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チューニング♯俺を利用しろ!(後編) ◆7pf62HiyTE




「何を言っているんですか? 僕と貴方は敵同士ですよ? そんな事出来るわけが……」


 相手が口にした事は言ってしまえば共闘の提案である。だが、本来は敵同士である筈なのにそうそう組める筈もない。


「たった1人で何十人もいる敵を皆殺しに出来ると思うか? そんな状態で戦えるとは俺には思えないが?」


 その指摘はもっともだ。疲弊した状態でこれ以上戦いのが厳しい事は渡自身が理解している。


「……つまり組む代わりに残り人数が少なくなるまで互いの世界の参加者には手を出さないという事?」


 渡自身、園咲冴子と組んでいた時期がある為、提案の主旨自体は理解している。


「少し違うな、お前の世界の連中に関してはそれで構わないが俺の世界の連中に手を出すなと言うつもりはない」


 始にしてみれば剣崎が死亡した時点で仲間と言える人物はいない。
 剣崎の仲間である橘朔也辺りは考えても良いが元々奴は自身を警戒しているし自分自身も奴を剣崎程信頼していない為、そこまで拘るつもりはない。
 そして残る連中の中には始自身の敵でもあるアンデッドがいる可能性が高い。
 世界を懸けた殺し合い故に愚行なのは承知しているものの始にしてみればアンデッドとの共闘は決して有り得ない、遭遇したならば戦うつもりである。
 とはいえそこまで細かい事情を説明する気はない為、その部分は話すつもりはない。


「僕にしかメリットが無いんですが……本気で言っているんですか?」


 だがその事情を知らない渡にしてみれば自身にしかメリットのない提案など早々受け入れられるものではない。それ故に訝しみながら視線を向ける。


「ああ、お前が奪ったカードとベルト、それにデイパックを返して貰えれば十分だ」
「僕が……素直に聞くと思うんですか?」
「言っておくが、お前がそのベルトで変身した所で俺はお前を倒す自信がある」


 その瞬間、始の周囲を漂う気配が僅かに変わった。
 それはその言葉がこの場を切り抜ける言い訳ではない事を証明していた。
 仮にサガに変身したとしても疲弊した状態では返り討ちに遭うだけだと感じさせる程に――
 実際、始には本来の姿という切り札もあるし、他のアンデッドに変身出来る以上、始の方が一方的に蹂躙されるという展開はない。


「もう1つ教えてやる。俺はさっきまで紅音也と行動を共にしていた」
「!!」


 その言葉を聞いて渡は驚いた。
 よくよく考えてみれば目の前の男は最初から自分の事を紅渡と呼んでいた。
 だが、自分自身名前までは名乗って無かったはずだ。紅という名字を持つ人物は2人いる以上それだけでは断定は出来ない。
 断定したという事は――もう1人の方ではない事を知っている。つまりもう1人の人物である音也と面識を持っているという事になる。


「父さんと……会ったんですか?」
「千年に一度の天才と言っていたな……父親?」


 ちなみに始は渡の事を音也の弟だと考えていたがその事など渡には知る由も無い。


「間違いない、父さんだ……ちょっと待って、父さんは殺し合いに……」
「いや、奴は乗ってはいない……もっとも利用させて貰ってはいた」
「父さんを利用したの?」
「自分の世界を救いたいのは俺も同じだからな。それに連中が俺を勝手に信じているだけだ、とやかく言われる筋合いはない」


 始は平然と口にし続ける。


「もし、僕がこの話を飲まなかったら……父さんが危ないって事?」
「そう取って貰って構わない」


 もっとも始自身利用するつもりなので再合流を果たしたからといってすぐに殺すという事はない。
 それでも、状況次第で手に掛けるつもりではあるという事だ。


「……父さんは今何処に?」
「乗った連中を追う為にタワーを離れた。近い内に戻ってくるかも知れないがな」
「タワーには爆弾が仕掛けられています。その事を父さんは……」
「知っている。何時爆発するか解らない事も含めてな……それで下手を打つ奴では無いだろうがな。
 もっとも、今の俺の言葉を信じないというならそれでも構わない」


 幾つか引っかかる所はあるものの男の語った音也に関する話は概ね事実と考えて良い。
 わざわざ語るべきではない『利用している』という言葉からもそれは明らかだろう。
 その前提を元に渡は考える。

 状況的にこのまま提案を拒絶する事は渡にとってデメリットが大きすぎる。
 拒絶した場合このまま戦いとなり単純に敗北する可能性も高い。
 仮に逃走に成功したとしても目の前の男が音也と再合流を果たした場合、音也が危機に陥る可能性が高くなる。
 それ以前に戦いに巻き込まれて爆弾が爆発した場合、自分はおろか音也までも爆発あるいは倒壊に巻き込まれる可能性が出てくる。

