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草加雅人 の 仮面 ◆LuuKRM2PEg






D-8エリアに位置する巨大な建物。
『Wの世界』の象徴たるガイアメモリを販売する悪の組織、ミュージアムの拠点。
園崎邸の一室で、異世界より連れてこられた五人の男が身体を休めていた。
数時間前遭遇した、圧倒的戦闘力を誇るバットファンガイアとの戦いで負った、ダメージを癒すために。
そして、持っている荷物や自分自身についての情報交換も交わした。
このような戦場では、何が起こるか分からない。
だから不測の事態に備えて、お互いの事を知る必要があった。
その際に、五代雄介と海東大樹のデイバッグより、あるアイテムが現れる。
五代が持っていたのは、仮面ライダーディエンドが異世界のライダーを呼び出すために使うカード。
仮面ライダーコーカサス。そして仮面ライダーサイガの力が封印された、ライダーカード。
海東が持っていたのは、フィリップがよく知るメモリガジェットの一つ、スパイダーショックとスパイダーメモリ。
それぞれ、本来の持ち主の手に渡る事となる。

「それにしてもクウガ、君はもう大丈夫そうだね」
「はい、みんなが頑張っているのにいつまでも休んでいられませんから」

飄々とした海東の問いかけに、五代は眩い笑顔で答えた。
先程の戦いで負傷したとは、思えないほどの。
それは五代の体に埋め込まれた奇跡の霊石、アマダムの効果。
幾度となく繰り広げた未確認生命体との戦いで、彼の怪我を治していた。
最も、まだ完全とまではいかない。
それほど、バットファンガイアに負わされた傷は深かった。
しかし五代は、それを表に出す事はしない。

「草加雅人、これを見てくれ」

一方でフィリップは、自分が作り出した発明品の一つであるコウモリ型のカメラ、バットショットを取り出していた。
画面に映し出されているのは、白い死神のような怪物。
その手には、鮮血が滴り落ちる長いデスサイズが握られていた。

「恐らく、園田真理を殺害したのはこいつの可能性が高い……そして、今も何処かにいるはずだ」
「…………成る程な」

バットショットを握る草加雅人の手は、震えている。
大切な存在である、園田真理を殺された事による憎しみによって。
表情も、徐々に怒りで染まっていくのが見えた。
そんな草加の姿を見て、フィリップは不意に思い出す。
風都の為に、仮面ライダーアクセルに変身してドーパントと戦う盟友、照井竜。
彼もまた、大切な家族を井坂深紅朗によって、殺害されている。
出会った当時は、草加のように憎しみに心を支配されていた。
しかしそれを振り切って、仇を討った。

「君がこいつを憎むのは分かる。ただ、憎しみで動くのだけは止めるんだ」

照井の事を思い出しながら、フィリップは告げる。

「僕は園田真理がどんな人だったのかは知らない。でも、もしも君が憎しみに捕らわれているのを見たら、きっと悲しむはずだ……」

先程五代が言った事と、とても似ていた言葉。
フィリップも、出来る事なら草加を信じたかった。
しかし、彼は仮面ライダーカイザに変身して襲いかかっている。
だから完全に心を許すわけには、いかなかった。
そんなフィリップの心を知ってか知らずか、草加の顔から次第に毒が消えていく。

「その通りだな……真理は常にみんなの事を考えていた。俺も彼女のようでいなくてはいけない」
「そうですね、草加さん。きっと、その人もそれを望んでいるはずですから!」

五代は笑顔で頷いた。
見たところ、彼は草加雅人に心を許しているように見える。
こんな状況でも、他者を信じる事を決して忘れない。
人間としてそれは素晴らしい心だ。
けれどフィリップには、それを素直に受け入れる事が出来ない。
草加雅人のような人間を信じ切ってしまえば、いつか取り返しのつかない事が起きる可能性がある。
唯一希望があるとすれば海東大樹だが、彼は彼で何を考えているのか分からない。
少なくとも敵ではないように見えるのが、せめてもの救いか。

