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ライダー大戦 Round Zero~WARBREAK'S BELL(後編)」(2018/01/30 (火) 00:51:07) の最新版変更点

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 エンドオブワールドから放たれた無数の火線に貫かれ、さらに数多の弾丸やミサイルに蹂躙されて――エリア一つ分にも及んだ大病院が、その質量の大部分を消失させていた。  ビームによって蜂の巣にされ崩れたところに、残骸すら残さぬと言う勢いでの弾薬の殺到だ。大部分が粉末状にまで破壊され、白の塵芥と黒煙を昇らせているのも自然なことだろう。  ほんの数秒前、自身のデイパックから突然飛翔したT2サイクロンメモリがその火中へ飛び込んで行ったが、あのメモリが使用者に人外の力を付与する代物であることを理解していても、まだ少なくない量が残った瓦礫と、すり抜けて来た超火力の驟雨を受けて、生きている者などそこにはいないかと思われた。  だが、ほんの少しとは言えそんな幻想を抱いた視線の先で、濛々と立ち込める煙の奥から、九つの影が揺らめいたのを始は見逃さなかった。 「そうだ――それで良い」  背後でマグナギガの背からマグナバイザーを引き抜くゾルダに気取られぬよう心掛けながら、始はそう小さく呟いた。  確かに今は、始は彼らと敵対する側にいるが……真の願いは、彼らが主催者を打倒し、全ての世界が救われることなのだから。  計り知れない力を有する大ショッカーに立ち向かうには、この程度の障害で潰えて貰っては困るのだ。 (だが……まだだ。もう少し試させて貰うぞ)  始は見極めなければならない。彼らに託して良いのか、自分の世界だけでも死守すべく、他を切り捨てるべきなのかを。  仮初の同盟を築いた悪を彼らに倒させるべきなのか、悪を利用して自分の世界だけでも救うべきなのかを。  そう考えながら、始はカテゴリーエースのカードを取り出し、出現させたカリスラウザーのリーダー部分へと手を寄せた。 「俺達は……戦うことでしかわかり合えない」 《――CHANGE――》  泡立つような音と共に、始は仮面ライダーカリス――否。マンティスアンデッドへと変身を遂げた。 (世界の破壊者、ディケイド……?)  金居という参加者から齎された情報に、鳴海亜樹子は思考を巡らせていた。  曰く、ディケイドを破壊しなければ、殺し合いの結果に関わらず全ての世界が滅びを迎える――そしてそのディケイドとは、フィリップと旧知の間柄である門矢士のことだという――  全ての世界の敵。なるほど、金居が危険を冒してまでこの場で攻撃を仕掛けようとした意味がある存在だと亜樹子は認識する。  ならば自分はどうするべきなのか。彼の様にディケイド打倒を目的に動くべきか?  だが少し考えて、その選択は半分正解、と言った程度に過ぎないと判断できた。  どうせ、優勝のためにはディケイドだろうが何だろうが、風都出身者以外を全て殺す必要があるのだ。ディケイドの存在が特別かと言われれば、亜樹子の中では大きな価値はなかった。  あの乃木怜治も同じ考えなのだろう。仮に金居の言うことが真実だとしても、今は門矢士という参加者の利用価値で全てを判断したのだ。乃木の立場ならば大ショッカーを打倒するために必要な役割を果たして貰えば、亜樹子からすれば自分の盾とさえなってくれれば、積極的に追い詰めなくともその後に始末するので十分に間に合う、そういう判断なのだ。  少なくとも今の、何の戦力も持たない亜樹子を好き好んで庇護下に置こうとしてくれるような輩を能動的に潰すことはない。そう結論付けた亜樹子は、改めて乃木という脅威を感じる。  初対面の時はただ怖い人だと感じていたが、今となっては本当に恐ろしい相手だと思わざるを得ない。全ては霧島美穂に脅されていたという亜樹子の弁明を、あの男が信じてくれているとは考え難い。そして世界の破壊者だろうが自分にとっての利用価値で待遇を決めるような輩が、亜樹子自身にも仮面ライダー達への好感度稼ぎぐらいしか利用価値の見当たらない自分を、口にしたように長期間養ってくれるとは思えない。早期に手を回さなければ、何かのトラブルに合わせて自然な形で脱落させられてしまう可能性すらある。  それは今この時も、決して例外ではないだろう。隙を見せれば、能力も人格も彼にとって不安要素でしかない亜樹子を乃木は喜んで見殺しにするだろう。フィリップならばその後亜樹子の死の真相を暴いてくれるかもしれないが、自分が死んだ時点でその後のことなど手遅れだ。  そうなる前に、先に乃木を始末しなければ。  そのためにも、是が非でも優勝に繋がる唯一の可能性――地の石を手中に収めなければ。  この戦いの立ち回りで、この殺し合いの今後が決まる――半ば確信めいた考えを抱いた亜樹子は、周りが仮面ライダーに変身しようとする中で同じく変身ツールを取り出したフィリップを――その彼が手にしたメモリへと、まるで吸い寄せられるかのように視線を注いでいた。 《――TABOO――》  それは禁忌の記憶を宿した金色のガイアメモリ。今は亡きフィリップの姉冴子の力として、これまで何度も自分達を苦しめ、亜樹子の父壮吉を死に追いやった因縁浅からぬメモリ。  何故だろうか。人々を惑わせ傷つける悪しき存在。これまでのように憎んで当然であるはずのそれに、強く惹かれるような心地で居るのは――  つい先程まで思考を巡らせていた、世界の破壊者の存在も、乃木への警戒も、今ここが生死の境目たる戦場であることも忘れて、亜樹子はタブーメモリを凝視していた。  そんな亜樹子の前で、タブーの力と一体化しようとフィリップはそれをガイアドライバーへと運ぼうとした時――緑色の線が、メモリを弾き出すようにフィリップの手の中に納まった。 「……これはっ!?」  変身を阻害されたフィリップの手の中にあるのは、彼や亜樹子の見慣れた緑色のサイクロンメモリ。 (――あれ?)  認識した直後、それが常のサイクロンではないと違和感と、しかし一度はどこかで目にしたという既視感を覚えた亜樹子の目の前に、弧を描いて落ちて来る物があった。  亜樹子の視線を引き寄せて離さない、禁忌のメモリ――思わず優しく受け止めた時、自分とメモリの間に電流が走ったような錯覚に彼女は襲われた。 (……タブー)  心中でその名を呟いた直後、突如として世界が揺れる。意識外の衝撃によって亜樹子が半ばパニックに陥りかけながらメモリを庇うように懐に隠すと、見覚えのある緑色の異形がこちらに飛び掛かって来ていた。 「――亜樹子っ!」 「フィリップ、俺の後ろへっ!」  手の中のサイクロンメモリをどうするということもなく、ギルスに庇われる形になった亜樹子の方を振り返ったフィリップの手を引いて自分の背後に運んだ橘が、やや斜め上を向いてバックルのレバーを反転させる。 《――Turn Up――》  すると、そこからクワガタムシの紋章が描かれた光の壁が吐き出され、頭上から降り注いでいた瓦礫や――それを粉砕しながら侵入して来ていた砲弾や小型ミサイルの猛攻を、物の見事に受け止めるバリアの役割を果たしていた。  それでも鉄壁に護られているのは、橘と彼の庇うフィリップだけだ。他の仮面ライダー達は各々の武器で頭上から迫り来る上階の残骸や砲弾やミサイルを迎え撃っていたが、飛び道具も持たず、しかも亜樹子を庇うために背を向けたギルスに防ぐ手段などあろうはずもない。 《――CLOCK UP――》  だが病院が崩壊する轟音の中、電子音が響いた次の瞬間に、亜樹子は見た。ギルスの脇の下から、その背後から迫り来ていた大量の破壊の牙の羅列が、突然生じた長く縦横無尽に伸びた濃緑の影によって打ち払われるその光景を。  それでも何発かの銃弾がギルスの肉体に到達した。だが着弾のたびに大きく揺らめきながら、なおもギルスはその場に立ち続け、亜樹子を決して破壊の暴風に晒させようとはしなかった。 「ウワォオオオオオオオオオオオオオオッ!」  苦悶に満ちた、獣のような悲鳴を上げるギルスを見て、思わず亜樹子の胸が締め付けられる。 (――ごめんね、涼くん……!)  嗚呼、何と自分は汚いのだろうか。  こうして身を呈して己を護ってくれる仮面ライダーを、ただ利用する駒としか見ないとは。  もしも半日も前の自分が今の自分を見れば、絶対に赦すことはないだろう。  そんな自分の卑劣さと、今更そんな身勝手な感傷を抱いたことに殊更強い憤りを覚えていると――やがて病院の倒壊は収束を迎えたのか、間断なく続いていた崩落音も収まっていた。  亜樹子の前でふらついたギルスの肩を、矢車の変身した仮面ライダーが強く掴み、支えた。 「よく妹を護ってくれたな。礼を言うぜ」 「――こっちこそ、な」  肩を上下させて呼吸するギルスの返答に、キックホッパーはまるで亜樹子と距離を取らせるかのように彼を後方に突き飛ばす。邪険な扱いにしかし文句の一つもなく、一瞥だけを残したギルスは濛々と立ちこめる粉塵の中に歩を進めて行った。その背を見送ろうとする亜樹子の傍にキックホッパーが腰かけると、今度はフィリップが駆け寄って来た。 「大丈夫、亜樹ちゃん!?」 「うん、大丈夫……涼くんやお兄ちゃんが、護ってくれたから」 「お兄ちゃん……?」  フィリップが疑問符を浮かべたが、それを説明している場合ではないと亜樹子は問いを放つ。 「それよりフィリップくん、さっきのって……」  亜樹子の問いに頷いて、「あれはT2だった」とフィリップが答えたのが埃の緞帳を通してでも見えた。  しかしそのメモリを今のフィリップが所持している様子はない――先のどさくさで落としてしまったらしく、灯りの失せた暗闇の中ということも相まって見失ってしまったようだ。 「亜樹ちゃん、タブーは……?」  そんなフィリップの何気ない問いかけに、ぎくりと身を強張らせながら、亜樹子は気づいた時には小さく首を振っていた。  フィリップはあの時、亜樹子の方を見ている余裕はなかったはずで……ギルスの影に隠れていた間に、メモリを取り零したという風に受け取られても自然だろうと、どこか冷静な部分が呟いていたが……そんなことにまで考えが及ぶ前に、フィリップの追求を拒否していた自分に、亜樹子は小さく目を見開く。  手放したくないと、離れたくないと感じているのだ。父の仇であるこの禁忌のメモリと。 (……私――っ!)  自分自身の中の理解できない部分が肥大化している事実に、亜樹子が小さく息を呑んだ時。その不安ごと吹き飛ばすかのように、辺りに濃霧の如く立ち込めていた塵芥が、逆向きの渦を巻いて外へと吐き出されて行く。 《――SURVIVE――》  電子音声が聞こえたかと思うと、今度は巻き起こった疾風の中心に立っていたナイトに風が集まって行く。束ねられた烈風は金の縁取りを持った碧の鎧となって、彼の装いを一新した。  まるで翼のようにマントを棚引かせたナイトが左腕から白銀の刀身を引き抜いた瞬間、周囲を覆っていた塵の幕が完全に開帳される。  そうして晴れた亜樹子の視界に映ったのは――ボロ屑のように崩れ落ちるカッシスワームと、彼方から爆音と共にこちらを狙う光芒の瞬きだった。  一歩踏み出すごとに大地を揺るがし、土煙を生みながら迫ってくる黒い肉体を金色の装甲で包んだ禍々しき姿のライダー……その漆黒の瞳を見て、これがライジングアルティメットだとカッシスワームが悟るのに時間は掛からなかった。  なるほど大した威圧感だ。その姿を見るだけでも、ギラファアンデッドなど比ではない力を感じ取ることができる。そしてそれ以上に、やはり天道総司を葬った張本人であるという事実が、カッシスワームの抱く警戒心の理由の大半を占めていた。  接近されるよりも先にギラファアンデッドを仕留める余裕があるか、と思案したところで、ライジングアルティメットが一際強く地を蹴った。猛烈な勢いの突進に、カッシスワームは舌打ちと共に後退する。飛び退いた次の瞬間、寸前まで存在していた空間にライジングアルティメットの剛腕が唸りと共に捻り込まれた。巨体の着地と、拳圧によって生まれた衝撃波が地を揺らし、その烈風を全身に煽られながら、カッシスワームは哀れな傀儡へと語り掛けた。 「己を操る輩の窮地を救おうと、勇ましいことだな。五代雄介」  皮肉に応じるでもなく、起き上がるギラファアンデッドを庇うように立ったライジングアルティメットは、その両掌を顔の前まで持ち上げた。その五指に纏わりついた夜闇よりなお暗い紫色の波動が、カッシスワームへと掌が向けられたと同時に波濤のようにして押し寄せる。  乾巧より聞き出した、カブトのクロックアップすら捉えたと言う暗黒掌波動――触れたものを悉く圧搾し、破壊し尽くさんとする闇の殺到に、だがカッシスワームは悠然と構えていた。  そんな不遜なワームを呑み込み、濁流と化して今まさに崩れ落ちようとする病院にトドメの一撃として乗り込もうとしていた黒い奔流は、突如として低地の穴に吸い込まれる液体の如く流れを変更し、ある一点へと誘われて行く。  闇の集合地点から轟いたのは、滑稽で仕方がないとばかりの、他者の尊厳を足蹴にする魔王の哄笑だった。その身を押し潰すはずだった闇の重圧を、逆に苦もなく飲み干したカッシスワームが、新たに己が身に加わった力の疼きを感じ取り、昂ぶりのままに笑声を放っていたのだ。  全ての影を吸収したカッシスワームは、鉤爪のような二本の指しかない右掌の中に先程自らに牙を立てんとしたそれと同じ、禍々しき闇を掌握する。  これこそがフリーズと引き換えに、二度目の生でカッシスワームが新たに得た固有の能力。あらゆる必殺技を構成するエネルギーを無効化・吸収し、そしてその技を習得する強欲な力だ。 「自らの闇に、呑まれるが良い」  カッシスワームが翳した右の掌から、莫大な量の闇が放たれる。刹那の内に空間を埋め尽くし、地面を掘り返しながら射線上に在った物質全てを蹂躙せんとする奔流に対し、ライジングアルティメットもまた、その場に立ち尽くしただけだった。  愚かな、とカッシスワームは内心でまたも嘲笑を浮かべる。  あらゆる技を無効化する能力を持つカッシスワームだからこそ毛ほどの傷も負わなかったが、暗黒掌波動の威力を前に、何の備えもなければ大きな打撃を受けることは免れ得ないだろう。  だがそんなカッシスワームの予想に反して、ライジングアルティメットはカッシスワームが波動の照射を止めぬ内からその勢いに逆らい、一歩ずつ距離を詰め始めた。 「――何ッ!?」  純粋に敵に与えるダメージだけならともかく、ストッピングパワーだけならば全身に均等に力を加える暗黒掌波動はカッシスワームの知る限りでも上位に君臨する技だ。それがただ一人の敵手の前進を阻害し切れていないという事実を前に、思わず動揺を漏らしたカッシスワームが暗黒掌波動の放射を終えたと同時、ライジングアルティメットの歩みが疾走へと変わった。  砂礫を蹴散らしながら迫る暴力の化身を、カッシスワームは左の大剣で迎え撃つ。当然それで倒し切れるわけもなく、右腕に生えた二本の突起の間に刃が挟み込まれる形で防がれる。  予想の範囲内だとカッシスワームは右腕で突きを放つ。これもまた、先端の針がライジングアルティメットの胸板を貫く前に左腕に掴まれ阻まれたが、やはり想定内だ。 「――ライダーキック!」  ライジングアルティメットの驚異的な握力で掴まれた右手首の甲殻が軋んで痛みを訴えるが、それを無視したカッシスワームはタキオン粒子を漲らせた右回し蹴りをライジングアルティメットの胴へと放つ。ライジングアルティメットもまた右の膝をそのまま正面に突き出し、互いの一撃は同時に目標へと到達することとなった。  激突の瞬間、大気が破裂するかのように悲鳴を上げて、砂煙が刹那の間だけ二人の姿を覆い隠す。次の刹那に衝撃波で砂塵が四散したことで、攻防の結末が月明かりの下詳らかとなった。  仮にも必殺技の直撃を受けたライジングアルティメットは僅かによろめき、カッシスワームはその両腕を解放されていた。だがカッシスワームもまた、腹腔に響いた重い衝撃にその動きを阻害され、追撃の好機をみすみす逃すことになってしまった。  ――ありえない。そう困惑していた分、カッシスワームはライジングアルティメットよりも次手が遅れた。顔面に叩き込まれた拳によって一瞬意識を刈り取られ、回復した時にはまるで見当違いの方向へと顔の向きを変えていた事実に、さらにカッシスワームは動揺に呑まれる。 (馬鹿な。どんな技であろうと、今の俺ならそれを構成するエネルギーを取り込めるはず……この威力で、何の特異なチカラも纏っていない、ただの打撃だと言うのか……っ!?)  左腕の剣腹を盾にすることで続いた拳を受け止めたが、それでもその威力に全身を貫かれ、痺れが一瞬の間カッシスワームを縛る。動きの鈍った分思考に余裕のできたその一瞬の間隙に、ワームの王は今また追撃を放たんとするライジングアルティメットの脅威を再認識した。  天道を破ったと聞いた時点で十分警戒していたつもりだったが、まだ甘かった。  強敵に単独で挑む危険性を認識しながら、どんな技だろうと無効である以上、倒すつもりがなければと交戦するぐらいは無謀でもないだろうと、どこか油断があった。まさかただの打撃が、他の仮面ライダーの必殺技に匹敵するほどの威力を持つことは想定していなかったのだ。  それゆえに、まさか真っ向勝負でここまで圧倒される展開は予想していなかった。だがあの天道を下したという敵を警戒するのなら、この程度の事態は考えておくべきだったと臍を噛む。 (――装備も万全に程遠い状況で、よくもこんな相手から乾巧を逃がし切ったものだ)  伊達に一度自分に煮え湯を飲ませてはいない。そう今は亡き宿敵を再評価しながらカッシスワームはライジングアルティメットの揮う拳筋を見極め、その身を捻った。微かに拳が掠めるのを甲殻の強度と弾性に甘えて凌ぎ、そしてすれ違い様に左の大剣をその腹へと押し当てた。  真紅の血に刃が濡れたのを見て、カッシスワームは手応えを覚えつつ振り返る。