになり、今までの彼の問題点はほとんど改善される。 一応、ライジングアルティメットは戦いの最中一度も声を発さなかったと巧が言っていたため、彼から情報を得ることは難しい、或いは支配下に置いている限りは不可能だろう。 しかしそこまで強い僕が手に入り、しかも首輪を解除することができたなら今までの自分の他者の隙を狙い殺すではなく、純粋に他の参加者に会ったらそれを殺すという風に少しこの殺し合いに積極的になるのもいいかもしれない。 志村は気付けなかった、いいこと続きで少し注意力散漫となった彼を鏡の中から見つめる複数の影がいたことに。 ◆ 東京タワーが爆発した後、数体の仲間を失ったゼールたちはその原因ともいうべき男を追っていた。 男の名は志村純一、東京タワー爆破後、二人の女性を襲い殺害した彼に全くもって襲える隙が無かったわけではない。 というよりむしろ彼が警視庁についてからはいくらでも彼を襲える瞬間はあった。 傷を負っているとはいえ、未だ残る仲間たちとともに鏡の中から奇襲すれば恐らく純一になすすべはなかっただろう。 なのに何故彼らは乾巧という新しい餌が増えた今も純一を襲おうとしないのか。 それは純一の持つある一枚のカードの持つ効果のせいであった。 ――SEAL―― それは鏡の世界に存在するミラーモンスターの攻撃を防ぐための封印のカード。 たとえその効果に気づいていないものが持っていようと、ただ持っていればその効果を発揮する。 しかし、何故それを志村が持っているのか? 元々それはこの場において紅渡が殺害してしまった男、加賀美新の持っていた物であった。 このカードは説明書を読んだ園咲冴子が護身用に自身のポケットにしまっていたものであり、それゆえ紅渡もその存在に気づかぬまま彼女のそばを去ってしまった。 そして、その些細な見落としが今、志村純一の命を支えているのだ。 もし、今後戦闘において志村が自身を狙っているモンスター、及び自身の持つ封印のカードがそれの出現を邪魔しているのだと分かり、彼がこのカードを何かしらの方法で消去、或いは気付かずとも誰かの手で破壊されてしまった場合、その時にはガゼールたちは情け容赦なくその場にいるものを食らいつくすだろう。 その時をひそかに待ちつつ、ゼールたちは傷を癒していた。 ――それぞれ違う思惑を抱いた二人の男に複数のモンスター―― ――それらすべてを乗せたGトレーラーは走る―― ――これから先に待つであろう、究極の闇とそれに相反するこの場での希望に向かって―― 【1日目 夜中】 【E-6 道路(Gトレーラー内部)】 【乾巧@仮面ライダー555】 【時間軸】原作終了後 【状態】疲労(中)、ダメージ(大)、深い悲しみと罪悪感、決意、ナスカ・ドーパントに50分変身不可、ウルフオルフェノクに50分分変身不可、仮面ライダーファイズに1時間変身不可、右手に軽い怪我と出血(ほぼ完治) 、Gトレーラーの助手席に乗車中。 【装備】ファイズギア+ファイズショット+ファイズアクセル@仮面ライダー555 【道具】支給品一式×3、ルナメモリ@仮面ライダーW、首輪探知機、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW 、ディエンド用ケータッチ@仮面ライダー電王トリロジー、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎 【思考・状況】 基本行動方針:打倒大ショッカー。世界を守る。 0:天道の遺志を継ぐ。 1:今度こそだれも死なせない。 2:園咲夫妻の仇を討つ。 3:仲間を探して協力を呼びかける。 4:間宮麗奈、乃木怜治、相川始、それと特に村上峡児、野上良太郎を警戒。 5:霧彦のスカーフを洗濯する。 6:後でまた霧彦のいた場所に戻り、綺麗になった世界を見せたい。 7:橘朔也、日高仁志、小野寺ユウスケに伝言を伝える。 8:仲間達を失った事による悲しみ、罪悪感。それに負けない決意。 9:首輪を解除するため、『ガイアメモリのある世界』の人間(フィリップ優先)と接触する。 10:石を持った眼鏡の男(金居)とそれに操られている仮面ライダー(五代)の危険性を他の参加者に伝える。 【備考】 ※変身制限について天道から聞いています。 ※天道の世界、音也の世界、霧彦の世界、志村の世界の大まかな情報を得ました。 ※参加者達の時間軸に差異が出る可能性に気付きました。 ※志村の血の匂いに気づいていますが、それはすべて村上たちのせいだと信じています。 【志村純一@仮面ライダー剣MISSING ACE】 【時間軸】不明 【状態】軽い全身打撲、Gトレーラーを運転中 【装備】グレイブバックル@仮面ライダー剣MISSING ACE、オルタナティブ・ゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×3(ただし必要な物のみ入れてます)、ZECT-GUN(分離中)@仮面ライダーカブト、ファンガイアスレイヤー@仮面ライダーキバ 、アドベントカード(SEAL)@仮面ライダー龍騎、ガイアメモリ(タブー)+ガイアドライバー@仮面ライダーW、トライチェイサー2000A@仮面ライダークウガ 、G3の武器セット(GM-01スコーピオン、GG-02サラマンダー、GK-06ユニコーン)@仮面ライダーアギト、G4システム@仮面ライダーアギト 【思考・状況】 基本行動方針:自分が支配する世界を守る為、剣の世界を勝利へ導く。 0:G4に興味、使う機会があれば使う。 1:病院に行き、フィリップを探す。 2:人前では仮面ライダーグレイブとしての善良な自分を演じる。 3:誰も見て居なければアルビノジョーカーとなって少しずつ参加者を間引いていく。 4:野上と村上の悪評を広め、いずれは二人を確実に潰したい。 5:ライジングアルティメットとやらを手中に置いてみるのも悪くない。 6:ライジングアルティメットを支配し、首輪を解除したら殺し合いに積極的になるのもいいかもしれない。 【備考】 ※555の世界、カブトの世界、キバの世界の大まかな情報を得ました。 ※電王世界の大まかな情報を得ました。  ただし、野上良太郎の仲間や電王の具体的な戦闘スタイルは、意図的に伏せられています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。  ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※名簿に書かれた金居の事を、ギラファアンデッドであると推測しています。 ※放送を行ったキングがアンデッドである事に気付いているのかどうかは不明です。 ※封印のカードの効果に気づいていません。 【全体備考】 ※ゼール軍団は志村を狙っていますが、封印のカードにより今は攻撃できません。 ※ゼール軍団が何が何匹死んだのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※Gトレーラー内にはG4の充電装置があります。 ※G4は説明書には連続でおよそ15分使えるとありますが、実際どのくらいの間使えるのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※G4を再度使用するのにどれくらい充電すればいいのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※トライチェイサー2000A、及びG4システムはデイパック内ではなくGトレーラー内に置かれています。 |099:[[それぞれの決意(状態表)]]|投下順|101:[[Oの始まり/嗤う運命(前篇)]]| |099:[[それぞれの決意(状態表)]]|時系列順|101:[[Oの始まり/嗤う運命(前篇)]]| |088:[[太陽は闇に葬られん(後編)]]|[[乾巧]]|101:[[Oの始まり/嗤う運命(前篇)]]| |095:[[志村運送(株)]]|[[志村純一]]|101:[[Oの始まり/嗤う運命(前篇)]]| ----

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