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志村運送(株) ◆MiRaiTlHUI



 それは、殺し合いの場にしては些か静か過ぎる夜道だった。
 あれから一時間程散策したとは思うが、純一が得た物は何一つない。
 野上達と同じような団体と出会う事もなければ、殺し合いに乗った参加者と出会う事すらなかった。
 結局純一は誰とも出会う事無く、気付いた時には地図上の警察署――警視庁まで訪れていたのだった。

(まさかこうも誰とも出会わないとはな……)

 正直言って、拍子抜けだった。
 僅か六時間で参加者の三分の一が死んでいる事を考えれば、それほど悠長な戦いでもない筈なのだが。
 たまたま自分の歩いて来た道に、他の参加者が誰も居なかったというだけなのだろうか。
 だとするなら、変身制限を大幅に消耗している自分にとっては幸いな話とも言える。
 その上、こうして暫く歩いている間に、六時間以上も前に受けた火傷や凍傷も随分と回復したのだから有り難い。
 本来の純一ならばもっと回復が早くても良い筈なのだが、それはやはりこの場の制限によるものであろうか。

(……まあいい、今は少し休もう)

 何にせよ、無理は禁物だ。今は身体にしろ変身制限にしろ、消耗した状態なのだ。
 ゲームに勝ち残るには、確実に補給をこなしつつ、他のプレイヤーを削って行くのは必須条件。
 何処かへ行くにしても、今はまずここである程度回復するのを待ってからの方が良いと判断した。
 十分な休憩ののち、何処かへと移動するのであれば……まずは病院あたりだろうかと、何となしに思う。
 禁止エリアになる前に参加者が医療品を集めに来る可能性は高く、それに気付く参加者も、恐らく多い。
 だとするなら、もしかすれば今頃病院は激戦区になっている可能性もある。
 そんな所に自分から足を運ぶのは馬鹿馬鹿しい。
 やるとすれば、善人を装いつつ接近し、全てが終わった後で、その戦いの勝者を仕留める、くらいか。
 所謂、漁夫の利という奴だ。
 今までだってそれに近い勝ち方でここまで来たのだから、今更真っ向勝負など挑もうと思える訳もない。
 僅かな時間で今後のプランを組み立てた純一は、まずは誰も居ないであろう警視庁内部で身を休めようと歩を進め、

「……ん?」

 そして、気付く。
 目の前に停められていたバイクとトレーラーの不自然さに。
 二台の車両が停められていた場所は、別に駐車場という訳ではない。
 警視庁の真前に、まるで意図的に並べられたかのような形で並列に停められていた。
 考え得る可能性は二つだ。
 一つ、何者かがトレーラーとバイクを駆り、この警視庁へ訪れたという可能性。
 一つ、最初から大ショッカーが支給品として用意した道具だという可能性。
 純一はバイクに近寄り、それにそっと触れようとするが。
 本来右のグリップがあるべき場所には、何もなく。

(このバイク、ハンドルがないぞ……?)

 右グリップだけがごっそり無くなったかのような、不自然な造りだった。
 バイクのアクセルとは、通常は右グリップそのものだ。なのに、それがない。
 走る事のないバイクなど、ただ場所を取るだけの邪魔なガラクタではないか。
 と、そこまで考えて、純一は自分のデイバッグの中に、一つの心当たりを見出した。
 大量の道具が詰め込まれたデイバッグの中を漁り、一本のグリップを取り出す。


(……なるほどな)

 そして、合点が行った。
 最初は、参加者にバイクのグリップなど支給してどうするのかと思っていたが、そういう事だったか。
 閃いたままに、純一は取り出したグリップを、バイクの何もないグリップ部に当てがった。
 両者の企画はやはり共通だったらしい。バイクは、すんなりと純一のグリップを受け入れてくれた。
 試しに跨り、ブレーキを握りながらスターターボタンを押し込む。
 同時、回転を始めたエンジンは軽快な駆動音を響かせ、ヘッドライトは眩く輝き夜道を照らした。
 パーツの欠損ゆえ、今まで誰にも見向きもされなかったバイクが、此処へ来てようやく息を吹き返したのだ。
 それは警視庁と科警研が開発したスーパーマシン・トライチェイサー2000Aが、バイクとして復活した瞬間だった。

(ククク……これはいいものを手に入れたぞ……!)

