か行の死亡者名鑑(3)






【キング(仮面ライダーキバ)】




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名前:キング
作品名:仮面ライダーキバ
登場話数:4
スタンス:マーダー
関わりの深い人物:北岡秀一、秋山蓮、五代雄介、海東大樹、園咲冴子、牙王、紅渡
関わりの深い支給品:ゾルダのデッキ、サガーク、キバットバットⅢ世
変身回数:バットファンガイア(2)、サガ(1)、ゾルダ(1)

共同戦線」で初登場。参戦時期は最終回で二度目の死を迎えた後。
 同じ世界の仲間同士で合流していた仮面ライダーナイト=秋山蓮と仮面ライダーゾルダ=北岡秀一の前に姿を現し、バットファンガイアへと変身、戦闘に突入する。二度のファイナルベントを受けても生存、油断し切った二人を不意打ちし気絶させる。この際二人纏めてライフエナジーを頂こうとしたが制限によって北岡しか殺せず、仕方なく蓮を直接殺そうとしたところでクウガとディエンドのコンビに妨害を受ける。
 複数の仮面ライダーとの連戦にも関わらず、カードが足りないディエンドを寄せ付けず最終決戦寸前の五代クウガをも圧倒する強さを見せつけたが、さすがに二つのファイナルベントを受けた後の身体でアメイジングマイティを一蹴と言うわけにはいかなかったのか、最終的には痛み分けに近い形で戦いは終わる。その際、自分の変身が強制解除されたことで即制限を理解し、多くの変身手段を持つ者が勝つというセオリーを見抜いた。

 五代達を見失ったが、その間に自身のデイパックよりサガークとジャコーダーを発見。未来で息子が纏っている鎧を手にしたことに運命を感じながらも他の参加者を狙って歩いていると、まさに運命の悪戯か、怨敵、紅渡の姿を発見する。実はキングと出会う直前から渡が参戦していたのだが、そんな彼の同じ世界の仲間同士が戦う理由なんてないという主張をキングが聞き入れるはずもなかった。サガに変身し本気で殺そうというその時キングを阻んだのは、渡の同行者である冴子の策に乗った牙王=仮面ライダーガオウだった。本来圧倒的上のスペックを誇るも、連戦で疲労したキングと牙王の戦いは互角。戦場から離脱しようとする冴子の変身したキバと、渡を狙った一撃を放った後、再び先の仮面ライダー達との戦いで蓄積したダメージによる戦力低下を認識しながらもガオウを調伏せんと挑むキングだったが、この一撃が宿敵を覚醒させてしまった。
 キバへと変身を遂げた渡が牙王との戦いに乱入し、キングも邪魔者は放置してキバとサガの一騎打ちへともつれ込む(この間、ガオウは駆けつけた電王RFが相手をしていた)。本来サガが圧倒的優位のはずだが、これまでに刻まれたダメージと、ドッガフォームのサガをも凌ぐ怪力が合わさり、遂に撃破されてしまう。だがキングはなおも倒れず、ゾルダのデッキで変身し第二ラウンドへ。バッシャーフォームへと再変身したキバとの銃撃戦に持ち込まれ、最終的に必殺技同士の激突となる。だが一枚のファイナルベントしか持たないゾルダに対して、キバフォームに戻ったキバの二度目のウェイクアップが発動される。それすら意地のガードベントで耐え切ったキングだったが、エンジンブレードのマキシマムドライブ、三連発目の必殺技にゾルダの変身も解除された。

 だが二度も必殺技の直撃を受けながら、ファンガイアの王は生きていた。そして変身の制限時間を迎え生身を晒した渡に対し、その王の真なる姿、バットファンガイアの威容を披露する。
 吸命牙はキバットバットⅢ世の働きによって回避されるも、変身できない渡なら満身創痍でも問題なく殺せる、バットファンガイアはそう思っていたが――窮地に瀕し、改めてマーダー……否、ファンガイアの王として覚醒を果たした渡の呼び声に、サガークが応えるという想定外の事態が起こる。
 疲弊し切ったバットファンガイアでは、もはや完全新生したサガに太刀打ちできなかった。一方的に蹂躙され必殺技と共に死を宣告されるも、だが無様に死ぬことだけは、ファンガイアという一族の王として許されなかった。これで死ぬのは三度目だと思い出しながら、新たな王に問答を仕掛けたキングは、彼が自らと同じく、世界のために戦う覚悟であることを悟る。忌々しい宿敵ではあるが、彼にファンガイアの世界を救う英雄の役目を任せよう。そう決意した彼は、王として紅渡に命じる。ファンガイアの世界をその力で救ってみせよ、と。該当者の死によって継承されていくというファンガイアの王位の性質上、決して果たせぬはずだった襲名の儀を最期の責務として果たし、魔王は三度目の死を迎えた。自らの役目を引き継いでくれる、新たな王に看取られて――

