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*君のままで変われば良い(3)◆cJ9Rh6ekv.  水色の蜻蛉――翔一は知る由もないが、名をドレイクゼクターという――に導かれバイクを走らせていた翔一達だったが、やがて、その行く先を照らしていたライトが蹲っていた一つの人影を照らし、翔一は慌ててブレーキを掛けた。その性能も、翔一がアギトの力で進化させたバイクであるマシントルネイダーに匹敵するほどで、余裕を持って停車することができた。  ライトに気づいて振り返った影を見て、翔一はいつものように笑顔を浮かべた。 「――良かった。心配しましたよ、間宮さん」  不安を隠し切れない表情の彼女を安心させようと、翔一はできるだけ――と言ってもいつもと同じ調子で、穏やかに語りかける。 「――リュウタロスから、あんたを護るようにって頼まれた……」  翔一がバイクを止めている間に、真司が翔一達の知る彼女の姿に戻った麗奈に語り掛ける。 「この辺は物騒だし、リュウタロスの待ってる病院だって、いつまでも放っておいて大丈夫なわけじゃない……だから間宮さん、早く一緒に帰ろう!」  真司の訴えに、何もない黒焦げた焦土の中、所在なさげにぽつんと立っていた間宮麗奈は、力なく首を横に振った。 「無理ですよ……だって私が、リュウタロスを……皆さんを傷つけたんですよ?」 「でもリュウタロスは、自分のことより、あんたのことを心配して……っ!」 「お二人も見たでしょう!? 私、あんな……あんな……!」 「間宮さん、落ち着いてください。城戸さんも、そんなカッカしてたら間宮さんが怯えちゃうじゃないですか」  呼吸の激しくなった麗奈の様子を見て、翔一は二人の間に割って入った。  だが翔一が歩み寄ろうとすると、彼女は同じ歩数だけ後退る。まだ警戒させてしまっているんだなと気づいて、翔一はその場に留まって説得を続けることにした。 「間宮さん。確かに間宮さんは普通の人とはちょーっと違うみたいですけど、そんなこと言ったら俺だってアギトですし、リュウタロスだってイマジンです。そんな気にしなくても、誰も間宮さんのことを追い出したり、憎んだりなんかしませんよ」 「――嘘っ!」  強烈な否定に、翔一は一瞬押し黙ってしまう。代わりといったように、真司が口を開いた。 「嘘じゃないっ! ……そりゃ、最初知った時はびっくりしたけど……でも、俺達は間宮さんがどういう人なのか知ってる。確かに、総司って人を襲ったのは悪いことだけど、何か事情があるんだろ? だったら――っ!」 「――三原さんがっ!」  真司の訴えを遮ったのは、悲鳴のような返答だった。 「……三原さんは、怯えてました。私のこと、怖がってました」 「違っ……だからそれは、間宮さんが人じゃないからじゃない! 人じゃないものが皆怖いんだったら、三原さんはリュウタロスと一緒になんかいないだろっ!?」 「そうですよ」  翔一は再び、そこで口を挟んだ。 「……まあ、最初リュウタロスを見た目で判断した俺達じゃやっぱり説得力がないかもしれませんけど、でも三原さんだって俺達だって、間宮さんの見た目に怯えたわけじゃありません」  会話に虚偽は挟まない。周囲からの拒絶への不安に押し潰されそうになっている今の彼女を前に、こちらまで余計な不安を声音に孕むわけにはいかないし、誠実さを欠けばそれは目敏く見抜かれるだろう。故に余計な嘘など吐かず、ただ思うがまま、本当の気持ちを伝えることが一番だと翔一は思っていた。  もっともそれは、疾しい気持ちを一切持たないことで初めて有効な交渉術足り得るのだが、幸い翔一はそんなことに頭を悩ませる必要はなく、ただ麗奈をどうやって安心させるか、それだけを考えるだけで良かった。 「間宮さんが誰かを傷つけようとしていたのを見てしまったからです。間宮さんは優しい人に見えたから、なおさらでしたね。でも、それにも何か、間宮さんの本当の気持ちとは関係ない理由があるんなら、俺達は安直に間宮さんのことを怖がったり、悪者扱いなんかしませんよ」  真司と共に、麗奈を相手に繰り広げる会話に、翔一はどこか既視感を覚えていた。  あの時も、今とはまた別の過去を意識していたことを思い出しながら、翔一は続ける。 「だから、まずは帰りましょう。間宮さんが何を怖がっているのかは、後でゆっくり聞きますから」 「ダメ……もう、ダメなんです」 「え?」 「……私、思い出しましたから。私が何なのか。私の中に誰がいるのかを」  麗奈の言葉に、あのカブトムシに頭をずっと殴られていたせいかなと、翔一は何となく思う。 「……津上さん達の言う通りなのかもしれません。いいえ、私はやっぱり、私が人間じゃないことも怖い。……でもそれ以上に、私の中のもう一人の私が、誰かを傷つけてしまうのが怖い!」  隙を見て少しずつ距離を詰めようとしていた二人は、麗奈の叫びに制止される形で、またも距離を埋めるタイミングを見失ってしまった。 「もう一人の、間宮さん……?」 「それに、私は……本当はもう、死んでいるんです。……二回」  目の前に立っている女性が、もう死んでいると言う。  いや、他にも死んだはずの牙王の名が名簿にあることを考えれば、あるいはそこまで突飛な話ではないのかもしれないが……二度、死んでいる? 思わぬ告白に、翔一と真司は揃ってどう反応すれば良いのかを逡巡した。 その間に、麗奈はその身の上を二人に語り始めた。 「間宮麗奈という人間は、あるワームによって姿と記憶を奪われて、殺されました……でも、ある偶然からワームの心が失われて、私はある意味で一度生き返りました」  ワーム。総司も口にしていた名前だが、やはりただの虫ではなく何か意味があるのだろうか?  人間の姿と記憶を奪うとはどういう意味なのか、二人が答えを出せずにいることに構わず、麗奈は右手を頭の上に乗せて、さらに翔一達に語る。 「でも、それも結局一時的なもので……私はまた、ワームの私に支配されました。でもあの人が……大介さんが約束を果たしてくれたから、私は誰も傷つけずに済んだ……それなのに!」  そこで顔を両手で覆った彼女からは、そのまま崩れ落ちてしまいそうなほどに弱々しい印象を二人は感じた。 「――気が付いたら、ここにいたんです! こんな首輪なんか付けられて、それで一人知っている人が殺されて、他の世界の人達と殺し合えって! 人を傷つけろって! ……そんなの、嫌……っ!」 「だったら……!」  かなり動揺しているのか、話の筋道は見え難いが、それでも彼女の主張からやはりと確信を得たのか、真司が再び口を開いた。 「嫌だったら、そんなことしなかったら良いじゃないですか! そんなことしないで、一緒に生きて帰れるよう協力すれば良い! 間宮さんは、誰も傷つける必要なんかない!」 「……言ったじゃないですか、城戸さん。私の中には、ワームの私がいるって……」  月に濃い雲が掛かったのか、周囲に落ちる闇は一層濃い物になっていた。そのせいで彼女の表情までははっきりとは読み取れなかったが、その声は涙ぐんでいるようにも感じられた。 「彼女は……彼女は、他の人を傷つけます。人間も、自分達の敵であるネイティブも。私だけじゃ、そんな私を止められないんです!」  そこで初めて彼女は、翔一達の方に一歩、歩み寄った。 「……だから、私の傍に居たら、皆さんが危ないんです。……リュウタロスに、ごめんねって伝えてください。それから、私のことは忘れてって……」 「――嫌です! そんなこと、間宮さんが自分で謝ったら良いじゃないか!」  だがそんな彼女の主張を、真司は認めなかった。