 元々、主な移動手段としてバイクを用いていた純一にとって、この支給品は非常に有り難い。
 これまで純一が乗っていた市販のバイクよりもスペックは圧倒的に高そうだし、これはかなりの僥倖だった。
 同時に、グリップは今まで自分が持っていたのだから、このバイクがここで誰かに乗られた事がないという事実も分かった。
 そう考えるなら、バイクの隣に並べられているこのトレーラーも、大ショッカーが用意した支給品である可能性が高い。
 一度トライチェイサーから降りた純一は、トレーラーに近寄り――そこで、またしても気付く。
 バイクにグリップが必要だったように、トレーラーにも、鍵が必要だ。
 そして、その鍵と思しきものを、今純一は持っているのだという事を。
 先程天美あきらから道具を奪った時の事を思い出し、鞄を漁る。

(あった筈だ、それらしい鍵が)

 純一は、あきらの所持品のうち、訳のわからないディスクと私服は放置した。
 全く以て使い道が分からない、もっと言えば、不必要だと判断したからである。
 その際に、捨てるかどうかを悩み、結局捨てずに持って来た鍵があった事を思い出したのだ。
 もしかしたら何処かで使えるかも知れないし、鍵程度なら持っていたとしても邪魔にはならないからだ。
 ややあって、すぐに鍵を見付けた純一は、それを運転席のドアへと差し込む。
 ガチャリと音を立てて、トレーラーは純一の侵入を受け入れた。

(中に何が入っているのか、確かめさせて貰うぞ……!)

 運転席に入った純一はほくそ笑みならが、後部コンテナへと続くドアを開ける。
 わざわざ鍵がなければ入れない様な仕組みのトレーラーなのだ。
 中には一体、どれ程有益なものが隠されているのか、楽しみで仕方がない。
 そして、見た。

(これは……!)

 コンテナの中に隠されていたものは、純一の笑顔をより不気味に輝かせるものだった。



【1日目 夜中】
【E-6 警視庁前(Gトレーラー内部)】
※外部にGトレーラーとトライチェイサー2000Aが配置されています。
※トライチェイサー2000Aにはトライアクセラーが装着されました。


【志村純一@仮面ライダー剣MISSING ACE】
【時間軸】不明
【状態】軽い全身打撲、グレイブに30分変身不可、オルタナティブに40分変身不可、ジョーカーに50分変身不可
【装備】グレイブバックル@仮面ライダー剣MISSING ACE、オルタナティブ・ゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式×3(ただし必要な物のみ入れてます)、ZECT-GUN(分離中)@仮面ライダーカブト、ファンガイアスレイヤー@仮面ライダーキバ
    加賀美の不明支給品0~1、ガイアメモリ(タブー)+ガイアドライバー@仮面ライダーW、トライチェイサー2000A@仮面ライダークウガ
【思考・状況】
基本行動方針:自分が支配する世界を守る為、剣の世界を勝利へ導く。
0:これは……!!!
1:Gトレーラーに身を隠し身体を休めつつ、このトレーラー内部を探る。
2:人前では仮面ライダーグレイブとしての善良な自分を演じる。
3:誰も見て居なければアルビノジョーカーとなって少しずつ参加者を間引いていく。
4:野上と村上の悪評を広め、いずれは二人を確実に潰したい。
【備考】
※555の世界の大まかな情報を得ました。
※電王世界の大まかな情報を得ました。
 ただし、野上良太郎の仲間や電王の具体的な戦闘スタイルは、意図的に伏せられています。
※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。
 ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。
※名簿に書かれた金居の事を、ギラファアンデッドであると推測しています。
※放送を行ったキングがアンデッドである事に気付いているのかどうかは不明です。

【全体備考】
※あきらの最後の支給品は、Gトレーラーの鍵でした。
※トライチェイサー2000Aはトライアクセラーを装着したままGトレーラーの隣に駐輪されています。
※Gトレーラー内部に何が隠されていたのかは次の書き手さんにお任せします。

094:Dを狩るモノたち/共闘(後篇) 投下順 096:Tを継いで♭再戦(前篇)
094:Dを狩るモノたち/共闘(後篇) 時系列順 096:Tを継いで♭再戦(前篇)
085:愚者の祭典/終曲・笑う死神(後編) 志村純一 100:狼と死神