「そしてみんな、これを見て欲しい」

フィリップは真摯な瞳で、デイバッグから複数の紙を取り出す。
そして、今は亡き北岡秀一に架せられていた銀色に輝く、首輪も。
それらをテーブルの上に広げた。
全員の視線がそちらに集中する中、フィリップはもう一枚懐から紙を取り出す。
そこには、ペンで書かれたような丁寧な字でこう書かれていた。

『出来るなら、これはみんなに回るまで無言で読んで欲しい』

他の3人はそれに従って、フィリップの出した書類に目を通した。
紙には、機械で記された事が窺わせる乱れのない文字と、機械の断面図。
円形の中に埋め込まれている複雑な機械。
それが首輪の内部構造であると、全員は察した。
その脇には、フィリップの丁寧な文字で各部分の解説が書かれている。


参加者達の命を速攻で奪う、起爆装置と思われる部分。
参加者達の動向を察知するために設置した、盗聴器と思われる部分。
ガイアメモリを差し込むコネクタと、その記憶を参加者に流し込む部分。
そして、大ショッカーが本拠地から、それらの機能を発揮するために付けたアンテナと思われる部分。


園崎邸に訪れてから、機械の内部構造を調べる事が出来る設備を見つけた。
フィリップはそれと北岡の首輪を利用して、断面図を把握。
それらに関する補足も、集めた情報を元に書かれていた。


ただし、解説に関しては絶対というわけではない。
そもそも何故、大ショッカーがあのような設備を用意したのか。
参加者が危機を脱するような物を、連中が何の考えも無しに設置するわけがない。
そしてこの殺し合い自体が、謎に包まれている。
海東大樹が話した大ショッカーという組織は、多くの世界で悪事を働いた連中だ。
ある世界では子どもを騙して手駒にし、ある世界では光夏海という女性に危害を加える。
何故そんな連中が、世界の選別などを取り仕切っているのか。
奴らの発言には、信憑性が無さすぎる。
そもそも、大ショッカー自体が殺し合いの主催を、自作自演で演じている可能性も否定出来ない。
例えば、異世界に存在する邪魔な存在である数多の仮面ライダー。
奴らを始末するために、バトルロワイヤルを開いた可能性。
あるいは実力の高い参加者達をこの世界に閉じこめた隙を付いて、その世界を支配する。
最悪のケースとして、大ショッカーがその科学力を使って、世界一つも軽く吹き飛ばす程の爆弾も、仕掛けている可能性がある。
理由は世界そのものを人質にして、強制的に殺し合いをさせるため。


そして、自分達に巻き付けられた首輪という存在。
これらのメカニズムは、僕の世界に存在していたガイアメモリを差すガジェット達と、よく似ている。
故に、この屋敷から揃えた工具を使えば、解除自体は可能。
ただしこれは、現状での意見に過ぎない為、行動に移す事は出来ない。
下手に首輪を外したりなんかすれば、何らかの制裁を加えられる可能性がある。
例えば、最初のホールで見せしめにされた男性のように、外した瞬間に殺される。
それだけではなく、同じ世界から連れてこられた参加者達も、最悪の場合に首輪を破壊されるかもしれない。
それに首輪には、まだ構造を把握するために考える時間が必要だ。
もしかしたら、僕一人では分からない異世界の技術も投入されている可能性もある。
だから首輪を解除するのは、状況が整うまで待たなければならない。
異世界のテクノロジーを知る技術者との合流。
及び、大ショッカーに反旗を翻すための戦力が揃ってから、首輪の解除に踏み込まなければならない。



「…………なるほど、分かったよフィリップ君」

五代の言葉が、全員にファイルが回った合図となった。
ここにいる者達が、首輪を解体するための方法とタイミングを知る。
完全ではないにせよ、僅かな希望にはなった。
最も、気を緩める事など出来ない。

「でも少年君、例えこれをクリア出来たとしても、まだ課題はあるんじゃないかな?」
「その通りだ……海東大樹、君の話によると大ショッカーの拠点は確か、巨大な要塞と聞いた」
「ああ、でも今もそうとは限らないかもよ?」

