な行の死亡者名鑑




【鳴海亜樹子】

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/´ ̄ヽ._ |: : : : : : : : : : | ハ   \       /  / |: : : : : : : : |: :!  / ̄ヽ\


名前:鳴海亜樹子
作品名:仮面ライダーW
登場話数:15
スタンス:???→ステルスマーダー(世界保持)
関わりの深い人物:野上良太郎、葦原涼、霧島美穂、乃木怜治、アポロガイスト、紅渡、矢車想
関わりの深い支給品:ツッコミ用のスリッパ、大ショッカー製の拡声器、大ショッカー製爆弾、ファムのデッキ、タブーメモリ
変身回数:仮面ライダーファム(1)、タブー・ドーパント(1)

Wアクション/二人の不幸重なるとき』にて初登場。自分の住む街、風都を守りたいと思いつつも、殺し合いに乗ることには踏ん切りがつかず悩んでいたところ、野上良太郎が現れた。
ウラタロスによるナンパ、キンタロスによるそれを諫める言動、そして良太郎の常人ムーブ、その3つの人格をクルクルと変える彼に対しこれは恐らく”芸”なのだと判断した関西人亜樹子は殺し合いの状況であっても忘れないその魂で彼にいつものようにスリッパを見舞う。
それに対し不幸体質であまりにも大げさに吹っ飛んだ彼を心配しつつ駆け寄るとウラタロスによってイマジンによる憑依の能力を秘匿され彼を芸人として把握する。
しかしまぁ不安定な彼女の精神状態を思いやれぬようでは女の扱い長けてるなんて口が裂けても言えないぞ亀公よ。

ともかくそうして行動を共にすることになった二人が向かったホテルでは、なんと裸の女性を襲う怪人が。
まぁあきらが変身解除していただけなのだが彼女の持っていたディスクアニマルで何とか助けに間に合った良太郎が変身しローズオルフェノクと戦っている最中亜樹子はあきらを安全に確保するいつものサポート力を見せる。
変身制限の関係で彼の変身が解けバードドーパントとなって飛び去っていくのを追いかけていくと、そこには既に戦いを行っている白い仮面ライダーの姿。
彼女が逃げていくのに気付かぬままにしかし変身制限で良太郎も変身できず、生身のまま死を覚悟するが、そこで救世主仮面ライダーガイに変身した葦原涼が現れた。

カードも使わずバードをボコボコに叩きのめしたガイからあきらが村上を庇い、一旦は場が収まりかける。が、ここで真っ直ぐ過ぎる涼や良太郎を見て亜樹子は良心が咎め、チームからの脱退を申し出る。
これを受け良太郎の中のウラタロスが彼女を説得しようとするもむしろ彼女の反感を買い今は芸を見ている場合ではないと去って行く。
その後すぐに見つけた参加者、霧島美穂を殺そうとするが、当然彼女の方が上手で呆気なく気絶し万事休すかと思われた。
しかしここで美穂が気紛れを起こし亜樹子を同じ女として、また別の世界の参加者といた方が周りからの警戒も薄れるとして利用することを画策する。

これによって美穂に詐欺や勝ち残るイロハを教わることとなった亜樹子。彼女の強さに尊敬を抱きつつ、敵であることは忘れない。
そんな中出会った参加者、乃木怜治。バイクを持っている彼に美穂が使いパシリを頼み自分たちは東京タワーへ。
ここで美穂の支給品と合わせ一つの作戦を考えついた彼女は拡声器を使い会場に向け呼びかける。『仮面ライダーは正義のヒーローだ、皆で協力して大ショッカーを倒そう』と。
まるで初代の真理を思い出させるような名演説だったが、しかし真理とは違い彼女のそれは邪心に満ちた嘘で固めた言葉だったのだ。

というのも亜樹子と美穂は協力してタワーに爆弾を仕掛け、亜樹子の言葉で集まってきた参加者を爆弾の遠隔操作で一網打尽にするつもりだったのだ!
そうして参加者を待つ中展望台から覗いた接近中の参加者の一人、浅倉威に美穂が戦意を燃やす。
しかし王蛇としての浅倉には美穂単身では勝てるか分からない、と策を練った結果、なんと彼女は亜樹子にデッキを預ける作戦を提示。
これを受け初めて仮面ライダーに変身した亜樹子はまともにやり合おうとせずに逃げながらタワーを縦横無尽に駆け回る。

浅倉を錯乱させながらあわよくば程度の思考でファイナルベントを切るが、もちろんうまくいかず美穂にデッキを渡しそのまま撤退の姿勢へ。
しかしここで思わぬ伏兵、アポロガイストによる奇襲が待っていた。これにより人質として確保された彼女が目を覚ますと、なんとそこでは渡とキバットが自分をタワーに爆弾を仕掛けた犯人として問いを投げているところだった。
目覚めた瞬間にそんなことを言われ動揺した彼女が思わずボロを出すと、未だ踏ん切りの付ききっていなかった渡が本格的に殺し合いに乗ることを決め、キバットには『何かを守れるはずのないただの人殺しだ』と叱責され茫然自失。
今までずっと仮面ライダーの側にいたというのにそれを少しも理解していなかったと言われた彼女はしかし駆けつけたギルスによって無事にその場を切り抜ける。