 一方で提案を受け入れた場合はどうだろうか?
 目の前の男を完全に信用出来るわけではないし何れは倒さなければならない強敵に変わりはない。
 だが、少なくても当面に限った事だが音也の安全はある程度保証され、同時に音也と名護に対する脅威が1つ払拭される。
 更に言えば単身での戦いにも限界を感じていたのもまた事実、利用出来る武器と考えればそこまで悪いというものではない。


「……1つだけお願いがあります。僕が貴方の提案を受け入れたなら、今すぐにでもタワーを離れたいんですが……父さんが戻ってこない内に」
「ああ、お前が乗るならばそうするつもりだ。お前がそう言うという事は……」


 渡はベルトを外しデイパックに戻しカードと共に始へと投げ渡す。


「貴方と組……いえ、貴方を利用させてもらいます」
「ああ、俺もお前を利用させてもらう」
「それで……貴方は誰なんですか?」
「……相川始だ」



  ▲



 かくして2人が共闘を決めた後、渡の希望通り早々に東京タワーから離れD-5に隣接するエリアであるC-5のビル街へとやって来た。
 音也達が戻ってくる可能性は多分にあったものの、21時に東京タワーのあるD-5が禁止エリアとなる事もあり、東京タワー倒壊に巻き込まれる可能性は大分低くなるという判断もあった。

 そして辿り着いた場所はC-5にあるZECT秘密基地。C-5に入った際に物音が響き周囲を探っている間に見つけた施設である。
 ちなみにその物音自体、先程までZECT秘密基地にいた人物がある参加者に追いかけ回らされた際の音ではあるが2人にはそれを知る由もない。
 何はともあれ当面はここで休息をするつもりだ。その最中、


「そういえば……何故タワーに爆弾が仕掛けられている事を知っていた?」


 何故渡がタワーの中を見ていないにも関わらず爆弾の事を知っていたのかが気になりその事について聞く。


「ついさっき仕掛けた人に会いました」
「仕掛けた奴……鳴海亜樹子に会ったのか?」
「はい、冴子さんや来人君の世界の人だから多分……」
「来人? 誰の事だ?」
「確か名簿ではフィリップになっていたと思います。冴子さんの弟だけど、左翔太郎という人の相棒でもあるそうです」
「ジョーカーの男の相棒か……」


 渡は冴子と行動を共にした際に彼女の知り合いについて話を聞いており、その際にフィリップが冴子の弟園咲来人であると共に左翔太郎の相棒でもある事を聞いていた。
 なお、ここで渡は一時期冴子と行動を共にしていたが彼女は既に死亡した事を話し、始の方も翔太郎と一時期行動を共にし今は音也と行動を共にしている事を話した。


「(……? 放送でその女の名前呼ばれていたか……? 別にどうでも良いか……)」


 渡は放送で呼ばれた死者の名前を全て正確に覚えているわけではない。
 戦いの最中であった為メモを取る余裕もなく、更に言えば名前を読み上げられた後に語られたある事のお陰で冴子の名前が呼ばれていなかった事を完全に失念してしまったのだ。
 始の方は概ね把握しているもののそこまで重要では無い為、敢えて口出しはしなかった。

「とりあえず、父さんにも仲間がいるんですね……良かった……」
「安心するのは勝手だが、何れはジョーカーの男も倒すんじゃな……話を戻す、その女が爆弾を仕掛けたのは確か何だな?」
「あともう1人います。それに便乗して……大ショッカーの幹部らしいアポロガイストという人が爆弾を仕掛けたって言ってました」
「大ショッカーの幹部か……」


 その最中、今更ながらに気になった事を問う。


「……ところで、お前はどうしてキングと名乗っていた?」
「僕がキングを受け継いだからです。僕があの人を倒し、その遺志を受け継ぎました。
 あの人は許せない人だったけど……少なくても、あの人もあの人なりにファンガイアとその世界を守ろうとしていた事だけはわかったから……」


 だからこそ、あの時の放送を担当した『キング』の言葉が許せなかった。


『一応言っておかないと、誤解されたらムカつくからさ。ってか、僕だったら最初の六時間で死んだりしないし!』


 言ってしまえば、死したキングは弱いが自分は強いという事。つまり、渡達にとってのキングは弱いという侮辱である。
 それをどうしても容認する事が出来なかった。
 キングの強さは実際に戦った張本人である渡自身がよく知っている。
 彼は決して弱い王なんかじゃない、傲慢な所こそあるが気高き誇りを持ち誰よりも強い意志と力をもったまごう事なき王であった。
 渡が打倒する事が出来たのは幾つもの幸運が重なったからに過ぎない。
 運も実力の内と言えばそれまでだ、だが運だけで勝てるならば誰も苦労はしない。
 キングは誰よりも強い王だ、少なくても放送を行った『キング』と名乗る少年よりもずっと――渡はそう考えていた。