頑として首を縦に振らず、麗奈の方へ一歩距離を詰めて、その胸の内を彼女に伝えようとする。 「間宮さんの中にいるワームが誰かを傷つけるっていうなら、俺が止めてやる! 俺は……誰かが傷つけられるのも、誰かがいなくなっちゃうのも! 座る人がいなくなった席を見た誰かが傷つくのも、絶対に嫌だ! だから俺はライダーになった。だから、リュウタロスの代わりに護るって約束した、今ここにいる間宮さんだって、俺は絶対に護ってやる!」 「……そう、ですか」  真司の訴えに、麗奈はどこか嬉しそうながらも、儚い印象の笑みを浮かべた。 「……城戸さんのお気持ちはありがたいです。だけど、やっぱり無理ですよ……だから。約束してください。もしもう一人の私が、また城戸さんや津上さん、リュウタロス達を傷つけようとしたら、その時は私を……倒してください」 「間宮さん……っ!」 「――お断りします」  真司が辛そうにその名を呼ぶに至って、翔一は再び、口を開いた。 「俺、二人の話聞いてて思いました。やっぱり間宮さんには、居なくなって欲しくないって」  今度は翔一が話す番だと悟ってくれたのか、真司はその言葉を邪魔しないようにしてくれていた。そのことに内心で感謝しながら、翔一はまた、彼女に言い聞かせるように言葉を紡ぐ。 「ちょっと野暮かもしれませんけど、さっき、大介さんって人の名前を呼ぶ時、間宮さんどこか嬉しそうで、でもちょっぴり切ない感じでしたよね? その人のこと、好きなんですよね?」  話題が話題だったためかもしれないが、麗奈が硬直したのが感じ取れた。「バッ、おまっ!」と抗議しようとする真司をまあまあと宥めて、翔一は続ける。 「それで、ああ、やっぱり、って思ったんです。間宮さんには、間宮さんの居場所がちゃんとあったんだって。間宮さんが帰らなきゃいけないところが。その大介さんって人がいてくれるから、間宮さんは死んじゃいけないんです、絶対」 「……私に居場所なんて、ありませんよ」  自嘲するように、麗奈は翔一が力強く告げた言葉を否定する。 「だって、私は……もう、死んでいるんですよ?」 「――でも、今は生きているじゃないですか。だったらやっぱり間宮さんは、間宮さんの席に座るべきです。  だけど間宮さんは、もう一人の間宮さんがその席に座るのを邪魔しちゃうんじゃないかってことが怖いんですよね? それで、他の人を傷つけちゃうのが」  麗奈の返答も、真司の頷きも、翔一のその前提が間違っているという訴えにはなかった。  否定も肯定もないまま、翔一の声だけが夜の沈黙を払う。 「自分の中に、自分とは違う何かがいるっていうの、やっぱり怖いですよね。俺も昔アギトになったばっかりの頃は、変身してる間は何をしてるのかわかんなくて少し怖いって思われたり、記憶がなかったのもあって、自分でもすっごく怖かったです。その力のせいでアンノウンって奴らにも狙われて、一回何もかもから逃げ出したくなっちゃった時もありました」  自分も似たような悩みをかつて抱いていたという告白に、闇の中を伝播して来ていた警戒が少しだけ緩まったように感じて、翔一は少しだけ気を楽にしながら言葉を続ける。 「でも、俺はアギトになっても、俺として、人として、アギトとして生きて来れました。嫌なことももちろんありましたけど、それ以上に楽しいこともいっぱいありました。だから、そこで諦めちゃうなんて勿体ないですよ」  手応えを感じながら翔一がそんな風に語り終えると、麗奈は弱々しく首を振った。 「それは……津上さんが、強いから……」 「ははは、そんな風に言われちゃうと照れちゃうなぁ。でも、そんなことないですよ」  褒め言葉を貰ったことに素直に喜びを示した後、翔一は緩みそうになった口の端を引き締め、暗闇の中にある麗奈の瞳を見つけて、正面から視線を合わせた。 「――それより、間宮さんは人間のことが好きですよね?」 「え……っ?」  寸前の流れと余り繋がっていないせいか、思わぬ言葉に驚いた様子の麗奈に、翔一は一度、自分で頷きながらそう思った根拠を述べる。 「だって、誰かを傷つけるのが怖いって言ってるのは、人間のことが大好きだからって裏返しじゃないですか。  間宮さんが人間を好きだって気持ちをちゃんと思い出して、しっかり持ちましょう。それでその想いを、もう一人の間宮さんにも伝えて、人を好きになって貰いましょう!」  はっきりと、理屈でわかっているわけではない。しかしワームが人の記憶を奪う存在であるというのなら、その思い出に残された人の心を伝えることができるのではないかと翔一は直観していた。  完全に根拠がないわけではない。おそらく、総司の正体だと言うネイティブはワームと似た存在なのだろう。その総司が名護達の仲間として、名護が言うには仮面ライダーの仲間として今生きているのなら、同じようにもう一人の間宮麗奈の心にも、人の想いを伝えられるのではないのだろうか。 「そんな……そんなこと、できるわけ……っ!」 「確かに、一人じゃ無理かもしれません。でも間宮さんには、こんなところでも支えてくれる人がいるじゃないですか。リュウタロスも、城戸さんも、それに俺だって手伝いますから、力を合わせてもう一人の間宮さんにも変わって貰いましょう。……きっと間宮さんの想いをずっと傍で見て来たんですから、案外うまく行っちゃうかもしれませんよぉ? もう一人の間宮さんだって人間のことを好きになってくれれば、もう誰かを酷い理由で傷つけたりしませんよ」 「翔一……」  後ろから聞こえた真司の声は、どこか呆れているかのようだった。 「……そっか。そうだよなぁ、おまえ、そういう奴だったよなぁ……」  多分に精神的疲労を含んだ重量級の溜息を吐きながら、ぽりぽりと真司が頭を掻いている音が聞こえたかと思うと、急に声を引き締め直した彼はまた、麗奈に語りかけ始めた。 「間宮さん。俺、間宮さんが辛いってこともよく考えないで、とにかくあんたを護らなきゃ、って気持ちばっかり押し付けてて、本当にごめん。ちょっと反省してる。  でも、翔一ってこーゆー奴だからさ。もう観念して俺達のこと、頼ってくれよ」 「あ、酷いなー城戸さん。俺がこーゆー奴だから観念しろって、どーゆー意味ですか」 「だからそういうとこがだなぁ! ……まあ、ともかく。さっき謝ったけど、間宮さんだって、本当にそのワームの間宮さんが暴れちゃうのが怖いんだったら、一人で行動するよりも俺達と一緒の方が絶対に良いって。事情も知らない人しかいない時に間宮さんが暴れたら大変だけど、事情を知ってる俺達が一緒にいたら、いざって時には間宮さんを止められるだろ?」  どこか呆れた調子ながらも、決して主張する部分を譲ろうとしない真司の言葉に、それでも麗奈は首を振った。 「……無理です。そんな、これ以上皆さんに迷惑を掛けるような……ここは、殺し合いの場所なんですよ!? お二人だって見たでしょう? あの戦いを! あんな恐ろしい敵がいるのに、私みたいな足手纏いまで抱えるなんて、そんなの、無理に決まってるじゃないですか……!」 「大丈夫です、間宮さん。俺は死にません。城戸さんだって死なせません。だから間宮さん、あなたも生きてください」 「そうだ……ってちょっと待て、何で俺がおまえに護って貰うことになってるんだよ!?」 「えー、どうしてそこで文句言うんですか? 城戸さんが言ってくれたんですよ、俺のことも護りたいって。だから俺も、城戸さんのことを護りたいって言っただけなのに……」 「えっ!? あ……そ、そうなのか……?」  バツが悪そうに視線を逸らした真司が「……サンキュ」、と小さく呟くのを見て、可愛いなぁこの人、などと思った翔一はつい笑ってしまいそうになった。  