ダメージの余り気絶してしまった涼を前にして放送で思い人である照井の死を知ってしまう。これによりなおのこと殺し合いに乗る決意を持った彼女だが涼を殺める直前に彼が目を覚ましまたも悩む。
飛び出して行ってしまった涼を追う気にもなれずにいた途中で、東京タワーが倒壊。これにより美穂に以前述べられた『まだ誰も殺してないなら後戻り出来る』の言葉が逆の意味で彼女のブレーキを壊した。
絶望し、矢車の言う妹になれという言葉にさえ従って自分の肉壁を増やし最終的には蘇らせるのだから翔太郎やフィリップもこの場では殺しても構わないとまで思考するようになる。
タワーでのことや放送の内容などは死んでしまった美穂に全部押しつけようと風都の女らしい思考で以て殺し合いに本格的に乗ったのであった。

その後は戻ってきた涼に表面上だけ謝罪し、彼の信頼を取り戻す。一方で橘さんに首輪解除出来るんじゃないのか、とか殺し合いに乗ってるからその方法を教えたくないんじゃないのかとか失礼な言葉も含め質問攻めに。
しかし知らないものは知らないので、おどおどしていると涼がヒビキの仲間であるザンキを実質殺害していたことを知りショックで自分は生きていてはいけないと絶望する。
それに対し私を助けたことも後悔しているの、と亜樹子は問う。殺し合いに乗っている冷酷な亜樹子の思考ではそれは肉壁を増やす寸法があってのものだったが、やはり自分の中にまだ『仮面ライダーの仲間である鳴海亜樹子』がいることを自覚し気を引き締める。
そのまま時間は流れ先ほどまでなら素直に喜べたはずのフィリップを肉壁と認識して合流。金居の持つ地の石、またフィリップのエターナルメモリなどに目を付け戦力として手に入れようと画策するのだった。

そして迎えた22時。金居たちの来訪に対し守られる一般人として観戦するも、ここでまた実際に身を張って自分を助けてくれた涼に心中で謝罪を述べ、その甘さを今更抱いた自分に嫌悪感を抱いている。
同時、フィリップがタブーに変じようかとしたところでT2サイクロンが彼の手に降り立ったり爆風の関係もあり亜樹子の手にタブーメモリがホールインワン。
なんと元の世界では生じ得なかった因縁のためにタブーと亜樹子の適合率は過剰適合の値を示し、それによって運命で引き寄せられたということであった。
その後はフィリップを簡単に見殺しにしたり矢車を肉壁として判断するのをやめ涼だけを頼ろうとしたりと悪女ムーブ全開。

しかし矢車はまだしも涼は亜樹子を疑うつもりすら一切ないのでそのまま乃木も含め4人で逃走する。
辿り着いた工場でメンバーが身体を休める中自分だけお花摘みに行くと嘘をつき、亜樹子はタブーと惹かれ合う自分を抑えきれずメモリを使用。
それによって一気に思考をステルスから無差別マーダーのそれに変え工場内で休んでいる3人を殺そうと動き出す。
満身創痍でむしろ火球を避けるつもりすらなかった乃木を殺し、ついで残る2人も殺そうとするも、ここで涼の支給品であるジミー中田のCDに収録された『風都タワー』を聞き呆然。

彼女が殺し合いに乗っている理由は誰かを殺したいからではない、風都に住む仲間を守りたいからなのだ。
当然、その思い出の一片であるその歌は如何に酷い歌唱力であっても大事な思い出。故に彼女は動きを止めてしまっていた。
だが、そうして余りに硬直していたために矢車に正体を見抜かれ、また彼も妹と認めた自分に殺されることを望んでいたためなんなく殺害。
完全に狂気に染まった彼女は高笑いしつつ涼をも殺そうとするが、涼が矢車に託されたホッパーゼクターに資格者として認められたため形勢逆転。

錯乱する彼女ではまともに抵抗することすら出来ず、その身体にライダーキックを受けメモリブレイク、これで彼女の狂気も止められた……のだが。
ゴールドメモリの強い毒性を躊躇せず使用し、また過剰適合であったためその副作用も倍増、これにより彼女は既にタブーに変身した時点でその生を止めることが確定していたのだ。
残された最期の時間で元の優しい心を取り戻し照井の幻覚を見ながら、殺し合いの記憶が全て夢だったのだと誤解。
照井の幻覚に自分の罪を告白した彼女が本来はどんな性格であったのかを垣間見た涼に許される中、最期に夢の中で最も酷いことをしてしまった青年、涼に謝罪し彼女は息絶えた。

その彼が、まさか自分の死の瞬間を看取ってくれた存在だとは、思い至らないままに。
そして、彼女は暗い暗い地獄を1人で歩むことこそが自分の罰だと歩もうとして、自分の横に並ぶ存在がいることに気付く。
自分を妹として認めた矢車と、最初の会場で死んだ影山。2人の兄を得て、ここに至ってようやく矢車の言う地獄を共に行くという意味を、闇の中に1人ではないという安心感と共に理解した彼女。
そして彼女は歩み始める。あるいは間違った愛の形としても、その存在に安堵した自分がいることを認め、自分たちだけに掴める光を求めて。