 原作に比べるとかなり恵まれた死に方ができたキャラだとよく言われる。彼の王としての誇りは渡へと受け継がれ、彼がマーダーであり続ける理由の一つとすらなっている(これについては、『仮面ライダーであること』から逃げる言い訳にしている面もあるが)。また、音也やキバットバットⅡ世がその死に思うことがあったり、主催側の同じ名を持つ怪人、キング@仮面ライダー剣の彼に対する侮辱に渡やキバットⅢ世、牙王までもが怒りを見せるなど、少ない登場話数ながら出会った者には決して小さくはない影響を残して逝った。

 なおAAはこのロワ内で彼が変身する仮面ライダーサガである。紛らわしいが彼は大牙兄さんではなくその父たる過去編のキングである、念のため。


称号【原作より幸せに死んだ魔王】




【草加雅人】




       N'~           〃  ミミ:、 ヾ,)z
        i       川川川/  '´彡ミミ  Y',
       /  ミミヽ、ミ州州州,.=-=-、  ミミ 災ヾ、 ハ
       フ   ,;彡=-'"~´      `ヾ:ミ   ミミ彡'
      、j;   {"´:.:.:.            ゞミ ミ=-' ';"
      ゙i;   ;i:.:.:.:.    :.  .:   _,,.、 `ヾ:、 ;彡'
      ツ   j:.:.:.:..   、ヾ:.、 ,  /〆´   ゙{:ミ、{ iY
      ゙=-、  }:. {`ー--、 j ハ -'"r雅ア    川'j /
        ぐ;ハ:.. `<草;` ゙.::  :.、~´ ' .:    ハ_ノ
         ゙j;ヽ:.    ,:' .::.          fミ{、
          ナjヽ:.      .:::.  `i、;:..     /χ彡
          ゙j"ヽ:.    、r-、.ノ~` ヾ:,  :  ル彡'
          〃 ゙ヽ:.    ,. -yー,ィェェゝ :  イミ:、 ,.
           `xナヽ:. ,ィ-'、ェエエ'"´ ``    |'  ゙"
            、,;メヽ:.   ー-:         | ̄ハ
              / `ト:、:.  ' ゙  /    i;;;/ ヽ
        __,.:-:一'"フ~  ヽ:.:`.:.-:─:.´     」:/  ヽ.、_
    /" ̄   ;'  |     \:.:.:.:,;  ;,.   /;:;/   \  ` ̄`
,..-‐'"      ;,   |      ヾ:\     /;:;:;:;/     i  ;,
          ;,  |      ヽ;:;:\ /;:;:;:;:;:;/      |   ;,


名前:草加雅人
作品名:仮面ライダー555
登場話数:6
スタンス:ステルス
関わりの深い人物:園田真理、フィリップ、五代雄介、海東大樹、秋山蓮、金居
関わりの深い支給品:カイザギア、ファングメモリ、バットショット、ナイトのデッキ、T2エターナルメモリ、ロストドライバー、デザートイーグル
変身回数:仮面ライダーカイザ (2)

 「オープニング」から登場。死神博士との会話で本ロワが世界対抗戦という一種の陣営戦であることを明らかにする功績を上げる。
 いざ殺し合いが始まれば、やはり何よりも大切な存在である真理を探し行動していた。だが発見した時には一足遅く、真理は既に殺害されていた。
 その死体を検分するフィリップを犯人だと――否、殺し合いに優勝して彼女の蘇生のための贄だと認識し、カイザに変身して襲いかかる。ファングメモリの妨害に遭うも、フィリップは容易に仕留められるかと思われたが海東大樹、そして五代雄介が登場。明らかな不利からこの場は説得された風を装い、彼らとチームを組む。
 その後バットファンガイアに殺されかけていた秋山蓮を他のメンバーが救う中、草加自身はどさくさに紛れて蓮の装備を手中に収めていた。ナイトのデッキは無論、自身に支給されていたロストドライバーと対応するエターナルのメモリをも……

