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敵か味方か? ◆LQDxlRz1mQ




「──桐生豪か、同じ世界の住人だな」


 剣の世界の鍵言葉「運命」。──そんなものに導かれてか、二人の参加者は川沿いの平原で顔をあわせることとなった。
 顎鬚の男、桐生豪。眼鏡の男、金居。
 それぞれは互いの名前を問うと、相手が同じ世界の枠で囲われた相手だと知る。
 無論、偽名という可能性も否定はできないが。


「なら殺し合う必要はない。手をどけろ」


 桐生は金居の襟元を強く掴んでいた。
 それが人間のものではない、というのは金居はすぐに認識できたが、同じ世界にいるアンデッド──或いは、仮面ライダーの中にこんな男はいない。
 偽名という線も考えられないわけではない。
 だが、桐生の次の行動は、彼が同じ世界の人間であると確信させるものであった。


 ──Open Up──


 仮面ライダーレンゲル。その名を冠されたクラブの仮面ライダーの剛身が目の前で現われる。
 ほかならぬ、桐生が変身した姿である。
 金居は桐生を知らないが、この仮面ライダーならば知っている。

 わからないのは、何故この男が変身したのかである。
 同じ世界の人間だとわからせるためでもあるまい。金居はそれを怪訝に思う。

 或いは、金居が利用しようとしていた、「元の世界の因縁」というものがこの男に「目の前のアンデッドを倒せ」と語りかけているのだろうか。
 どういう理由であるにしろ、金居は目の前の仮面ライダーを相手に身構える。


「──どうした、人間の力では仮面ライダーには勝てないか?」


 成る程、と金居は思う。
 そういえば、レンゲルの力の源であるスパイダーアンデッドはこういう奴だったか。
 適合率が悪ければ、スパイダーアンデッドの力に屈し、己の理性を破壊する。
 いわば、麻薬のような中毒性と自己制御能力の破壊が、この男を殺人衝動から放さないのだ。


「……ただ、同じ世界の人間で戦う意味はないだけだ。不毛なことはしたくない」

「俺はこの場にいる人間全てを殺すまでだ。貴様もな!」


 レンゲルラウザーが金居に向けて一撃を見舞おうと、まっすぐに突き出される。
 その醒杖がある一点で、強い力をもって静止させられる。
 それを押さえるのは、異形の腕。ごてごてとした左腕は、それを掴んだまま離さない。


「アンデッドか!」

「あまり使いたくはなかったんだがな」


 力を求める今の桐生の中では、目の前の敵を倒すという気概が強まっていく。
 アンデッドの力を得れば、仮面ライダーは尚更強くなっていく。
 ましてや、目の前のアンデッドは人間としての姿を持つ上級アンデッドなのだから。

 それだけの力を持っている相手を窘めるだけの力は、今の桐生にはない。
 藪を突いて出てきた蛇に対抗するため、レンゲルは一体のアンデッドを解放した。

 パラドキサアンデッド。
 桐生はまだ見たことが無かったが、ハートのカテゴリーキングである。
 このカードは元々、三原修二の支給品であったが、彼の支給品を頂戴した桐生はこのカードを持っていたことに歓喜した。
 一人の参加者との戦いは無駄ではなかったらしい。


「──カテゴリーキングを相手にはカテゴリーキング。単純な発想だな」


 仮面ライダーレンゲルとパラドキサアンデッド、対峙するのはギラファアンデッド。
 そんな不利を思しき状況に陥っても、ギラファはその剛とした態度を止めない。
 双剣を構え、それぞれ一つの刃が一人の敵を狙うように両腕を開いた。


「はぁっ!!」


 そのまま、ギラファアンデッドは二人との間合いを狭める。
 アンデッドの脚力は、一瞬でそれを零にした。
 刃と装甲が交わり、火花が散る。その二つの切っ先は、レンゲルに血反吐を吐かせるには充分なものであった。


「ぐっ!!」


 だが、もう一人のカテゴリーキングはその程度では体を痛めない。
 そこを過ぎ去ったギラファアンデッドは背後からの真空鎌に棘まみれの背中を切り裂かれた。
 ギラファアンデッドがその痛みに気づいたとき、そこに凶器はない。鎌はただの酸素の塊でしかないのだから。