原典でのわちゃわちゃした賑やかし要因としての彼女はなりを潜め、終始シリアスに殺し合いというものをシビアに捉え続けた彼女。
他のバトルロワイアルのように個人勝ち残り制であったならここまで思い詰めなかっただろうことを踏まえれば、不幸の重なった結果と言える。
一方で地獄兄弟初の妹としての参入や、涼との長きに渡る因縁などドラマの多いキャラクターの1人であった。
最期にメモリの副作用によるオーバードーズで死亡した為得られた謝罪の時間や矢車、影山と共に地獄を歩み続けるエンディングなど、ロワの切なさを身を以て表し死んだ彼女。

殺し合いの最中は誰しもを仲間としては見ることが出来ずいずれ切り捨てるべきと捉えていた彼女が最期に地獄でようやく共に歩める兄弟を見つけたのは、皮肉というべきだろうか。

称号:【(こんなシリアスキャラになるなんて)私聞いてない!】



【ネガタロス】

     人
 ヽ_/ЙNヽ_ノ
   ( `w´)
   ( O┬O
  ◎‐ヽJ┴◎ 



名前:ネガタロス
作品名:仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事
登場話数:3
スタンス:正義キラー、対主催
関わりの深い人物:東條悟
関わりの深い支給品:デンオウベルト+ライダーパス
変身回数:仮面ライダーネガ電王(1)

near miss」で初登場。参戦時期は死亡後だが、「悪は蘇って当然」という思考であるためあまり気にしていない。
大ショッカーをも越える勝つ悪の軍団こと新生・スーパーネガタロス軍団パート2(仮)を作るため、マーダーを集める。
そのために病院に行き、まずは矢車想、光夏海と遭遇。彼らが「正義」であることを知ると交戦することになる。
相手がかつて自分を倒した仮面ライダーキバの女バージョンだと認識した彼は、復讐もかねてキバーラを攻撃。
圧していくものの、上の階でも行われていた仮面ライダーの激突によって病院が軽く崩壊したため、ブレイドとタイガが割って入る形になる。
そこからタイガとの戦闘になるが、彼の目的が「英雄になること」というシンプルなものであったのを利用して、「悪の英雄」にしようともくろむ。
協力を誓った彼らの新たな敵はブレイドとキバーラ。さらにそこへ、東條の迂闊な言葉からキレたキックホッパーも乱入。
ネガ電王VSブレイドとキバーラ、タイガVSキックホッパーという形になり、病院の戦いはさらに混乱を見せた。
だが、いくら戦闘力の強い彼であっても、一対二は流石にキツかったので撤退。
変身の解けた彼には、折角得た仲間もなく、再び仲間を集めようと意気込む。
そんな彼の前に現われたのは擬態天道であった。
ダークカブトとなった彼を仲間に引き入れようとした彼であるが、相手はそんなことに興味はなく、容赦なくネガタロスを殺害する。
自分を倒した相手が「自分より強い悪」だと言うことに、彼は満足ができたのだろうか。

称号:【軍団ひとり】



【野上良太郎】

    ,/~/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l、:.:.:.:.:|f=|:.:.:.:.:.:.ノ|:.:.:.ヽ、_彡
    /:.r_ノ:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.ヾ゙、\:.:.ヽッソ:.:.:l:.:.:.:.:.彡ト、:.:.:.:.:.:.ゝ彡ヘ
    j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヾ:.:.:.:ヽ=-彡彡:.:ノ:.:.:.:.:.:.三彡ヽ-=彡f=ソ
    |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ヽ三三ソ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:彡:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:.:ノ》イソ、
    /゙ヽ\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.二ヽ_:.:.:.:.:.:.<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.=-'fソヾツ
   /:.:.:.:\ヽヾ\:.:.:.:.:ソ\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.彡彡彡:.:.:.:.:.二二=-'ミ=-、_,彡_
   {ヾ、\:.ヾ\:.:.:.:.\j  \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.三:.:.:.-、シ:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:f=-、_彡
   |\ヾ:.:.:.j^ヾ、\:.:.:.\   \:.:.:.:.:.:.彡:.:.:.:.:.:}、 ヽ:.:.:.:.:.:.\\三二彡{
   ゙|l、|\\l  \_|ヽヾリヾ_,.--'' ̄-'':.:.:.:.:.:.:.:.:.ミ三||:.:.:.:.:.:.\f=---'~
   l lt  ヽ\_,='_,.-二二ソト-''~´ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.|_ソ l:.:.:.:.:.:.:\\彡f=-'  キンちゃんには悪いけど
    l、l___   ,.-' fュッ ̄ |:::ノ    |:.:.:.:.ト、:.\__ ノj:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾト、  ノ        僕が名鑑だよ
     fr-`/  `''   /      |:.:.:.:| lー' ̄/彡:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\又
   ,.-=-、ィ^ヽ、____,,-'''´         \:.:ル゙ ̄´´ l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.冫弋彡
  r'   ヽj::〉                  __,.-'''⌒ヽ-、:.:.:.:.:.:ヽ-了
  ゙ヽr--_,.ノ.|    ゙i           /~ ヽ三三/⌒ヽf=-冫彡三ア
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       l、 ゙ _,r-‐=-''      /二二二i  |三j三三l   ヽ⌒ヾゝ
        ヽ t=''~ /      ノ二二二二|__|_/三三 }    ゙─、___
          \゙ー'      _,.-'ヽ二二二/三三}三三ト' ̄ ̄´~ヾ  ヽ
           ヽ    _,.-'三三|二二/三三三 |二─-、三三三ソ____ヽ-----
            ヽ_,.-'~ l三三 |_/~三三三三_,,l二二二\___/::..::..::..::..::..::..::
           r-'~三|  |三三/三三三/ ̄  \二 /;;,,;/::..::..::..::..::..::..::..
           {三三 |  j__/三三三,/ /三三三\/;;,,;/::..::..::..::..::..::..::..::..:
           }三三 | /三三三,,/ /三/ ̄ ̄ ̄ヽ;/::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..:
           l三三/三三三,,/  /三/二二二二二ヽ::..::..::..::..::..::..::..::..::..::.
※U良太郎はこう言ってますがAA変更しても構いません。