踵を返した身体と共に旋回した大剣にタキオン粒子を纏い、直に切り裂くつもりでライダースラッシュを放ったが、ライジングアルティメットはまたも右腕の突起でそれを防いだ。インパクトの瞬間タキオン粒子が虹色の光を散乱させたが、金色の装甲はそれらを照り返し寄せ付けもしない。  その鳩尾の下辺りに浅く刻まれていた横一文字の裂傷が幻の如く消え行く光景に、カッシスワームは思わず歯噛みする。こちらの生半可な攻撃を無効にする治癒能力まで有しているとは……これではダメージを蓄積させて行くと言う戦法も、そう容易くは狙えないだろう。  この上クロックアップをも対処する反応精度があるというのだ。なるほどこれは主人の命をよく聞く、実に優れた生物兵器だ。手元にあればとも思うが、生憎現実には敵でしかない。  先程から何度もクロックアップを試みようとしているが、未だに制限から解き放たれる気配がない。次に使用可能になるのは果たして何秒後なのか、その時までどうこの猛威に抗すべきか大剣を構えながら思索を巡らせていたカッシスワームは、不意に近づいた殺意に身を翻す。ライジングアルティメットに気を取られていた隙に、ギラファアンデッドが背後に回り込んで来ていたのだ。 「ジェァアッ!」 「――舐めるなっ!」  背後から一太刀浴びせんと迫る異形の刃を、カッシスワームは左腕の巨大な刀身で弾く。敵はもう一方の刃を縦に振り下ろして来ていたが、カッシスワームは半歩退くだけでその一閃を回避することに成功した。  だが、反撃に放とうとした右の刃は背後から上腕部を掴んだ五指に万力の如く締め上げられ、たちまちその自由を奪われてしまった。  ――これはまずい、という悪寒がカッシスワームの脳裏に走った直後、再びギラファアンデッドがその双剣を閃かせていた。  自由の残された左の剣は、力の入れ難い不完全な体勢ながらその片方を見事に打ち弾いた。だが残されたもう片方の刃に晒されたカッシスワームの身体は、甲殻が削られる火花と共に、アンデッドの物よりもさらに色濃い緑の血を撒き散らす。 苦鳴を発しながらも、カッシスワームは二撃目を凌ごうとした。だが後頭部に容赦なく襲い掛かったライジングアルティメットの拳に視界を揺らされ、乱舞するギラファアンデッドの刃を防ぐことが叶わなくなってしまう。  刃に抉られた三筋の傷痕を晒しながらも、カッシスワームはその左腕でギラファアンデッドに立ち向かおうとした。それがまた後ろから伸びて来たライジングアルティメットの腕に拘束され、防ぐ手段を失ったその身に容赦なく刃が叩き込まれて行く。 「――ガァァァアアアアアアアアッ!」  憤怒の咆哮と共に、カッシスワームはその右足へと膨大な量のタキオン粒子を収束させる。ギラファアンデッドの刃がまたもその身を抉ると同時、旋回させた右の爪先がその金の甲殻に包まれた脇腹へと突き刺さっていた。 「グ……ッ!?」  半ば不意打ちとして決まったか、ギラファアンデッドは受け身も取れずその巨体を転がして行った。カッシスワームは並の成虫ワームを爆砕する一撃を受けその程度で済む相手に理不尽な苛立ちすら覚えながらも、返す刀で蹴りを背後のライジングアルティメットに叩き込む。  しかし、ただの蹴りでは向こう脛に直撃させてやっても小揺るぎもしない。だがその結果は既に織り込み済みのカッシスワームは、互いの足が接触した状態から再びタキオン粒子を収束させる。そのまま密着状態からのライダーキックを放ち、ライジングアルティメットの体勢を少しだけ崩すことに成功した隙に、カッシスワームは渾身の力を込めて拘束から脱出した。技の反動で跳躍し、距離を取ったライジングアルティメットへと左の大剣を向けつつ、彼と挟み込むような形で自らの背後に立つギラファアンデッドへと、ワームの王は右の掌を翳した。 「――消え失せろ」  都合の良いことに、射線上に巻き込む味方はない。別離を告げるとともに加減なしに暗黒掌波動をギラファアンデッドへ浴びせ、ライジングアルティメットの拳を左の大剣で打ち弾いたカッシスワームだったが、そこで背後から迫る気配に振り返らざるを得なかった。 「――何だとっ!?」  闇の波濤は、ギラファアンデッドを避けるかのように弾かれていた。その周囲に、バリアと思しき防御手段が展開されていることを見取った時には、その刃が喉元へと疾走して来ていた。  かわしたと同時、再びライジングアルティメットの拳に捉えられる。執拗な頭部への打撃に視界を揺らしたカッシスワームは遂に踏み止まることができず、その身体を拳の勢いのままに飛ばした後、成す術もなく地を転がった。  その直後、背後の土地に衝撃波を纏った物体が叩き込まれたかと思うと、刹那の後に爆発が起きる。それで生まれた颶風に煽られながら、カッシスワームは何とか重たい身体を起こした。 「クソッ……この俺が……!」  自らの不甲斐無さに、思わずワームの王は毒吐いた。  ギラファアンデッドに十を超える太刀を浴びせられた身体は無数の斬痕を残し、ライジングアルティメットの拳打に晒された甲殻は微かに歪んでいた。その内部が受けたダメージも当然甚大であり、まだワームとしての戦闘形態を保持できているだけでも幸運と言うべき有様だ。  二対一とはいえ、まさかこの自分がここまで痛めつけられるとは。両腕を持ち上げることも億劫で、垂らしたままの姿勢で息を整えようとしていると、誰かの足が地を噛む音が聞こえた。  視線を上げると、満身創痍のカッシスワームに比べれば大分マシだが、胸や脇に痛々しい傷を刻んだギラファアンデッドの姿があった。 「酷い有様だな。今、楽にしてやろう」 「――何様のつもりだっ!」  カッシスワームが激情のままに揮った大剣は、ギラファアンデッドの構えた右の剣に易々と受け止められていた。その身を蝕む創痍による弱体化が如実に出た光景を前に、瞠目する心地のカッシスワームは敵が強引に剣を払った勢いに抗えず、空足を踏むことになる。  大き過ぎる隙。この窮地において未だクロックアップが解禁されていない事実に、半ば覚悟を強いられたカッシスワームの頭上へと振り下ろされた刃を、代わりに打ち弾くものがあった。 「――金居ィイッ!」  二体の怪人の間に立っていたのは濃緑の異形。その右腕から生やした金色の爪が、ギラファアンデッドの凶刃からカッシスワームを救っていたのだ。 「……葦原、涼か」  目の前の異形の放った声に聞き覚えのあった二体の怪人は、同時にその名を漏らしていた。  ならこれが仮面ライダーギルスか、とカッシスワームが認識する前に、野獣と何ら変わらぬような咆哮を発した異形が、その左腕からも同様の鉤爪を伸ばす。それらを二振りの刀として眼前のアンデッドへと彼が挑む間に、カッシスワームは周囲の様子を見渡した。  夜の中に立つ仮面ライダー諸君の数は、眼前のギルスを含めて七人。その一人であるキックホッパーはやる気のなさそうな態度で崩れ落ちた元病院の一角に腰かけているだけだが、彼の周辺にはフィリップと鳴海亜樹子の姿が確認できた。何故フィリップが変身していないのかは知らないが、つまるところキックホッパーは非戦闘員の護衛と言うことだろうか。残る五人は先程の砲撃の主、そして彼らの方へと迫るライジングアルティメットに対抗しようとしていた。  こちらに向かって来る、二つのバイクの駆動音も聞こえる。いくつかの不安要素も抱えてはいるが、ようやく苦心の末に作り上げた集団の力を利用できるということに、傷ついた身体が少しだけ軽くなったようにカッシスワームは感じていた。  先程まではそんな余裕もなかったが、ライジングアルティメットと分断できた今なら、地の石をギラファアンデッドから奪う、または奴を倒すという当初の戦いに専念することができる。  無論、この自分をここまで圧倒したライジングアルティメットに、たかが数人規模で徒党を組んだところで打ち勝てるとは思っていないが、時間稼ぎぐらいは果たしてくれることだろう。 (その化け物の相手は任せるよ、仮面ライダー諸君……)  ディケイド――門矢士をこの時点で消耗の激しい前線に立たせることになってしまったのは残念だが、贅沢を言える状況ではないだろう。 (せいぜいこの俺のために、その命を散らせるが良い――)  心中でそう呟いたカッシスワームは、ギラファアンデッドの斬撃の重さに耐え切れずに宙を舞うこととなったギルスと入れ替わるように、再び前進を開始した。  ゾルダのシュートベント・ギガランチャーから放たれた砲弾は、ナイトサバイブの展開したガードベントによって受け止められていた。  だが強度は足りていようと、小型の盾で砲撃を何度も防ぐのは難しいだろう。そう判断したディケイドは、ナイトの鎧姿が爆煙に紛れて見えなくなった隙に、既に次の一手を打っていた。 《――FINAL ATACKRIDE DEDEDE DECADE!!――》 「そんな恰好でかわせるかっ!?」  巨大な砲を手に持ったゾルダに、俊敏な回避など望みようもないだろう。誰が変身しているのかなど知りはしないが、病院をいきなりエンドオブワールドで吹き飛ばしたような奴に遠慮する道理などない。ゾルダとの間に展開された十のカード型のエネルギーゲートを射抜くように、ディケイドはライドブッカーの銃爪を引き絞る。放たれた光弾はゲートを潜るたびに太さと輝きを増し、柱となってゾルダの次なる行動を許すことなく灼き尽くす――はずだった。  だがその寸前、カードの並びの間に金の黒のライダーが割り込み、その屈強な肉体で以ってゾルダへと向かっていた光線を遮っていた。  否、ただ受け止めただけではない。  金色の装甲で覆われたその胸板でディケイドの放った光の束を解れさせ、弾き返しながら、ライジングアルティメットはまるでディメンションシュートを被弾しているという事実がないかのように直進して来ていたのだ。 「はぁっ!?」  あのガドルでさえ、明確なダメージこそなくとも後退を余儀なくされたと言うのに。確かにカード全ての力を得ていない不完全な一撃とは言え、必殺技の直撃をまるで無視したかのように振る舞うライジングアルティメットの力に、思わずディケイドは驚嘆を漏らしていた。  だが驚き、畏怖してばかりもいられない。金の黒のクウガは凄まじい速度でディケイドへと迫って来る。これ以上の接近を許せばあの拳によって、ディケイドの身体は木の葉の如く吹き飛ばされることだろう。それでも最大火力が牽制にすらならない以上、どうすれば良いのか? 《――FINALVENT――》  そんな電子音の後、再び疾風が生まれた。  ナイトと同じく、碧い装甲に覆われた彼の契約モンスター――ダークレイダーが、主人を背に乗せてディケイドの横を通り過ぎて行ったのだ。  ちょうどディケイドのビーム照射が終わると同時、ダークレイダーはその身を蝙蝠の姿からバイク状へと変形させる。それに対し、自身へと迫る碧き翼刃を目の当たりにしたライジングアルティメットは前進を止め、両掌から暗黒の波動を放った。押し寄せた闇の重圧をその一身に浴びながらも、自らを弾丸としたライダーと魔獣は微かにその勢いを削がれただけで、逆にその波を裂いてライジングアルティメットへと肉薄する。  だが、その微かで十分だった。少しだけナイトの動きが鈍った隙に両足を撓めたライジングアルティメットは、ダークレイダーの機首から放たれたビームによって拘束される前に、疾風断の間合いから逃れることに成功していたのだから。 「――逃がすかっ!」  ライジングアルティメットに頭上を飛び越されたナイトは、バイクモードのダークレイダーをねじ伏せるかのように方向転換する。さらにマントで車体を包みこむと、今度は純粋な速度のみで、再び標的を捉えようと再加速する。  だが、彼らが引き絞られた一本の矢として放たれる寸前。車輪の噛むはずだった大地ごと、その車体と乗り手も等しく虚空へ投げ出された。 「なっ……!?」  虚を衝かれたディケイドの心配を余所に、宙を舞ったナイトはバイクモードから本来の姿へと戻ったダークレイダーの背中に着地して事なきを得た。  だが、ダークレイダーの変形が解除されたことは――彼のファイナルベントが、不発のまま終了してしまったことを意味する。  ライジングアルティメットが回避を選択した、数少ない有効打足り得た一撃――それを中絶させたのは、やはり硝煙を吐き出す銀と緑の巨砲。ゾルダのギガランチャーだった。 「……こいつは厄介だな」  ディケイドの横に並んだ響鬼が、そうゾルダを指して言った。  ゾルダの遠距離射撃を野放しにしては、ただでさえ強敵であるライジングアルティメットと満足に戦うことすらできない。誰かがあの砲台を潰す必要がある。  それは今、ダークレイダーから飛び降りた勢いのまま、ライジングアルティメットへと斬り掛かろうとするナイトサバイブの役目ではない。  先のディケイドの一撃が何の効果も挙げなかった一方で、ナイトの攻撃には危機感を持ったかのように防御や回避に徹したということは、並のライダーを寄せ付けない強さのライジングアルティメットにとっても、強化形態であるナイトサバイブの攻撃は脅威足り得ることを示す。  どんなに攻撃しても敵に何の損耗も与えられぬようでは、一方的に蹂躙されるだけだ。戦いを成り立たせるためには、敵に通じる刃が――ナイトの存在が不可欠となる。  だがこちら側には、他に飛行能力を持つライダーがいるわけでもない。立体的な機動なしでは、遠距離から悠々狙い撃てるゾルダの元に辿り着くのも一苦労だろう。  ――そう、今のままでは。 「手はあるさ――ちょっとくすぐったいけどな」 《――FINAL FORMRIDE HIHIHI HIBIKI!――》 「えっ?」という疑問の声を無視して、ディケイドは響鬼の背中を勢い良く撫で上げた。  ディケイドの手が通過した瞬間、響鬼の背には虹色に煌めくディスクと、鳥の尾羽のような形状のパーツが出現する。彼自身がその変化に気づくより早くその身体は逆さまに宙に浮かび、茜色の気の炎がその身を纏った。  瞬く内にその炎も消え去り、その中から巨大な一羽の怪鳥が現れる。見覚えあるだろう姿に変化した自身に気づいたそれは、ヒビキの声で言葉を発した。 「響鬼――茜鷹、だな。こりゃ」 「あっちは任せたぞ、ヒビキ」  言われるまでもないと宙返りしたヒビキアカネタカがゾルダ目掛けて飛び立ったと同時に、ダークブレードをエルボースパイクで止められ、反撃の拳を受けたナイトが地を滑っていた。  当然、ナイトが起き上がるまでの間に自由を得たライジングアルティメットにはナイトへの追撃か、ヒビキアカネタカへの迎撃を選択する余地が生まれていた。そのどちらを許しても、こちらの勝利は一気に遠退くことになると感じたディケイドは、無駄と知りつつもブラストのカードをライドする。 《――KAMEN RIDE CAUCASUS――》  だがそれより早く読み上げられたカードの名は、ディケイドの持つ物ではなかった。  戦場に降臨する黄金のライダー――コーカサスが、ナイトとライジングアルティメットの間に立ち塞がるかのように、光と共に出現していた。  どこからともなく新たに現れた敵手に対しても無感動に、即猛烈な勢いで距離を詰め始めるライジングアルティメットに対し、コーカサスは腰のベルトへと手を伸ばしていた。 《――CLOCK UP――》  カブトの世界のライダーが持つ最強の能力。時すら操るクロックアップをコーカサスが発動する、まさにその瞬間。ライジングアルティメットの伸ばした手が、その仮面に届いていた。  超加速状態に移行した結果、仮面ライダーの知覚すら上回って掻き消えるはずだった金色の霞は、しかし同色の闇に捉われたまま、左腕一本で宙へと持ち上げられていた。  機械ゆえに生じる、発動までのラグを衝いてクロックアップボタンを押した相手を拘束する――眼前で展開された冗談のような光景に、ディケイドの中に戦慄が走る。  ライジングアルティメットの左腕で爆ぜる虹色の光は、コーカサスの抵抗だろうか。その腕を奇妙な方向に曲げながらも、そこだけははっきりと固定されたコーカサスの仮面を放さない。純粋な握力のみで黄金の仮面に亀裂を走らせながら、クウガは右の拳を固く握り締めた。  次の瞬間、紅蓮の炎の筋がそこからコーカサスの首元へと伸び、そして貫いて行った。  過剰ダメージによって青いカード状のエネルギーに戻ったコーカサスの仮面がその左掌から消え去ったのを見、一人仕留めておいてまるで勢いの衰えていない右手の炎を掻き消しながら、ライジングアルティメットは瞬殺劇の間に変化した状況を把握するかのように周囲を見渡した。 「――やぁ、士。苦戦しているみたいだね」  その動作に応じるように、やや焦燥に駆られながらもライドブッカーを構えるディケイドの傍で、いつの間にか現れていたディエンドが場に似合わず気軽な様子で言葉を発した。 彼の召喚したコーカサスは瞬殺される結果に終わってしまったが、その間にナイトは無事に体勢を立て直していた。ヒビキアカネタカはゾルダの元に到達しつつあり、ギャレンもまた、彼の援護のためにライジングアルティメットの作った戦線を突破することに成功していた。  おそらく、オートバジンに乗ったG4の銃撃をバリアで防いでいるギラファアンデッドに対する強烈な餌として、ディエンドはコーカサスの召喚を選択したのだろう。クロックアップの発動を許せばギラファアンデッド自体が叩かれ、地の石を奪われてしまう可能性も高い以上、向こうは可能な限りライジングアルティメットに対処させようとすることだろう。 実際は自意識を持たない召喚ライダーが地の石を手にしたところで、それをこちらの味方へ渡す前に奪い返される可能性も十分あった以上、こうして釣り餌として仲間の行動の時間稼ぎにするのが最適な一手であったとディケイドは理解した。  不意に二人を無視して、ライジングアルティメットが暗黒掌波動をギラファアンデッド達目掛けて放った。ギラファアンデッドは当然バリアで無効化し、カッシスワームもまたギルスを背に庇い、そのエネルギーを吸収して行く。だがその闇が呑み干されるまでの間、何の防御策も取れなかったG4が直撃に装甲の各所から火花を散らすこととなっていた。  勢いに押されてギラファアンデッド達との戦場から離されて行くG4の方へと執拗に波動を浴びせながら、無言のままライジングアルティメットは距離を詰めて行く。