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代償◆yZO9tKZZhA



「リントグ ゲゲルゾ ジサブドパ バ(リントが、ゲゲルを開くとはな)」

 G-1の廃工場の中、丁寧にも彼らグロンギの言語で記されたルールブックを読みながら、黒いコートに身を包んだ男、ズ・ゴオマ・グは呟いた。
 ダグバのベルトの破片を体内へと埋め込み、究極体へと進化した彼は、クウガを容易くあしらい、ダグバの気配を感じて森へと向かった所、気付けばあの会場にいた。
 戦いの邪魔をされた事に関して激しかけた矢先、スクリーンに映る映像と爆発で機先を制された彼は、事の成り行きをおとなしく見ている事しかできなかった。
 そして、現在にいたる。以前に、ゴオマらグロンギの行なうゲゲルでルールに背き、ゲゲル参加権を剥奪されたばかりか、体のいい使い走りとしてこき使われた苦い思い出。
 ゲゲルの時は自ら率先して破った為自業自得なのだが、リントのゲゲルもどきで、ルールを破ったおかげでまた痛い目を見るのは御免だと考え、ゴオマはルールブックを熟読している。

「ギギバシビ バスボパ ギャブダガ ン リント スススパ スススバ (リントの言いなりになるのは癪だが、ルールはルールか)」

 時間経過ごとに増えて行く侵入禁止エリア、自身の行動を制限する首輪、何よりも、大ショッカーを名乗るリント――ゴオマはリントとグロンギの種族以外の知的生命体を知らず、グロンギとして面識のない死神博士が人間体であった事もありリントと見なしたのだが――に自分の命を握られる事には、かなりの屈辱を覚えている。
 だが同時に、時間制限こそないが、一定の実力を持った異世界の戦士を対象とする、特殊条件下での殺し合いは、彼がついぞ参加する事の無かったゲゲル、それも上位に位置するゲリザギバスゲゲルに似た所があり、奇妙な高揚感がゴオマを支配する。
 結論から言えば、自分の世界など関係なく、自分の欲望の赴くまま、参加の叶わなかった本来のゲゲルへの代償行動として、ゴオマはこの殺し合いに乗るつもりであった。
 一通りルールブックに目を通し、名簿へと目を移して、ゴオマは目を見開いた。

「ザド ダグバ……!?(ダグバ、だと……!?)」

 ゼギザリバスゲゲルを成功した先にあるザギバスゲゲルで戦う最強のグロンギであり、少し前に『整理』と称し、ズとメに属するグロンギを虐殺した究極の闇、そして、この場所へと飛ばされる前に戦おうと探していた存在がこの場にいる。
 ゴオマの体が震える。それが、恐怖から来る物か、歓喜から来る物かは、ゴオマ自身にもわからない。自分でも気付かぬ内に、ゴオマの口角が三日月型に吊り上がって行く。

「は、はは、はははははははははは!」

 一人しか残れぬ、この狭い空間にダグバがいる。生き残るにはダグバを殺す必要がある。だとすれば、これはゼギザリバスゲゲルなどではなく、実質ザギバスゲゲルと変わらない代物だ。
 引きつった笑顔でゴオマは笑い声を挙げる。ゲゲルにも参加できなかった彼が、ゲゲルの参加を剥奪され、他のグロンギから見下され続けてきた彼が、ザギバスゲゲルと同等の舞台へと参加する事ができた。その奇跡としか言い様の無い事実に、彼は文字通り狂喜する。
 ダグバを自分の手で倒せるならばそれで良し。万が一にでもダグバが倒されでもしたら、その倒した参加者を自分の手で倒せば、究極的には最後の一人になれれば、それは究極の闇よりも強者であると言っても過言ではない。
 ゴオマのテンションはあまりにも幸運な出来事に舞い上がっていた。所謂、最高にハイ!という状態に近いかもしれない。

「バヂボボス! ゴセパ バヂボボデデジャスゾ!(勝ち残る! 俺は勝ち残ってやるぞ!)」
「うるせぇ! 少しは静かにしやがれ!」

 ゴオマのいる部屋のドアが蹴破られ、耳障りな金属音が部屋に響いた。
 怒声を張り上げ、最高の気分に水を指したのは、赤い鬼の姿をした、片手に剣を持つ異形、モモタロスであった。