名前:野上良太郎
作品名:仮面ライダー電王
登場話数:12
スタンス:対主催
関わりの深い人物:鳴海亜樹子、天美あきら、村上峡児、葦原涼、志村純一、園咲冴子、門矢士、乾巧、橘朔也、フィリップ、キング(剣)
関わりの深い支給品:デンオウベルト&ライダーパス、ドッガハンマー、サソードヤイバー、ディスクアニマル(ニビイロヘビ)、桜井の懐中時計
変身回数:電王(3)

Wアクション/二人の不幸重なるとき』にて初登場。物語も佳境に差し掛かった38話後からの参戦である。
モモタロス、リュウタロスと分離させられた彼が、いつも通り残る二人のイマジン、ウラタロスとキンタロスに翻弄されながら歩いていると遭遇したのはウラタロスの大好きな「女の子」である鳴海亜樹子。
こんな状況でも変わらずナンパしていたが、それを咎めようとするキンタロスや良太郎本人の目まぐるしい人格交換を「芸」と判断した亜樹子の大阪魂でスリッパによるツッコミを受ける。
良太郎の不幸体質で思い切り吹き飛んだりしながらも誤解を解こうとするが、ウラタロスは「正しい情報を与えても困惑させるだけ」と取り合わず、ここは女性の扱いに長ける彼の意見に従うことに。

余談だが、ここで自分の体質について彼らが真摯に語っていれば、或いは亜樹子の性格からして動揺しつつもその体質を受け入れ、後述する彼女のチームからの脱退を防げたのかも知れないが、全ては後の祭りである。
ともかく二人で不思議な珍道中を繰り広げる中、ホテルから降ってきたニビイロヘビに導かれ、あきらを襲っていた村上を前に変身することに。
ローズオルフェノクを前には流石に分が悪かったが、変身制限の関係で村上はバードドーパントに変身して逃走。その後を追う。
なんとか追いつき変身しようとするも制限で逆に窮地に陥るが、ここで涼が現れ村上を撃退。殺し合いに乗っているのだと勘違いしそのまま殺そうとするもあきらが止め、歪なチームを結成することに。

だが、ここで亜樹子があきらや涼、良太郎の真っ直ぐ過ぎる「正義の仮面ライダー」ぶりに自分は共に戦えない、愛する風都を守りたいからと気持ちを吐露する。
ここでもウラタロスが説得を試みるが、自分で「芸」だと表現してしまった手前ふざけているだけだと感じられ彼女の反感を買い、引き留めきれず。
自身が追うことも考えるが、未だ信用に足るか分からない涼と危険人物である村上にあきらを預けるのは危険だと判断して尻込んでいると、ここで涼が亜樹子を追うと宣言。
亜樹子を連れ帰り合流することを約束して、彼と別れることになった。

さて涼を待ちながらホテルでのんびりしていると、この時点で既に人を二人殺しているステルスマーダー、志村が現れ、情報を交換することに。
ぱっと見正義の仮面ライダーっぽい彼を警戒するウラタロスに良太郎とキンタロスは異議を唱えるが、嘘の匂いに鋭いウラタロスには彼を信用する気などさらさらなく、疑いっぱなし。
電王の能力を伏せあきらに「誰も彼もを無条件で信用するな」と警告。……あれ、お前良太郎としての人格を皆に認識されてなくね?
まぁそんなこんなで四人でまだまだ涼を待っていると周辺でバトルが勃発。

進んで戦闘に行こうとする志村を牽制しつつ、村上を信用しあきらを任せて単身で戦場に出ると、そこにいたのは宿敵牙王。
幾ら過去に倒したとはいえここにいるウラタロスもキンタロスも実際に牙王を倒したわけではないし、その後に手に入れたクライマックスフォームにさえ変身出来ない状況ではやはり不利だったか、劣勢を強いられる。
だがそこに現れたのはゼロノスに変身した渡。侑斗がここにいるのかもしれない、などと考察を重ねつつ取りあえずは撤退を選び、途中で冴子を拾ってホテル組に再合流。
五人に増したチームで情報を交換しつついい加減涼を待ちきれないと判断したのか、全員で東京タワーに向かうことに。

何とか辿り着いた東京タワーで放送でモモタロスの死を聞いて良太郎が凹んでいると、志村の策略で東京タワーが倒壊。
あきらと冴子を守りつつタワーの倒壊をやり過ごしていると、生身の志村を襲っている村上を発見する。
仲間と志村を逃がすため、良太郎は村上を相手にするがそれは誤解で、実は志村こそが東京タワーを倒壊させた犯人だということが判明する。
これにより冴子もあきらも志村に殺されてしまい良太郎はまた沈むが、村上の冷たいながらも正論をついた説得に応じ、なんとか再起。