 バットファンガイアから逃げ延び、園咲邸に逃げ込んだ他のメンバーは打倒大ショッカーに向けて行動するが草加は彼らに蓮を警戒するように告げる。助けはしたものの彼が危険人物ではないと限らないという当然の意見だったが、真意は出会い頭に自分がフィリップを襲ったために抱かれている警戒心を少しでも蓮に移す事だった。目が覚めた蓮にも挑発を行いつつ、あくまで自分はフィリップら仲間を大切に想っている人物であるかのように振る舞うことで、信頼と疑心のバランスを整えて行く。その過程で、フィリップが撮影した園田真理の仇=アルビノジョーカーの姿を知る。
 その後の蓮を加えた情報交換で、大方の読者の予想を外し乾巧は信用できると発言。しかし他のオルフェノク達はマーダーは誰もいないにも関わらず悪評を流された。

 警察署を経由してE-4の病院に向かうことにした彼らは移動を開始。その道中東京タワーの様子に気づいたフィリップの言葉を受け、彼と海東がまず一時離脱。さらに五代も銃声が聞こえたとして狙撃者を探しに行き、蓮との二人っきりとなる。元々挑発した草加が原因だが険悪なムードの中、デッキやメモリは海東が盗んだのではと蓮に吹き込もうとするが通用せず、互いに手が出せる状況ではないものの対立は確定的となった直後五代が帰還。だが明らかに様子がおかしいと感じた次の瞬間、五代は警告を発すると共にライジングアルティメットへと変身を遂げた。暗黒掌波動を受け吹き飛ばされ、着地した時点で蓮と距離が開き過ぎ、彼を盾にはもうできないと舌打ち、カイザとなってライアルに挑む。
 相手が五代だろうと容赦せず猛攻を加えるカイザが一見優勢だったが、原作と違い謳われている通りの戦闘力を誇るライアルには必殺技でさえまるで通用しなかった。五代を操る金居によるライアルの性能実験に付き合わされる形で弄ばれ完敗、カイザドライバーの武器も奪われてしまう。さらに言えば、確保していたナイトのデッキとエターナルメモリも最初の一撃の時点で取り零した挙句蓮によって回収されてしまった結果、装備充実強ステルスマーダーから一転、貧相な弱小マーダーへと成り下がってしまう。
 このままでは真理を救えない――そう思った草加を襲う頭痛の正体は、体内に埋め込まれたオルフェノクの記号の力が弱まり、カイザの力の反動が現れた灰化現象だった。絶望の中で草加は全ての真相を知るだろう父の名を呼びながら、意識を失う。

 放送後しばらくして目を覚ました草加は、もう正気を保っているかも怪しかった。真理の名を呼び、自分達を一度は殺したオルフェノクへの憎しみを剥き出しにして、あてもなく彷徨うだけ。何もないところで転倒し、落としてしまったカイザギアに手を伸ばすと、何者かがそれを先に回収した。
 突然の来訪者に対し、草加はチャンスを見出す。フィリップのようなお人好しであれば利用できるし、自分を利用しようとする輩でも同じように利用し返してやれば良いと。
 だが返答は一発の銃声。カイザギアを拾っていたのは戻ってきた金居だった。
 脳天をデザートイーグルによって撃ち抜かれた草加は、真理への愛に生きたその生涯に幕を降ろした。

 初代ライダーロワではステルスマーダーとして活躍した草加だったが、今回は途中までは疑心を持たれつつも万全に近かったが、ライアルによって全てを台無しにされた形であった。真理の命を奪った志村純一も徐々に追いつめられている様子を見ると本ロワはステルスマーダーに厳しいのかもしれない。
 ところで草加も木場や真理と同じく、剣の世界からの参加者、それも怪人であるアンデッドに殺されることになった。このロワには555<剣の法則でもあるのだろうか。