フィリップの疑問に海東は軽く答える。
そう、バトルロワイヤルの仕切り役である大ショッカーの拠点。
例え首輪を解体して、友好的な人間を集められたとしよう。
問題はそこから、如何にしてこの世界から脱出するか。
エクストリームメモリが手元に戻ればいいが、そんなに都合よく行くとは思えない。
仮に取り戻したとしても、大ショッカーが何らかの細工を施している可能性が充分に高かった。
もしもエクストリームメモリで、参加者達を粒子化して世界の壁を越えるとしよう。
その隙を、大ショッカーが見逃すわけがない。
そして大ショッカーを倒すとしても、居所が分からなければ叩き潰しに行けるわけがない。
海東の話によれば、奴らの居所は巨大な要塞だった。
しかし、大ショッカーが拠点を変えていたらどうだろう。
例えば空中から参加者を見下ろせる、飛行戦艦。
それも凄まじい武装を持つほどの。

「君達、敵の居所を考えるのも良いが、こっちもどうにかした方が良いと思うよ?」

フィリップが思考を巡らせている最中。
草加の視線は、別の方に向いていた。
少し離れたソファーで眠っている、名も知らぬ青年。
先程の戦いで倒れたため、ここまで連れてきた。
だが彼がどんな人物なのか、あまりにも見当が付かない。
幸いにもデイバッグの中身は、草加がテーブルの前に出していた。
中身は参加者全員に配られている、基本的な物しか存在しない。

「一応、支給品はこのくらいだけど…………こいつが危険人物である可能性は充分にあるからね」

草加の言葉には、流石のフィリップも同意する。
あの時は命の危険に晒されていたため、この青年を助けた。
一応、アイテムは全て確保しているが油断はならない。

「…………うっ」

四人の視線が集中している中。
呻き声が、青年の口から漏れた。
そのまま彼の瞼がゆっくりと開かれ、身体が起きあがっていく。
青年の下に、五代は真っ先に駆けつけた。

「大丈夫ですか?」
「何だ、お前達は? それに、ここは何処だ?」

あまりにも当然な疑問。
戦っていたはずなのに、目が覚めたときには見知らぬ部屋にいる。
そして目の前にいるのは、見知らぬ男達。
警戒を抱くのも、無理は無い。

「俺、五代雄介と言います…………貴方には、伝えないといけない事があるんです」
「何?」

怪訝な表情を浮かべる青年に、五代は沈んだ表情で口を開く。
そこから、互いに話し合った。
自分達の名前を。
自分達はこの戦いを、何とか止めようとしている事を。
そして、青年と一緒にいた男の人は蝙蝠の怪物に、殺されてしまった事を。

「本当にごめんなさい…………ッ!」
「そうか、北岡が……」

しかし青年――秋山蓮――はやけに落ち着いた様子だった。
まるで、人の死が当たり前として受け取っているような態度。
そんな態度を見た草加が、前に出た。

「おいおい、人が死んだのにやけに落ち着いてるね」
「何?」
「もしかしたら、君はこんな戦いに乗っているのかな? 我が身可愛さに、他者を蹴落とすことを良しとする……」
「何だと……ッ!」

とても冷たく、それでいて妙に挑発的な言葉。
それを聞いた蓮は、ソファーから立ち上がろうとする。
しかし、痛みが動きを阻害した。

「大丈夫ですか!?」
「触るな!」

五代は支えようとするが、蓮から手を振り払われる。
一方でフィリップは、草加に振り向いた。

「草加雅人、君は何を言ってるんだ!?」
「一緒にいる人が死んだのに、こんな態度を取っているような奴だ。信用できないのは当然だろう?」
「それでも、そんな事を言うのは止めるんだ!」

この状況で他人を疑うのは、ある程度は仕方がない。
現にフィリップ自身、青年が危険人物であるという可能性を考えた。
しかしだからと言って、不信を抱かれる発言をしていい理由にはならない。