G4を纏う純一に悲痛な絶叫を上げさせ続けるクウガの姿に、思わずディケイドは叫びを上げていた。 「――いい加減にしやがれ、五代雄介っ!」  フィリップや海東達と共に戦った仲間だと言うもう一人のクウガ、五代雄介。  皆の笑顔のために戦う――ユウスケと同じ志を持った彼が、優しい仮面ライダーであることは明白だ。そんな彼があの地の石で心を捻じ曲げられ、望まない暴力で他人を傷つけているのなら、きっと仮面の下で五代は泣いていることだろう。  もう一人のクウガまでそんなことになっていることを知れば、同じく今、その力で苦しんでいるユウスケの笑顔は猶更曇ってしまうことだろう。苦しい思いをする同類がいることを喜ぶような奴じゃないことは、これまでの旅の中で証明されている。  なら、あいつの笑顔を護るためにも――そしてあいつが皆の笑顔を護ることができるようにも、手遅れにならない内に五代雄介はここで取り戻す。その決意と共に、ディケイドはカードをドライバーにライドした。  ディエンドと共にブラストのカードを発動したディケイドは、G4へと拳を揮うライジングアルティメットの背へと弾幕を浴びせに掛かる。G4がその場に打ち倒されると同時に、無数の光球がその背に突き刺さる。その衝撃を受けライジングアルティメットが振り返った瞬間に、起き上がり距離を詰めていたナイトがダークブレードを一閃させた。一撃目は見事にその金の装甲を裂いて黒い影を刻んだが、二撃目はやはり肘の突起に受け止められる。 《――Start Up――》  だがナイトがその剛腕に振り払われる前に、そんな電子音が彼らの背を追い越して行った。  ディケイドの攻撃が功を成さず、そのまま彼がライジングアルティメットの拳に捕捉される危機に陥った時、ファイズ――乾巧の中には迷いがあった。  ディケイドが全ての世界を滅ぼすと言う金居の言葉。人を傷つける化け物である金居の言うことなど一々真に受けるべきことではないが、それでも巧は気に掛けてしまっていた。  何故なら巧の知る金居という人物は、確かに自分の欲望のために人々を傷つけるが……それまでに遭遇した危険人物と違い意味もなく闘争を求めるのではなく、彼にとって不要な争いを避けたがっているように見えたからだ。少なくとも天道が殺されたあの戦いは、金居にとっても不本意な物であったということは、その立ち振る舞いから事実であったと巧は感じていた。  そんな金居がリスクを冒してまで病院に来てディケイドの話をしたのは、乃木との約束や、仮面ライダー達と戦うため、だけではあるまい。  ましてや交渉の場において不利になっても逃げるでもなく、まるで思わぬ好機を逃すまいと士に仕掛けた様を見て、少しだけ金居の言動に説得力を感じてしまっていたのだ。そして彼が事実ディケイドという仮面ライダーに変身したことが、巧の心を縛る枷となってしまっていた。  巧の胸中に蘇ったのは――総ての世界の総ての命を護り、総ての世界の人々を、洗濯物が真っ白になるみたいに幸せにして、そうなった世界に良い風を吹かせるという、今は亡き仲間との約束だった。それが今の巧にとって至上の命題だった。  だが金居の言葉が真実であるならば、ディケイドの存在はその約束を脅かす物ではないのか? (照夫の時だって、俺は――)  長きに渡って繰り広げた、スマートブレインとの暗闘。その最終局面の鍵を握った、人類を滅ぼすオルフェノクの王の覚醒。それを阻むために巧は、王を内に宿した鈴木照夫という少年を一度、殺めようとしたではないか。  いや、まるで凶行を思いとどまったかのような、この言い方は正しくはないだろう。  事実はスマートブレインによる妨害に遭ったために王の覚醒を阻止できず、手を下すまでもなく照夫が死んだためにこの手を汚さずに済んだというだけだ。覚醒前に間に合ってさえいれば、巧はきっと、あの少年を容赦なく殺害していたことだろう。  自らの宿命も知らず、海堂直也達に不器用な好意を抱いていただけの、孤独な少年を。  それが正義だと――人類を救い仲間の夢を守るための、最善の手段だと信じて。  あの少年を切り捨てて、ディケイドは生かすという選択が許される道理が何処にあるのか? 喪失と絶望に打ちひしがれていた巧を諭してくれた相手とはいえ、そんな身勝手な選択が……  だがディケイドは、名護啓介の仲間だったという響鬼と協力し、今また志村純一の変身したG4を――巧の仲間を救おうと、圧倒的な脅威へと、理不尽な暴力へと立ち向かっている。  そんな彼の、仮面ライダーの姿を見て、巧の心から迷いが失せた。 《――Complete――》  アクセルメモリーをファイズフォンに挿入すると、胸部アーマーが展開されて型へと収まり、全身を行き渡るフォトンストリームが赤からより高出力を示す銀へと色を変える。続いた電子音声が、アクセルフォームへの変身完了を知らせた途端に嘶き始めたアイドリング音をまるで己が鼓動の昂ぶりのように感じながら、ファイズは膝を曲げて次の動作に備えていた。  ――仲間を救おうとしてくれた者を見殺しにして、その上で仲間のためになど大義を掲げる恥知らずが何処にいる。  そもそも照夫の時とは状況が違う――あの時は、彼がオルフェノクの王であるということが明白だった。対してディケイドの脅威の立証は、たかが金居が口にした疑惑だけではないか。  疑心暗鬼に立ち往生して、その実徹底的に身に叩き込まれた、ライジングアルティメットへの恐怖心から目を背けているだけではないのか。  もしも、金居の言葉が真実であるならば、それを確認してから自分が手を汚せば良いだけだ。今この時、仲間を護ろうとしてくれている『仲間』を、見殺しにして良い理由にはならない。  今、巧を――ファイズを突き動かすべき物は、先に逝った仲間から託された夢ではなく。  喪ってしまった仲間の分も誰かを護るために戦うという、自身に課した誓いのはずだ。  その想いを再確認したファイズは、ファイズアクセルのスタータースイッチを押した。 《――Start Up――》  電子音が、アクセルモードへの移行を謳い上げた次の瞬間。ファイズは通常時の1000倍に達する速度の、超加速状態に突入していた。  その爆発的な加速力で跳躍したファイズはディケイド達を飛び越え、ミッションメモリーを橘から託されたファイズポインターにセットした。ライジングアルティメットを上空から多段回ロックオンすると同時、発生した六柱の赤い円錐が、今まさにナイトへ剛腕を揮おうとしていたライジングアルティメットを、頭上から押し潰すようにして拘束する。その内の一つへと、ファイズは叫びと共に右足を突き出して飛び込んだ。 「――うぉらぁああああああああああああああああああああああああああああ――っ!!」 【1日目 真夜中】 【E-4 病院跡地】 【門矢士@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】MOVIE大戦終了後 【状態】健康、決意、仮面ライダーディケイドに変身中(四十秒経過) 【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド 【道具】支給品一式×2、不明支給品×2、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、キバーラ@仮面ライダーディケイド 【思考・状況】 基本行動方針:大ショッカーは、俺が潰す! 0:どんな状況だろうと、自分の信じる仮面ライダーとして戦う。 1:ライジングアルティメットらに対処しつつ、五代を解放したい。 2:仲間との合流。 3:友好的な仮面ライダーと協力する。 4:ユウスケを見つけたらとっちめる。 5:ガドルから必ずブレイバックルを取り戻す。 6:ダグバへの強い関心。 7:音也への借りがあるので、紅渡や(殺し合いに乗っていたら)鳴海亜樹子を元に戻す。 8:野上良太郎は本当に殺し合いに乗っているのか? 9:涼、ヒビキへの感謝。 【備考】 ※現在、ライダーカードはディケイド、ブレイド、響鬼の物以外、力を使う事が出来ません。 ※該当するライダーと出会い、互いに信頼を得ればカードは力を取り戻します。 ※ライダーカード(G3)はディエンド用です。 ※参戦時期のズレに気づきました。 ※仮面ライダーキバーラへの変身は光夏海以外には出来ないようです。 ※亜樹子のスタンスについては半信半疑です。 【乾巧@仮面ライダー555】 【時間軸】原作終了後 【状態】疲労(小)、ダメージ(小)、深い悲しみと罪悪感、決意、自身の灰化開始に伴う激しい精神的ショック(少しは和らいでいる)、仮面ライダーファイズに変身中(四十秒経過) 【装備】ファイズギア+ファイズポインター+ファイズショット+ファイズアクセル@仮面ライダー555 【道具】支給品一式×3、首輪探知機、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW 【思考・状況】 基本行動方針:打倒大ショッカー。世界を守る。 0:天道の遺志を継ぎ、今度こそ誰も死なせない。 1:『仲間』である士達を護る。 2:ディケイドが世界の破壊者であるとしたら……? 3:園咲夫妻の仇を討つ。 4:全てが終わったら、霧彦のスカーフを洗濯する。 5:後でまた霧彦のいた場所に戻り、綺麗になった世界を見せたい。 6:信頼できる相手に、自分の託されたものを託しても良い……? 7:仲間達を失った事による悲しみ、罪悪感。それに負けない決意。 8:乃木怜治を敵視、秋山蓮に若干の警戒。 【備考】 ※天道の世界、音也の世界、霧彦の世界、志村の世界の大まかな情報を得ました。 ※参加者達の時間軸に差異が出る可能性に気付きました。 ※志村の血の匂いに気づいていますが、それはすべて村上たちのせいだと信じています。 ※オルフェノクの寿命による灰化現象が始まりました。巧の寿命がどの程度続くのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※士に胡散臭さを感じていますが、嫌ってはいません。 【日高仁志@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】本編第41話終了後 【状態】全身に小程度の火傷(手当済み)、罪悪感、仮面ライダー響鬼に変身中(四十秒経過)、ヒビキアカネタカ状態(十五秒経過) 【装備】変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、着替え(残り1着) 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:ゾルダを止める。 2:葦原涼を鍛えてやりたい(支えてやりたい) 3:打倒大ショッカー 4:殺し合いはさせない 5:小野寺を心配。 6:小沢さんに会ったら、北條の遺言を伝える。 7:仮面ライダーの一員として、ダグバを倒す。そのためにももっと鍛えないと。 8:みんなの果たせなかった夢を受け継いで、果たしたい。 【備考】 ※アギトの世界についての基本的な情報を得ました。アギト世界での『第四号』関連の情報を得ました。 ※『Wの世界万能説』が誤解であることに気づきました。 ※天美あきらの死を知ってしまいました。 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】疲労(小)、全身に中程度の火傷(手当済み)、罪悪感、クウガとダグバ及びに大ショッカーに対する恐怖 、決意、仮面ライダーギャレンに変身中(三十五秒経過) 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×3、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードは付いてません)@仮面ライダーカブト、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:ヒビキを援護しながら、金居達の襲撃に対処する。 2:首輪の解析は、事態が落ち着いてから取りかかる。 3:志村純一と共にみんなを守る。 4:小野寺が心配。 5:キング(@仮面ライダー剣)は自分が封印する。 6:出来るなら、亜樹子を信じたい。 【備考】 ※『Wの世界万能説』が誤解であると気づきました。 ※現状では、亜樹子の事を信じています。 ※参戦時期のズレに気づきました。 【秋山蓮@仮面ライダー龍騎】 【時間軸】第34話終了後 【状態】健康、甘いことを言う乾への苛立ち(無自覚)、クウガへの強い警戒、仮面ライダーナイトサバイブに変身中(ナイトで十秒、サバイブで三十秒経過) 【装備】ナイトのデッキ+サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式 【思考・状況】 1:自分の世界のために他世界の人間を倒す。 2:まずはこの集団と協力して、金居達に対処する。 3:協力できるなら、同じ世界の人間(城戸)と協力したい。浅倉とは会いたくない。 4:協力者と決着をつけるのは元の世界に帰ってから。 5:もしも地の石を手に入れたら……? 6:志村純一は御人好しだが、もしも裏切るのなら容赦しない。 【備考】 ※首輪の考案について纏めたファイルを見ました。 ※園咲冴子と天美あきらを殺したのは村上峡児と野上良太郎だと考えています。 ※強化フォームの変身時間制限に気づいていません。 ※ナスティベント、ガードベント、ファイナルベントを使用したため、それらは今回の戦闘中はもう使用できません。 【志村純一@仮面ライダー剣MISSING ACE】 【時間軸】不明 【状態】全身打撲、乃木と海東への苛立ち、仮面ライダーG4に変身中(一分経過) 【装備】グレイブバックル@仮面ライダー剣MISSING ACE、オルタナティブ・ゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎、ラウズカード(クラブのJ~K)@仮面ライダー剣、オートバジン@仮面ライダー555 【道具】支給品一式×3(ただし必要な物のみ入れてます)、ZECT-GUN(分離中)@仮面ライダーカブト、ファンガイアスレイヤー@仮面ライダーキバ 、アドベントカード(SEAL)@仮面ライダー龍騎、G3の武器セット(GM-01スコーピオン、GG-02サラマンダー、GK-06ユニコーン)@仮面ライダーアギト 【思考・状況】 基本行動方針:自分が支配する世界を守る為、剣の世界を勝利へ導く。 0:この連中を利用し、金居から地の石を奪う。 1:バットショットに映ったアルビノジョーカーを見た参加者は皆殺しにする。 2:人前では仮面ライダーグレイブとしての善良な自分を演じる。 3:誰も見て居なければアルビノジョーカーとなって少しずつ参加者を間引いていく。 4:野上と村上の悪評を広め、いずれは二人を確実に潰したい。 5:フィリップを懐柔し、自身の首輪を外させたい。 6:首輪を外させたらすぐにフィリップを殺す。正体発覚などで自分の首輪を解除させるのが困難になっても最優先で殺害。 7:乃木と海東を警戒。こいつらも何とか潰したい。 8:ライジングアルティメットを支配し、首輪を解除したら殺し合いに積極的になるのもいいかもしれない。 【備考】 ※555の世界、カブトの世界、キバの世界の大まかな情報を得ました。 ※電王世界の大まかな情報を得ました。  ただし、野上良太郎の仲間や電王の具体的な戦闘スタイルは、意図的に伏せられています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。  ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※放送を行ったキングがアンデッドである事に気付いているのかどうかは不明です。 ※封印のカードの効果に気づいていません。 ※オルタナティブ・ゼロのデッキは極力秘匿するつもりです。 ※オートバジンは純一のすぐ近くで転倒しています。 【海東大樹@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】最終話終了後 【状態】健康、仮面ライダーディエンドに変身中(五十秒経過) 【装備】ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード(G3、サイガ、コーカサス) @仮面ライダーディケイド、ディエンド用ケータッチ@仮面ライダー電王トリロジー、カイザポインター@仮面ライダー555 【道具】支給品一式、ブラッディローズ@仮面ライダーキバ 【思考・状況】 0:お宝を守る。 1:金居達に対処し、機を見て地の石を盗む。 2:殺し合いに乗った奴の邪魔をする。 3:知らない世界はまだあるようだ。 4:蓮、乃木、純一を警戒。 5:特に純一からはこの戦闘中、目を離さない。 【備考】 ※クウガの世界が別にあることを知りました。 ※首輪の考案について纏めたファイルを見ました。 ※志村純一について、自覚していませんが彼を信じたいと思っています。 ※五代の言う『笑顔』、ブラッディローズ、自身の『仲間』をお宝だと思っています。 ※ディエンド用ケータッチについては、今のディエンドの所有カードだけで使用可能なのかは後続の書き手さんにお任せします。 【乃木怜司@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第44話 エリアZ進撃直前 【状態】ダメージ(大)、疲労(小)、無数の斬撃痕あり、カッシスワーム グラディウスに変身中(一分三十秒経過) 【装備】なし 【道具】支給品一式、木製ガイアメモリ(疾風、切札)@仮面ライダーW、参加者の解説付きルールブック@現実 、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 0:他の参加者を利用し、金居達に対処する。 1:ライジングアルティメットをライダー諸君に足止めさせ、その間に地の石を奪うor壊す。 