 彼の命を奪った凶弾の声を聴き、すぐ後に駆けつけられる位置に彼の大嫌いな巧が居て結局間に合わなかったのはなかなか悲劇的である。
 もしここで巧達が金居より先に草加と合流していれば、彼らがその後に金居と戦う原因となった銃声もなかったので、天道の死もなかったかもしれない。
 無論、洗脳された五代の存在から激突の可能性は十分に考えられるが、そうなると(草加だし)称号は次のようになるだろう。

称号【「俺が死んだのも全部乾巧って奴の仕業なんだ」】






【紅音也】


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名前:紅音也
作品名:仮面ライダーキバ
登場話数:8
スタンス:対主催
関わりの深い人物:ン・ダグバ・ゼバ、浅倉威、木野薫、園咲霧彦、乾巧、天道総司、門矢士、矢車想、鳴海亜樹子、相川始、左翔太郎
関わりの深い支給品:イクサナックル(プロトタイプ)、ライアのデッキ、キバーラ、サイドバッシャー
変身回数:仮面ライダーライア(1)、仮面ライダーイクサ(1)

 「滂沱」で初登場。死亡後からの参戦。同じく対主催の園咲霧彦、乾巧と遭遇して霧彦と恋愛観の違いで口論になり、クロスカウンターで互いの頬を殴ったりしていたらン・ダグバ・ゼバ、仮面ライダー王蛇=浅倉威、テラー・ドーパント=木野薫が現れる。だが変身を横着して霧彦達に戦いを任せようとしたらテラー・フィールドの直撃を生身で受け気絶、以降二話ほど続く乱戦の中意識不明の足手纏いとなってしまう。
 だが乱戦も終盤、天道総司が殿を務める撤退の際テラーを受けたにしては後遺症もなく早期に起き上がり、野郎を助ける趣味はないが、彼らの心が奏でる音楽を護るために瀕死の霧彦達を背負ってその場を離脱する。
 残念ながら霧彦は命を落としてしまったが、彼の遺志を継いで全ての世界を救うために行動を開始する――ただし男と仲良くする趣味はないとして天道達と別れ、単独で行動を開始する。
 立ち寄った病院で、異世界の自分を知る門矢士と合流。さらに士の旅の仲間であるキバーラと、その同行者である矢車想が現れる。キバーラの失言で夏海の死を知り、憎悪のままに破壊者と化そうとした士を根性注入と称して殴りつけた音也は、父が我が子を導くように、夏海が本当に願うことは何なのかを士に思い出させる。直後に東京タワーから発せられた亜樹子の放送を聞いた音也は、一も二もなく彼女の元へと向かうことを決意する。罠だと言われても、か弱いレディーが助けを求めているととりあわず、逆に士に命ある限り戦うという仮面ライダーとしての心を取り戻させた。

 タワーへの道中、サイドバッシャーに乗った左翔太郎と相川始のペアと合流。霧彦の仲間である翔太郎に彼の最期を伝え、情報交換を行いながら、共にサイドバッシャーで東京タワーに到着。タワーに仕掛けられた爆弾や鏡の中に潜むゼール軍団、そして亜樹子の放送が他世界の参加者を殺す罠だった可能性に気づく。始の冷徹な指摘に翔太郎が怒りを見せ、緊張が走る――が、音也はそれがどうしたと言い切り、流れていた不穏な空気を払拭する。
 そこで、翔太郎がタワーから離れようとする浅倉威を発見。始の提言により彼をタワーに残して翔太郎と二人で追跡を開始する。戦闘前の問答で彼が最初に遭遇した王蛇であること、テラーメモリを喰らいその力を取り込んでいることを知る。ファムの鎧からその持ち主である女性のためにも浅倉を倒すと決意を強める音也だが、ファムの幻惑能力によってライアのデッキを破壊され、追撃をかわした結果川落ちしてしまう。
 放送が始まった直後に助けに来てくれた翔太郎とともに何とかE-3エリアに上陸できたが、目的地である東京タワーとは反対であり、暖を取りながら二人揃って行動方針を決めあぐねていた。