「ん…………何だいアレは?」

部屋の中で怒号が響き渡る中。
険悪な雰囲気をぶち壊すかのような、海東の声が聞こえた。
四人はそれに導かれて、振り向く。
見ると、部屋の窓を何かが叩くのが見えた。

「あれはまさか……エクストリーム!」

フィリップは両目を見開きながら、そちらに駆け寄る。
彼は窓を開けると、来訪者が部屋の中に入った。
まるで鳥を模したかのような機械。
フィリップの生きる『Wの世界』で、仮面ライダーWの力を極限にまで解放させるガイアメモリ。
エクストリームメモリが、彼の目前に現れた。

「フィリップ君、それは?」
「僕の切り札だ」

五代の問いかけに、フィリップは力強く答える。
切り札の一つが手元にやって来た事で、彼の心は微かながらに希望が芽生えていた。
しかし手に取った瞬間、エクストリームメモリの足元に紙が巻かれているのに気づく。
フィリップはそれを外して、テーブルの上に広げた。

『翔太郎君、フィリップ君、竜君。これを見ている誰かへ、あたしは今強い味方がいるから大丈夫。
だからみんなは、あたしの事を気にしないで他のみんなとの合流だけを考えて。
お願いだから、東京タワーには急がないで』
「これは……亜樹ちゃんの字!?」

紙に書かれている文字に、見覚えがある。
左翔太郎の恩師である鳴海荘吉の娘、鳴海亜樹子の文字だった。
それを見たフィリップは驚愕を抱くのと同時に、疑問が芽生える。

「東京タワーには急がないで……? 一体、どういう事なんだ?」
「その子は危険に陥ってるんじゃないかな?」

それに答えるのは、海東だった。

「確か鳴海亜樹子と言ったっけ? もしかしたら、東京タワーではとんでもない事が起こってるのかもしれないよ」
「どういう事なんだ?」
「東京タワーには急がないで……恐らく、それは戦いがあそこで起こっているか、何かとんでもない罠が仕掛けられている。彼女はそれを見つけて、少年君達が巻き込まれないようにメッセンジャーを頼んだんじゃないかな?」

ただの推測に過ぎないけどね、と最後に付け加える。
それでも、可能性としてはゼロではなかった。
彼女の言葉だから、嘘ではないと信じたい。

(それに強い味方がいる……なら亜樹ちゃんだって一生懸命に戦っているはずなんだ! 僕もここで頑張らないで、どうする!)

だが、フィリップは知らない。
鳴海亜樹子が、風都を守るために殺し合いに乗った事を。
その為に、東京タワーに罠を仕掛けた事を。
そんな残酷な真実を、彼はまだ知らなかった。




「そういえば秋山君、君はこれからどうするつもりなのかな?」

草加は再度、蓮に訪ねる。
先程とは違い、今度はなるべく落ち着いた様子で。
挑発的な態度を取った理由は、集団の中に不和を植え付けるため。
こいつらは揃いも揃って、大ショッカーを倒すなどという戯言を言っている。
到底有り得ないだろうが、それでは真理を救うのに邪魔にしかならない。
故に、蓮を挑発してある程度不信を植え付けた。
無論やりすぎてはいけない。そうなっては、邪魔者を殺すのに困ってしまう。
そのバランスが、大事だった。

「どういう意味だ」
「一応、聞いておかないとね……さっきはすまない事を言ったが、もしも君がこの戦いに乗っているとしよう」

だから今は、演技をする。
仲間達の事を、心の底から思っているかのように。

「その時は、俺は君に容赦はしない……これだけは胸に叩き込んでおいてくれ」

真摯な表情で、はっきりとそう伝える。
一応、この言葉に嘘はなかった。
もしも奴が自分を裏切るようなら、引導を渡す。
最もその際、他の奴らがどうなろうとも知った事ではないが。

「そうか、分かった」

蓮は草加の言葉に頷く。

「俺も無闇に戦うつもりはない」
「それは良かったよ。なら、君に荷物を返せるな」

その答えに、笑みを浮かべながらデイバッグを取った。
蓮はそれを受け取るが、中身を確認した途端に顔が暗くなる。

「どうかしたのか?」
「俺の荷物…………これだけなのか?」
「それだけしか見てないが……すまない、さっきの戦いで撤退する際にもしかしたら、何処かに落としてしまったのかもしれない」