2:大ショッカーを潰すために戦力を集める。使えない奴は、餌にする。 3:状況次第では、ZECTのマスクドライダー資格者も利用する。 4:最終的には大ショッカーの技術を奪い、自分の世界を支配する。 5:首輪を解除するため、フィリップを懐柔したい。 6:志村純一を警戒。まったく信用していないため、証拠を掴めばすぐに始末したい。 7:鳴海亜樹子がまた裏切るのなら、容赦はしない。 8:乾と秋山は使い捨ての駒。海東は面倒だが、今後も使えるか? 【備考】 ※カッシスワーム グラディウスの状態から参戦しました。 ※現在覚えている技は、ライダーキック(ガタック)、ライダースラッシュ、暗黒掌波動の三つです。 ※現時点では、解説付きルールブックを他人と共有する気はありません。 ※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。 ※村上と野上ではなく、志村があきらと冴子を殺したのではと疑っています。 ※もし乃木が地の石を手に入れた場合破壊するかどうかは後続の書き手さんにお任せします。 ※クロックアップに制限が架せられていること、フリーズが使用できないことを把握しました。 【葦原涼@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編36話終了後 【状態】胸元に小ダメージ 、仲間を得た喜び、ザンキの死に対する罪悪感、背面にダメージ(小)、仮面ライダーギルスに変身中(四十秒経過) 【装備】なし 【道具】支給品一式、不明支給品×2(確認済) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いに乗ってる奴らはブッ潰す! 0:剣崎の意志を継いでみんなの為に戦う。 1:金居は俺が倒す! 2:人を護る。 3:亜樹子を信じる。 4:門矢も信じる。 5:ガドルから絶対にブレイバックルを取り返す 6:良太郎達と再会したら、本当に殺し合いに乗っているのか問う。 【備考】 ※変身制限について、大まかに知りました。 ※現状では、亜樹子の事を信じています。 ※聞き逃していた放送の内容について知りました。 ※自分がザンキの死を招いたことに気づきました。 ※ダグバの戦力について、ヒビキが体験した限りのことを知りました。 【矢車想@仮面ライダーカブト】 【時間軸】48話終了後 【状態】全身に傷(手当て済)、闇の中に一人ではなくなったことへの喜び、仮面ライダーキックホッパーに変身中(四十秒経過) 【装備】ゼクトバックル+ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト、ゼクトマイザー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式 基本行動方針:弟を殺した大ショッカーを潰す。 1:とりあえずは亜樹子と、ついでにフィリップを護る。 2:五代雄介に興味。可能なら弟にしたい。 3:士の中の闇を見極めたい。 4:殺し合いも戦いの褒美もどうでもいいが、大ショッカーは許さない。 5:亜樹子の思惑がどうであれ、妹として接する。またその闇を見極める。 6:乃木に対して不快感。 7:音也の言葉が、少しだけ気がかり。 8:自分にだけ掴める光を探してみるか……? 【備考】 ※ディケイド世界の参加者と大ショッカーについて、大まかに把握しました。 ※10分間の変身制限を把握しました。 ※黒いカブト(ダークカブト)の正体は、天道に擬態したワームだと思っています。 ※鳴海亜樹子を妹にしました。 ※亜樹子のスタンスについては半信半疑ですが、殺し合いに乗っていても彼女が実行するまでは放置するつもりです。 【フィリップ@仮面ライダーW】 【時間軸】原作第44話及び劇場版(A to Z)以降 【状態】健康、照井の死による悲しみ、変身できなかった自分への嫌悪感 【装備】ガイアドライバー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×2、ガイアメモリ(ヒート)@仮面ライダーW、ファングメモリ@仮面ライダーW、ルナメモリ@仮面ライダーW、バットショット@仮面ライダーW、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW、ツッコミ用のスリッパ@仮面ライダーW、エクストリームメモリ@仮面ライダーW、ダブルドライバー+ガイアメモリ(サイクロン)@仮面ライダーW、首輪(北岡)、首輪の考案について纏めたファイル、工具箱@現実 、エターナルメモリ@仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ、首輪解析機@オリジナル 【思考・状況】 0:亜樹子が殺し合いに乗っているのなら何としてでも止める。 1:タブー及びT2サイクロンを急いで見つける。 2:大ショッカーは信用しない。 3:友好的な人物と出会い、情報を集めたい。 4:真理を殺したのは白い化け物。 5:首輪の解除は、状況が落ち着いてもっと情報と人数が揃ってから取りかかる。 6:出来るなら亜樹子や蓮を信じたいが…… 7:乃木怜治への罪悪感と少しだけの信用。志村純一は信用できる。 【備考】 ※バットショットにアルビノジョーカーの鮮明な画像を保存しています。 ※今のところは亜樹子を信じています。 ※園咲冴子と天美あきらを殺したのは村上峡児と野上良太郎だと考えています。 ※鳴海亜樹子と惹かれ合っているタブーメモリに変身を拒否されました。 ※病院にあった首輪解析機をエクストリームメモリのガイアスペース内に収納しています。 【鳴海亜樹子@仮面ライダーW】 【時間軸】番組後半(劇場版『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』直後) 【状態】ダメージ(小)、極めて強い覚悟 、自分の甘さへの反省 【装備】ガイアメモリ(タブー)@仮面ライダーダブル 【道具】無し 【思考・状況】 基本行動方針:風都を護るため、殺し合いに乗る。 0:例え仲間を犠牲にしてでも優勝し、照井や父を生き返らせて悲しみの無い風都を勝ち取る。 1:まずはこの連中を利用する。 2:他の参加者を利用して潰し合わせ、その間に自分の戦力を整える。 3:できるなら、地の石やエターナルのメモリが欲しい。 4:乃木怜治に最大級の警戒。自分に害が及ぶ前に消えて欲しい。 5:当面は殺し合いにはもう乗ってないと嘘を吐く。 6:東京タワーのことは全て霧島美穂に脅され、アポロガイストに利用されていたことにする。 7:首輪の解除は大ショッカーの機嫌を損ねるからうまく行って欲しくない。 8:タブーのメモリと離れたくない……? 【備考】 ※良太郎について、職業:芸人、憑依は芸と誤認しています。 ※放送で照井竜の死を知ってしまいました。 ※タブーメモリと惹かれ合っています。 【大病院対主催チーム・共通事項】 ※金居達の襲撃に協力して対処する。 ※ゴ・ガドル・バ、黒いカブト(擬態天道)、紅渡、アポロガイストを警戒。ン・ダグバ・ゼバに特に強い警戒。 ※友好的な参加者を探す。できれば特に津上翔一、小沢澄子、城戸真司、桐谷京介、紅音也、名護啓介、小野寺ユウスケ、左翔太郎と合流したい。 ※野上良太郎と村上狭児は殺し合いに乗っていると志村純一から告げられました。 ※首輪解除のためにガイアメモリのある世界以外の技術を調べる。 ※草加雅人は死んだと思っています。 ※変身制限について、強化フォーム以外の制限を知りました。 ※園田真理を殺したのはアルビノジョーカーだと知りました。またバットショットが撮影した写真でアルビノジョーカーの姿を知りました。 ※首輪の解体は金居達との戦いが終わってからにする予定です。 【首輪の考案について纏めたファイルの内容】 ※首輪の内部構造、それに関する考案が書かれています。 ※首輪とこの殺し合いについて、以下の考案を立てました。 1:首輪には、Wの世界には無い未知の技術が使われている可能性がある。 2:無闇に解体しようとすれば、最悪その参加者の世界の住民が全滅させられるかもしれない。 3:解体自体は可能だが、それには異世界の知識も必要。 4:大ショッカーは参加者の生きる世界を、一瞬で滅ぼせるほどの兵器を持っている。 ※なお、これに目を通しているのはフィリップ、海東、蓮、乃木、巧、純一、橘、そして五代と草加の九人です。 【金居@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】角と胸部に傷、左脇腹を打撲、ダメージ(中)、疲労(小)、ギラファアンデッドに変身中(一分三十秒経過) 【装備】デザートイーグル(2発消費)@現実、カイザドライバー@仮面ライダー555、カイザブレイガン@仮面ライダー555、カイザショット@仮面ライダー555、ロストドライバー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×3、地の石@劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー、変身一発(残り二本)@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト、五代の不明支給品×1(確認済み)、草加の不明支給品×1(確認済み) 【思考・状況】 0:ディケイドを破壊するまで始・渡と共に行動し、彼らを利用して他の参加者を減らす。利用はするが信頼はせず、出し抜かれないようにする。 1:ディケイドを破壊する。 2:並行して、乃木達を可能な限り間引く。 3:自分の世界の勝利を目指す為、他の世界の参加者同士で潰し合わせる。能動的に戦うつもりはない。が、今は例外。 4:他の世界、及び大ショッカー、ディケイドの情報を集める。 5:自分の世界の仮面ライダーは利用出来るなら利用する。アンデッドには遭遇したくない。 6:地の石の力を使いクウガを支配・利用する(過度な信頼はしない)。 またその存在を始や渡に気づかれないよう注意する。 【備考】 ※アンデッドが致命傷を受ければ封印(=カード化)されると考えています ※首輪が自身の力に制限をかけていることに気づきました ※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。 ※地の石の効果を知りました。 ※五代の不明支給品の一つは変身一発@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロストです ※金居のデイパックは破壊されたため、草加から奪ったデイパックを使用しています。 ※五代のライジングアルティメットへのおおよその変身時間を把握しました。 ※キバの世界の参加者についての詳細な情報を得ました。 ※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。 【五代雄介@仮面ライダークウガ】 【時間軸】第46話終了後 【状態】健康、地の石による支配 、仮面ライダークウガライジングアルティメットに変身中(四十秒経過) 【装備】アマダム@仮面ライダークウガ 、ガイアメモリ(ナスカ)+ガイアドライバー@仮面ライダーW 【道具】無し 【思考・状況】 1:地の石を持つ者(金居)に従う。 【備考】 ※首輪の考案について纏めたファイルを見ました。 ※地の石による支配力がどれぐらいかは次の書き手以降に任せます。 ※地の石の支配によって、言葉を発する事が出来ません。 ※ガイアドライバーを介さずにガイアメモリを使用したことで精神が汚染された可能性があります。現在は地の石による支配によって表に出ませんが、どのような影響するのかは後続の書き手さんにお任せします。 【相川始@仮面ライダー剣】 【時間軸】本編後半あたり(第38話以降第41話までの間からの参戦) 【状態】罪悪感、若干の迷いと悲しみ、ジョーカー化への衝動(小)、仮面ライダーカリスに変身中(三十秒経過) 【装備】ラウズカード(ハートのA~6)@仮面ライダー剣、ラルクのバックル@劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE 、ハードボイルダー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式、不明支給品×1、装甲声刃@仮面ライダー響鬼、ディスクアニマル(アカネタカ)@仮面ライダー響鬼 【思考・状況】 基本行動方針:栗原親子のいる世界を破壊させないため、殺し合いに乗る。 0:仮面ライダーを信じて大ショッカー打倒を託すか、自分の世界を救うための贄とするかをこの戦いで見極める。 1:渡・金居・五代を利用し他の参加者を減らす(殺し合いに乗った参加者優先)。 2:ジョーカー化を抑える為他のラウズカードを集める。 3:隙があれば金居からライジングアルティメット(=五代)の支配権を奪う。また、その支配の秘密を解き明かす。 4:ディケイドを破壊し、大ショッカーを倒せば世界は救われる……? 【備考】 ※ラウズカードで変身する場合は、全てのラウズカードに制限がかかります。ただし、戦闘時間中に他のラウズカードで変身することは可能です。 ※時間内にヒューマンアンデッドに戻らなければならないため、変身制限を知っています。時間を過ぎても変身したままの場合、どうなるかは後の書き手さんにお任せします。 ※ヒューマンアンデッドのカードを失った状態で変身時間が過ぎた場合、始ではなくジョーカーに戻る可能性を考えています。 ※左翔太郎を『ジョーカーの男』として認識しています。また、翔太郎の雄叫びで木場の名前を知りました。 ※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。 ※キバの世界の参加者について詳細な情報を得ました。 【紅渡@仮面ライダーキバ】 【時間軸】第43話終了後 【状態】ダメージ(中)、返り血、仮面ライダーゾルダに変身中(二分経過) 【装備】サガーク+ジャコーダー@仮面ライダーキバ、ウェザーメモリ@仮面ライダーW、 エンジンブレード+エンジンメモリ@仮面ライダーW、ゼロノスベルト+ゼロノスカード(緑二枚、赤二枚)@仮面ライダー電王 、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎、ディスカリバー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×3、GX-05 ケルベロス(弾丸未装填)@仮面ライダーアギト、 バッシャーマグナム@仮面ライダーキバ、ドッガハンマー@仮面ライダーキバ、北岡の不明支給品(0~1) 【思考・状況】 基本行動方針:王として、自らの世界を救う為に戦う。 1:始・金居・五代を利用し他の参加者を減らす。 2:何を犠牲にしても、大切な人達を守り抜く。 3:ディケイドの破壊は最低必須条件。 4:隙があれば金居からライジングアルティメット(=五代)の支配権を奪う。また、その支配の秘密を解き明かす。 4:加賀美の死への強いトラウマ。 5:これからはキングと名乗る。 【備考】 ※過去へ行く前からの参戦なので、音也と面識がありません。また、キングを知りません。 ※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。 ※放送で冴子の名前が呼ばれていない事を失念している為、冴子が死亡していると思っています。 ※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。 ※相川始から剣の世界について簡単に知りました(バトルファイトのことは確実に知りましたが、ジョーカーが勝ち残ると剣の世界を滅ぼす存在であることは教えられていません)。 ※ゾルダのファイナルベント、シュートベントを使用したため、今回の変身中にはもう使用できません。 【全体備考】 ※E-4大病院が崩壊し廃墟となりました。またその瓦礫のどこかにT2ガイアメモリ(サイクロン)@仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ が埋もれています。 ※ゼール軍団は志村を狙っていますが、封印のカードにより今は攻撃できません。 ※ゼール軍団が何が何匹死んだのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※ゼール軍団の現在位置については後続の書き手さんにお任せします(蓮が気づくほど近くではありませんが、病院を目指しています)。 ※Gトレーラー内にはG4の充電装置があります。 ※G4は説明書には連続でおよそ15分使えるとありますが、実際どのくらいの間使えるのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※G4を再度使用するのにどれくらい充電すればいいのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※及びG4システムはデイパック内ではなくGトレーラー内に置かれています。 ※F-4エリアにGトレーラー、E-4エリアにトライチェイサー2000A、E-5エリアにハードボイルダーが停車されています。 |109:[[ライダー大戦 Round Zero~WARBREAK'S BELL(前編)]]|投下順|110:[[Kamen Rider:Battride War]]| |~|時系列順|~| |~|[[葦原涼]]|~| |~|[[秋山蓮]]|~| |~|[[乾巧]]|~| |~|[[橘朔也]]|~| |~|[[志村純一]]|~| |~|[[日高仁志]]|~| |~|[[矢車想]]|~| |~|[[乃木怜治]]|~| |~|[[門矢士]]|~| |~|[[海東大樹]]|~| |~|[[フィリップ]]|~| |~|[[鳴海亜樹子]]|~| |~|[[五代雄介]]|~| |~|[[相川始]]|~| |~|[[金居]]|~| |~|[[紅渡]]|~| ----