 一時間後、E-2エリア市街地を探索していると白い服の男――霧彦を殺したダグバと再会、そのことを翔太郎に直接伝えはしなかったもののイクサに変身、ダグバの変身したリュウガへジョーカーと共に挑む。無鉄砲なジョーカーをフォローしつつ、必殺技の連撃で勝利を収めた直後、デッキを破壊されたことで出現したドラグブラッカーからイクサを救ったのは、男だからと疎ましく扱っていた翔太郎――ジョーカーだった。自分を庇って彼が傷つけられたのを見た音也は怒りのままにドラグブラッカーを撃破するが、今度は無傷のダグバが現れた。今の音也では自分を怖くできないとして一度は見逃されるが、音也は人の命と音楽を奪う悪魔をこれ以上野放しにすることをよしとせず、疲労とダメージの蓄積された状態で自ら戦いを挑む。
 だが攻撃はまるで通じず、数度殴られただけで全身の装甲に亀裂を生み、仮面も破壊され素顔を晒してしまう。その様を見てダグバはもう戦えまいと判断したが、それでも自分のコンサートはまだ終わっていないと、音也は再度立ち上がる。超自然発火を受け完全にイクサを破壊されながらも、愛した女達への感謝と謝罪、出会って来た仲間達への心配と激励、名護への渡を支えて欲しいという依頼――そして息子に対して自らと同じように人と音楽を護り、自分が死んでも強く生きろという祈りを胸に、自らを焼く劫火すら巻き込んだブロウクン・ファングをダグバに叩き込み、そして燃え尽きた。
 命を懸けた一撃は、ダグバを討つことなく終わってしまった。だが一度倒れた時もしも立ち上がらなければ、翔太郎も殺されていたかもしれない。原作で最後まで魔族の王に抗い抜いたように、究極の闇が相手だろうと最後まで譲れないところを譲らぬまま、千年に一度の偉大な天才は息を引き取ったのだ。

 彼の亡骸を見た翔太郎は酷く傷ついたが、そこに駆けつけた名護によって立ち直った。名護はさらに自分が変わるきっかけとなってくれた音也への感謝を述べ、渡を支え、また音也の代わりに人の心の奏でる音楽を護ると、まるで音也の遺言を聞いていたかのような宣言を行い、二人の若い仮面ライダーを見事に導いている。音也が命懸けで護った翔太郎も、その遺志を継いだかのようにイクサに変身し、人々を脅かすグロンギと激闘を繰り広げた。

 原作のように、登場当初こそ「何言ってんだこいつ」な言動だったのが話数を重ねるごとに大物感を増して行った。名護や士のように、彼に導かれた者達は葦原涼や擬態天道など、また別の悩める者達を救っている。翔太郎の言葉を借りれば、その魂(こころ)が受け継がれて行く限り、仮面ライダーは不死身だと言うことなのだろう。
 息子である渡が宿敵キングの遺志を継いで修羅に堕ちてしまっていることは彼にとっても心残りだろうが、同じく音也の遺志を継いだ者達は多い。本当に渡が改心できるのかは不明だが、希望を繋いでくれる者がいる限り、父は息子を救うまで何度でも蘇るだろう。



称号【ライダーの父】





【紅渡】



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                ヽ//`ヽ               , イ//
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                       { l: : : : :.:.:.l :l l: : : : : : : :,'/
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                        Λ ヽヽヽ} `´ {////、/ヽ\_}__l_        /,...\
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                   /フ、 ヽ'´:::\l_l__/'´//   ト、'"´ /    〈__,〉 / /    `l |
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    ト、       /}_/        ̄l|`^´`^´ /         ,' l ヽ、二=ゝ,{::::::}{::::{::::i::::|  /
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AAは彼が平ライロワで変身し、ファンガイアのキングの象徴でもあるダークキバ。
本ロワでの彼はキングとしての活躍の印象が強いので


名前:紅渡
作品名:仮面ライダーキバ
登場話数:21
スタンス:世界保守→???→対主催
関わりの深い人物:門矢士、擬態天道、名護啓介、小野寺ユウスケ、アポロガイスト、金居、相川始、五代雄介、園咲冴子、加賀美新、キング(キバ)、キング(剣)、牙王、
関わりの深い支給品:キバットバットⅡ世、キバットバットⅢ世、サガーク、ウェザーメモリ、ゾルダのデッキ、エンジンブレード、ゼロノスベルト、サソードヤイバー、地の石
変身回数:キバ(3)、サガ(3)、ゼロノス(3)、ゾルダ(2)、ウェザードーパント(2)、ダークキバ(3)