「おいテメェ、人がこんなふざけたモンに巻き込まれてイライラしてるのに、耳障りな笑い声を挙げるんじゃねぇ! しかもグギグギうるせぇんだよ、人にもわかる言葉で話やがれ!」

 モモタロスは憤慨していた。
 殺し合えなどと、高圧的かつ一方的な命令がモモタロスの気に障った、そして何よりも、自分や良太郎が世界を滅ぼすと聞いては怒らない方がおかしいといえる。
 そのぶつけようもない怒りでイライラしている所にゴオマの笑い声を聞き、八つ当たり気味にその怒りが爆発。直情的な性格が災いし、笑い声のしたこの部屋へと、文字通り殴り込んできたという次第である。

「リントでも、グロンギでも、ない、な」
「ああん? カリントウにブンドキだぁ? 何言ってんだテメェ」

 明らか異形である自身の姿を見ても、身構える事も怯える事もしない目の前の男の態度に、モモタロスは微かな疑問を覚え、そして、それが若干なりとも頭を冷やす機会となる。
 多少冷えた頭で考えると、この男が怪しいという事実に気付く。この殺し合いの場で、あんな高笑いをする時点で怪しくない訳が無いのだ。

「テメェ、まさか……」
「本当に、面白いゲゲルだ」

 ルールブックを、置いてあった自身のデイパックの方へと放り投げ、心底愉しそうに笑いながら、男が蝙蝠を彷彿とさせる異形へとその姿を変える。
 一瞬、良太郎と初めて出会った時に倒したイマジンを思い出す。別の世界のライダーの敵、そんな言葉が一瞬だけ脳裏をよぎる。
 そしてモモタロスは確信する。目の前の男はこの殺し合いに乗っていると。モモタロスもまた、デイパックを放り投げ、自分の愛剣モモタロスォ―ドを構えて、臨戦態勢に入る。

「へっ、そうかよ。そういう事なら、容赦はしねぇぜ!」
「ゼンギジョグゲンザ ン ダグバ ボソグ!(ダグバの前哨戦だ、殺す!)」

 モモタロスとゴオマは同時に相手に向かい飛びかかる。
 機先を制したのはモモタロス。武器の分だけリーチが伸びていたのが幸いした。ゴオマの胸元を斜め下に一閃、金属と金属がぶつかりあうような耳障りな音を響かせながら、ゴオマが一瞬怯む。
 ゴオマが怯んだ拍子に、更に横に一薙ぎ。生身の人間であれば今の時点で死んでいてもおかしくはない。だが、斬撃の際の接触音と、モモタロス自身が感じた手応えが、その結果を否定する。
 そして、それを証明するかの如く、特にダメージらしいダメージを受けた様子もなしに、ゴオマは斬撃を受けた部分を撫でながら薄く笑みを浮かべた。
 この程度では俺にダメージを与える事などできないと言外に語っていた。それが、モモタロスの神経を逆なでする。

「テメェ、余裕こいてるんじゃねぇ!」

 怒りの感情を力に変えて、全力でモモタロスォードを振り下ろす。が、ゴオマの頭部目がけて放たれたその一撃は当たる寸前にゴオマの左手に止められた。
 刀身を握ったせいで、手のひらから出血こそしている物の、モモタロスォードの刃はそこで止まり、ゴオマの手を切断し頭部へと到達する事は叶わない。
 押しても退いても動かないその剛力に、モモタロスは仲間であるキンタロスクラスの力があると感じる。

「こんのっ、放し、やがれ!」

 業をにやし、空いた片方の手で、顔面目がけてパンチを放つ。狙い過たず拳はゴオマの横っ面に入った。

(ッ……! 堅ぇ!)