「なるほど、確かに強い一撃だ」


 ギラファの二つの刃とは違い、遠くからでも放つことのできる一撃。
 その威力は、およそギラファの刃と同じと言っていい。
 ならば、武器を見れば戦況的に不利なのはギラファである。


「だが、間合いを狭めれば刃そのものの威力が弱まる」


 パラドキサの体を何度も斬りつける。
 その全てが、パラドキサの体に強大すぎる一撃を与えていく。
 連射性というものは、ギラファのほうが圧倒的である。

 だが、それを打ち破るもう一人の戦士がいるという点においては、パラドキサは有利である。


「俺を忘れるな!」


 ──BITE──
 ──BLIZZARD──

 二つのカードをラウズしたレンゲルは、吹雪を帯びた両足でブリザードクラッシュを放つ。
 当然、ギラファもそれを回避する方法を見つけ、体を回転させる。
 レンゲルの前にあるのは、ギラファではなくパラドキサの体なのだ。


 ギラファに痛めつけられた体にブリザードクラッシュを受けたパラドキサは、そのまま何時目を覚ますとも知れない封印へとその身の在り処を戻す。
 だが、ギラファの狙い目は、必殺技を放って隙ができたレンゲルの方である。
 パラドキサが消えると同時に、其処に居るのはレンゲル。その身を、ギラファの双剣が×印に切り刻んだ。


「ぐぁっ!」

「──わかったか? 力の差が」


 ギラファはレンゲルに止めを刺そうとはせずに、しかし何かすれば殺すぞとばかりの威圧で詰め寄る。
 首元にその剣をかざして殺意を明確にすると、ギラファはレンゲルに一つだけ命令する。


「変身を解け」

「殺す気か?」

「同じ世界の相手なら、殺すのは後だ。この場においては仲間は極限まで利用するべきだ」

「なるほど」


 レンゲルは言われるがまま、変身を解く。
 桐生は物怖じしない態度で、ギラファの剣を突き放す。
 ギラファもまた、それを見て金居の姿へと戻る。


「──だが、俺は俺のやり方でこの戦いを制する。お前もいずれ、殺す」

「言ったろう、それは俺たちの世界がこのバトルファイトで勝ち残ってからだ」

「それは構わん。望む通り、他の参加者も消してやる。だが、橘朔也は俺が殺す」

「ああ、一人ぐらいなら大きな痛手にはならない。
 そいつからギャレンバックルを奪ってもらえば、俺が封印される可能性も減るしな」


 二人の戦士は背を向け、それから互いを再び見ることもなく、それぞれの戦い方を果たすために歩いていった。


【1日目 午後】
【C-3 川沿いの草原】


【金居@仮面ライダー剣】
【時間軸】第42話終了後
【状態】健康 ギラファアンデッドに二時間変身不可
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品×3(確認済み)
【思考・状況】
1:自分の世界の勝利を目指す為、他の世界の参加者同士で潰し合わせる。能動的に戦うつもりはない。
2:他の世界、及び大ショッカーの情報を集める。
3:自分の世界の仮面ライダーは利用出来るなら利用する。アンデッドには遭遇したくない。
【備考】
※アンデッドが致命傷を受ければ封印(=カード化)されると考えています


【桐生豪@仮面ライダー剣】
【時間軸】本編で橘と戦い敗れる直前
【状態】疲労(小)、スパイダーアンデッドに精神を支配されている、レンゲルに二時間変身不能
【装備】レンゲルバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(クラブA~10、ハート7~K)@仮面ライダー剣
【道具】支給品一式×2、不明支給品(0~3)
1:橘と決着を着ける
2:そのために邪魔になる者は全て倒す
【備考】
※変身制限に気づいています。


036:二人のジョーカー 投下順 038:
036:二人のジョーカー 時系列順 038:
017:カテゴリーK 金居 050:Round ZERO ~KING AND JOKER
013:運命の適合者 桐生豪 048:嘆きの龍騎