仮面ライダーキバ現代編の主人公。今回の参戦時期は思い人である深央を殺した直後。
エレジー♪支えてくれるひと』で初登場した彼はその不安定な参戦時期の為に殺し合いに乗り、優勝報酬で自分の存在を消して貰うことを望む。
遭遇した加賀美は彼を説得しようとするも聞き入れてもらえず、四苦八苦しているところに冴子が乱入し二人は戦いに。
相棒のキバットは渡が殺し合いに乗ることを享受しなかったので変身も出来ぬまま戦いに赴こうとするが、心優しいキバットは結局彼を変身させてしまい、三つどもえの混戦に。

あくまで仲間として接してくる加賀美の言葉を否定し、自分は仮面ライダーなんかじゃないと彼を殺そうとする渡。
それでも加賀美は彼を止めようとしていたが、10分の変身制限が訪れ渡自身の意思とは関係ない不可抗力で加賀美を殺害してしまう。
この意外な展開には覚悟を決めたはずの渡も動揺を隠しきれず絶叫してしまい、その甘さを隙と考えた冴子に利用関係の提案を受ける。
これにより渡は半ば強制的に互いの仲間となる存在には手出しをせず、残り数人になるまでは利害関係の一致ということで協力関係となる、という契約を彼女と結ぶことに。

その条件として互いの一番信用している変身道具を相手に渡すこととなり、渡はキバットを冴子に手渡すこととなった。
加賀美を殺し、もう後戻りは出来ないと覚悟を固めた渡だが、道中で死体を見て吐いてしまうなどやはりまだ甘い。
だがそんな中途半端なままで勝ち残れるほど殺し合いは甘くなく、次に彼が遭遇したのはファンガイアのキング。
時系列の差によって渡からすれば初対面の相手だというのに向こうはバリバリ敵対意識を抱いて渡を襲ってくる。

同じ世界の参加者なんだから戦う理由などないという渡の言葉に耳もくれずサガに変身して襲いかかるキングを止めたのは、冴子の策略によって宛がわれた牙王だった。
彼が時間を稼いでいる間に冴子からキバットを返して貰って形勢逆転……とならなかったのは、肝心の冴子がキングの攻撃から渡を庇い死んでしまったから。
歪な協力関係ながらこんな自分でも頼りにしてくれた冴子が死んでしまった事に怒りを燃やした渡は覚醒し、キバとなって宿敵キングに立ち向かう。
エンペラーフォームにすらなれない状態でありながらサガ、ゾルダを連続撃破した渡はバットファンガイアとなったキングに対して自分こそがキングに相応しいと宣言。

これによりサガの鎧の資格を得て、動揺するキングをスネーキングデスブレイクの一撃で葬り去るのだった。
そして渡は死に際のキングからこれから自分が為すべきこと、その為に王としての使命を果たすことを宣言し、彼から王の座を受け継ぐ。
新生のキングとなった渡に今度こそ迷いはなく、キバットの言葉さえ遮って戦いを続ける為に自分の存在を消すことさえ厭わずゼロノスに変身。
牙王を倒す事は叶わないながらもその場を後にし、豊潤な変身アイテムを手に東京タワーへ向かうことに。

道中キバットに東京タワーに向かうのは亜樹子の放送を聞いて心が揺らいだからだ、などと指摘されるが真意は明らかにせず。
或いはここで本当に亜樹子が善意で放送を行っていれば状況は違ったかも知れないが、彼女は東京タワーに人を集めた上でタワーを倒壊させ集まった人々を皆殺しにしようとしており、それを知った渡は激怒。
涙を流しながら彼女を批判した後、もう渡としての善意ではなくキングとしての非情で殺し合いから一歩も退かない覚悟を固めてしまう。
そしてこれ以降本当に立ち止まらないつもりの渡はウェザーとなってキバットを彼方へ飛ばし、生涯を共にしてきた彼と離別を言い渡す。