「そういえばさっきの怪我は大丈夫ですか?」
「別に大した怪我じゃない、それより……俺の血を見て何とも思わないのか?」


 既に先程の戦いでの負傷に関しては既に完治している。
 その最中、怪我の事を聞かれ、始は自身の血を見られた事を思い出し、何故か平然としている渡にそう問いかける。
 始の流す緑色の血は自身が人間ではなく異形の存在アンデッドだという確固たる証拠、
 例え人間の中で暮らしていても血を見られた瞬間に拒絶された事が過去にあった。故に渡に問いかけるのだ。


「? 見た時は驚いたけど……太牙兄さんも青い血だったから別に……」


 だが、渡にとってそれは些細な事だ。確かに見た瞬間は多少なりとも驚く。
 しかしそれは人間ではないという事を示すだけでしかない。
 ファンガイアと人間の間に生まれ、両者との共存を願う渡にとっては全く意味のない事だ。
 何より、渡には青い血を持つ兄の太牙がいる。そんな渡にとって今更血の色で何かが変わる何て事は決して有り得ない事だ。


「そうか」


 それ以上追求する事もなく短く応えた後、始は部屋を出た。
 そして1人残された渡は躰を休めつつ考えていた。
 始の真意はわからないものの、結果として身を休める機会を得る事が出来た。
 もう暫く休めば手持ちの変身道具は全て使える様になり再び戦える様になる。
 だが、何れは始も倒さなければならない。果たして自分に始を倒す事が出来るだろうか?
 あの時の始の気配を思い出す。あれは何だったのであろうか?
 少なくても、今まで戦ってきた始とは全く違う異質のものだった。
 無論、これが気のせいであればそれにこした事はない。
 だが、もし真実ならば――

 それでも今更引くわけにはいかない。
 例え始の本心が人々を守る事であり、
 例え始がいかに強敵であろうとも、
 例え始が何よりも恐ろしい存在になったとしても、
 必ず彼をも含めた全ての敵を倒し、世界を守らなければならないのだから――
 その為に信じてくれた者を殺し、同じ一族の王を殺し、そして長年の友とも別れを告げたのだから――
 ここで引きさがる事は彼等に対する大きな裏切りでしかない。

 だからこそ渡はただ願う、虫が良すぎる話だと理解していながらも――
 せめて音也と名護、そしてキバットが無事である事を――
 共に行く事も、顔向けも出来なくとも、せめて遠く離れた所から願う事だけは許して欲しいと――


「これで良い……」


 廊下に出た始は静かに呟いた。
 何故、始は渡と組もうとしたのか?
 無論、人数が減るまでは同じ目的を持つ者を利用した方が都合良いという理由もある。
 だが元々のバトルファイトでも他のアンデッドを利用しようとしない始がそれだけでこの手段を取ったりはしない。


「確かにお前の言葉を否定する資格は俺にはない――」


 言ってしまえば、この行動を踏み切らせる切欠はキングの言葉が原因だ。
 つまり、キングのアドバイスに従って他者を利用して出し抜こうとしているのか?


「だが、それはお前の言葉を肯定するという事じゃない――」


 表向きには正解、だが真の意味では不正解だ。


「本当に正義の味方が無力かどうかを証明するのは俺でもお前でもない――あいつらだ」


 始が自分と同じ殺し合いに乗った参加者と組む事で単純に自身を強化するだけではなく2つ分の脅威を1つに減らす事が出来る。
 これにより殺し合いを打倒しようとするグループがある程度動き易くなる。
 少なくても渡に狙われようとしていた者達の危機は回避出来た事になる。
 また、始自身は早い段階から殺し合いに乗った参加者を優先して仕留める算段でいた。
 とはいえその中には始1人の力では厳しい相手もいるという状況だ。
 だが、2人ならば大分有利に進められる可能性が高い。
 当然、殺し合いに乗った参加者が減る事で殺し合いを止めようとする側が有利になる事に違いはない。が、