 エンドオブワールドから放たれた無数の火線に貫かれ、さらに数多の弾丸やミサイルに蹂躙されて――エリア一つ分にも及んだ大病院が、その質量の大部分を消失させていた。  ビームによって蜂の巣にされ崩れたところに、残骸すら残さぬと言う勢いでの弾薬の殺到だ。大部分が粉末状にまで破壊され、白の塵芥と黒煙を昇らせているのも自然なことだろう。  ほんの数秒前、自身のデイパックから突然飛翔したT2サイクロンメモリがその火中へ飛び込んで行ったが、あのメモリが使用者に人外の力を付与する代物であることを理解していても、まだ少なくない量が残った瓦礫と、すり抜けて来た超火力の驟雨を受けて、生きている者などそこにはいないかと思われた。  だが、ほんの少しとは言えそんな幻想を抱いた視線の先で、濛々と立ち込める煙の奥から、九つの影が揺らめいたのを始は見逃さなかった。 「そうだ――それで良い」  背後でマグナギガの背からマグナバイザーを引き抜くゾルダに気取られぬよう心掛けながら、始はそう小さく呟いた。  確かに今は、始は彼らと敵対する側にいるが……真の願いは、彼らが主催者を打倒し、全ての世界が救われることなのだから。  計り知れない力を有する大ショッカーに立ち向かうには、この程度の障害で潰えて貰っては困るのだ。 (だが……まだだ。もう少し試させて貰うぞ)  始は見極めなければならない。彼らに託して良いのか、自分の世界だけでも死守すべく、他を切り捨てるべきなのかを。  仮初の同盟を築いた悪を彼らに倒させるべきなのか、悪を利用して自分の世界だけでも救うべきなのかを。  そう考えながら、始はカテゴリーエースのカードを取り出し、出現させたカリスラウザーのリーダー部分へと手を寄せた。 「俺達は……戦うことでしかわかり合えない」 《――CHANGE――》  泡立つような音と共に、始は仮面ライダーカリス――否。マンティスアンデッドへと変身を遂げた。 (世界の破壊者、ディケイド……?)  金居という参加者から齎された情報に、鳴海亜樹子は思考を巡らせていた。  曰く、ディケイドを破壊しなければ、殺し合いの結果に関わらず全ての世界が滅びを迎える――そしてそのディケイドとは、フィリップと旧知の間柄である門矢士のことだという――  全ての世界の敵。なるほど、金居が危険を冒してまでこの場で攻撃を仕掛けようとした意味がある存在だと亜樹子は認識する。  ならば自分はどうするべきなのか。彼の様にディケイド打倒を目的に動くべきか?  だが少し考えて、その選択は半分正解、と言った程度に過ぎないと判断できた。  どうせ、優勝のためにはディケイドだろうが何だろうが、風都出身者以外を全て殺す必要があるのだ。ディケイドの存在が特別かと言われれば、亜樹子の中では大きな価値はなかった。  あの乃木怜治も同じ考えなのだろう。仮に金居の言うことが真実だとしても、今は門矢士という参加者の利用価値で全てを判断したのだ。乃木の立場ならば大ショッカーを打倒するために必要な役割を果たして貰えば、亜樹子からすれば自分の盾とさえなってくれれば、積極的に追い詰めなくともその後に始末するので十分に間に合う、そういう判断なのだ。  少なくとも今の、何の戦力も持たない亜樹子を好き好んで庇護下に置こうとしてくれるような輩を能動的に潰すことはない。そう結論付けた亜樹子は、改めて乃木という脅威を感じる。  初対面の時はただ怖い人だと感じていたが、今となっては本当に恐ろしい相手だと思わざるを得ない。全ては霧島美穂に脅されていたという亜樹子の弁明を、あの男が信じてくれているとは考え難い。そして世界の破壊者だろうが自分にとっての利用価値で待遇を決めるような輩が、亜樹子自身にも仮面ライダー達への好感度稼ぎぐらいしか利用価値の見当たらない自分を、口にしたように長期間養ってくれるとは思えない。早期に手を回さなければ、何かのトラブルに合わせて自然な形で脱落させられてしまう可能性すらある。  それは今この時も、決して例外ではないだろう。隙を見せれば、能力も人格も彼にとって不安要素でしかない亜樹子を乃木は喜んで見殺しにするだろう。フィリップならばその後亜樹子の死の真相を暴いてくれるかもしれないが、自分が死んだ時点でその後のことなど手遅れだ。  そうなる前に、先に乃木を始末しなければ。  そのためにも、是が非でも優勝に繋がる唯一の可能性――地の石を手中に収めなければ。  この戦いの立ち回りで、この殺し合いの今後が決まる――半ば確信めいた考えを抱いた亜樹子は、周りが仮面ライダーに変身しようとする中で同じく変身ツールを取り出したフィリップを――その彼が手にしたメモリへと、まるで吸い寄せられるかのように視線を注いでいた。 《――TABOO――》  それは禁忌の記憶を宿した金色のガイアメモリ。今は亡きフィリップの姉冴子の力として、これまで何度も自分達を苦しめ、亜樹子の父壮吉を死に追いやった因縁浅からぬメモリ。  何故だろうか。人々を惑わせ傷つける悪しき存在。これまでのように憎んで当然であるはずのそれに、強く惹かれるような心地で居るのは――  つい先程まで思考を巡らせていた、世界の破壊者の存在も、乃木への警戒も、今ここが生死の境目たる戦場であることも忘れて、亜樹子はタブーメモリを凝視していた。  そんな亜樹子の前で、タブーの力と一体化しようとフィリップはそれをガイアドライバーへと運ぼうとした時――緑色の線が、メモリを弾き出すようにフィリップの手の中に納まった。 「……これはっ!?」  変身を阻害されたフィリップの手の中にあるのは、彼や亜樹子の見慣れた緑色のサイクロンメモリ。 (――あれ?)  認識した直後、それが常のサイクロンではないと違和感と、しかし一度はどこかで目にしたという既視感を覚えた亜樹子の目の前に、弧を描いて落ちて来る物があった。  亜樹子の視線を引き寄せて離さない、禁忌のメモリ――思わず優しく受け止めた時、自分とメモリの間に電流が走ったような錯覚に彼女は襲われた。 (……タブー)  心中でその名を呟いた直後、突如として世界が揺れる。意識外の衝撃によって亜樹子が半ばパニックに陥りかけながらメモリを庇うように懐に隠すと、見覚えのある緑色の異形がこちらに飛び掛かって来ていた。 「――亜樹子っ!」 「フィリップ、俺の後ろへっ!」  手の中のサイクロンメモリをどうするということもなく、ギルスに庇われる形になった亜樹子の方を振り返ったフィリップの手を引いて自分の背後に運んだ橘が、やや斜め上を向いてバックルのレバーを反転させる。 《――Turn Up――》  すると、そこからクワガタムシの紋章が描かれた光の壁が吐き出され、頭上から降り注いでいた瓦礫や――それを粉砕しながら侵入して来ていた砲弾や小型ミサイルの猛攻を、物の見事に受け止めるバリアの役割を果たしていた。  それでも鉄壁に護られているのは、橘と彼の庇うフィリップだけだ。他の仮面ライダー達は各々の武器で頭上から迫り来る上階の残骸や砲弾やミサイルを迎え撃っていたが、飛び道具も持たず、しかも亜樹子を庇うために背を向けたギルスに防ぐ手段などあろうはずもない。 《――CLOCK UP――》  だが病院が崩壊する轟音の中、電子音が響いた次の瞬間に、亜樹子は見た。ギルスの脇の下から、その背後から迫り来ていた大量の破壊の牙の羅列が、突然生じた長く縦横無尽に伸びた濃緑の影によって打ち払われるその光景を。  それでも何発かの銃弾がギルスの肉体に到達した。だが着弾のたびに大きく揺らめきながら、なおもギルスはその場に立ち続け、亜樹子を決して破壊の暴風に晒させようとはしなかった。 「ウワォオオオオオオオオオオオオオオッ!」  苦悶に満ちた、獣のような悲鳴を上げるギルスを見て、思わず亜樹子の胸が締め付けられる。 (――ごめんね、涼くん……!)  嗚呼、何と自分は汚いのだろうか。  こうして身を呈して己を護ってくれる仮面ライダーを、ただ利用する駒としか見ないとは。  もしも半日も前の自分が今の自分を見れば、絶対に赦すことはないだろう。  そんな自分の卑劣さと、今更そんな身勝手な感傷を抱いたことに殊更強い憤りを覚えていると――やがて病院の倒壊は収束を迎えたのか、間断なく続いていた崩落音も収まっていた。  亜樹子の前でふらついたギルスの肩を、矢車の変身した仮面ライダーが強く掴み、支えた。 「よく妹を護ってくれたな。礼を言うぜ」 「――こっちこそ、な」  肩を上下させて呼吸するギルスの返答に、キックホッパーはまるで亜樹子と距離を取らせるかのように彼を後方に突き飛ばす。邪険な扱いにしかし文句の一つもなく、一瞥だけを残したギルスは濛々と立ちこめる粉塵の中に歩を進めて行った。その背を見送ろうとする亜樹子の傍にキックホッパーが腰かけると、今度はフィリップが駆け寄って来た。 「大丈夫、亜樹ちゃん!?」 「うん、大丈夫……涼くんやお兄ちゃんが、護ってくれたから」 「お兄ちゃん……?」  フィリップが疑問符を浮かべたが、それを説明している場合ではないと亜樹子は問いを放つ。 「それよりフィリップくん、さっきのって……」  亜樹子の問いに頷いて、「あれはT2だった」とフィリップが答えたのが埃の緞帳を通してでも見えた。  しかしそのメモリを今のフィリップが所持している様子はない――先のどさくさで落としてしまったらしく、灯りの失せた暗闇の中ということも相まって見失ってしまったようだ。 「亜樹ちゃん、タブーは……?」  そんなフィリップの何気ない問いかけに、ぎくりと身を強張らせながら、亜樹子は気づいた時には小さく首を振っていた。  フィリップはあの時、亜樹子の方を見ている余裕はなかったはずで……ギルスの影に隠れていた間に、メモリを取り零したという風に受け取られても自然だろうと、どこか冷静な部分が呟いていたが……そんなことにまで考えが及ぶ前に、フィリップの追求を拒否していた自分に、亜樹子は小さく目を見開く。  手放したくないと、離れたくないと感じているのだ。父の仇であるこの禁忌のメモリと。 (……私――っ!)  自分自身の中の理解できない部分が肥大化している事実に、亜樹子が小さく息を呑んだ時。その不安ごと吹き飛ばすかのように、辺りに濃霧の如く立ち込めていた塵芥が、逆向きの渦を巻いて外へと吐き出されて行く。 《――SURVIVE――》  電子音声が聞こえたかと思うと、今度は巻き起こった疾風の中心に立っていたナイトに風が集まって行く。束ねられた烈風は金の縁取りを持った碧の鎧となって、彼の装いを一新した。  まるで翼のようにマントを棚引かせたナイトが左腕から白銀の刀身を引き抜いた瞬間、周囲を覆っていた塵の幕が完全に開帳される。  そうして晴れた亜樹子の視界に映ったのは――ボロ屑のように崩れ落ちるカッシスワームと、彼方から爆音と共にこちらを狙う光芒の瞬きだった。  一歩踏み出すごとに大地を揺るがし、土煙を生みながら迫ってくる黒い肉体を金色の装甲で包んだ禍々しき姿のライダー……その漆黒の瞳を見て、これがライジングアルティメットだとカッシスワームが悟るのに時間は掛からなかった。  なるほど大した威圧感だ。その姿を見るだけでも、ギラファアンデッドなど比ではない力を感じ取ることができる。そしてそれ以上に、やはり天道総司を葬った張本人であるという事実が、カッシスワームの抱く警戒心の理由の大半を占めていた。  接近されるよりも先にギラファアンデッドを仕留める余裕があるか、と思案したところで、ライジングアルティメットが一際強く地を蹴った。猛烈な勢いの突進に、カッシスワームは舌打ちと共に後退する。飛び退いた次の瞬間、寸前まで存在していた空間にライジングアルティメットの剛腕が唸りと共に捻り込まれた。巨体の着地と、拳圧によって生まれた衝撃波が地を揺らし、その烈風を全身に煽られながら、カッシスワームは哀れな傀儡へと語り掛けた。 「己を操る輩の窮地を救おうと、勇ましいことだな。五代雄介」  皮肉に応じるでもなく、起き上がるギラファアンデッドを庇うように立ったライジングアルティメットは、その両掌を顔の前まで持ち上げた。その五指に纏わりついた夜闇よりなお暗い紫色の波動が、カッシスワームへと掌が向けられたと同時に波濤のようにして押し寄せる。  乾巧より聞き出した、カブトのクロックアップすら捉えたと言う暗黒掌波動――触れたものを悉く圧搾し、破壊し尽くさんとする闇の殺到に、だがカッシスワームは悠然と構えていた。  そんな不遜なワームを呑み込み、濁流と化して今まさに崩れ落ちようとする病院にトドメの一撃として乗り込もうとしていた黒い奔流は、突如として低地の穴に吸い込まれる液体の如く流れを変更し、ある一点へと誘われて行く。  闇の集合地点から轟いたのは、滑稽で仕方がないとばかりの、他者の尊厳を足蹴にする魔王の哄笑だった。その身を押し潰すはずだった闇の重圧を、逆に苦もなく飲み干したカッシスワームが、新たに己が身に加わった力の疼きを感じ取り、昂ぶりのままに笑声を放っていたのだ。  全ての影を吸収したカッシスワームは、鉤爪のような二本の指しかない右掌の中に先程自らに牙を立てんとしたそれと同じ、禍々しき闇を掌握する。  これこそがフリーズと引き換えに、二度目の生でカッシスワームが新たに得た固有の能力。あらゆる必殺技を構成するエネルギーを無効化・吸収し、そしてその技を習得する強欲な力だ。 「自らの闇に、呑まれるが良い」  カッシスワームが翳した右の掌から、莫大な量の闇が放たれる。刹那の内に空間を埋め尽くし、地面を掘り返しながら射線上に在った物質全てを蹂躙せんとする奔流に対し、ライジングアルティメットもまた、その場に立ち尽くしただけだった。  愚かな、とカッシスワームは内心でまたも嘲笑を浮かべる。  あらゆる技を無効化する能力を持つカッシスワームだからこそ毛ほどの傷も負わなかったが、暗黒掌波動の威力を前に、何の備えもなければ大きな打撃を受けることは免れ得ないだろう。  だがそんなカッシスワームの予想に反して、ライジングアルティメットはカッシスワームが波動の照射を止めぬ内からその勢いに逆らい、一歩ずつ距離を詰め始めた。 「――何ッ!?」  純粋に敵に与えるダメージだけならともかく、ストッピングパワーだけならば全身に均等に力を加える暗黒掌波動はカッシスワームの知る限りでも上位に君臨する技だ。それがただ一人の敵手の前進を阻害し切れていないという事実を前に、思わず動揺を漏らしたカッシスワームが暗黒掌波動の放射を終えたと同時、ライジングアルティメットの歩みが疾走へと変わった。  砂礫を蹴散らしながら迫る暴力の化身を、カッシスワームは左の大剣で迎え撃つ。当然それで倒し切れるわけもなく、右腕に生えた二本の突起の間に刃が挟み込まれる形で防がれる。  予想の範囲内だとカッシスワームは右腕で突きを放つ。これもまた、先端の針がライジングアルティメットの胸板を貫く前に左腕に掴まれ阻まれたが、やはり想定内だ。 「――ライダーキック!」  ライジングアルティメットの驚異的な握力で掴まれた右手首の甲殻が軋んで痛みを訴えるが、それを無視したカッシスワームはタキオン粒子を漲らせた右回し蹴りをライジングアルティメットの胴へと放つ。ライジングアルティメットもまた右の膝をそのまま正面に突き出し、互いの一撃は同時に目標へと到達することとなった。  激突の瞬間、大気が破裂するかのように悲鳴を上げて、砂煙が刹那の間だけ二人の姿を覆い隠す。次の刹那に衝撃波で砂塵が四散したことで、攻防の結末が月明かりの下詳らかとなった。  仮にも必殺技の直撃を受けたライジングアルティメットは僅かによろめき、カッシスワームはその両腕を解放されていた。だがカッシスワームもまた、腹腔に響いた重い衝撃にその動きを阻害され、追撃の好機をみすみす逃すことになってしまった。  ――ありえない。そう困惑していた分、カッシスワームはライジングアルティメットよりも次手が遅れた。顔面に叩き込まれた拳によって一瞬意識を刈り取られ、回復した時にはまるで見当違いの方向へと顔の向きを変えていた事実に、さらにカッシスワームは動揺に呑まれる。 (馬鹿な。どんな技であろうと、今の俺ならそれを構成するエネルギーを取り込めるはず……この威力で、何の特異なチカラも纏っていない、ただの打撃だと言うのか……っ!?)  左腕の剣腹を盾にすることで続いた拳を受け止めたが、それでもその威力に全身を貫かれ、痺れが一瞬の間カッシスワームを縛る。動きの鈍った分思考に余裕のできたその一瞬の間隙に、ワームの王は今また追撃を放たんとするライジングアルティメットの脅威を再認識した。  天道を破ったと聞いた時点で十分警戒していたつもりだったが、まだ甘かった。  強敵に単独で挑む危険性を認識しながら、どんな技だろうと無効である以上、倒すつもりがなければと交戦するぐらいは無謀でもないだろうと、どこか油断があった。まさかただの打撃が、他の仮面ライダーの必殺技に匹敵するほどの威力を持つことは想定していなかったのだ。  それゆえに、まさか真っ向勝負でここまで圧倒される展開は予想していなかった。だがあの天道を下したという敵を警戒するのなら、この程度の事態は考えておくべきだったと臍を噛む。 (――装備も万全に程遠い状況で、よくもこんな相手から乾巧を逃がし切ったものだ)  伊達に一度自分に煮え湯を飲ませてはいない。そう今は亡き宿敵を再評価しながらカッシスワームはライジングアルティメットの揮う拳筋を見極め、その身を捻った。微かに拳が掠めるのを甲殻の強度と弾性に甘えて凌ぎ、そしてすれ違い様に左の大剣をその腹へと押し当てた。  真紅の血に刃が濡れたのを見て、カッシスワームは手応えを覚えつつ振り返る。踵を返した身体と共に旋回した大剣にタキオン粒子を纏い、直に切り裂くつもりでライダースラッシュを放ったが、ライジングアルティメットはまたも右腕の突起でそれを防いだ。インパクトの瞬間タキオン粒子が虹色の光を散乱させたが、金色の装甲はそれらを照り返し寄せ付けもしない。  