さも申し訳なさそうな表情で、草加は語る。
しかしその内心で、彼は笑っていた。
恐らく蓮の言っている荷物というのは、仮面ライダーナイトに変身するために使う、カードデッキという物の事だろう。
そして、奴のデイバッグの中に入っていたガイアメモリという道具。
付属していた説明書によると、仮面ライダーエターナルの名を持つ戦士に変身する事が出来るらしい。
自分の持っているロストドライバーという機械は、それに連動するようだ。
これはフィリップの世界に存在するアイテムだろうが、その存在は明かしていない。
下手に情報を与えては、自分の戦力が減ってしまう。
だからデイバッグの中に入れずに、懐の中に入れていた。
最もロストドライバーばかりは、流石に隠しようがなかったが。
だがフィリップの持っているメモリは、幸運にも連動しない。
故に自分が持つ事にした。
君の荷物を増やしてはいけないと、善人の言葉を使って。

(秋山と言ったな。君も精々、真理を救うために頑張ってくれよ…………? いざとなったら、俺が盾にしてやるから)

武器を持たない男など、身代わりの価値しかない。
もしも途中で手に入れたとしても、その時は自分の世界を救うための捨て石にする。
自分の世界で生きる、化け物達もそうだ。
三原はともかく、オルフェノクどもはここで皆殺しにしてみせる。
だから、彼らには誤解を植え付ける必要があった。
しかし乾巧のような甘ちゃんは、自分を信頼しているに違いない。
ならばそれを最大限にまで、利用した末に殺せばいいだろう。

(オルフェノクどもは、こいつらを焚きつけて潰し合わせればいい…………真理を救うのは、それからだ)

新しく手に入れた駒、秋山蓮を見定めながら草加雅人は笑った。
捨て駒にしかならない男達へ、若干の期待を込めて。




仮面ライダーエターナル。
それは、かつて風都全域を震撼させたテロリスト集団NEVERのリーダー、大道克己のもう一つの姿。
凄まじい戦闘能力を誇るが、この戦いではある制限が架せられている。
『永遠の記憶』を宿したガイアメモリ、エターナルメモリの力を解放したときに使える必殺技、エターナルレクイエム。
その範囲が、この世界では一エリア分しか届かない事。
そして、その効力も一時間までしか持たないが、草加はそれを知らない。




(この男…………確実に何かを隠しているな)

秋山蓮は、草加雅人の笑顔を見ながら考える。
奴の笑みは、偽物だと。
もしかしたら、ナイトのデッキを隠し持っているかもしれない。
だがそれを問いつめる事は出来なかった。
四体一な上に丸腰な状況では、圧倒的にこちらが不利。
こんな時に突っかかっても、自滅するだけだ。
だから今はこの集団に合わせて、殺し合いに乗らないという嘘をつく。
そして、まだ何とか話が分かりそうな他の三人から信頼を得る。
そうすれば、状況の脱却も可能かもしれない。

(それにしても、まさか北岡が死ぬとはな……)

同じ世界から連れてこられた弁護士、北岡秀一の死。
目覚めた時に、五代雄介から告げられた事実だ。
それが意味するのは、自分の世界が滅ぶ可能性が増えた事。
いくら気に入らないとはいえ、北岡がそれなりの実力を持っていた事は確かだ。
そんな奴があっさりと殺すほどの化け物が、この世界にはいる。
だったら、この集団に入り込む必要が尚更あった。
ならば、今はいくらでも協力をしてやる。
チャンスが訪れる、その時まで。




蓮が加わってから、一同は改めて情報を交わす。
同じ世界から連れてこられた、参加者について。

五代雄介が知る、一条薫。
一条は、絶対に信頼出来る人物だと五代は語る。

秋山蓮が知る、城戸真司と浅倉威。
友好的なのは城戸の方で、自分の世界で凶悪犯罪者である浅倉は、信頼出来ないと蓮は語る。

草加雅人が知る、三原修二と木場勇治と海堂直也と村上峡児。
乾巧と三原は信頼出来るが、他の三人は人間に危害を加える怪物、オルフェノクであると草加は語る。
特に警戒するべきは、村上。
オルフェノクを束ねる大企業、スマートブレインの社長だから、特に強い警戒を持たなければならない。