「もっとも、俺達を倒せないならばそれまでだがな」


 だが、これは殺し合いに乗っていない参加者を一切襲わないというわけではない。
 殺し合いを打倒する者達の最終目標は大ショッカーの打倒である。
 だが、それ自体は決して容易ではなく、少なくても参加者達よりもずっと強大である事は確実だ。
 故に最終的には自分達が立ち塞がるという事なのだ。自分達を倒せないで大ショッカー打倒などそれこそ砂上の楼閣でしかない。
 自分達を倒せるならばそのまま大ショッカーを打倒すれば良い、
 自分達を倒せなければ自分達が優勝すれば良い、
 どちらに転んでも最終的に自分達の世界の安全が保証されるなら何の問題もないという事だ。
 本音を言えば自身が倒される事で栗原母娘の元に戻れなくなる事が悲しくはあるが、剣崎達の望み通り全ての世界が救えるのならばそれでも構わないだろう。


 そんな中、始は手元にある6枚のラウズカードを見て考えていた――


「妙だな……」


 それは先程感じた強い衝動である。
 先の戦闘時、残る4枚のカードを使おうとした時に感じたものだ。
 あの時は渡への対処に追われていたが為深くは考えてはいなかったが今はその理由に気付いている。


「まさか……『あの姿』を抑えられないでいるのか……」


 それは始の本来の姿にして忌み嫌い戻るまいとしていた姿、破壊と破滅しか起こさない最強最悪の存在、


 ジョーカー――


 少なくてもその力が絶大なのは理解している。
 だが、それに変身した時、全てを破壊――
 自らの世界を含め、人間相川始として過ごしてきた全てすらも破壊してしまう気がした――
 だからこそ先の戦いで危機に陥っても戻ろうとしなかったのだ。
 無論、この場では長時間の変身は不可能、そして一度変身した後の連続変身が出来ない事は概ね把握している為、ジョーカーに戻ったとしても一見問題は無い様に思える。
 それでも、ジョーカーへの変身だけは読み切れない。
 前述の通り、相川始に戻るというのは厳密に言えば間違いだ。あくまでもハートの2のカードを使って変身しているだけに過ぎない。
 無論、先の戦闘でも一定のダメージを受けたが為にカリスから始の姿に戻った事は知っているからこの場では例外なのかも知れない。
 だが、それはハートの2を所持していたからその力で戻れたというだけかも知れない。
 もしハートの2を奪われる等して失った場合はどうなるのだろうか?
 所持していないアンデッドの姿になる事など普通は有り得ない。
 本当の意味での真の姿、ジョーカーに戻るのではなかろうか?
 無論、それ自体は何の証拠も無い仮説レベルだ。

 だが実際の所、姿さえ始に戻れれば済むという話ではない。
 ジョーカー化への衝動を抑えているカードを失った時点でその精神は破壊衝動のみによって動く怪物と化してしまう。
 外見上こそ始であってもそこに始としての心はなく、言うなれば始の皮を被ったジョーカーでしかない。
 只無差別に破壊をもたらすだけの存在となる、それだけは避けねばならない。

 では、今何故ジョーカー化への衝動を感じているのだろうか?
 確かに始自身一時期ジョーカー化への衝動を抑えられずジョーカーとなった事はあった。
 その時の原因は2つ、
 1つはキングによってハートの2を除くカードを奪われた事、もう1つは剣崎が13体のアンデッドと融合しジョーカーに匹敵する程の力を得た事、
 つまり、ジョーカーに匹敵する程の力の存在により、自身の中のジョーカーの力が高まり、手持ちのカードの力では抑えられなくなったという事だ。

 だが、ここで疑問を感じる。何故このタイミングでジョーカー化への衝動が高まっているのだろうか?
 手持ちのカードは6枚、普段より持っている数が少ない以上通常よりも衝動を抑えられなくなっても不思議はない。
 更に先の戦いの中でハートのAも一時的に奪われた為、手持ちは更に減少した5枚となり抑える力が弱くなるのは当然の理だ。

 とはいえ、この時点で対処法自体は判明している。
 かつてジョーカーとなった時は剣崎がハートのカード13枚を自身に渡してくれた事で、元に戻る事が出来、同時にその力も抑えられる様になった。
 つまり、残りのラウズカードを確保、理想を言えばハートを揃えれば問題はクリアという事になる。
 当然だが、その過程で手持ちのカードを奪われてはならない、特にハートの2だけは絶対に失ってはならない。


「だが……何故だ?」


 しかしもう1つの原因については謎だ。
 前述の通りあの時抑えられなくなった原因は剣崎が強大な力を得た事だ。
 だが、この場においては既に剣崎が死した今その原因自体は解消されている筈だ。
 つまり、考えられるとすれば剣崎とは別のジョーカーに匹敵する存在がいるという事である。
 そんな存在が本当にいるのか?
 アンデッドの総数は53体、トランプになぞらえた52体を除きジョーカーは1体だけの筈だ。
 更に言えば剣崎の様な存在が何人もいる筈もない。普通に考えれば絶対に起こりえないはずだ。