ただ今はそれよりも、麗奈の方に向き合わなければと翔一は視線を戻す。 「間宮さん。俺達、間宮さんの助けになることなら、間宮さんを倒せなんてこと以外なら何でもするつもりです。だけど、昔、俺の知っている人が、今の間宮さんに似た境遇の人に言っていました。結局、人は自分で自分を救わなきゃいけない。あなたがあなたのままで居られるか、あなたでなくなってしまうのか、それを決めるのもあなただって……」  その時のことを。彼女を救ったこと、そして自分が決意を新たにしたことを思い出しながら、翔一は噛み締めるように麗奈に、あの時聞いた言葉を告げる。 「だから、最初にそれを確かめてください。間宮さんがどうしたいのか、どうなりたいのかを」  自分の意志で、いったいどうしたいのか、どう在りたいのか選べ、と。そのための助けならいくらでもしてみせるという翔一の主張に、真司は頷いてくれていた。 「私、は……」  ――それでも間宮麗奈は、まだ踏ん切りがつかない様子だった。 「……でも、そんな……できるかもわからないようなことで……」  事実として誰かを傷つけようとしたことや、制限によって、その「いざ」という時に翔一達が何の戦力を持たない――そう、それこそ小沢が操られてしまった時のように、結局は何の力にもなれない可能性がある以上、彼女の不安を覚えるのも自然なことだと翔一は思っていた。 「……そんな、保証もないのに……それに、皆さんを付き合せるなんて……」 「――間宮さん、俺は……」 「――ごめん、間宮さん。俺やっぱり、さっき謝ったの取り消す」  それでも大丈夫だと伝えようとした翔一は、ふとした真司の呟きから滲んでいた怒りに言葉を詰まらせた。 「――さっき、俺、あんたが辛いのに、護りたいって気持ちを一方的に押し付けてごめんって言ったけど……でもあんただって、考えてるのはあんたのことばっかりじゃないか!」  烈火のような怒りのままに、真司が麗奈を断罪する。 「あんたが護ってくれって俺達に言ったかっ!? そうじゃないだろ……! リュウタロスも、翔一も、俺も、翔一の言うように、自分の意志であんたを護りたいって想ったから、あんたを護るって言ってるんだ!  それなのにあんたは自分に付き合せて悪いって、俺達の気持ちだって無視して、あんたが誰かを傷つけて自分が嫌な気持ちになるのが怖いって……結局あんたが傷つくことを怖がってるだけじゃないか! あんただって自分のことしか考えてないんだったら、俺だって、あんたが何を言ったって関係ない! 俺は勝手にあんたを護るからなっ!」  これまで見せた中でも一番の剣幕で告げる真司に、麗奈は微かに怯え、そして大きく驚いているようだった。  腹の底から叫びを捻り出したためか、強い眼差しのまま喘ぐように息をする真司の姿を横目にした翔一は、無言で一歩、前に出た。 「……間宮さん。いきなり城戸さんが怒鳴って、びっくりしたかと思います。  でも、俺も今は城戸さんと同じ気持ちです。……それにきっと、城戸さんが怒ったのは、今の間宮さんが本当にやりたいことから逃げているからだと思います。  間宮さんだって本当は、誰かを傷つけたり、自分が死んだりしたいわけじゃないんでしょう? 辛いのはわかりますけど、他の人がちゃんと間宮さんと向き合おうとしているのに、自分だけただ楽な方に逃げようってしているのを見たら、城戸さんが怒るのだって仕方ないと思います」 「だって……っ、そんなこと言ったって……!」  必死の色合いを孕んだ声で訴えてくる麗奈に、翔一は微かに首を傾け、小さく優しく頷いた。 「辛いのはわかります。偉そうに言ってますけど、俺も、間宮さんの立場だったらきっと一人じゃ耐えられません。でも、俺は一人じゃなかった……間宮さんだって、本気で嫌だって言わない限り、俺達は絶対に間宮さんを一人にしません。間宮さんだって、一人じゃないんです!」  翔一の叫びに、もう一度、真司が力強く頷いてくれた。 「間宮さん。間宮さんは、死ぬのが怖いですよね? 嫌ですよね? 本当は、自分のことだろうと誰かを傷つける選択を勇気だなんて言いたくないけど……それでも、他の人のためにそれを選ぶだけの意志の強さがあったんじゃないですか。それなら、どうして自分のために勇気を出さないんですか!? 最初から怖がっていたら、できることだってできやしませんよ。  自分のためにも戦ってください、間宮さんっ!」  ――それはかつて、翔一に風谷真魚がぶつけたのと、同じ言葉だった。  翔一にはあの時の自分と、目の前の麗奈が、どちらも恐怖に屈して自分の本当の願いを直視できず悩んでいる姿が、重なって見えていたのだ。  だからこそ翔一は、なおさら彼女のことが放っておけなかった。 「――間宮さんは、そのために人に迷惑を掛けるのが嫌だって思うだろうけどさ」  そして真司が、もう一度、翔一の言葉を継いだ。 「……俺達は、掛けて欲しいんだよ。誰も傷つかなくて良い方に変わるための迷惑なら、俺はいくらだって掛けて欲しい。結局、そこで間宮さんに勇気を出して貰えないままの方が……俺達はきっと、もっと傷つくからさ」 「――そうですね。その通りです。間宮さんは、人を頼る勇気も持つべきだと思います」  翔一は真司と互いに頷き合い、再び麗奈の様子を見守ることにした。 「……私、は……」  そうして翔一達と長く言葉を交わした事で、間宮麗奈は悩んでいるように見えた。  翔一も、真司も。これ以上は何も言わず、ただ彼女が答えを見つけることを待ち続けた。 「私、は……」  夜風が翔一のジャケットを煽り、撫でて行く。東側の大地自体が未だ保つ熱を取り込み温くなった風に晒されながらも、翔一達は待っていた。  やがて、上空を駆けた風が月を覆っていた巨大な雲を吹き散らしたのか、淡い月光が無数の傷を刻んだ大地を優しく照らし始める。  その光に包まれたのと時をほぼ同じくして、間宮麗奈は呟いた。 「私、はっ……リュウタロス達に、謝っても、良いんですか……っ? そんなことをしようとしても、良いんですか……っ!?」 「……はい、是非、謝ってあげてください!」 「……っしゃあっ!」  翔一がそう力強く頷き返すと、今にも崩れそうだった彼女は遂に口元を押さえて、泣き出し始めてしまった。彼女が遂に説得に応じた様子に、真司が小さくガッツポーズを取っていた。  本当は今すぐにでも病院に戻らなければならないが、泣き止んで貰わなければバイクに乗ることもできないだろうと、翔一達は彼女が泣き止むことを待つことにした。 「……何とか、リュウタロスとの約束は破らずに済んだかぁ」 「良かったですね。これ以上リュウタロスに悪いこと、できませんもんね」 「ああ、ってまぁ、まだ気を抜いちゃダメなんだけどさ……」 「――あっ、そういえば! あの蜻蛉、いつの間にかどこかに行っちゃいましたね」 「おまえ……本当にマイペースだなぁ」  付き合うのもしんどいやぁと呟く真司に対して、翔一は心中で静かに礼を述べていた。  ――麗奈の処遇をどうするのか、実は翔一達は打ち合わせをしてはいなかった。  翔一自身は、再会した際の彼女の第一声を聞いて、少なくとも間宮麗奈という人間はアギトと同じだと判断し、彼女を助ける力になりたいと思った。  だがそんな翔一の決断よりも先に、リュウタロスという人ならざる者との約束を果たすために、真司は異形の正体を晒した間宮麗奈を傷つけず、またその心を救うことを決めていた。  多分、麗奈やアギトを救おうとする翔一にも負けないぐらい強く、普通の人間である真司が。  ――彼はきっと、様々な他者を受け入れることのできる可能性を持った人だ。  