その鳩尾の下辺りに浅く刻まれていた横一文字の裂傷が幻の如く消え行く光景に、カッシスワームは思わず歯噛みする。こちらの生半可な攻撃を無効にする治癒能力まで有しているとは……これではダメージを蓄積させて行くと言う戦法も、そう容易くは狙えないだろう。  この上クロックアップをも対処する反応精度があるというのだ。なるほどこれは主人の命をよく聞く、実に優れた生物兵器だ。手元にあればとも思うが、生憎現実には敵でしかない。  先程から何度もクロックアップを試みようとしているが、未だに制限から解き放たれる気配がない。次に使用可能になるのは果たして何秒後なのか、その時までどうこの猛威に抗すべきか大剣を構えながら思索を巡らせていたカッシスワームは、不意に近づいた殺意に身を翻す。ライジングアルティメットに気を取られていた隙に、ギラファアンデッドが背後に回り込んで来ていたのだ。 「ジェァアッ!」 「――舐めるなっ!」  背後から一太刀浴びせんと迫る異形の刃を、カッシスワームは左腕の巨大な刀身で弾く。敵はもう一方の刃を縦に振り下ろして来ていたが、カッシスワームは半歩退くだけでその一閃を回避することに成功した。  だが、反撃に放とうとした右の刃は背後から上腕部を掴んだ五指に万力の如く締め上げられ、たちまちその自由を奪われてしまった。  ――これはまずい、という悪寒がカッシスワームの脳裏に走った直後、再びギラファアンデッドがその双剣を閃かせていた。  自由の残された左の剣は、力の入れ難い不完全な体勢ながらその片方を見事に打ち弾いた。だが残されたもう片方の刃に晒されたカッシスワームの身体は、甲殻が削られる火花と共に、アンデッドの物よりもさらに色濃い緑の血を撒き散らす。 苦鳴を発しながらも、カッシスワームは二撃目を凌ごうとした。だが後頭部に容赦なく襲い掛かったライジングアルティメットの拳に視界を揺らされ、乱舞するギラファアンデッドの刃を防ぐことが叶わなくなってしまう。  刃に抉られた三筋の傷痕を晒しながらも、カッシスワームはその左腕でギラファアンデッドに立ち向かおうとした。それがまた後ろから伸びて来たライジングアルティメットの腕に拘束され、防ぐ手段を失ったその身に容赦なく刃が叩き込まれて行く。 「――ガァァァアアアアアアアアッ!」  憤怒の咆哮と共に、カッシスワームはその右足へと膨大な量のタキオン粒子を収束させる。ギラファアンデッドの刃がまたもその身を抉ると同時、旋回させた右の爪先がその金の甲殻に包まれた脇腹へと突き刺さっていた。 「グ……ッ!?」  半ば不意打ちとして決まったか、ギラファアンデッドは受け身も取れずその巨体を転がして行った。カッシスワームは並の成虫ワームを爆砕する一撃を受けその程度で済む相手に理不尽な苛立ちすら覚えながらも、返す刀で蹴りを背後のライジングアルティメットに叩き込む。  しかし、ただの蹴りでは向こう脛に直撃させてやっても小揺るぎもしない。だがその結果は既に織り込み済みのカッシスワームは、互いの足が接触した状態から再びタキオン粒子を収束させる。そのまま密着状態からのライダーキックを放ち、ライジングアルティメットの体勢を少しだけ崩すことに成功した隙に、カッシスワームは渾身の力を込めて拘束から脱出した。技の反動で跳躍し、距離を取ったライジングアルティメットへと左の大剣を向けつつ、彼と挟み込むような形で自らの背後に立つギラファアンデッドへと、ワームの王は右の掌を翳した。 「――消え失せろ」  都合の良いことに、射線上に巻き込む味方はない。別離を告げるとともに加減なしに暗黒掌波動をギラファアンデッドへ浴びせ、ライジングアルティメットの拳を左の大剣で打ち弾いたカッシスワームだったが、そこで背後から迫る気配に振り返らざるを得なかった。 「――何だとっ!?」  闇の波濤は、ギラファアンデッドを避けるかのように弾かれていた。その周囲に、バリアと思しき防御手段が展開されていることを見取った時には、その刃が喉元へと疾走して来ていた。  かわしたと同時、再びライジングアルティメットの拳に捉えられる。執拗な頭部への打撃に視界を揺らしたカッシスワームは遂に踏み止まることができず、その身体を拳の勢いのままに飛ばした後、成す術もなく地を転がった。  その直後、背後の土地に衝撃波を纏った物体が叩き込まれたかと思うと、刹那の後に爆発が起きる。それで生まれた颶風に煽られながら、カッシスワームは何とか重たい身体を起こした。 「クソッ……この俺が……!」  自らの不甲斐無さに、思わずワームの王は毒吐いた。  ギラファアンデッドに十を超える太刀を浴びせられた身体は無数の斬痕を残し、ライジングアルティメットの拳打に晒された甲殻は微かに歪んでいた。その内部が受けたダメージも当然甚大であり、まだワームとしての戦闘形態を保持できているだけでも幸運と言うべき有様だ。  二対一とはいえ、まさかこの自分がここまで痛めつけられるとは。両腕を持ち上げることも億劫で、垂らしたままの姿勢で息を整えようとしていると、誰かの足が地を噛む音が聞こえた。  視線を上げると、満身創痍のカッシスワームに比べれば大分マシだが、胸や脇に痛々しい傷を刻んだギラファアンデッドの姿があった。 「酷い有様だな。今、楽にしてやろう」 「――何様のつもりだっ!」  カッシスワームが激情のままに揮った大剣は、ギラファアンデッドの構えた右の剣に易々と受け止められていた。その身を蝕む創痍による弱体化が如実に出た光景を前に、瞠目する心地のカッシスワームは敵が強引に剣を払った勢いに抗えず、空足を踏むことになる。  大き過ぎる隙。この窮地において未だクロックアップが解禁されていない事実に、半ば覚悟を強いられたカッシスワームの頭上へと振り下ろされた刃を、代わりに打ち弾くものがあった。 「――金居ィイッ!」  二体の怪人の間に立っていたのは濃緑の異形。その右腕から生やした金色の爪が、ギラファアンデッドの凶刃からカッシスワームを救っていたのだ。 「……葦原、涼か」  目の前の異形の放った声に聞き覚えのあった二体の怪人は、同時にその名を漏らしていた。  ならこれが仮面ライダーギルスか、とカッシスワームが認識する前に、野獣と何ら変わらぬような咆哮を発した異形が、その左腕からも同様の鉤爪を伸ばす。それらを二振りの刀として眼前のアンデッドへと彼が挑む間に、カッシスワームは周囲の様子を見渡した。  夜の中に立つ仮面ライダー諸君の数は、眼前のギルスを含めて七人。その一人であるキックホッパーはやる気のなさそうな態度で崩れ落ちた元病院の一角に腰かけているだけだが、彼の周辺にはフィリップと鳴海亜樹子の姿が確認できた。何故フィリップが変身していないのかは知らないが、つまるところキックホッパーは非戦闘員の護衛と言うことだろうか。残る五人は先程の砲撃の主、そして彼らの方へと迫るライジングアルティメットに対抗しようとしていた。  こちらに向かって来る、二つのバイクの駆動音も聞こえる。いくつかの不安要素も抱えてはいるが、ようやく苦心の末に作り上げた集団の力を利用できるということに、傷ついた身体が少しだけ軽くなったようにカッシスワームは感じていた。  先程まではそんな余裕もなかったが、ライジングアルティメットと分断できた今なら、地の石をギラファアンデッドから奪う、または奴を倒すという当初の戦いに専念することができる。  無論、この自分をここまで圧倒したライジングアルティメットに、たかが数人規模で徒党を組んだところで打ち勝てるとは思っていないが、時間稼ぎぐらいは果たしてくれることだろう。 (その化け物の相手は任せるよ、仮面ライダー諸君……)  ディケイド――門矢士をこの時点で消耗の激しい前線に立たせることになってしまったのは残念だが、贅沢を言える状況ではないだろう。 (せいぜいこの俺のために、その命を散らせるが良い――)  心中でそう呟いたカッシスワームは、ギラファアンデッドの斬撃の重さに耐え切れずに宙を舞うこととなったギルスと入れ替わるように、再び前進を開始した。  ゾルダのシュートベント・ギガランチャーから放たれた砲弾は、ナイトサバイブの展開したガードベントによって受け止められていた。  だが強度は足りていようと、小型の盾で砲撃を何度も防ぐのは難しいだろう。そう判断したディケイドは、ナイトの鎧姿が爆煙に紛れて見えなくなった隙に、既に次の一手を打っていた。 《――FINAL ATACKRIDE DEDEDE DECADE!!――》 「そんな恰好でかわせるかっ!?」  巨大な砲を手に持ったゾルダに、俊敏な回避など望みようもないだろう。誰が変身しているのかなど知りはしないが、病院をいきなりエンドオブワールドで吹き飛ばしたような奴に遠慮する道理などない。ゾルダとの間に展開された十のカード型のエネルギーゲートを射抜くように、ディケイドはライドブッカーの銃爪を引き絞る。放たれた光弾はゲートを潜るたびに太さと輝きを増し、柱となってゾルダの次なる行動を許すことなく灼き尽くす――はずだった。  だがその寸前、カードの並びの間に金の黒のライダーが割り込み、その屈強な肉体で以ってゾルダへと向かっていた光線を遮っていた。  否、ただ受け止めただけではない。  金色の装甲で覆われたその胸板でディケイドの放った光の束を解れさせ、弾き返しながら、ライジングアルティメットはまるでディメンションシュートを被弾しているという事実がないかのように直進して来ていたのだ。 「はぁっ!?」  あのガドルでさえ、明確なダメージこそなくとも後退を余儀なくされたと言うのに。確かにカード全ての力を得ていない不完全な一撃とは言え、必殺技の直撃をまるで無視したかのように振る舞うライジングアルティメットの力に、思わずディケイドは驚嘆を漏らしていた。  だが驚き、畏怖してばかりもいられない。金の黒のクウガは凄まじい速度でディケイドへと迫って来る。これ以上の接近を許せばあの拳によって、ディケイドの身体は木の葉の如く吹き飛ばされることだろう。それでも最大火力が牽制にすらならない以上、どうすれば良いのか? 《――FINALVENT――》  そんな電子音の後、再び疾風が生まれた。  ナイトと同じく、碧い装甲に覆われた彼の契約モンスター――ダークレイダーが、主人を背に乗せてディケイドの横を通り過ぎて行ったのだ。  ちょうどディケイドのビーム照射が終わると同時、ダークレイダーはその身を蝙蝠の姿からバイク状へと変形させる。それに対し、自身へと迫る碧き翼刃を目の当たりにしたライジングアルティメットは前進を止め、両掌から暗黒の波動を放った。押し寄せた闇の重圧をその一身に浴びながらも、自らを弾丸としたライダーと魔獣は微かにその勢いを削がれただけで、逆にその波を裂いてライジングアルティメットへと肉薄する。  だが、その微かで十分だった。少しだけナイトの動きが鈍った隙に両足を撓めたライジングアルティメットは、ダークレイダーの機首から放たれたビームによって拘束される前に、疾風断の間合いから逃れることに成功していたのだから。 「――逃がすかっ!」  ライジングアルティメットに頭上を飛び越されたナイトは、バイクモードのダークレイダーをねじ伏せるかのように方向転換する。さらにマントで車体を包みこむと、今度は純粋な速度のみで、再び標的を捉えようと再加速する。  だが、彼らが引き絞られた一本の矢として放たれる寸前。車輪の噛むはずだった大地ごと、その車体と乗り手も等しく虚空へ投げ出された。 「なっ……!?」  虚を衝かれたディケイドの心配を余所に、宙を舞ったナイトはバイクモードから本来の姿へと戻ったダークレイダーの背中に着地して事なきを得た。  だが、ダークレイダーの変形が解除されたことは――彼のファイナルベントが、不発のまま終了してしまったことを意味する。  ライジングアルティメットが回避を選択した、数少ない有効打足り得た一撃――それを中絶させたのは、やはり硝煙を吐き出す銀と緑の巨砲。ゾルダのギガランチャーだった。 「……こいつは厄介だな」  ディケイドの横に並んだ響鬼が、そうゾルダを指して言った。  ゾルダの遠距離射撃を野放しにしては、ただでさえ強敵であるライジングアルティメットと満足に戦うことすらできない。誰かがあの砲台を潰す必要がある。  それは今、ダークレイダーから飛び降りた勢いのまま、ライジングアルティメットへと斬り掛かろうとするナイトサバイブの役目ではない。  先のディケイドの一撃が何の効果も挙げなかった一方で、ナイトの攻撃には危機感を持ったかのように防御や回避に徹したということは、並のライダーを寄せ付けない強さのライジングアルティメットにとっても、強化形態であるナイトサバイブの攻撃は脅威足り得ることを示す。  どんなに攻撃しても敵に何の損耗も与えられぬようでは、一方的に蹂躙されるだけだ。戦いを成り立たせるためには、敵に通じる刃が――ナイトの存在が不可欠となる。  だがこちら側には、他に飛行能力を持つライダーがいるわけでもない。立体的な機動なしでは、遠距離から悠々狙い撃てるゾルダの元に辿り着くのも一苦労だろう。  ――そう、今のままでは。 「手はあるさ――ちょっとくすぐったいけどな」 《――FINAL FORMRIDE HIHIHI HIBIKI!――》 「えっ?」という疑問の声を無視して、ディケイドは響鬼の背中を勢い良く撫で上げた。  ディケイドの手が通過した瞬間、響鬼の背には虹色に煌めくディスクと、鳥の尾羽のような形状のパーツが出現する。彼自身がその変化に気づくより早くその身体は逆さまに宙に浮かび、茜色の気の炎がその身を纏った。  瞬く内にその炎も消え去り、その中から巨大な一羽の怪鳥が現れる。見覚えあるだろう姿に変化した自身に気づいたそれは、ヒビキの声で言葉を発した。 「響鬼――茜鷹、だな。こりゃ」 「あっちは任せたぞ、ヒビキ」  言われるまでもないと宙返りしたヒビキアカネタカがゾルダ目掛けて飛び立ったと同時に、ダークブレードをエルボースパイクで止められ、反撃の拳を受けたナイトが地を滑っていた。  当然、ナイトが起き上がるまでの間に自由を得たライジングアルティメットにはナイトへの追撃か、ヒビキアカネタカへの迎撃を選択する余地が生まれていた。そのどちらを許しても、こちらの勝利は一気に遠退くことになると感じたディケイドは、無駄と知りつつもブラストのカードをライドする。 《――KAMEN RIDE CAUCASUS――》  だがそれより早く読み上げられたカードの名は、ディケイドの持つ物ではなかった。  戦場に降臨する黄金のライダー――コーカサスが、ナイトとライジングアルティメットの間に立ち塞がるかのように、光と共に出現していた。  どこからともなく新たに現れた敵手に対しても無感動に、即猛烈な勢いで距離を詰め始めるライジングアルティメットに対し、コーカサスは腰のベルトへと手を伸ばしていた。 《――CLOCK UP――》  カブトの世界のライダーが持つ最強の能力。時すら操るクロックアップをコーカサスが発動する、まさにその瞬間。ライジングアルティメットの伸ばした手が、その仮面に届いていた。  超加速状態に移行した結果、仮面ライダーの知覚すら上回って掻き消えるはずだった金色の霞は、しかし同色の闇に捉われたまま、左腕一本で宙へと持ち上げられていた。  機械ゆえに生じる、発動までのラグを衝いてクロックアップボタンを押した相手を拘束する――眼前で展開された冗談のような光景に、ディケイドの中に戦慄が走る。  ライジングアルティメットの左腕で爆ぜる虹色の光は、コーカサスの抵抗だろうか。その腕を奇妙な方向に曲げながらも、そこだけははっきりと固定されたコーカサスの仮面を放さない。純粋な握力のみで黄金の仮面に亀裂を走らせながら、クウガは右の拳を固く握り締めた。  次の瞬間、紅蓮の炎の筋がそこからコーカサスの首元へと伸び、そして貫いて行った。  過剰ダメージによって青いカード状のエネルギーに戻ったコーカサスの仮面がその左掌から消え去ったのを見、一人仕留めておいてまるで勢いの衰えていない右手の炎を掻き消しながら、ライジングアルティメットは瞬殺劇の間に変化した状況を把握するかのように周囲を見渡した。 「――やぁ、士。苦戦しているみたいだね」  その動作に応じるように、やや焦燥に駆られながらもライドブッカーを構えるディケイドの傍で、いつの間にか現れていたディエンドが場に似合わず気軽な様子で言葉を発した。 彼の召喚したコーカサスは瞬殺される結果に終わってしまったが、その間にナイトは無事に体勢を立て直していた。ヒビキアカネタカはゾルダの元に到達しつつあり、ギャレンもまた、彼の援護のためにライジングアルティメットの作った戦線を突破することに成功していた。  おそらく、オートバジンに乗ったG4の銃撃をバリアで防いでいるギラファアンデッドに対する強烈な餌として、ディエンドはコーカサスの召喚を選択したのだろう。クロックアップの発動を許せばギラファアンデッド自体が叩かれ、地の石を奪われてしまう可能性も高い以上、向こうは可能な限りライジングアルティメットに対処させようとすることだろう。 実際は自意識を持たない召喚ライダーが地の石を手にしたところで、それをこちらの味方へ渡す前に奪い返される可能性も十分あった以上、こうして釣り餌として仲間の行動の時間稼ぎにするのが最適な一手であったとディケイドは理解した。  不意に二人を無視して、ライジングアルティメットが暗黒掌波動をギラファアンデッド達目掛けて放った。ギラファアンデッドは当然バリアで無効化し、カッシスワームもまたギルスを背に庇い、そのエネルギーを吸収して行く。だがその闇が呑み干されるまでの間、何の防御策も取れなかったG4が直撃に装甲の各所から火花を散らすこととなっていた。  勢いに押されてギラファアンデッド達との戦場から離されて行くG4の方へと執拗に波動を浴びせながら、無言のままライジングアルティメットは距離を詰めて行く。G4を纏う純一に悲痛な絶叫を上げさせ続けるクウガの姿に、思わずディケイドは叫びを上げていた。 「――いい加減にしやがれ、五代雄介っ!」  