 まるで分厚い鉄板の様な感触。これではモモタロスォードでも決定打が与えられなかった事に頷けよう物であった。
 拳を受けたまま、ゴオマの顔が歪む。正確には薄く浮かべていた笑みを残忍に歪め、拳を握りしめる。
 マズい。漠然とモモタロスが感じるのと、胸部に衝撃を受けて吹き飛ばされるたのは、ほぼ同時であった。

「マンヂ デデンパ ボグススンザジョ(パンチってのはこうすんだよ)」

 嘲り混じりの声を聞きながら、モモタロスは、もんどり打って転がる。
 咳き込むと同時にモモタロスの口から出た血代わりの砂を吐く。
 小物そうな見た目に反して強い。対峙した相手をモモタロスはそう判断する。
 決してモモタロスが弱い訳では無い。本来、ズやメのグロンギ程度であれば、モモタロスでも十分対処できるレベルであろう。
 だが、ゴオマは違う。究極の闇、ン・ダグバ・ゼバのベルトの破片を体内に取り込み、究極体となったゴオマは、金の力の状態のクウガですら圧倒する力を得ている。能力や精神はともかくとして、その身体能力はゴのグロンギに匹敵するのだ。

(クソッ、まさかこんな化け物までいるとはな)

 殴られた際にモモタロスが手放したモモタロスォードを片手に、ゴオマがにじり寄ってくる。一気に襲ってこないのは嬲って遊んでいるつもりなのだろう
 最初の攻防であまりにもはっきりと痛感した実力差。電王に変身できれば、まだ戦いようはあるかもしれないが、生憎と変身ベルトの類はモモタロスには支給されていなかった。
 勝ち目は薄い。だからといって逃げるという選択支は浮かばない。
 元々負けず嫌いな性質であるのだが、それ以上に宿主でもある良太郎の事があった。

(あいつは弱ぇ癖に根性が座ってやがるからな)

 ここで逃げれば、目の前の蝙蝠男は参加者を殺して回るだろう、もしもそんな人物に良太郎が出会ったら?
 軟弱そうに見えて、一度こうと決めたら梃子でも動かない。それも、誰かの命がかかっているとしたら絶対だ。実力差など関係なく、止めに入るだろう。
 だから、良太郎より腕っ節の強い自分がなんとかしなければならない。元々こういった荒事はキンタロスや自分の専門だったのだから。
 だが、戦おうにも唯一の武器は敵の手に渡り、武器らしい武器はない。
 どうしたものか、と考えるモモタロスの脳裏に、自分に支給された物が浮かんだ

(確かT2ガイアメモリとかいってたな)

 この部屋に向かう前、とりあえず使える物はないかと荷物を確認した時にあった、もう一つの支給品。首輪のコネクタを使ってドーパントという怪人に変身するツール。
 正直なところ胡散臭いと感じたモモタロスは、使う必要もないと、デイパックにしまっていた。そして、幸運な事にもそのデイパックは今自分の真後ろ、手の届く距離に転がっている。
 手を伸ばし、中身を探る。それらしい物を引き当てた。

(試して、みるか)

 なににしろ、このままでは待っているのは死。で、あるならば最後まで足掻いて足掻き抜く。
 モモタロスは、立ち上がりながら説明書通りにガイアメモリのスイッチを押す。

――メェタルゥ!――
「バビ?(何?)」

 急に鳴り響いた電子音に思わず身構えたゴオマを尻目に、モモタロスはメタルのT2メモリを首輪のコネクタへと接続する。
 まるで溶け込むように首輪とメモリが同化するのと同様にモモタロスの姿が変わって行く。
 燃える様な赤い体から鈍い光を放つ鋼の体。
 二本の角は消え、赤く光る単眼以外に特に装飾の無い頭部。
 そして、その左手には鋭く尖ったかぎ爪。
 メタル・ドーパント、かつて風都タワーを占拠したテロ組織の一員が変身したドーパントであった。

「へっ、さっきは遅れを取ったが、次はこうはいかねぇぞ。 第二ラウンドといこうじゃねえか、蝙蝠野郎!!」
「グガダグ バパダダバサ ゾグザド ギグボザ!(姿が変わったからどうだというのだ!)」

 モモタロスォードとメタル・ドーパントのかぎ爪がぶつかり合い、火花が散った。一合、二合、捌いては捌かれ、捌かれては捌く。
 ゴオマの戦闘スタイルは素手である。武器の類は使い慣れていない。武器を持ったまま攻撃を仕掛けた、ゴオマの失敗である。
 とはいえ、剣とかぎ爪ではリーチの差が存在する。不慣れな攻撃手段と、不利な攻撃手段。その結果、二人の攻防は拮抗している。
 このままではじり貧、どうするか、とモモタロスは思案する。そんな彼に幸運が舞い降りた。