そのまま病院に向かっていたが、その途中で病院方向から逃げてきた巧、士のペアに合流する。
それだけであれば問題は特になかったのだが、二人は志村に広められた「東京タワーを倒壊させ冴子、あきらを殺害したのは良太郎、村上である」という嘘に騙されていた。
野上良太郎と名乗ったというのに主人格がウラタロスであることを一瞬で見抜いた士や、村上の宿敵である巧の存在に四苦八苦しつつなんとか誤解を解こうとするが、巧は頑なであった。
志村の発言こそが真であると信じ込む巧を相手にウラタロスでさえ攻めあぐねる中、村上の提案で放送を待つことに。

大ショッカーが放送で殺害数ランキングを公開する際、自分たちが所属する555の世界、電王の世界二つの世界が持つキルスコアが2以下であれば無罪を証明できるのではないか、という賭けを提案した村上。
実はこの時点で両世界のキルスコアは0であり、村上の賭けは成功するはずだったのだが、ここで大ショッカーが志村に忖度してしまい、ランキングは上位のみの発表に。
これで無実を証明する手立てはなくなり、村上は未だ病院にいるだろう志村を殺すためにウラタロスを伴って移動しようとする。
放送で告げられた亜樹子の死にショックを受け膝を折ったウラタロスは、もう村上の言葉に反論する事もできず、このままでは彼らは誤解通りの殺人ペアへの道を歩むことになる、というその瞬間。

ウラタロスを弾き飛ばした主人格の良太郎が村上を前に啖呵を切り、例え弱くてもこのまま志村を殺すのは納得がいかないと一歩も譲らない。
そのままでは危険対主催止まりの村上に殺されるだけだったが、彼の瞳に宿る強さを信じた士の助けで命拾いする。
彼の説教も相まって、巧のことをも揺れ動かして状況を一転させ、村上からの信頼をも得ることに。
これまで交渉と言えばウラタロス、といった空気がロワ全体に出来上がっていたところを良太郎本人が打ち消した瞬間であった。

そんなこんなで二人を説得し志村の嘘を暴く作戦を立てた良太郎達。
志村を上手く罠にはめ、彼自身にあきらや冴子を始めとする参加者を殺害した罪を自供した志村。
彼を信用していた巧、橘、フィリップさえ彼こそが嘘をついていた張本人だと知り、遂には志村を打ち倒す。
しかし同時寿命を迎え巧は消滅。それを看取らなかった村上を相手にまたも説教をかますなど、ウラタロス頼りであった今までとは違い存在感を増していく。

他のメンバーが首輪を解析したり旧友の死体から首輪を得るためとはいえ首を斬り落としたりする中で久しぶりのチームを満喫するが、しかしそんな時間も長くは続かない。
順調に首輪の解除を進める中、現れる大ショッカー幹部キング。得意の話術で仲違いをさせようと企む彼に、ウラタロスでさえ敵わず遂には得意の弁論で敗北してしまう。
そうしてうまいこと掌で転がされたウラタロスが打開策を編み出すより早く、キングは士が世界の破壊者であり五代を自分の力のために殺したと指摘、村上は彼に乗せられてオーガvsディケイドが勃発する。
最悪の結果を防ごうと四苦八苦する面々だが、ここで良太郎はキングによる攻撃を受け変身さえ出来なくなってしまう。

手から血を流し痛みに苦悶する良太郎だが、それでもなお村上から士を守るため飛び出す。
どうにかこうにか村上を説得し士を救った良太郎。これにより心が通い合い、士に電王の力が戻る。
だが、これでハッピーエンドを迎えられるほどロワという状況は甘くない。
元々口先だけの正義の味方が嫌いだと宣言していたキングの琴線に触れてしまい、彼の契約モンスターであるバイオグリーザの不意打ちを受けて良太郎は致命傷を受けてしまうのだった。

あまりに唐突すぎる最後に士も村上でさえも怒りを隠し切れずキングと戦おうとするが、キングは抜け目ない。
他の野良ミラーモンスターをも引っ張り出してきて、そちらの対処に二人が追われている間にゾーンメモリで逃げてしまう。
自分が死ぬことで一緒に死んでしまうことになるイマジンたちに謝罪しつつミラーモンスターを倒してきた士に桜井の懐中時計を渡しつつ、最後の言葉を伝える。
「例え過去がどんなものでも、きっといつか必要になる日が来るはずだ」と。

世界の破壊者という彼の過去さえも受け入れた、優しくも誰より強い青年は、こうして無慈悲な悪意を前にその命を散らしたのであった。

※AAはU良太郎(ウラタロス憑依の良太郎)である。
なんだか良太郎本人には可哀相な気もするが、上記のように活躍を纏めるとウラタロスとしての活躍が七割方しめてるし仕方ないのかも。

称号:【昨日までの記憶全て、必要と分かる日が来るはず】




【乃木怜治】

                                     /lヽ
                                     | ,l  ',
                                   ,.-‐' ..l   L
                              ヘ   /  | l  /  \  /|
                              |  ヽ´ |i   | .i l  i|  ∨ /
                               |  ', .|i  | li |  i|  /  l
                              `ヽ ', └.  |:li:| ┘ /  」
                              ,.ノ|、ヽ', =  |li| =/ /-|
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                        (ディミディウスに見えますがグラディウスです)