フィリップや海東達と共に戦った仲間だと言うもう一人のクウガ、五代雄介。  皆の笑顔のために戦う――ユウスケと同じ志を持った彼が、優しい仮面ライダーであることは明白だ。そんな彼があの地の石で心を捻じ曲げられ、望まない暴力で他人を傷つけているのなら、きっと仮面の下で五代は泣いていることだろう。  もう一人のクウガまでそんなことになっていることを知れば、同じく今、その力で苦しんでいるユウスケの笑顔は猶更曇ってしまうことだろう。苦しい思いをする同類がいることを喜ぶような奴じゃないことは、これまでの旅の中で証明されている。  なら、あいつの笑顔を護るためにも――そしてあいつが皆の笑顔を護ることができるようにも、手遅れにならない内に五代雄介はここで取り戻す。その決意と共に、ディケイドはカードをドライバーにライドした。  ディエンドと共にブラストのカードを発動したディケイドは、G4へと拳を揮うライジングアルティメットの背へと弾幕を浴びせに掛かる。G4がその場に打ち倒されると同時に、無数の光球がその背に突き刺さる。その衝撃を受けライジングアルティメットが振り返った瞬間に、起き上がり距離を詰めていたナイトがダークブレードを一閃させた。一撃目は見事にその金の装甲を裂いて黒い影を刻んだが、二撃目はやはり肘の突起に受け止められる。 《――Start Up――》  だがナイトがその剛腕に振り払われる前に、そんな電子音が彼らの背を追い越して行った。  ディケイドの攻撃が功を成さず、そのまま彼がライジングアルティメットの拳に捕捉される危機に陥った時、ファイズ――乾巧の中には迷いがあった。  ディケイドが全ての世界を滅ぼすと言う金居の言葉。人を傷つける化け物である金居の言うことなど一々真に受けるべきことではないが、それでも巧は気に掛けてしまっていた。  何故なら巧の知る金居という人物は、確かに自分の欲望のために人々を傷つけるが……それまでに遭遇した危険人物と違い意味もなく闘争を求めるのではなく、彼にとって不要な争いを避けたがっているように見えたからだ。少なくとも天道が殺されたあの戦いは、金居にとっても不本意な物であったということは、その立ち振る舞いから事実であったと巧は感じていた。  そんな金居がリスクを冒してまで病院に来てディケイドの話をしたのは、乃木との約束や、仮面ライダー達と戦うため、だけではあるまい。  ましてや交渉の場において不利になっても逃げるでもなく、まるで思わぬ好機を逃すまいと士に仕掛けた様を見て、少しだけ金居の言動に説得力を感じてしまっていたのだ。そして彼が事実ディケイドという仮面ライダーに変身したことが、巧の心を縛る枷となってしまっていた。  巧の胸中に蘇ったのは――総ての世界の総ての命を護り、総ての世界の人々を、洗濯物が真っ白になるみたいに幸せにして、そうなった世界に良い風を吹かせるという、今は亡き仲間との約束だった。それが今の巧にとって至上の命題だった。  だが金居の言葉が真実であるならば、ディケイドの存在はその約束を脅かす物ではないのか? (照夫の時だって、俺は――)  長きに渡って繰り広げた、スマートブレインとの暗闘。その最終局面の鍵を握った、人類を滅ぼすオルフェノクの王の覚醒。それを阻むために巧は、王を内に宿した鈴木照夫という少年を一度、殺めようとしたではないか。  いや、まるで凶行を思いとどまったかのような、この言い方は正しくはないだろう。  事実はスマートブレインによる妨害に遭ったために王の覚醒を阻止できず、手を下すまでもなく照夫が死んだためにこの手を汚さずに済んだというだけだ。覚醒前に間に合ってさえいれば、巧はきっと、あの少年を容赦なく殺害していたことだろう。  自らの宿命も知らず、海堂直也達に不器用な好意を抱いていただけの、孤独な少年を。  それが正義だと――人類を救い仲間の夢を守るための、最善の手段だと信じて。  あの少年を切り捨てて、ディケイドは生かすという選択が許される道理が何処にあるのか? 喪失と絶望に打ちひしがれていた巧を諭してくれた相手とはいえ、そんな身勝手な選択が……  だがディケイドは、名護啓介の仲間だったという響鬼と協力し、今また志村純一の変身したG4を――巧の仲間を救おうと、圧倒的な脅威へと、理不尽な暴力へと立ち向かっている。  そんな彼の、仮面ライダーの姿を見て、巧の心から迷いが失せた。 《――Complete――》  アクセルメモリーをファイズフォンに挿入すると、胸部アーマーが展開されて型へと収まり、全身を行き渡るフォトンストリームが赤からより高出力を示す銀へと色を変える。続いた電子音声が、アクセルフォームへの変身完了を知らせた途端に嘶き始めたアイドリング音をまるで己が鼓動の昂ぶりのように感じながら、ファイズは膝を曲げて次の動作に備えていた。  ――仲間を救おうとしてくれた者を見殺しにして、その上で仲間のためになど大義を掲げる恥知らずが何処にいる。  そもそも照夫の時とは状況が違う――あの時は、彼がオルフェノクの王であるということが明白だった。対してディケイドの脅威の立証は、たかが金居が口にした疑惑だけではないか。  疑心暗鬼に立ち往生して、その実徹底的に身に叩き込まれた、ライジングアルティメットへの恐怖心から目を背けているだけではないのか。  もしも、金居の言葉が真実であるならば、それを確認してから自分が手を汚せば良いだけだ。今この時、仲間を護ろうとしてくれている『仲間』を、見殺しにして良い理由にはならない。  今、巧を――ファイズを突き動かすべき物は、先に逝った仲間から託された夢ではなく。  喪ってしまった仲間の分も誰かを護るために戦うという、自身に課した誓いのはずだ。  その想いを再確認したファイズは、ファイズアクセルのスタータースイッチを押した。 《――Start Up――》  電子音が、アクセルモードへの移行を謳い上げた次の瞬間。ファイズは通常時の1000倍に達する速度の、超加速状態に突入していた。  その爆発的な加速力で跳躍したファイズはディケイド達を飛び越え、ミッションメモリーを橘から託されたファイズポインターにセットした。ライジングアルティメットを上空から多段回ロックオンすると同時、発生した六柱の赤い円錐が、今まさにナイトへ剛腕を揮おうとしていたライジングアルティメットを、頭上から押し潰すようにして拘束する。その内の一つへと、ファイズは叫びと共に右足を突き出して飛び込んだ。 「――うぉらぁああああああああああああああああああああああああああああ――っ!!」 【1日目 真夜中】 【E-4 病院跡地】 【門矢士@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】MOVIE大戦終了後 【状態】健康、決意、仮面ライダーディケイドに変身中(四十秒経過) 【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド 【道具】支給品一式×2、不明支給品×2、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、キバーラ@仮面ライダーディケイド 【思考・状況】 基本行動方針:大ショッカーは、俺が潰す! 0:どんな状況だろうと、自分の信じる仮面ライダーとして戦う。 1:ライジングアルティメットらに対処しつつ、五代を解放したい。 2:仲間との合流。 3:友好的な仮面ライダーと協力する。 4:ユウスケを見つけたらとっちめる。 5:ガドルから必ずブレイバックルを取り戻す。 6:ダグバへの強い関心。 7:音也への借りがあるので、紅渡や(殺し合いに乗っていたら)鳴海亜樹子を元に戻す。 8:野上良太郎は本当に殺し合いに乗っているのか? 9:涼、ヒビキへの感謝。 【備考】 ※現在、ライダーカードはディケイド、ブレイド、響鬼の物以外、力を使う事が出来ません。 ※該当するライダーと出会い、互いに信頼を得ればカードは力を取り戻します。 ※ライダーカード(G3)はディエンド用です。 ※参戦時期のズレに気づきました。 ※仮面ライダーキバーラへの変身は光夏海以外には出来ないようです。 ※亜樹子のスタンスについては半信半疑です。 【乾巧@仮面ライダー555】 【時間軸】原作終了後 【状態】疲労(小)、ダメージ(小)、深い悲しみと罪悪感、決意、自身の灰化開始に伴う激しい精神的ショック(少しは和らいでいる)、仮面ライダーファイズに変身中(四十秒経過) 【装備】ファイズギア+ファイズポインター+ファイズショット+ファイズアクセル@仮面ライダー555 【道具】支給品一式×3、首輪探知機、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW 【思考・状況】 基本行動方針:打倒大ショッカー。世界を守る。 0:天道の遺志を継ぎ、今度こそ誰も死なせない。 1:『仲間』である士達を護る。 2:ディケイドが世界の破壊者であるとしたら……? 3:園咲夫妻の仇を討つ。 4:全てが終わったら、霧彦のスカーフを洗濯する。 5:後でまた霧彦のいた場所に戻り、綺麗になった世界を見せたい。 6:信頼できる相手に、自分の託されたものを託しても良い……? 7:仲間達を失った事による悲しみ、罪悪感。それに負けない決意。 8:乃木怜治を敵視、秋山蓮に若干の警戒。 【備考】 ※天道の世界、音也の世界、霧彦の世界、志村の世界の大まかな情報を得ました。 ※参加者達の時間軸に差異が出る可能性に気付きました。 ※志村の血の匂いに気づいていますが、それはすべて村上たちのせいだと信じています。 ※オルフェノクの寿命による灰化現象が始まりました。巧の寿命がどの程度続くのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※士に胡散臭さを感じていますが、嫌ってはいません。 【日高仁志@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】本編第41話終了後 【状態】全身に小程度の火傷(手当済み)、罪悪感、仮面ライダー響鬼に変身中(四十秒経過)、ヒビキアカネタカ状態(十五秒経過) 【装備】変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、着替え(残り1着) 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:ゾルダを止める。 2:葦原涼を鍛えてやりたい(支えてやりたい) 3:打倒大ショッカー 4:殺し合いはさせない 5:小野寺を心配。 6:小沢さんに会ったら、北條の遺言を伝える。 7:仮面ライダーの一員として、ダグバを倒す。そのためにももっと鍛えないと。 8:みんなの果たせなかった夢を受け継いで、果たしたい。 【備考】 ※アギトの世界についての基本的な情報を得ました。アギト世界での『第四号』関連の情報を得ました。 ※『Wの世界万能説』が誤解であることに気づきました。 ※天美あきらの死を知ってしまいました。 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】疲労(小)、全身に中程度の火傷(手当済み)、罪悪感、クウガとダグバ及びに大ショッカーに対する恐怖 、決意、仮面ライダーギャレンに変身中(三十五秒経過) 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×3、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードは付いてません)@仮面ライダーカブト、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:ヒビキを援護しながら、金居達の襲撃に対処する。 2:首輪の解析は、事態が落ち着いてから取りかかる。 3:志村純一と共にみんなを守る。 4:小野寺が心配。 5:キング(@仮面ライダー剣)は自分が封印する。 6:出来るなら、亜樹子を信じたい。 【備考】 ※『Wの世界万能説』が誤解であると気づきました。 ※現状では、亜樹子の事を信じています。 ※参戦時期のズレに気づきました。 【秋山蓮@仮面ライダー龍騎】 【時間軸】第34話終了後 【状態】健康、甘いことを言う乾への苛立ち(無自覚)、クウガへの強い警戒、仮面ライダーナイトサバイブに変身中(ナイトで十秒、サバイブで三十秒経過) 【装備】ナイトのデッキ+サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎 【道具】支給品一式 【思考・状況】 1:自分の世界のために他世界の人間を倒す。 2:まずはこの集団と協力して、金居達に対処する。 3:協力できるなら、同じ世界の人間(城戸)と協力したい。浅倉とは会いたくない。 4:協力者と決着をつけるのは元の世界に帰ってから。 5:もしも地の石を手に入れたら……? 6:志村純一は御人好しだが、もしも裏切るのなら容赦しない。 【備考】 ※首輪の考案について纏めたファイルを見ました。 ※園咲冴子と天美あきらを殺したのは村上峡児と野上良太郎だと考えています。 ※強化フォームの変身時間制限に気づいていません。 ※ナスティベント、ガードベント、ファイナルベントを使用したため、それらは今回の戦闘中はもう使用できません。 【志村純一@仮面ライダー剣MISSING ACE】 【時間軸】不明 【状態】全身打撲、乃木と海東への苛立ち、仮面ライダーG4に変身中(一分経過) 【装備】グレイブバックル@仮面ライダー剣MISSING ACE、オルタナティブ・ゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎、ラウズカード(クラブのJ~K)@仮面ライダー剣、オートバジン@仮面ライダー555 【道具】支給品一式×3(ただし必要な物のみ入れてます)、ZECT-GUN(分離中)@仮面ライダーカブト、ファンガイアスレイヤー@仮面ライダーキバ 、アドベントカード(SEAL)@仮面ライダー龍騎、G3の武器セット(GM-01スコーピオン、GG-02サラマンダー、GK-06ユニコーン)@仮面ライダーアギト 【思考・状況】 基本行動方針:自分が支配する世界を守る為、剣の世界を勝利へ導く。 0:この連中を利用し、金居から地の石を奪う。 1:バットショットに映ったアルビノジョーカーを見た参加者は皆殺しにする。 2:人前では仮面ライダーグレイブとしての善良な自分を演じる。 3:誰も見て居なければアルビノジョーカーとなって少しずつ参加者を間引いていく。 4:野上と村上の悪評を広め、いずれは二人を確実に潰したい。 5:フィリップを懐柔し、自身の首輪を外させたい。 6:首輪を外させたらすぐにフィリップを殺す。正体発覚などで自分の首輪を解除させるのが困難になっても最優先で殺害。 7:乃木と海東を警戒。こいつらも何とか潰したい。 8:ライジングアルティメットを支配し、首輪を解除したら殺し合いに積極的になるのもいいかもしれない。 【備考】 ※555の世界、カブトの世界、キバの世界の大まかな情報を得ました。 ※電王世界の大まかな情報を得ました。  ただし、野上良太郎の仲間や電王の具体的な戦闘スタイルは、意図的に伏せられています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。  ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※放送を行ったキングがアンデッドである事に気付いているのかどうかは不明です。 ※封印のカードの効果に気づいていません。 ※オルタナティブ・ゼロのデッキは極力秘匿するつもりです。 ※オートバジンは純一のすぐ近くで転倒しています。 【海東大樹@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】最終話終了後 【状態】健康、仮面ライダーディエンドに変身中(五十秒経過) 【装備】ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード(G3、サイガ、コーカサス) @仮面ライダーディケイド、ディエンド用ケータッチ@仮面ライダー電王トリロジー、カイザポインター@仮面ライダー555 【道具】支給品一式、ブラッディローズ@仮面ライダーキバ 【思考・状況】 0:お宝を守る。 1:金居達に対処し、機を見て地の石を盗む。 2:殺し合いに乗った奴の邪魔をする。 3:知らない世界はまだあるようだ。 4:蓮、乃木、純一を警戒。 5:特に純一からはこの戦闘中、目を離さない。 【備考】 ※クウガの世界が別にあることを知りました。 ※首輪の考案について纏めたファイルを見ました。 ※志村純一について、自覚していませんが彼を信じたいと思っています。 ※五代の言う『笑顔』、ブラッディローズ、自身の『仲間』をお宝だと思っています。 ※ディエンド用ケータッチについては、今のディエンドの所有カードだけで使用可能なのかは後続の書き手さんにお任せします。 【乃木怜司@仮面ライダーカブト】 【時間軸】第44話 エリアZ進撃直前 【状態】ダメージ(大)、疲労(小)、無数の斬撃痕あり、カッシスワーム グラディウスに変身中(一分三十秒経過) 【装備】なし 【道具】支給品一式、木製ガイアメモリ(疾風、切札)@仮面ライダーW、参加者の解説付きルールブック@現実 、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト 【思考・状況】 0:他の参加者を利用し、金居達に対処する。 1:ライジングアルティメットをライダー諸君に足止めさせ、その間に地の石を奪うor壊す。 2:大ショッカーを潰すために戦力を集める。使えない奴は、餌にする。 3:状況次第では、ZECTのマスクドライダー資格者も利用する。 4:最終的には大ショッカーの技術を奪い、自分の世界を支配する。 