アギトも、キバットも、イマジンも、ワームも……リュウタロスと最初に対面した時こそ、事情もあって外見で判断もしたが、それでも真司は異世界の人間だけでなく、それらの人とは違う別の種族にもまた、同じく一つの魂を持つ者として対等に接している。  無論、あの暴虐な未確認の死にも心を痛めた真司が、種族が人間でないということで誰かを差別することはないと思っていたからこそ、翔一も打ち合わせなど行わず、一刻も早く麗奈の元に駆けつけることに集中できた。  それでも…… (城戸さん……ありがとうございます)  その信頼を裏切られずに済んだことに。そしてまた、その姿を見たことで、安心できたものがあって。 (城戸さんを見て、俺、改めて思いました。やっぱり人は、アギトのことを受け入れて生きて行くことができるって。アギトは、人間と一緒に生きて行けるって)  かつての氷川誠の言葉を考慮すれば、真司のような人間の方が少数派なのだとしても。  氷川や真司のような、他者を受け入れることのできる強さのある人間がいるとわかっただけでも、アギトとしての翔一は未来に希望を持つことができる。  またそんな人達がいるのなら、人間としての翔一も彼らを見習って、他者を受け入れることのできる強さを持ちたいと、静かに、だが確かに想う。  だからこそ、皆のそれぞれの居場所を護りたいと。たくさんの人達が生きる世界を護りたいのだという胸の内をもう一度、はっきりと認識できたのだから。  それを再確認させてくれた仲間に感謝を覚えることは、翔一にとって自然なことだった。 (姉さん……見てくれた? やっぱり、本当は姉さんにだって居場所はあったんだ。 だから俺、護ってみせるよ。もう姉さんみたいな悲しい想いをする人を出さないために。人もアギトも、どの世界のどんな人のでも、皆の居場所を、この手で!)  まだ、麗奈を踏み留まらせただけで解決すべき課題は山積みだ。何度も繰り返したように、この周辺にいると目される敵は翔一達から見ても恐ろしい強さだし、リュウタロスは麗奈を許していても、実際に襲われた総司達との間に軋轢が残らないとも限らない。乾巧やヒビキ達、殺し合いを止めようと志を同じくする者達とどうやって合流するのかという問題だってある。  それでも今この時だけは、確かに翔一は数々の障害を認識しながらも、仲間達と一緒なら、きっと超えて行けるのだと、疑うことなく信じられた。  夜はまだ長い。それでも翔一には、遠いはずの夜明けの日が、確かに見えていた。 【1日目 真夜中】 【E-1 焦土】 【城戸真司@仮面ライダー龍騎】 【時間軸】劇場版 霧島とお好み焼を食べた後 【状態】強い決意、翔一への信頼、麗奈への心配 【装備】龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式、優衣のてるてる坊主@仮面ライダー龍騎 【思考・状況】 基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの命を守る為に戦う。 1:翔一と共に誰かを守る為に戦う。 2:モンスターから小沢を助け出す。 3:麗奈を連れてD-1エリアの病院に戻る。 4:それまでリュウタロスの代わりに絶対に麗奈を護る。 5:蓮にアビスのことを伝える。 6:ヒビキと合流したいが、今は小沢の救出を優先する 。 7:この近くで起こったらしい戦闘について詳しく知りたい。 【備考】 ※支給品のトランプを使えるライダーが居る事に気付きました。 ※アビスこそが「現われていないライダー」だと誤解しています。 ※アギトの世界についての基本的な情報を知りました。 ※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) ※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました 。 【津上翔一@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編終了後 【状態】強い決意、真司への信頼、麗奈への心配、未来への希望 【装備】カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW、医療箱@現実 【思考・状況】 基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの居場所を守る為に戦う。 0:麗奈を連れて病院に戻る 1:城戸さんと一緒に誰かを守る為に戦う。 2:モンスターから小沢さんを助け出す。 3:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触。 4:木野さんと北条さんの分まで生きて、自分達でみんなの居場所を守ってみせる。 5:もう一人の間宮さん(ウカワームの人格)に人を襲わせないようにする。 6:ヒビキと合流したいが、今は小沢の救出を優先する 。 7:南のエリアで起こったらしき戦闘、紅音也を殺した犯人への警戒。 8:名護と他二人の体調が心配 。 【備考】 ※ふうと君キーホルダーはデイバッグに取り付けられています。 ※響鬼の世界についての基本的な情報を得ました。 ※龍騎の世界についての基本的な情報を得ました。 ※医療箱の中には、飲み薬、塗り薬、抗生物質、包帯、消毒薬、ギブスと様々な道具が入っています。 ※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) ※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました ※今持っている医療箱は病院で纏めていた物ではなく、第一回放送前から持っていた物です。 【間宮麗奈@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第40話終了後 【状態】 ウカワームに1時間35分変身不可、他人に拒絶されること及びもう一人の自分が人を傷つける可能性への恐怖、翔一達の言葉に希望 【装備】ファンガイアバスター@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW 【思考・状況】 1:翔一達と一緒に病院に戻って、リュウタロス達に謝る。 2:もう一人の自分が誰かを傷つけないように何とかする。 3:……それがうまく行かない時、誰かに自分を止めて貰えるようにする。 4:照井が死んだのは悲しい。一条と京介は無事? どこへ行ったのか知りたい。 【備考】 ※『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 ※生前の記憶を取り戻しました。ワームの方の人格はまだ強く表には出て来ませんが、それがいつまで続くのか、またワームの人格が何をどう考えているのか、具体的には後続の書き手さんにお任せします。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) 【全体備考】 ※E-1エリア市街地が焦土となっていることが確認されました。 ※ドレイクゼクターの現在位置や目的地は後続の書き手さんにお任せします。 |106:[[君のままで変われば良い(2)]]|投下順|107:[[慚愧]]| |~|時系列順|~| |~|[[津上翔一]]|| |~|[[城戸真司]]|| |~|[[三原修二]]|| |~|[[間宮麗奈]]|| |~|[[擬態天道]]|| |~|[[リュウタロス]]|| |~|[[名護啓介]]|| |~|[[左翔太郎]]|| ----