「!?」

 突然、ゴオマの姿が異形の姿から、人の体へと戻っていく。突然の自体に驚くモモタロスであるが、驚いたのはゴオマも同じであった。
 青白く、不健康な肌を引きつらせ、ゴオマは驚愕に目を見開く。何が起こったのか。予想外の事態にゴオマはパニックを起こしかける。
 ルールブックには載っていない、一つの制限が存在する。変身時間の制限。
 ダグバのベルトの破片を取り込んだ事による強化。問題はそこだった。
 このバトルロワイアルにおいて、通常の変身は10分、強化形態には5分と、変身可能時間の制限が設けられている。
 だが、ゴオマが変身してから、まだ5分しか経っていない。何故変身が解けたのか?
 本来、ゴオマにモモタロスを圧倒できるような力はない。ダグバのベルトの破片を体内に取り込み、強化されたからこそ、今の強さがあるのは先にも述べた通りである。
 今のゴオマはダグバのベルトの破片により怪人体が強化されている。で、あるならば、この究極体への変身可能時間は5分間までとなってもおかしくはない。
 問題は、ゴオマの怪人体の強化が一歩通行。究極体にはなれても昔の怪人体には戻れず、またその形態には変身できない事。
 つまりゴオマは、この殺し合いにおいて、自身の怪人体への変身時間は5分間のみ、というハンデを背負ってしまったのだ。
 だが、そんな事情をしる由もないゴオマは混乱する事しかできない。そして、それは彼にとって致命的なミスとなる。

「オラァ!!」

 モモタロスが左手を振るう。咄嗟に構えたモモタロスォードが弾き飛ばされる。
 続けざま、かぎ爪でもう一撃、間一髪避ける事はできたが、その青白い頬に幾筋か紅い線が描かれる。

「さっきはよくもやってくれたじゃねぇか、ええ?」

 勝ち誇った調子のモモタロスを相手にゴオマは後ずさる事しかできない。
 悲しいかな、変身のできなくなった今、ゴオマには殺される以外の選択支が存在しない。

「テメェみたいなのを生かしておく理由はねえ、覚悟しやがれ」

 黒一色の瞳に確かな殺気を宿らせ、モモタロスが左手を握りしめる。
 絶体絶命の状況に、ゴオマは逃げようとする事しかできなかった。既に高揚感などという物は消し飛んでいる。
 不意に後ずさる足の踵に何かが触れる感触があった。
 視線を動かすと、何時の間にか戦闘に巻き込まれたのか、横倒しになっている彼のデイパックと倒れた時の衝撃か散らばっている荷物。
 そして、触れた物は、金色に輝く、Sの字が描かれたガイアメモリ。
 ここに来て望外の幸運。藁にもすがる思いでそれを掴み取る。変身の方法は先程間近で確認している。


「それは……! やらせるかよぉ!」
――スミロドン!――

 ゴオマが手にとった物を確認した、モモタロスは、そうはさせじと、ゴオマ目がけ駆けながら、かぎ爪を突き出す。
 だが、それは少しばかり遅かった。

「……ッ!!」
「これで、五分と五分だ」

 突き出されたカギ爪は、獣を思わせる体毛に覆われた両の腕から伸びる鋭く巨大な爪により止めていた。
 猫科の動物を連想させる頭部に、構内に収まりきらず外へと伸びる二本の犬歯。園崎家の始末人であるスミロドン・ドーパントへと、ゴオマは姿を変えていた。
 ゴオマはそのままモモタロスの左手を撥ね除ける。ゴオマの変身を許してしまった事に、一瞬だけでも動揺してしまったモモタロスは対応が遅れ、撥ね除けられた勢いで体勢を崩す。
 一瞬だった。腹部に衝撃。熱く痺れる様な感覚モモタロスの腹部には鋭い爪が深々と刺さっていた。
 ゴオマが突き刺していた爪を腹部から引き抜くと同時に、崩れるようにして、モモタロスが前のめりに倒れる。
 それを尻目に、ゴオマは引き抜いた爪に付着した砂を、しげしげと見つめる。
 倒れたモモタロスの腹部からは血が流れるかの様に砂が床に広がって行く。不思議な現象だが、恐らくそういう生体なのだとゴオマは納得した。