名前:乃木怜治
作品名:仮面ライダーカブト
登場話数:9
スタンス:危険対主催
関わりの深い人物:鳴海亜樹子、霧島美穂、葦原涼、金居、フィリップ、海東大樹、志村純一
関わりの深い支給品:木札(疾風・切り札)、参加者の詳細名簿つきルールブック、オートバジン、パーフェクトゼクター
変身回数:カッシスワーム・グラディウス(1)

魔王 が 動き出す 日』で初登場。前回のライダーロワNEXT時と同じく人気の高いカッシスワーム・グラディウスの時代より参戦となった。
大ショッカーの言葉を端から信用せず、危険対主催の姿勢で殺し合いに挑む事を決める。
そうして行動を開始して数時間の間誰とも出会わず出鼻をくじかれるが、ようやく霧島美穂、鳴海亜樹子両名に出会う。
実は殺し合いに乗っていた彼女たちをしかし表面上信用しているように装いながら話を進め、バイクを持っていたために仲間となる参加者を集めて来る役割を任せられる。

傍から見れば女二人に良いようにパシリに使われただけだが、別に気にする様子もなく仲間を探していく。
少し経って出会ったのは涼、そして金居の二名。涼がギルスで金居が実はアンデッドであることも既に詳細名簿で知っていたが、しかし元々話し合いだけで終わらせるつもりの彼には別に関係もなかった。
そんな中タワーに向かったはずの亜樹子が自分を無視してタワーに参加者を呼ぶような放送をしたことで彼女らへの信頼を落とし、金居の述べた爆弾を設置して集まってきた存在を見殺しにするつもりでは、という仮説に内心同意を示す。
それを口に出したために金居が涼に掴みかかられているのを横目で見守っていたが、涼を焚き付けるような言葉を吐き彼がタワーに向かったのを見送り金居とそこそこの本音トーク。

お互い食えない相手であることを感じつつ22時に協力的な参加者と情報を以てE-4エリアの病院で合流することを約束。後々大乱戦となる病院戦のフラグをここで立てたのだった。
ともかく、それで金居は東に行ったので自分は警察署の方へ。ここで放送を超えるが、ここまで彼の理想とするような大ショッカー打倒の為に有力な参加者とは出会えていない。
が、ここでようやく彼にも運が向いてくる。そこにいたのは首輪解除に近いフィリップとその仲間たちだった。
首輪解除出来るかもしれないフィリップにこれまでの相手には一切見せなかったような気遣いを見せ自分の存在をアピールし、彼からの心証を良いものにする。

そうして約束時間には早いものの病院に向かう途中、乾巧と志村純一にも遭遇。
天道の遺志を継ぎ立ち上がったばかりの巧が突っかかってきてチームの輪が乱れかけるが、志村の言葉もあり巧はそれを一旦やめ停戦状態に。
志村の嘘が信じられない彼は彼に対し思い切り警戒ムードを発揮。同じく彼に注目している海東にも信頼を寄せているとコメントしている。
巧から天道を殺したのが他でもない金居と聞いて病院での合流がそのまま天道を倒したライアルとの戦闘も意味すると覚悟を決め、敵ながら評価している天道を倒したとして一切の油断なく準備をすることを決めた。

辿り着いた病院では、更なる仲間との合流が彼を待っていた。実は自分の第三の命を倒した経験もある矢車と会話したが、お互い抽象的な会話で時間軸の齟齬には気付かない。
そうして迎えた22時。現れた金居に自分が交渉役として前に出るしかないと彼は自ら最前線に立つ。巧の存在もあり完全な勝利宣言を申し立てるが、金居は自分の後方にいた士を目がけ攻撃を仕掛けてくる。
曰く世界の破壊者ディケイドは、存在するだけで世界を滅ぼす悪魔だ、とのことだが乃木は士を戦力として認めその剣を受け止め戦闘へ。
ギラファにはなんとクロックアップ抜きで完全勝利を収めるも、止めを刺そうとした瞬間に彼の僕であるライアルが推参する。

必殺技の暗黒掌波動は吸収できたものの、圧倒的なスペックに任せた”ただの打撃”で敗北。
こんな規格外の存在から不完全な装備であっても巧を逃がしきったかつての宿敵に思いを馳せるが、そんな暇などなくライアルの猛攻が待っていた。
一応防戦一方ながら何とか凌ぐが、ギラファとライアルの連携で30秒も持たず敗北を喫する。
しかし乃木の命運が尽きる寸前変身を完了した仮面ライダーたちがライアルを引き受け自分はギルスと共にギラファとの戦いに。

先ほどは完全勝利を収めたものの、流石にライアルに殴られまくったのはキツかったらしくギルスとの二人がかりでもギラファを倒しきれずそんな自分の状況に苛立ちを募らせる。
その苛立ちをそのままギルスに八つ当たりし、彼との関係にも亀裂が入りかけたところになんと彼はそれでも自分を信じているとギラファに啖呵を切る。
それを受けたからか、あるいは純粋に頭が冷えたのかギルスの言う同時攻撃に賛同した彼は連係攻撃で無事ギラファを撃破。
パーフェクトゼクターの必殺技に加え足にダメージがある状況でクロックアップを使用したため足を本来曲がるべき角度ではない方向へ曲げながら彼は一旦眠りについた。