*君のままで変われば良い(3)◆cJ9Rh6ekv.  水色の蜻蛉――翔一は知る由もないが、名をドレイクゼクターという――に導かれバイクを走らせていた翔一達だったが、やがて、その行く先を照らしていたライトが蹲っていた一つの人影を照らし、翔一は慌ててブレーキを掛けた。その性能も、翔一がアギトの力で進化させたバイクであるマシントルネイダーに匹敵するほどで、余裕を持って停車することができた。  ライトに気づいて振り返った影を見て、翔一はいつものように笑顔を浮かべた。 「――良かった。心配しましたよ、間宮さん」  不安を隠し切れない表情の彼女を安心させようと、翔一はできるだけ――と言ってもいつもと同じ調子で、穏やかに語りかける。 「――リュウタロスから、あんたを護るようにって頼まれた……」  翔一がバイクを止めている間に、真司が翔一達の知る彼女の姿に戻った麗奈に語り掛ける。 「この辺は物騒だし、リュウタロスの待ってる病院だって、いつまでも放っておいて大丈夫なわけじゃない……だから間宮さん、早く一緒に帰ろう!」  真司の訴えに、何もない黒焦げた焦土の中、所在なさげにぽつんと立っていた間宮麗奈は、力なく首を横に振った。 「無理ですよ……だって私が、リュウタロスを……皆さんを傷つけたんですよ?」 「でもリュウタロスは、自分のことより、あんたのことを心配して……っ!」 「お二人も見たでしょう!? 私、あんな……あんな……!」 「間宮さん、落ち着いてください。城戸さんも、そんなカッカしてたら間宮さんが怯えちゃうじゃないですか」  呼吸の激しくなった麗奈の様子を見て、翔一は二人の間に割って入った。  だが翔一が歩み寄ろうとすると、彼女は同じ歩数だけ後退る。まだ警戒させてしまっているんだなと気づいて、翔一はその場に留まって説得を続けることにした。 「間宮さん。確かに間宮さんは普通の人とはちょーっと違うみたいですけど、そんなこと言ったら俺だってアギトですし、リュウタロスだってイマジンです。そんな気にしなくても、誰も間宮さんのことを追い出したり、憎んだりなんかしませんよ」 「――嘘っ!」  強烈な否定に、翔一は一瞬押し黙ってしまう。代わりといったように、真司が口を開いた。 「嘘じゃないっ! ……そりゃ、最初知った時はびっくりしたけど……でも、俺達は間宮さんがどういう人なのか知ってる。確かに、総司って人を襲ったのは悪いことだけど、何か事情があるんだろ? だったら――っ!」 「――三原さんがっ!」  真司の訴えを遮ったのは、悲鳴のような返答だった。 「……三原さんは、怯えてました。私のこと、怖がってました」 「違っ……だからそれは、間宮さんが人じゃないからじゃない! 人じゃないものが皆怖いんだったら、三原さんはリュウタロスと一緒になんかいないだろっ!?」 「そうですよ」  翔一は再び、そこで口を挟んだ。 「……まあ、最初リュウタロスを見た目で判断した俺達じゃやっぱり説得力がないかもしれませんけど、でも三原さんだって俺達だって、間宮さんの見た目に怯えたわけじゃありません」  会話に虚偽は挟まない。周囲からの拒絶への不安に押し潰されそうになっている今の彼女を前に、こちらまで余計な不安を声音に孕むわけにはいかないし、誠実さを欠けばそれは目敏く見抜かれるだろう。故に余計な嘘など吐かず、ただ思うがまま、本当の気持ちを伝えることが一番だと翔一は思っていた。  もっともそれは、疾しい気持ちを一切持たないことで初めて有効な交渉術足り得るのだが、幸い翔一はそんなことに頭を悩ませる必要はなく、ただ麗奈をどうやって安心させるか、それだけを考えるだけで良かった。 「間宮さんが誰かを傷つけようとしていたのを見てしまったからです。間宮さんは優しい人に見えたから、なおさらでしたね。でも、それにも何か、間宮さんの本当の気持ちとは関係ない理由があるんなら、俺達は安直に間宮さんのことを怖がったり、悪者扱いなんかしませんよ」  真司と共に、麗奈を相手に繰り広げる会話に、翔一はどこか既視感を覚えていた。  あの時も、今とはまた別の過去を意識していたことを思い出しながら、翔一は続ける。 「だから、まずは帰りましょう。間宮さんが何を怖がっているのかは、後でゆっくり聞きますから」 「ダメ……もう、ダメなんです」 「え?」 「……私、思い出しましたから。私が何なのか。私の中に誰がいるのかを」  麗奈の言葉に、あのカブトムシに頭をずっと殴られていたせいかなと、翔一は何となく思う。 「……津上さん達の言う通りなのかもしれません。いいえ、私はやっぱり、私が人間じゃないことも怖い。……でもそれ以上に、私の中のもう一人の私が、誰かを傷つけてしまうのが怖い!」  隙を見て少しずつ距離を詰めようとしていた二人は、麗奈の叫びに制止される形で、またも距離を埋めるタイミングを見失ってしまった。 「もう一人の、間宮さん……?」 「それに、私は……本当はもう、死んでいるんです。……二回」  目の前に立っている女性が、もう死んでいると言う。  いや、他にも死んだはずの牙王の名が名簿にあることを考えれば、あるいはそこまで突飛な話ではないのかもしれないが……二度、死んでいる? 思わぬ告白に、翔一と真司は揃ってどう反応すれば良いのかを逡巡した。 その間に、麗奈はその身の上を二人に語り始めた。 「間宮麗奈という人間は、あるワームによって姿と記憶を奪われて、殺されました……でも、ある偶然からワームの心が失われて、私はある意味で一度生き返りました」  ワーム。総司も口にしていた名前だが、やはりただの虫ではなく何か意味があるのだろうか?  人間の姿と記憶を奪うとはどういう意味なのか、二人が答えを出せずにいることに構わず、麗奈は右手を頭の上に乗せて、さらに翔一達に語る。 「でも、それも結局一時的なもので……私はまた、ワームの私に支配されました。でもあの人が……大介さんが約束を果たしてくれたから、私は誰も傷つけずに済んだ……それなのに!」  そこで顔を両手で覆った彼女からは、そのまま崩れ落ちてしまいそうなほどに弱々しい印象を二人は感じた。 「――気が付いたら、ここにいたんです! こんな首輪なんか付けられて、それで一人知っている人が殺されて、他の世界の人達と殺し合えって! 人を傷つけろって! ……そんなの、嫌……っ!」 「だったら……!」  かなり動揺しているのか、話の筋道は見え難いが、それでも彼女の主張からやはりと確信を得たのか、真司が再び口を開いた。 「嫌だったら、そんなことしなかったら良いじゃないですか! そんなことしないで、一緒に生きて帰れるよう協力すれば良い! 間宮さんは、誰も傷つける必要なんかない!」 「……言ったじゃないですか、城戸さん。私の中には、ワームの私がいるって……」  月に濃い雲が掛かったのか、周囲に落ちる闇は一層濃い物になっていた。そのせいで彼女の表情までははっきりとは読み取れなかったが、その声は涙ぐんでいるようにも感じられた。 「彼女は……彼女は、他の人を傷つけます。人間も、自分達の敵であるネイティブも。私だけじゃ、そんな私を止められないんです!」  そこで初めて彼女は、翔一達の方に一歩、歩み寄った。 「……だから、私の傍に居たら、皆さんが危ないんです。……リュウタロスに、ごめんねって伝えてください。それから、私のことは忘れてって……」 「――嫌です! そんなこと、間宮さんが自分で謝ったら良いじゃないか!」  だがそんな彼女の主張を、真司は認めなかった。頑として首を縦に振らず、麗奈の方へ一歩距離を詰めて、その胸の内を彼女に伝えようとする。 「間宮さんの中にいるワームが誰かを傷つけるっていうなら、俺が止めてやる! 