その後はアポロガイストとの戦いをウェザーで余裕の勝利を収めるものの、デイパックからゾルダのデッキを盗まれ変身されてしまった為に逃走することに。
また逃げてしまった自分自身の弱さを噛みしめつつ次は逃げないと決意していたところ、殺し合いに乗った始と出会い両者生身のまま戦うことになる。
一応は作戦勝ちで彼からラルクバックルを盗んで変身出来る姿勢になるも、ここで第一回放送の時間となる。
担当者であるアンデッドのキングが脱落したファンガイアのキングを罵ったことに怒りを募らせていると、同じくヘイトを高めた始からの提案で彼と協力関係を築くことに。

情報交換を終えて街に繰り出した二人は建物の前に放置されたバイクを見つけ、そこに隠れていたアポロガイストを発見。
主催である大ショッカーの幹部である彼から世界崩壊の原因はディケイドが存在していること自体にあるとの言葉を受け、渡は若干ディケイド渡っぽく変貌。
ディケイドの破壊を第一目標と据えた彼はそのまま協力者を募りに最東端の屋敷に赴き、そこで金居とライジングアルティメットとなった金居を発見する。
その圧倒的な強さを見てディケイド討伐の為に必要な人材だと見込んだ渡は金居との協力を渋る始を説得、彼らと【Dを狩るモノたち】と呼ばれる最凶チームを結成。

凄まじい過剰戦力で東病院を襲って、渡はゾルダのエンドオブワールドを病院にぶっ放し戦いの火蓋を切る役目を担う。
幸か不幸かそれによる死者は出なかったものの病院に集まった対主催陣営の人数もかなりのものだったが、渡はその中でも本命であるディケイドと交戦。
ゾルダを打ち破られながらも彼が父である音也を殺したと勘違いして怒りを漲らせウェザーで圧倒。
そのまま世界を破壊に導く悪魔を殺せるかと思ったが、死んだと思われていた巧が邪魔をする。

そして満身創痍であるはずなのに世界の破壊者を助けようとする巧と、そんな彼に勇気を貰い立ち上がった士の姿を前に、渡のディケイドは滅ぼすべき最悪の事象であるという思考は揺らぎを見せ始める。
士の説教を聞き、彼と巧の絆の証であるFFRを前に敗れ去った渡は、五代を操れる地の石を持っていた金居が死にかけているのを見て士を見逃す決断を下す。
その結果として地の石を手に入れる事には成功したものの、ジョーカーとして暴走した始に攻撃されて裏切られたと勘違いし、単身でその場を後にすることに。
利用関係の上っ面な付き合いとはいえまたしても裏切られたという寂しさを抱きながら西側に向かった彼は、飛来してきたレンゲルバックルからもう一人のクウガ、小野寺ユウスケの存在を知る。

地の石でユウスケを操れれば今度こそライジングアルティメットは自分のものになると意気込んで市街地に向かった渡はそこで第二回放送を聞き、以前の冴子の死が嘘だったと知る。
自身が彼女の為に怒ったことも無駄だったと虚しさを覚えつつ進んでいたところ師匠である名護と出会ってしまう。
出来れば出会いたくなかった彼と熱い言葉を交しあい、生身での殴り合いを経て自身の負けを認めるが、もう紅渡には戻れないとゼロノスの赤カードを用いて名護から自身に関する記憶を消すことに。
この悲しみを見初められ、キバットバットⅡ世の力をも得ることとなった彼はそのまま南下してダグバと仮面ライダーたちの戦いを観戦。

漁夫の利を狙うつもりだったが翔太郎の言葉から音也を殺したのが本当は士ではなくダグバだと把握した為に怒りを滾らせダークキバに変身して戦闘へ乱入。
13体融合のブレイドキングフォームになった翔太郎と協力してダグバを下し止めを刺そうとするが逃げられる。
ならばとばかりに生身となった翔太郎らを殺そうとしたところ擬態天道に阻まれ、どころか駆けつけてきた名護の手によって攻撃されてしまう。
自分で記憶を消したはずなのにそれでもショックを隠しきれなかった彼は自身を敵と見なす名護という光景から逃げ出す為にその場から逃走することを選ぶのだった。