次に目覚めた時は既に病院戦を終えた後。涼がヒビキの為に病院に戻りたがるのを鬱陶しく思いつつお花摘みに行った亜樹子を(表面上だけだろうが)心配しているとなんと突然現れた怪人の光球から仲間を庇いそのまま彼は死んだのであった。
……え?突然心変わりしすぎ?だが安心して欲しい、実はそうではないのである。
カッシスワームの最大の特徴、それは時間停止でも敵の必殺技をコピーできることでも二人に増えることでもなく、死んだとしても二回まで再生できることにあるのだ。
そしてグラディウスは二回目の命、ここまで言えばわかるだろう。そう、乃木さんはそのダメージをちまちま癒やすより三回目の命、カッシスワーム・クリペウスとして復活することを選んだのだ。

ご丁寧に首輪まで吹っ飛ばしその命を絶った彼。現在この名鑑を書いている段階では乃木さんは復活していないが、今後彼が復活することはあるのだろうか。
もしあったとしてクリペウスが死んだらこの項目に加筆するのか、それとも新しく項目を作るべきなのか、あるいはそれはネタバレになってしまうのではないか、いやそもそも名鑑なんてネタバレだらけではないのか。
様々な疑問は尽きないものの、しかし今は一読者として復活するのかしないのかも含め乃木さんの今後に期待することにしよう。




危険対主催ではあったものの、その実一切危険な素振りすら見せず病院チームのリーダーとして活躍していた彼(まぁ首輪解除に近いフィリップがいたから猫被ってただけだけど)。
その変身は一回のみながらギラファに完勝、ライアルを凌ぎ、ギルスとの連携を駆使しギラファに辛勝と、実に優れた戦跡であった。
死に際まで仲間を庇い傍から見れば超善人にしか見えないものの、涼とフィリップ以外から別にその死を辛いものとして捉えられていない。
流石に可哀相でもあるが、まぁフィリップ利用しようとした意思があるのはホントだし仕方ないのかも。

情報アドバンテージ、実力ともに十分で特にミスもなかったその健闘も読者以外に称えられぬまま死んだ彼。
果たしてクリペウスで挽回成るのか、それともむしろ泥を塗るのか、そもそも復活するかも未定だから名鑑を書きにくくて仕方ないぞ乃木!
そんな複雑な思いも秘め彼の称号はこれで決まりだろう。

称号:【有能故持て余される対主催の要】




【乃木怜治(角あり)】

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                              ,.ノ|、ヽ', =  |li| =/ /-|
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                        (ディミディウスに見えますがクリペウスです)


名前:乃木怜治(角あり)
作品名:仮面ライダーカブト
登場話数:3
スタンス:危険対主催
関わりの深い人物:葦原涼、相川始、乃木怜治(角なし)、三島正人
関わりの深い支給品:ブラックファング
変身回数:カッシスワーム・クリペウス(角あり)(2)

……とか言っていたらやっぱり蘇った対主催の要。
それまでも主催幹部であるキング@仮面ライダー剣がその復活を恐れられ会場に送り込まれたりと様々なフラグが立っていたが、死後15話ほどが経過した後に『魔・王・再・臨』で遂に念願の復活を果たす。
首輪の制限からも解放された彼は、原作通りカッシスワーム・クリペウスとなり二人になって復活。
新たな力を手にした彼らの華々しいデビュー戦の相手は、なんとあのジョーカーアンデッド。

後もう少し乃木の復活が遅れていたら死んでいたのは間違いないだろう葦原を助けつつ、クロックアップや先の命で学んだ必殺技を利用し呆気なく暴走ジョーカーを下す。
そのまま暴走の危険性がある相川始を警戒し命を奪おうとするも、葦原は今しがた殺されかけたばかりだというのに彼を信じているから命だけは助けてくれと懇願してくる。
彼がタブーの攻撃から自分を庇い死んだ本当の理由さえ知らない葦原は、これ以上ないほどに乃木を信頼していたのだ。
「俺を仲間だと思ってくれているなら頼む」とそう頼み込む葦原を前にして、乃木は一つの決断を下す。

そう、――葦原涼ごと、相川始を殺す決断を。
それもそのはず。先ほどまで葦原が見ていた乃木は、いわば自分の首輪解除における優先順位を上げるためにフィリップを始めとする対主催メンバーに媚を売りまくっていた状態。
或いは今も首輪があれば決断は変わったのかもしれないが、戦力にもならない相手に媚を売って危険人物を野放しにする必要もないと、彼はそう考えたのである。
……余談だが、この前々話において葦原はエクシードギルスに覚醒しており、乃木の把握する実力からは大きく戦力を向上しているので、乃木は知らなかったとは言え貴重な戦力にみすみす見放されてしまったことになる。

だがそうしてごちゃごちゃと話している間に始は気を取り戻し、仮面ライダーラルクに変身し葦原を連れて窮地を潜り抜ける。
この時、実力は全く同じはずなのに自分ならこんなヘマはしなかったとばかりに角なしの方の乃木にマウントを取り、無駄に険悪なムードを作り出している。
ともかく、逃げた相手を追うよりも有効的な時間の使い方を考えた彼ら。
そうして得られた結論は、大ショッカーが最初に禁止エリアに設定した場所、つまりはG-1エリアとA-4エリアに向かえば何かしら彼らが隠したがったものが見つかるのではないかというもの。