俺は……誰かが傷つけられるのも、誰かがいなくなっちゃうのも! 座る人がいなくなった席を見た誰かが傷つくのも、絶対に嫌だ! だから俺はライダーになった。だから、リュウタロスの代わりに護るって約束した、今ここにいる間宮さんだって、俺は絶対に護ってやる!」 「……そう、ですか」  真司の訴えに、麗奈はどこか嬉しそうながらも、儚い印象の笑みを浮かべた。 「……城戸さんのお気持ちはありがたいです。だけど、やっぱり無理ですよ……だから。約束してください。もしもう一人の私が、また城戸さんや津上さん、リュウタロス達を傷つけようとしたら、その時は私を……倒してください」 「間宮さん……っ!」 「――お断りします」  真司が辛そうにその名を呼ぶに至って、翔一は再び、口を開いた。 「俺、二人の話聞いてて思いました。やっぱり間宮さんには、居なくなって欲しくないって」  今度は翔一が話す番だと悟ってくれたのか、真司はその言葉を邪魔しないようにしてくれていた。そのことに内心で感謝しながら、翔一はまた、彼女に言い聞かせるように言葉を紡ぐ。 「ちょっと野暮かもしれませんけど、さっき、大介さんって人の名前を呼ぶ時、間宮さんどこか嬉しそうで、でもちょっぴり切ない感じでしたよね? その人のこと、好きなんですよね?」  話題が話題だったためかもしれないが、麗奈が硬直したのが感じ取れた。「バッ、おまっ!」と抗議しようとする真司をまあまあと宥めて、翔一は続ける。 「それで、ああ、やっぱり、って思ったんです。間宮さんには、間宮さんの居場所がちゃんとあったんだって。間宮さんが帰らなきゃいけないところが。その大介さんって人がいてくれるから、間宮さんは死んじゃいけないんです、絶対」 「……私に居場所なんて、ありませんよ」  自嘲するように、麗奈は翔一が力強く告げた言葉を否定する。 「だって、私は……もう、死んでいるんですよ?」 「――でも、今は生きているじゃないですか。だったらやっぱり間宮さんは、間宮さんの席に座るべきです。  だけど間宮さんは、もう一人の間宮さんがその席に座るのを邪魔しちゃうんじゃないかってことが怖いんですよね? それで、他の人を傷つけちゃうのが」  麗奈の返答も、真司の頷きも、翔一のその前提が間違っているという訴えにはなかった。  否定も肯定もないまま、翔一の声だけが夜の沈黙を払う。 「自分の中に、自分とは違う何かがいるっていうの、やっぱり怖いですよね。俺も昔アギトになったばっかりの頃は、変身してる間は何をしてるのかわかんなくて少し怖いって思われたり、記憶がなかったのもあって、自分でもすっごく怖かったです。その力のせいでアンノウンって奴らにも狙われて、一回何もかもから逃げ出したくなっちゃった時もありました」  自分も似たような悩みをかつて抱いていたという告白に、闇の中を伝播して来ていた警戒が少しだけ緩まったように感じて、翔一は少しだけ気を楽にしながら言葉を続ける。 「でも、俺はアギトになっても、俺として、人として、アギトとして生きて来れました。嫌なことももちろんありましたけど、それ以上に楽しいこともいっぱいありました。だから、そこで諦めちゃうなんて勿体ないですよ」  手応えを感じながら翔一がそんな風に語り終えると、麗奈は弱々しく首を振った。 「それは……津上さんが、強いから……」 「ははは、そんな風に言われちゃうと照れちゃうなぁ。でも、そんなことないですよ」  褒め言葉を貰ったことに素直に喜びを示した後、翔一は緩みそうになった口の端を引き締め、暗闇の中にある麗奈の瞳を見つけて、正面から視線を合わせた。 「――それより、間宮さんは人間のことが好きですよね?」 「え……っ?」  寸前の流れと余り繋がっていないせいか、思わぬ言葉に驚いた様子の麗奈に、翔一は一度、自分で頷きながらそう思った根拠を述べる。 「だって、誰かを傷つけるのが怖いって言ってるのは、人間のことが大好きだからって裏返しじゃないですか。  間宮さんが人間を好きだって気持ちをちゃんと思い出して、しっかり持ちましょう。それでその想いを、もう一人の間宮さんにも伝えて、人を好きになって貰いましょう!」  はっきりと、理屈でわかっているわけではない。しかしワームが人の記憶を奪う存在であるというのなら、その思い出に残された人の心を伝えることができるのではないかと翔一は直観していた。  完全に根拠がないわけではない。おそらく、総司の正体だと言うネイティブはワームと似た存在なのだろう。その総司が名護達の仲間として、名護が言うには仮面ライダーの仲間として今生きているのなら、同じようにもう一人の間宮麗奈の心にも、人の想いを伝えられるのではないのだろうか。 「そんな……そんなこと、できるわけ……っ!」 「確かに、一人じゃ無理かもしれません。でも間宮さんには、こんなところでも支えてくれる人がいるじゃないですか。リュウタロスも、城戸さんも、それに俺だって手伝いますから、力を合わせてもう一人の間宮さんにも変わって貰いましょう。……きっと間宮さんの想いをずっと傍で見て来たんですから、案外うまく行っちゃうかもしれませんよぉ? もう一人の間宮さんだって人間のことを好きになってくれれば、もう誰かを酷い理由で傷つけたりしませんよ」 「翔一……」  後ろから聞こえた真司の声は、どこか呆れているかのようだった。 「……そっか。そうだよなぁ、おまえ、そういう奴だったよなぁ……」  多分に精神的疲労を含んだ重量級の溜息を吐きながら、ぽりぽりと真司が頭を掻いている音が聞こえたかと思うと、急に声を引き締め直した彼はまた、麗奈に語りかけ始めた。 「間宮さん。俺、間宮さんが辛いってこともよく考えないで、とにかくあんたを護らなきゃ、って気持ちばっかり押し付けてて、本当にごめん。ちょっと反省してる。  でも、翔一ってこーゆー奴だからさ。もう観念して俺達のこと、頼ってくれよ」 「あ、酷いなー城戸さん。俺がこーゆー奴だから観念しろって、どーゆー意味ですか」 「だからそういうとこがだなぁ! ……まあ、ともかく。さっき謝ったけど、間宮さんだって、本当にそのワームの間宮さんが暴れちゃうのが怖いんだったら、一人で行動するよりも俺達と一緒の方が絶対に良いって。事情も知らない人しかいない時に間宮さんが暴れたら大変だけど、事情を知ってる俺達が一緒にいたら、いざって時には間宮さんを止められるだろ?」  どこか呆れた調子ながらも、決して主張する部分を譲ろうとしない真司の言葉に、それでも麗奈は首を振った。 「……無理です。そんな、これ以上皆さんに迷惑を掛けるような……ここは、殺し合いの場所なんですよ!? お二人だって見たでしょう? あの戦いを! あんな恐ろしい敵がいるのに、私みたいな足手纏いまで抱えるなんて、そんなの、無理に決まってるじゃないですか……!」 「大丈夫です、間宮さん。俺は死にません。城戸さんだって死なせません。だから間宮さん、あなたも生きてください」 「そうだ……ってちょっと待て、何で俺がおまえに護って貰うことになってるんだよ!?」 「えー、どうしてそこで文句言うんですか? 城戸さんが言ってくれたんですよ、俺のことも護りたいって。だから俺も、城戸さんのことを護りたいって言っただけなのに……」 「えっ!? あ……そ、そうなのか……?」  バツが悪そうに視線を逸らした真司が「……サンキュ」、と小さく呟くのを見て、可愛いなぁこの人、などと思った翔一はつい笑ってしまいそうになった。  ただ今はそれよりも、麗奈の方に向き合わなければと翔一は視線を戻す。 「間宮さん。俺達、間宮さんの助けになることなら、間宮さんを倒せなんてこと以外なら何でもするつもりです。