 始は知り得ない。この場にはもう1人ジョーカーが存在している事を。
 そして、この戦いの最中、徐々に両者の位置は接近しつつあった。
 剣崎が新たなジョーカーとなろうとしたが故にジョーカー化への衝動が強まったのであれば、
 もう1体のジョーカーが近付く事でジョーカー化への衝動が強まるのは当然の流れだ。
 だが、その事実をここにいる始は決して知り得ない――

 結局の所、始にとってジョーカーは本来の姿だ、それ故にその姿に戻る事自体は至極当然の流れと言える。
 運命と言っても良い――だが、


「いや……俺があの姿に戻り全てを滅ぼす存在となるのが運命だとしても――」


 脳裏に浮かぶのはあの時の会話、


『例え全ての世界を救うとして、お前はどうする? 運命を変える方法があるとでも言うのか』
『いや、それはまだ分からない……』


 それは甘い言葉を口にする翔太郎に問いつめた時の会話、始の問いに対し、


『でも俺は、絶対にそれを見つけてみせる。そんなのが運命なら、絶対に変えなきゃいけねえからな』


 翔太郎は揺るぎない表情でそう応えた。それは現実の見えていない甘過ぎる発言かも知れない。
 だが、恐らく剣崎も同じ事を言う筈だ。そして他の世界の参加者の中にも同じ様に考えている者はいるだろう――
 剣崎が死しても運命を変えようとするその心は決して消える事はない――


「それを変える切り札はある、必ずな――」


【1日目 夜】
【C-5 ビル/地下 ZECTの秘密基地】
【相川始@仮面ライダー剣】
【時間軸】本編後半あたり(少なくても第38話以降)
【状態】罪悪感、若干の迷いと悲しみ、ジョーカー化への衝動(小)
【装備】ラウズカード(ハートのA~6)@仮面ライダー剣、ラルクのバックル@劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE
【道具】支給品一式、不明支給品×1
【思考・状況】
1:栗原親子のいる世界を破壊させないため、殺し合いに乗る。
2:渡を利用し他の参加者を減らす(殺し合いに乗った参加者優先)。
3:ジョーカー化を抑える為他のラウズカードを集める。
【備考】
※ラウズカードで変身する場合は、全てのラウズカードに制限がかかります。ただし、戦闘時間中に他のラウズカードで変身することは可能です。
※時間内にヒューマンアンデッドに戻らなければならないため、変身制限を知っています。時間を過ぎても変身したままの場合、どうなるかは後の書き手さんにお任せします。
※ヒューマンアンデッドのカードを失った状態で変身時間が過ぎた場合、始ではなくジョーカーに戻る可能性を考えています。
※左翔太郎を『ジョーカーの男』として認識しています。また、翔太郎の雄たけびで木場の名前を知りました。
※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。


【紅渡@仮面ライダーキバ】
【時間軸】第43話終了後
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、返り血、ウェザードーパントに30分変身不可、ゾルダに25分変身不可
【装備】サガーク+ジャコーダー@仮面ライダーキバ、ウェザーメモリ@仮面ライダーW、
    エンジンブレード+エンジンメモリ@仮面ライダーW、ゼロノスベルト+ゼロノスカード(緑二枚、赤二枚)@仮面ライダー電王
【道具】支給品一式×3、GX-05 ケルベロス(弾丸未装填)@仮面ライダーアギト、
    バッシャーマグナム@仮面ライダーキバ、ドッガハンマー@仮面ライダーキバ、北岡の不明支給品(0~1)
【思考・状況】
基本行動方針:王として、自らの世界を救う為に戦う。
0:今暫く体を休める。
1:始を利用し他の参加者を減らす。
2:何を犠牲にしても、大切な人達を守り抜く。
3:加賀美の死への強いトラウマ。
【備考】
※過去へ行く前からの参戦なので、音也と面識がありません。また、キングを知りません。
※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。
※放送で冴子の名前が呼ばれていない事を失念している為、冴子が死亡していると思っています。


080:チューニング♯俺を利用しろ!(前編) 投下順 081:光と影
080:チューニング♯俺を利用しろ!(前編) 時系列順 081:光と影
080:チューニング♯俺を利用しろ!(前編) 紅渡 082:世界の真実
080:チューニング♯俺を利用しろ!(前編) 相川始 082:世界の真実