5:首輪を解除するため、フィリップを懐柔したい。 6:志村純一を警戒。まったく信用していないため、証拠を掴めばすぐに始末したい。 7:鳴海亜樹子がまた裏切るのなら、容赦はしない。 8:乾と秋山は使い捨ての駒。海東は面倒だが、今後も使えるか? 【備考】 ※カッシスワーム グラディウスの状態から参戦しました。 ※現在覚えている技は、ライダーキック(ガタック)、ライダースラッシュ、暗黒掌波動の三つです。 ※現時点では、解説付きルールブックを他人と共有する気はありません。 ※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。 ※村上と野上ではなく、志村があきらと冴子を殺したのではと疑っています。 ※もし乃木が地の石を手に入れた場合破壊するかどうかは後続の書き手さんにお任せします。 ※クロックアップに制限が架せられていること、フリーズが使用できないことを把握しました。 【葦原涼@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編36話終了後 【状態】胸元に小ダメージ 、仲間を得た喜び、ザンキの死に対する罪悪感、背面にダメージ(小)、仮面ライダーギルスに変身中(四十秒経過) 【装備】なし 【道具】支給品一式、不明支給品×2(確認済) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いに乗ってる奴らはブッ潰す! 0:剣崎の意志を継いでみんなの為に戦う。 1:金居は俺が倒す! 2:人を護る。 3:亜樹子を信じる。 4:門矢も信じる。 5:ガドルから絶対にブレイバックルを取り返す 6:良太郎達と再会したら、本当に殺し合いに乗っているのか問う。 【備考】 ※変身制限について、大まかに知りました。 ※現状では、亜樹子の事を信じています。 ※聞き逃していた放送の内容について知りました。 ※自分がザンキの死を招いたことに気づきました。 ※ダグバの戦力について、ヒビキが体験した限りのことを知りました。 【矢車想@仮面ライダーカブト】 【時間軸】48話終了後 【状態】全身に傷(手当て済)、闇の中に一人ではなくなったことへの喜び、仮面ライダーキックホッパーに変身中(四十秒経過) 【装備】ゼクトバックル+ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト、ゼクトマイザー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式 基本行動方針:弟を殺した大ショッカーを潰す。 1:とりあえずは亜樹子と、ついでにフィリップを護る。 2:五代雄介に興味。可能なら弟にしたい。 3:士の中の闇を見極めたい。 4:殺し合いも戦いの褒美もどうでもいいが、大ショッカーは許さない。 5:亜樹子の思惑がどうであれ、妹として接する。またその闇を見極める。 6:乃木に対して不快感。 7:音也の言葉が、少しだけ気がかり。 8:自分にだけ掴める光を探してみるか……? 【備考】 ※ディケイド世界の参加者と大ショッカーについて、大まかに把握しました。 ※10分間の変身制限を把握しました。 ※黒いカブト(ダークカブト)の正体は、天道に擬態したワームだと思っています。 ※鳴海亜樹子を妹にしました。 ※亜樹子のスタンスについては半信半疑ですが、殺し合いに乗っていても彼女が実行するまでは放置するつもりです。 【フィリップ@仮面ライダーW】 【時間軸】原作第44話及び劇場版(A to Z)以降 【状態】健康、照井の死による悲しみ、変身できなかった自分への嫌悪感 【装備】ガイアドライバー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×2、ガイアメモリ(ヒート)@仮面ライダーW、ファングメモリ@仮面ライダーW、ルナメモリ@仮面ライダーW、バットショット@仮面ライダーW、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW、ツッコミ用のスリッパ@仮面ライダーW、エクストリームメモリ@仮面ライダーW、ダブルドライバー+ガイアメモリ(サイクロン)@仮面ライダーW、首輪(北岡)、首輪の考案について纏めたファイル、工具箱@現実 、エターナルメモリ@仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ、首輪解析機@オリジナル 【思考・状況】 0:亜樹子が殺し合いに乗っているのなら何としてでも止める。 1:タブー及びT2サイクロンを急いで見つける。 2:大ショッカーは信用しない。 3:友好的な人物と出会い、情報を集めたい。 4:真理を殺したのは白い化け物。 5:首輪の解除は、状況が落ち着いてもっと情報と人数が揃ってから取りかかる。 6:出来るなら亜樹子や蓮を信じたいが…… 7:乃木怜治への罪悪感と少しだけの信用。志村純一は信用できる。 【備考】 ※バットショットにアルビノジョーカーの鮮明な画像を保存しています。 ※今のところは亜樹子を信じています。 ※園咲冴子と天美あきらを殺したのは村上峡児と野上良太郎だと考えています。 ※鳴海亜樹子と惹かれ合っているタブーメモリに変身を拒否されました。 ※病院にあった首輪解析機をエクストリームメモリのガイアスペース内に収納しています。 【鳴海亜樹子@仮面ライダーW】 【時間軸】番組後半(劇場版『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』直後) 【状態】ダメージ(小)、極めて強い覚悟 、自分の甘さへの反省 【装備】ガイアメモリ(タブー)@仮面ライダーダブル 【道具】無し 【思考・状況】 基本行動方針:風都を護るため、殺し合いに乗る。 0:例え仲間を犠牲にしてでも優勝し、照井や父を生き返らせて悲しみの無い風都を勝ち取る。 1:まずはこの連中を利用する。 2:他の参加者を利用して潰し合わせ、その間に自分の戦力を整える。 3:できるなら、地の石やエターナルのメモリが欲しい。 4:乃木怜治に最大級の警戒。自分に害が及ぶ前に消えて欲しい。 5:当面は殺し合いにはもう乗ってないと嘘を吐く。 6:東京タワーのことは全て霧島美穂に脅され、アポロガイストに利用されていたことにする。 7:首輪の解除は大ショッカーの機嫌を損ねるからうまく行って欲しくない。 8:タブーのメモリと離れたくない……? 【備考】 ※良太郎について、職業:芸人、憑依は芸と誤認しています。 ※放送で照井竜の死を知ってしまいました。 ※タブーメモリと惹かれ合っています。 【大病院対主催チーム・共通事項】 ※金居達の襲撃に協力して対処する。 ※ゴ・ガドル・バ、黒いカブト(擬態天道)、紅渡、アポロガイストを警戒。ン・ダグバ・ゼバに特に強い警戒。 ※友好的な参加者を探す。できれば特に津上翔一、小沢澄子、城戸真司、桐谷京介、紅音也、名護啓介、小野寺ユウスケ、左翔太郎と合流したい。 ※野上良太郎と村上狭児は殺し合いに乗っていると志村純一から告げられました。 ※首輪解除のためにガイアメモリのある世界以外の技術を調べる。 ※草加雅人は死んだと思っています。 ※変身制限について、強化フォーム以外の制限を知りました。 ※園田真理を殺したのはアルビノジョーカーだと知りました。またバットショットが撮影した写真でアルビノジョーカーの姿を知りました。 ※首輪の解体は金居達との戦いが終わってからにする予定です。 【首輪の考案について纏めたファイルの内容】 ※首輪の内部構造、それに関する考案が書かれています。 ※首輪とこの殺し合いについて、以下の考案を立てました。 1:首輪には、Wの世界には無い未知の技術が使われている可能性がある。 2:無闇に解体しようとすれば、最悪その参加者の世界の住民が全滅させられるかもしれない。 3:解体自体は可能だが、それには異世界の知識も必要。 4:大ショッカーは参加者の生きる世界を、一瞬で滅ぼせるほどの兵器を持っている。 ※なお、これに目を通しているのはフィリップ、海東、蓮、乃木、巧、純一、橘、そして五代と草加の九人です。 【金居@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】角と胸部に傷、左脇腹を打撲、ダメージ(中)、疲労(小)、ギラファアンデッドに変身中(一分三十秒経過) 【装備】デザートイーグル(2発消費)@現実、カイザドライバー@仮面ライダー555、カイザブレイガン@仮面ライダー555、カイザショット@仮面ライダー555、ロストドライバー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×3、地の石@劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー、変身一発(残り二本)@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト、五代の不明支給品×1(確認済み)、草加の不明支給品×1(確認済み) 【思考・状況】 0:ディケイドを破壊するまで始・渡と共に行動し、彼らを利用して他の参加者を減らす。利用はするが信頼はせず、出し抜かれないようにする。 1:ディケイドを破壊する。 2:並行して、乃木達を可能な限り間引く。 3:自分の世界の勝利を目指す為、他の世界の参加者同士で潰し合わせる。能動的に戦うつもりはない。が、今は例外。 4:他の世界、及び大ショッカー、ディケイドの情報を集める。 5:自分の世界の仮面ライダーは利用出来るなら利用する。アンデッドには遭遇したくない。 6:地の石の力を使いクウガを支配・利用する(過度な信頼はしない)。 またその存在を始や渡に気づかれないよう注意する。 【備考】 ※アンデッドが致命傷を受ければ封印(=カード化)されると考えています ※首輪が自身の力に制限をかけていることに気づきました ※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。 ※地の石の効果を知りました。 ※五代の不明支給品の一つは変身一発@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロストです ※金居のデイパックは破壊されたため、草加から奪ったデイパックを使用しています。 ※五代のライジングアルティメットへのおおよその変身時間を把握しました。 ※キバの世界の参加者についての詳細な情報を得ました。 ※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。 【五代雄介@仮面ライダークウガ】 【時間軸】第46話終了後 【状態】健康、地の石による支配 、仮面ライダークウガライジングアルティメットに変身中(四十秒経過) 【装備】アマダム@仮面ライダークウガ 、ガイアメモリ(ナスカ)+ガイアドライバー@仮面ライダーW 【道具】無し 【思考・状況】 1:地の石を持つ者(金居)に従う。 【備考】 ※首輪の考案について纏めたファイルを見ました。 ※地の石による支配力がどれぐらいかは次の書き手以降に任せます。 ※地の石の支配によって、言葉を発する事が出来ません。 ※ガイアドライバーを介さずにガイアメモリを使用したことで精神が汚染された可能性があります。現在は地の石による支配によって表に出ませんが、どのような影響するのかは後続の書き手さんにお任せします。 【相川始@仮面ライダー剣】 【時間軸】本編後半あたり(第38話以降第41話までの間からの参戦) 【状態】罪悪感、若干の迷いと悲しみ、ジョーカー化への衝動(小)、仮面ライダーカリスに変身中(三十秒経過) 【装備】ラウズカード(ハートのA~6)@仮面ライダー剣、ラルクのバックル@劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE 、ハードボイルダー@仮面ライダーW 【道具】支給品一式、不明支給品×1、装甲声刃@仮面ライダー響鬼、ディスクアニマル(アカネタカ)@仮面ライダー響鬼 【思考・状況】 基本行動方針:栗原親子のいる世界を破壊させないため、殺し合いに乗る。 0:仮面ライダーを信じて大ショッカー打倒を託すか、自分の世界を救うための贄とするかをこの戦いで見極める。 1:渡・金居・五代を利用し他の参加者を減らす(殺し合いに乗った参加者優先)。 2:ジョーカー化を抑える為他のラウズカードを集める。 3:隙があれば金居からライジングアルティメット(=五代)の支配権を奪う。また、その支配の秘密を解き明かす。 4:ディケイドを破壊し、大ショッカーを倒せば世界は救われる……? 【備考】 ※ラウズカードで変身する場合は、全てのラウズカードに制限がかかります。ただし、戦闘時間中に他のラウズカードで変身することは可能です。 ※時間内にヒューマンアンデッドに戻らなければならないため、変身制限を知っています。時間を過ぎても変身したままの場合、どうなるかは後の書き手さんにお任せします。 ※ヒューマンアンデッドのカードを失った状態で変身時間が過ぎた場合、始ではなくジョーカーに戻る可能性を考えています。 ※左翔太郎を『ジョーカーの男』として認識しています。また、翔太郎の雄叫びで木場の名前を知りました。 ※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。 ※キバの世界の参加者について詳細な情報を得ました。 【紅渡@仮面ライダーキバ】 【時間軸】第43話終了後 【状態】ダメージ(中)、返り血、仮面ライダーゾルダに変身中(二分経過) 【装備】サガーク+ジャコーダー@仮面ライダーキバ、ウェザーメモリ@仮面ライダーW、 エンジンブレード+エンジンメモリ@仮面ライダーW、ゼロノスベルト+ゼロノスカード(緑二枚、赤二枚)@仮面ライダー電王 、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎、ディスカリバー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×3、GX-05 ケルベロス(弾丸未装填)@仮面ライダーアギト、 バッシャーマグナム@仮面ライダーキバ、ドッガハンマー@仮面ライダーキバ、北岡の不明支給品(0~1) 【思考・状況】 基本行動方針:王として、自らの世界を救う為に戦う。 1:始・金居・五代を利用し他の参加者を減らす。 2:何を犠牲にしても、大切な人達を守り抜く。 3:ディケイドの破壊は最低必須条件。 4:隙があれば金居からライジングアルティメット(=五代)の支配権を奪う。また、その支配の秘密を解き明かす。 4:加賀美の死への強いトラウマ。 5:これからはキングと名乗る。 【備考】 ※過去へ行く前からの参戦なので、音也と面識がありません。また、キングを知りません。 ※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。 ※放送で冴子の名前が呼ばれていない事を失念している為、冴子が死亡していると思っています。 ※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。 ※相川始から剣の世界について簡単に知りました(バトルファイトのことは確実に知りましたが、ジョーカーが勝ち残ると剣の世界を滅ぼす存在であることは教えられていません)。 ※ゾルダのファイナルベント、シュートベントを使用したため、今回の変身中にはもう使用できません。 【全体備考】 ※E-4大病院が崩壊し廃墟となりました。またその瓦礫のどこかにT2ガイアメモリ(サイクロン)@仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ が埋もれています。 ※ゼール軍団は志村を狙っていますが、封印のカードにより今は攻撃できません。 ※ゼール軍団が何が何匹死んだのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※ゼール軍団の現在位置については後続の書き手さんにお任せします(蓮が気づくほど近くではありませんが、病院を目指しています)。 ※Gトレーラー内にはG4の充電装置があります。 ※G4は説明書には連続でおよそ15分使えるとありますが、実際どのくらいの間使えるのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※G4を再度使用するのにどれくらい充電すればいいのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※及びG4システムはデイパック内ではなくGトレーラー内に置かれています。 ※F-4エリアにGトレーラー、E-4エリアにトライチェイサー2000A、E-5エリアにハードボイルダーが停車されています。 |109:[[ライダー大戦 Round Zero~WARBREAK'S BELL(前編)]]|投下順|110:[[Kamen Rider: Battride War]]| |~|時系列順|~| |~|[[葦原涼]]|~| |~|[[秋山蓮]]|~| |~|[[乾巧]]|~| |~|[[橘朔也]]|~| |~|[[志村純一]]|~| |~|[[日高仁志]]|~| |~|[[矢車想]]|~| |~|[[乃木怜治]]|~| |~|[[門矢士]]|~| |~|[[海東大樹]]|~| |~|[[フィリップ]]|~| |~|[[鳴海亜樹子]]|~| |~|[[五代雄介]]|~| |~|[[相川始]]|~| |~|[[金居]]|~| |~|[[紅渡]]|~| ----

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