海東大樹が知る、門矢士と光夏海と小野寺ユウスケとアポロガイスト。
信頼出来るのは士と夏海とユウスケの三人で、アポロガイストは大ショッカーの幹部の一人。
しかし、かつての戦いで自分達がとっくに倒した。
恐らく大ショッカーが、何かの手段を使って生き返らせたのかもしれない、と彼は推測する。

フィリップが知る、左翔太郎と照井竜と鳴海亜樹子と園咲冴子と園咲霧彦と井坂深紅郎。
信頼出来るのは、翔太郎と照井と亜樹子と霧彦の三人。
他の二人は、犯罪組織ミュージアムに所属する幹部のため、警戒しなければならない。
当初フィリップは、霧彦と井坂の二人が生きている事に疑問を抱いたが、海東の話を聞いてそれを払拭する。
死者を蘇らせたり世界を自由自在に越える程の、底知れない大ショッカーの科学力。
やはり、一切の油断は許されないと、フィリップは改めて認識した。


「それで、これからの行動についてだが、僕から提案がある」

情報交換を終えてから、フィリップは言う。

「この世界には、さっき戦ったファンガイアという怪物のような、規格外の強さを誇る奴がいる。だから、人数が整うまではなるべく固まって行動した方が、得策かもしれない」

彼の提案に、意を唱える者はいなかった。
大人数で行動するのは、行動範囲が狭まるデメリットがある。
しかし、ファンガイアのようにとてつもない強さを誇る参加者は、他にいる可能性が高かった。
そんな奴と出くわして全滅だけは、避けなければならない。
故に、別行動を取るにしても、もっと友好的な人物と出会ってからだ。

「それじゃあ、行こうか」

五代の言葉を合図として、部屋に集まった五人は荷物を纏める。
そのまま、屋敷の外に出て行った。
彼らはいずれも、世界を救うという思いを持っている。
最も、その為に取る手段は、全員が一致している訳ではないが。

「それにしても、巧か…………」

不意に海東は、呟く。
草加はそれを聞いて、怪訝な表情を浮かべた。

「どうかしたのか?」
「いや、ずっと前に同じ名前の仮面ライダーと出会った事があるだけさ」
「そうか」

かつて海東が訪れた『555の世界』
そこでもオルフェノクがいて、尾上タクミという名前の少年がファイズに変身した。
しかし草加が生きる『555の世界』とは違う点がある。
大企業のはずのスマートブレインは高等学校となっていて、ラッキークローバーはそこのエリート集団。
その事実に草加は驚いたが、別段気に止めない。
オルフェノクは憎むべき敵だが、自分の知らない世界で何をしていようとも興味が沸かなかった。




時計の針は一秒、また一秒と確実に進む。
その針が六時を過ぎた瞬間、大ショッカーからの呼び声が聞こえる。
死者の名を告げる、残酷な宣言が。
それを聞いた者達は、如何なる思いを抱くのか。
まだ、誰にも分からない。



【1日目 夕方】
【D-8 道路】


【全体事項】
※この五人の間で、情報交換(自分の世界、同じ世界の参加者、支給品、アルビノジョーカーの姿について)が行われました。
※これから何処に向かうのかは、後続の書き手さんにお任せします。
※首輪の考案について纏めたファイルを、全員が見ました。


【五代雄介@仮面ライダークウガ】
【時間軸】第46話終了後
【状態】疲労(中)、ダメージ(中)
【装備】アマダム@仮面ライダークウガ
【道具】支給品一式、不明支給品1~2 (確認済み)
【思考・状況】
1:人々の笑顔を守る。
2:みんなと共に行動する。
3:一条さんや信頼出来る人達と合流したい。
4:仮面ライダーとは何だろう?