だけど、昔、俺の知っている人が、今の間宮さんに似た境遇の人に言っていました。結局、人は自分で自分を救わなきゃいけない。あなたがあなたのままで居られるか、あなたでなくなってしまうのか、それを決めるのもあなただって……」  その時のことを。彼女を救ったこと、そして自分が決意を新たにしたことを思い出しながら、翔一は噛み締めるように麗奈に、あの時聞いた言葉を告げる。 「だから、最初にそれを確かめてください。間宮さんがどうしたいのか、どうなりたいのかを」  自分の意志で、いったいどうしたいのか、どう在りたいのか選べ、と。そのための助けならいくらでもしてみせるという翔一の主張に、真司は頷いてくれていた。 「私、は……」  ――それでも間宮麗奈は、まだ踏ん切りがつかない様子だった。 「……でも、そんな……できるかもわからないようなことで……」  事実として誰かを傷つけようとしたことや、制限によって、その「いざ」という時に翔一達が何の戦力を持たない――そう、それこそ小沢が操られてしまった時のように、結局は何の力にもなれない可能性がある以上、彼女の不安を覚えるのも自然なことだと翔一は思っていた。 「……そんな、保証もないのに……それに、皆さんを付き合せるなんて……」 「――間宮さん、俺は……」 「――ごめん、間宮さん。俺やっぱり、さっき謝ったの取り消す」  それでも大丈夫だと伝えようとした翔一は、ふとした真司の呟きから滲んでいた怒りに言葉を詰まらせた。 「――さっき、俺、あんたが辛いのに、護りたいって気持ちを一方的に押し付けてごめんって言ったけど……でもあんただって、考えてるのはあんたのことばっかりじゃないか!」  烈火のような怒りのままに、真司が麗奈を断罪する。 「あんたが護ってくれって俺達に言ったかっ!? そうじゃないだろ……! リュウタロスも、翔一も、俺も、翔一の言うように、自分の意志であんたを護りたいって想ったから、あんたを護るって言ってるんだ!  それなのにあんたは自分に付き合せて悪いって、俺達の気持ちだって無視して、あんたが誰かを傷つけて自分が嫌な気持ちになるのが怖いって……結局あんたが傷つくことを怖がってるだけじゃないか! あんただって自分のことしか考えてないんだったら、俺だって、あんたが何を言ったって関係ない! 俺は勝手にあんたを護るからなっ!」  これまで見せた中でも一番の剣幕で告げる真司に、麗奈は微かに怯え、そして大きく驚いているようだった。  腹の底から叫びを捻り出したためか、強い眼差しのまま喘ぐように息をする真司の姿を横目にした翔一は、無言で一歩、前に出た。 「……間宮さん。いきなり城戸さんが怒鳴って、びっくりしたかと思います。  でも、俺も今は城戸さんと同じ気持ちです。……それにきっと、城戸さんが怒ったのは、今の間宮さんが本当にやりたいことから逃げているからだと思います。  間宮さんだって本当は、誰かを傷つけたり、自分が死んだりしたいわけじゃないんでしょう? 辛いのはわかりますけど、他の人がちゃんと間宮さんと向き合おうとしているのに、自分だけただ楽な方に逃げようってしているのを見たら、城戸さんが怒るのだって仕方ないと思います」 「だって……っ、そんなこと言ったって……!」  必死の色合いを孕んだ声で訴えてくる麗奈に、翔一は微かに首を傾け、小さく優しく頷いた。 「辛いのはわかります。偉そうに言ってますけど、俺も、間宮さんの立場だったらきっと一人じゃ耐えられません。でも、俺は一人じゃなかった……間宮さんだって、本気で嫌だって言わない限り、俺達は絶対に間宮さんを一人にしません。間宮さんだって、一人じゃないんです!」  翔一の叫びに、もう一度、真司が力強く頷いてくれた。 「間宮さん。間宮さんは、死ぬのが怖いですよね? 嫌ですよね? 本当は、自分のことだろうと誰かを傷つける選択を勇気だなんて言いたくないけど……それでも、他の人のためにそれを選ぶだけの意志の強さがあったんじゃないですか。それなら、どうして自分のために勇気を出さないんですか!? 最初から怖がっていたら、できることだってできやしませんよ。  自分のためにも戦ってください、間宮さんっ!」  ――それはかつて、翔一に風谷真魚がぶつけたのと、同じ言葉だった。  翔一にはあの時の自分と、目の前の麗奈が、どちらも恐怖に屈して自分の本当の願いを直視できず悩んでいる姿が、重なって見えていたのだ。  だからこそ翔一は、なおさら彼女のことが放っておけなかった。 「――間宮さんは、そのために人に迷惑を掛けるのが嫌だって思うだろうけどさ」  そして真司が、もう一度、翔一の言葉を継いだ。 「……俺達は、掛けて欲しいんだよ。誰も傷つかなくて良い方に変わるための迷惑なら、俺はいくらだって掛けて欲しい。結局、そこで間宮さんに勇気を出して貰えないままの方が……俺達はきっと、もっと傷つくからさ」 「――そうですね。その通りです。間宮さんは、人を頼る勇気も持つべきだと思います」  翔一は真司と互いに頷き合い、再び麗奈の様子を見守ることにした。 「……私、は……」  そうして翔一達と長く言葉を交わした事で、間宮麗奈は悩んでいるように見えた。  翔一も、真司も。これ以上は何も言わず、ただ彼女が答えを見つけることを待ち続けた。 「私、は……」  夜風が翔一のジャケットを煽り、撫でて行く。東側の大地自体が未だ保つ熱を取り込み温くなった風に晒されながらも、翔一達は待っていた。  やがて、上空を駆けた風が月を覆っていた巨大な雲を吹き散らしたのか、淡い月光が無数の傷を刻んだ大地を優しく照らし始める。  その光に包まれたのと時をほぼ同じくして、間宮麗奈は呟いた。 「私、はっ……リュウタロス達に、謝っても、良いんですか……っ? そんなことをしようとしても、良いんですか……っ!?」 「……はい、是非、謝ってあげてください!」 「……っしゃあっ!」  翔一がそう力強く頷き返すと、今にも崩れそうだった彼女は遂に口元を押さえて、泣き出し始めてしまった。彼女が遂に説得に応じた様子に、真司が小さくガッツポーズを取っていた。  本当は今すぐにでも病院に戻らなければならないが、泣き止んで貰わなければバイクに乗ることもできないだろうと、翔一達は彼女が泣き止むことを待つことにした。 「……何とか、リュウタロスとの約束は破らずに済んだかぁ」 「良かったですね。これ以上リュウタロスに悪いこと、できませんもんね」 「ああ、ってまぁ、まだ気を抜いちゃダメなんだけどさ……」 「――あっ、そういえば! あの蜻蛉、いつの間にかどこかに行っちゃいましたね」 「おまえ……本当にマイペースだなぁ」  付き合うのもしんどいやぁと呟く真司に対して、翔一は心中で静かに礼を述べていた。  ――麗奈の処遇をどうするのか、実は翔一達は打ち合わせをしてはいなかった。  翔一自身は、再会した際の彼女の第一声を聞いて、少なくとも間宮麗奈という人間はアギトと同じだと判断し、彼女を助ける力になりたいと思った。  だがそんな翔一の決断よりも先に、リュウタロスという人ならざる者との約束を果たすために、真司は異形の正体を晒した間宮麗奈を傷つけず、またその心を救うことを決めていた。  多分、麗奈やアギトを救おうとする翔一にも負けないぐらい強く、普通の人間である真司が。  ――彼はきっと、様々な他者を受け入れることのできる可能性を持った人だ。  アギトも、キバットも、イマジンも、ワームも……リュウタロスと最初に対面した時こそ、事情もあって外見で判断もしたが、それでも真司は異世界の人間だけでなく、それらの人とは違う別の種族にもまた、同じく一つの魂を持つ者として対等に接している。  