「まずは、一人目だ」

 自分が仕留めた相手への興味はすぐに失せる。まずは一人目、沸き上がる歓喜の情が抑えきれず、猛獣の顔は歪な笑みを浮かべる。
 勝利。負け続け、惨めな思いをしていたゴオマにとって、それは狂おしいまでに甘美な感覚。
 そしてそれは、元々散漫気味だったゴオマの注意力を更に散漫にさせていた。
 ゴオマの右足に激痛が走った。

「ガアッ!?」

 何事かと下を見ると、足に深々と突き刺さる、メタル・ドーパントのかぎ爪と左腕。無論、その先にあるのは、ゴオマが始末したと思われていたメタル・ドーパントことモモタロス。
 モモタロスが受けた腹部への攻撃は出血(?)量からして、明らかに致命傷。だからといって、すぐに死亡する訳でもない。
 致命傷を与え、倒れ伏したからといって勝利した気になったゴオマのミスであった。

「ビ、ガラァ……!!(き、さまぁ……!!)」
「だから……、何言ってるのか、わかんねぇ、よ。まあ、大体、予想は、つくけど、な……」

 怒りに打ち震えるゴオマに対し、得意気にモモタロスは笑ってみせる。
 とはいえ、現在進行形で命の火が消えているモモタロスにとって、今の不意打ちが精一杯のお返しであった。もはや、体は満足に動かす事もできず、意識も薄れ始めている。
 だが、そのイタチの最後っ屁はゴオマに屈辱を与えるには十分だったろう。

(チッ、全然殴り足りねぇってのに、これが精一杯かよ)
「ギベェェェェェ!!(死ねぇぇぇぇ!!)」

 モモタロスの頭部目がけて、スミロドン・ドーパントの爪が振り下ろされる。
 モモタロスには避ける手だてがない。
 脳裏に、良太郎や、デンライナーの仲間達が浮かんだ。

(すまねぇ、良太郎。俺はここまでみたいだ。亀、熊、小僧、良太郎の事、頼……)

 耳障りな音が響く。一拍おいて、モモタロスであった者の首輪から、役目を終えたガイアメモリが床に落ち、割れる音が響いた。

「グァァァァァァ!!」

 ゴオマは怒り狂っていた。優勢だった相手に究極体であれば圧勝していた相手に、右足を負傷させられた。それが何よりも腹立たしかった。
 当たり散らす様に暴れ回る事、数分。制限時間が来たのか、ガイアメモリが排出され、変身が解ける。
 突然、ゴオマは酷い疲労感に襲われた。立つ事すらままならず、思わず膝をつく。

「バビグ……!?(何が……!?)」

 そのまま、突っ伏す様にゴオマは倒れ込んでしまった。
 ゴオマも知らない事実。一部の人間にしか渡らない、金のガイアメモリ。絶大な力を持つ代わりに、この殺し合いには一つの制約を設けられていた。
 今、ゴオマが襲われている極度の疲労がその制約。フルタイムで力の限り暴れ続ければ、グロンギですらも倒れ込む程の消耗をしてしまう。
 ダグバの力、金のメモリ、自分の身の丈以上の力を手にしたゴオマのツケは払い終える事ができるのか、それは誰にもわからない。

【モモタロス@仮面ライダー電王 死亡確認】

【一日目 日中】
【G-1 廃工場の一室】

【ズ・ゴオマ・グ@仮面ライダークウガ】
【時間軸】第39話「強魔」、ダグバに殺害される前
【状態】疲労(極大)右頬に軽度の裂傷、左掌に軽度の裂傷、右足に重度の裂傷。スミロドン・ドーパント、ズ・ゴオマ・グ究極体に二時間変身不可
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガイアメモリ(スミロドン)、不明支給品1~2
【思考・状況】
基本思考:優勝する。できればダグバは自分が倒す。
1:とりあえず休む
【備考】
※怪人体には究極体にしかなれず、強化形態の制限時間に準じます。
※ルールブックは粗方読み終わりました。

【共通備考】
※G-1の廃工場の一室にモモタロスの死体(首輪付き)と、モモタロスォード、モモタロスのデイパック(不明支給品無し)があります。
※T2メモリ(メタル)は破壊されました。


021:差し伸べる手 投下順 023:人を護るためのライダー
020:巡り会う世界 投下順 023:人を護るためのライダー
GAME START モモタロス GAME OVER
GAME START ズ・ゴオマ・グ 029:『クウガ』と『アギト』