【海東大樹@仮面ライダーディケイド】
【時間軸】最終話終了後
【状態】疲労(中)、ダメージ(中)
【装備】ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード(サイガ、コーカサス)
【道具】支給品一式、不明支給品1~2(確認済み)
【思考・状況】
0:お宝を守る。
1:殺し合いに乗った奴の邪魔をする。
2:五代雄介、草加雅人、フィリップと共に行動
3:五代雄介の知り合いと合流
4:知らない世界はまだあるようだ
5:蓮を警戒
【備考】
※クウガの世界が別にあることを知りました。




【草加雅人@仮面ライダー555】
【時間軸】原作中盤以降
【状態】健康
【装備】カイザドライバー@仮面ライダー555、カイザブレイガン@仮面ライダー555、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、ロストドライバー&エターナルメモリ@仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ
【道具】支給品一式、不明支給品×1
【思考・状況】
1:真理の居る世界を守る為に、555の世界を優勝させる。
2:勝ち残る為にも今は演技を続けるが、隙があれば異世界の参加者は殺す。
3:真理を殺した奴を見付け出し、この手で殺す。
4:出来る限り、戦いは他の奴に任せる。
5:蓮を警戒。
【備考】
※カイザドライバーに何処までツールが付属しているかは後続の書き手さんに任せます。
※現状では、ナイトのデッキとエターナルメモリを他者に見せるつもりはありません。
※真理を殺したのはアルビノジョーカーである事を知りました。

【エターナルの制限】
※エターナルレクイエムの効果は、同じエリアに存在するガイアメモリにしか届きません。
※また、その効果が持続するのは一時間だけです。


【フィリップ@仮面ライダーW】
【時間軸】原作中盤以降
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、ファングメモリ@仮面ライダーW、バットショット@仮面ライダーW、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW
エクストリームメモリ@仮面ライダーW、ダブルドライバー+ガイアメモリ(サイクロン)@仮面ライダーW、首輪(北岡)、首輪の考案について纏めたファイル、工具箱@現実
【思考・状況】
1:大ショッカーは信用しない。
2:友好的な人物と出会い、情報を集めたい。
3:草加雅人は完全に信用しない方が良い。
4:真理を殺したのは白い化け物。
5:首輪の解除は、もっと情報と人数が揃ってから。
【備考】
※支給品の最後の一つはダブルドライバーでした。
※バットショットにアルビノジョーカーの鮮明な画像を保存しています。

【首輪の考案について纏めたファイルの内容】
※首輪の内部構造、それに関する考案が書かれています。
※首輪とこの殺し合いについて、以下の考案を立てました。

1:首輪には、自分の世界には無い未知の技術が使われている可能性がある。
2:無闇に解体しようとすれば、最悪自分の世界の住民が全滅される。
3:解体自体は可能だが、それには異世界の知識も必要。
4:大ショッカーは参加者の生きる世界を、一瞬で滅ぼせるほどの兵器を持っている。



【秋山蓮@仮面ライダー龍騎】
【時間軸】第34話終了後
【状態】疲労(中)、ダメージ(中)
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考・状況】
1:自分の世界のために他世界の人間を倒す。
2:まずはこの集団に潜む。
3:協力できるなら、同じ世界の人間と協力したい。
4:同じ世界の人間を捜す(城戸優先)。浅倉とは会いたくない。
5:協力者と決着をつけるのは元の世界に帰ってから。
6:草加を警戒。
【備考】
※ サバイブのカードは没収されています(蓮は気づいていない)。
※ 基本支給品以外、草加に奪われています(蓮は気づいていない)。



062:狂気の果てに(後編) 投下順 064:いつも心に太陽を(前編)
062:狂気の果てに(後編) 時系列順 064:いつも心に太陽を(前編)
039:究極の幕開け 草加雅人 073:落ちた偶像 ~fool's festival~
039:究極の幕開け フィリップ 073:落ちた偶像 ~fool's festival~
039:究極の幕開け 海東大樹 073:落ちた偶像 ~fool's festival~
039:究極の幕開け 五代雄介 073:落ちた偶像 ~fool's festival~
039:究極の幕開け 秋山蓮 073:落ちた偶像 ~fool's festival~