無論、あの暴虐な未確認の死にも心を痛めた真司が、種族が人間でないということで誰かを差別することはないと思っていたからこそ、翔一も打ち合わせなど行わず、一刻も早く麗奈の元に駆けつけることに集中できた。  それでも…… (城戸さん……ありがとうございます)  その信頼を裏切られずに済んだことに。そしてまた、その姿を見たことで、安心できたものがあって。 (城戸さんを見て、俺、改めて思いました。やっぱり人は、アギトのことを受け入れて生きて行くことができるって。アギトは、人間と一緒に生きて行けるって)  かつての氷川誠の言葉を考慮すれば、真司のような人間の方が少数派なのだとしても。  氷川や真司のような、他者を受け入れることのできる強さのある人間がいるとわかっただけでも、アギトとしての翔一は未来に希望を持つことができる。  またそんな人達がいるのなら、人間としての翔一も彼らを見習って、他者を受け入れることのできる強さを持ちたいと、静かに、だが確かに想う。  だからこそ、皆のそれぞれの居場所を護りたいと。たくさんの人達が生きる世界を護りたいのだという胸の内をもう一度、はっきりと認識できたのだから。  それを再確認させてくれた仲間に感謝を覚えることは、翔一にとって自然なことだった。 (姉さん……見てくれた? やっぱり、本当は姉さんにだって居場所はあったんだ。 だから俺、護ってみせるよ。もう姉さんみたいな悲しい想いをする人を出さないために。人もアギトも、どの世界のどんな人のでも、皆の居場所を、この手で!)  まだ、麗奈を踏み留まらせただけで解決すべき課題は山積みだ。何度も繰り返したように、この周辺にいると目される敵は翔一達から見ても恐ろしい強さだし、リュウタロスは麗奈を許していても、実際に襲われた総司達との間に軋轢が残らないとも限らない。乾巧やヒビキ達、殺し合いを止めようと志を同じくする者達とどうやって合流するのかという問題だってある。  それでも今この時だけは、確かに翔一は数々の障害を認識しながらも、仲間達と一緒なら、きっと超えて行けるのだと、疑うことなく信じられた。  夜はまだ長い。それでも翔一には、遠いはずの夜明けの日が、確かに見えていた。 【1日目 真夜中】 【E-1 焦土】 【城戸真司@仮面ライダー龍騎】 【時間軸】劇場版 霧島とお好み焼を食べた後 【状態】強い決意、翔一への信頼、麗奈への心配 【装備】龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式、優衣のてるてる坊主@仮面ライダー龍騎 【思考・状況】 基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの命を守る為に戦う。 1:翔一と共に誰かを守る為に戦う。 2:モンスターから小沢を助け出す。 3:麗奈を連れてD-1エリアの病院に戻る。 4:それまでリュウタロスの代わりに絶対に麗奈を護る。 5:蓮にアビスのことを伝える。 6:ヒビキと合流したいが、今は小沢の救出を優先する 。 7:この近くで起こったらしい戦闘について詳しく知りたい。 【備考】 ※支給品のトランプを使えるライダーが居る事に気付きました。 ※アビスこそが「現われていないライダー」だと誤解しています。 ※アギトの世界についての基本的な情報を知りました。 ※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) ※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました 。 【津上翔一@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編終了後 【状態】強い決意、真司への信頼、麗奈への心配、未来への希望 【装備】カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW、医療箱@現実 【思考・状況】 基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの居場所を守る為に戦う。 0:麗奈を連れて病院に戻る 1:城戸さんと一緒に誰かを守る為に戦う。 2:モンスターから小沢さんを助け出す。 3:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触。 4:木野さんと北条さんの分まで生きて、自分達でみんなの居場所を守ってみせる。 5:もう一人の間宮さん(ウカワームの人格)に人を襲わせないようにする。 6:ヒビキと合流したいが、今は小沢の救出を優先する 。 7:南のエリアで起こったらしき戦闘、紅音也を殺した犯人への警戒。 8:名護と他二人の体調が心配 。 【備考】 ※ふうと君キーホルダーはデイバッグに取り付けられています。 ※響鬼の世界についての基本的な情報を得ました。 ※龍騎の世界についての基本的な情報を得ました。 ※医療箱の中には、飲み薬、塗り薬、抗生物質、包帯、消毒薬、ギブスと様々な道具が入っています。 ※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) ※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました ※今持っている医療箱は病院で纏めていた物ではなく、第一回放送前から持っていた物です。 【間宮麗奈@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第40話終了後 【状態】 ウカワームに1時間35分変身不可、他人に拒絶されること及びもう一人の自分が人を傷つける可能性への恐怖、翔一達の言葉に希望 【装備】ファンガイアバスター@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW 【思考・状況】 1:翔一達と一緒に病院に戻って、リュウタロス達に謝る。 2:もう一人の自分が誰かを傷つけないように何とかする。 3:……それがうまく行かない時、誰かに自分を止めて貰えるようにする。 4:照井が死んだのは悲しい。一条と京介は無事? どこへ行ったのか知りたい。 【備考】 ※『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。 ※生前の記憶を取り戻しました。ワームの方の人格はまだ強く表には出て来ませんが、それがいつまで続くのか、またワームの人格が何をどう考えているのか、具体的には後続の書き手さんにお任せします。 ※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません) 【全体備考】 ※E-1エリア市街地が焦土となっていることが確認されました。 ※ドレイクゼクターの現在位置や目的地は後続の書き手さんにお任せします。 |106:[[君のままで変われば良い(2)]]|投下順|107:[[慚愧]]| |~|時系列順|~| |~|[[津上翔一]]|112:[[最高のS/その誤解解けるとき]]| |~|[[城戸真司]]|~| |~|[[三原修二]]|~| |~|[[間宮麗奈]]|~| |~|[[擬態天道]]|~| |~|[[リュウタロス]]|~| |~|[[名護啓介]]|~| |~|[[左翔太郎]]|~| ----

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