またしても余談になるが、この推理はなんと初登場から僅か二話で天道が辿り着いていた考察内容であり、天の道を往く宿敵が持っていた先見の明を、意図せずして彼の死後乃木が保証する形になってしまった。
さて、当面の行動方針を決めた彼らは、そのまま現地調達したバイク、ブラックファングに乗って西側エリアに向かう。
橋も越え、そろそろG-1エリアに着けるか、といったところで、なんともう一人の自分がここで二手に分かれた方が効率的だから自分にバイクを寄越せと打診してくる。
自分自身と議論するのもしょうもないと感じたのかすんなりとバイクを渡し、角ありの方の乃木は一人G-1エリアの廃工場へ。

だがそこで自分を待ち受けていたのは、なんとかつてZECTに所属していたはずの三島正人。
匂いで彼がネイティブになったことを看過し、また同時詳細名簿つきルールブックにその顔がなかったことから主催側の人間だと見抜く。
三島自身もこのエリアを死守するのが役目だと漏らしたので、宿敵たるネイティブを下す理由も含めて戦闘へ。
だが、ここでカッシスワームクリペウスの貧弱さが出てしまう。

元々先のジョーカー戦などで一人一人での戦力は著しく低下していることは乃木自身知っていたのだが、なんとカブト世界屈指のフィジカルを持つグリラスワームには彼の持つ必殺技も全て通じず、戦略さえも上を行かれ左腕をもがれる。
まさにこれ以上ないほどの完敗を喫した彼が死を覚悟していると、しかしそこに現れたのはもう一人の自分。
A-4エリアに行ったはずの相方が現れたことにしかし取りあえずは素直に感謝して、二人で協力した攻撃で何とかグリラスから逃れ生き延びる。
この戦いで腹も刺されるし右足は風穴空いてるし左腕はなくなったしと散々だったが、しかしここで自暴自棄にならないのが乃木の凄さ。

冷静に、今の自分単身では、今この殺し合いを生き残っている面々には全く敵わないという現実を受け止め、二人で行動しなければいけないともう一人を諭す。
これには腕を失った自分を容易に切り捨てさせないための交渉術さえ含まれていたが、しかしもう一人の乃木は彼が肩を借りようと伸ばした腕を払いのける。
流石に失血が激しいからか、或いはもう一人の自分自身だからかキレ気味に時間の浪費に対して問い詰めるが、返ってきた答えはなんと「少し試したいことがある」。
何だか自信満々に語る相方の話を聞いていれば、彼が話すのはやれ「なんで生まれ変わる度に前の能力が仕えなくなるんだろう」だの、やれ「なんでこの第三の命はこんなに弱いんだろう」だの、答えの出ない問いばかり。

配られたカードで戦うしかないんだから仕方ねーだろと冷静に返すも、しかしここで話はその方向性を大きく変えていく。
もう一人の乃木は言う。「もしもそれぞれ自分の苦手とすることを得意とする相方を持つ双子がいたとしたら、いつしか彼らは『相手の存在がなければ全て自分が手にしていた』と相方を邪魔に思うに違いない」と。
話の方向の異様さにいよいよ気付いた乃木は腹を庇いつつ何とかもう一人の自分から逃げようとするも、しかしその程度を見抜けない自分自身ではない。
あっさりと追い詰められた乃木は、もう一人の自分がワームの姿に変貌するのを前にしかし逃げることなど出来なかった。

まるでもう自分の身体がその使命の終わりを察しているかのように、思い通りに動かなくなった自分自身に困惑する乃木に、カッシスワームは告げる。
「弱い奴は餌になる。それが俺たちの掟だろう」と……。
その言葉そのままに、呆気なく乃木はもう一人の自分に吸収された。
そして、残されたカッシスワームは唯一無二の存在となり、元の世界では現れることのなかった存在、カッシスワーム・ディアボリウスへと変貌を果たすのであった。



深すぎる傷を直すより、次の命での全快を狙いその通りに一切の傷を癒やして復活した乃木さん。
復活補正かなんなのか、原作でのクソ雑魚っぷりを払拭して(二人がかりとは言え)ジョーカーを下し、病院戦でちょっと感化されたっぽく見えた葦原のこともあっさりと裏切ったりと会場を掻き乱すのは間違いなしと思われたが、片割れである彼の活躍は大したものではなかったと言わざるを得ない。
最も、最初からニコイチのキャラクターとして設定されているカッシスワームクリペウスとして見ればこの終盤に突然現れたにしてはかなりの存在感を誇っていた。
それにもう一人の乃木は彼を吸収し今までの能力全てを全載せして戦闘力も歴代最強という新形態、カッシスワームディアボリウスに変化したことを思えば、彼の命も決して無駄ではなかったのかもしれない。

とはいえ三島との戦いの記憶も全て相方に持って行かれ、恐らくは今後三島も含め彼個人を思い出す人はいないだろうことを考えると、不憫極まりない彼にはこの称号を贈りたい。

称号:【角はあれど、読者の記憶には残らない】



【乃木怜治(角なし)】

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                        (ディミディウスに見えますがディアボリウスです)


名前:乃木怜治(角なし)
作品名:仮面ライダーカブト
登場話数:8
スタンス:危険対主催
関わりの深い人物:間宮麗奈、三原修二、リュウタロス、城戸真司、門矢士、三島正人、オーヴァーロード・テオス
関わりの深い支給品:ブラックファング
変身回数:カッシスワームクリペウス(角なし)(2)、カッシスワームディアボリウス(3)

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最終更新:2020年02月15日 00:00