キングとしての自分が貫き通せず仮面ライダーを殺せていないことに苛立ちを覚え始めた彼が次に出会ったのは、目的としていたユウスケとかつて別れた相棒、キバットバットⅢ世だった。
説得を試みるキバットに再び離別を言い渡し、ユウスケを地の石で洗脳しようとする渡。
だがユウスケはその支配をも撥ね除けて、どころか地の石を経由して渡の心を読み取り、その悲しみと躊躇を見抜く。
その動揺もあってか基本4形態しか変身しないクウガを相手に、サガへ変身したというのに敗北してしまった渡。

彼の言葉を受けて、士本人の言葉を信じたいと願っている自分が心の中にいるはずだと突き付けられ、渡は困惑してしまう。
どころか士が本当に渡の懸念するような破壊者だったなら自分が倒すとまで言われてしまい苦悩してしまうも、ここでアンデッドのキングが邪魔に入る。
ユウスケが戦いに行くのも無視して逃げだそうとするが、キバットの言葉を受けて戦う決意を固め、数時間ぶりに仮面ライダーキバへと変身。
サイコローグは勿論ナイトサバイブさえも容易に撃破してそのままコーカサスアンデッドをも下そうとするが、ここで強化形態に変身したことで早まった変身制限のせいで変身が解除されてしまう。

だが放たれたキングの攻撃から生身の渡を守ったのは、やはりというべきか彼の相棒であるキバットであった。
死にかけるキバットを手に再び罪悪感を募らせた渡はサソードへの変身を果たして逃走、相棒の死を看取ると同時に彼の命を奪った”キング”の名で呼ばれることを忌避するように。
これによりキングとしての覚悟が揺らぎ始めるが、第三回放送で神崎の言葉を聞いて戦わなければならないと再起。
破壊するかどうかは明らかにしないままにディケイドを探そうと歩き始めるが、ここで出会ったのは名護の弟子である擬態天道だった。

名護の記憶を消したことを言い当てられ、まるでかつての自分の生き写しのような擬態の姿に渡はもう紅渡として戻れる場所はないと悲しい決断を下す。
忌むべきキングの名を名乗って擬態を殺して修羅の道を往こうとする渡に対し、擬態はあくまで天の道を往くとして衝突。
だがまたしても渡が答えを出すより早くドラスの邪魔立てが入り、彼は不本意ながら擬態と協力して戦う事に。
ダークキバとしては敗れるも、擬態の尽力によってドラスを撃破、気を失った擬態に対して渡はその手を下そうとするが、それを止めたのは意外にもキバットⅡ世だった。

音也の名前を殺しの正当化に使おうとする魂胆が気に入らないと吐き捨てた彼によって渡は遂に見捨てられ、最期の拠り所だったキングとしての称号すら失ってしまう。
もう何物でも無くなった渡は擬態を殺すことも出来ぬまま彷徨うように西病院へと向かい、以前と違って奇襲することも出来ずに来院。
だが、そこにいたのが他ならぬ名護だったので戦う事も出来ず、彼らは再び話し合うことに。
記憶が消えているというのに熱く自分を助けようとする名護を前に渡も自分を見捨てさせようと全力を尽し、遂には自分が擬態を殺したと嘘をつく。

これには流石の名護も言葉を詰まらせたが、居合わせた士によって事態は急変する。
戦いの中で渡の真意を見抜こうと連れ出された直後、病院をキングを吸収したネオ生命体が襲ったのである。
その圧倒的な強さを前に名護も士も敗れ去り、遂にディケイドが破壊される……という瞬間、渡は思わず飛び出していた。
例え相手がどんな存在であれ、その心に流れる音楽を守りたいという心の声が、彼を突き動かしたのである。

キングとしての誇りも失い、しかし罪の意識から紅渡に戻る選択肢もとれず雁字搦めになった渡。
だがそんな彼を救ったのは、どこまでも諦めない名護の熱い言葉と、父音也から受け継いだ士の鉄拳だった。
士を通して父の言葉を聞き、更には士の言葉と深央の許し、そして士が自身と同じく大事な女性を失った一人の青年だということを理解した渡は、遂に紅渡として生きる覚悟を固める。
再起した彼のもとへ音也の息子として協力するとキバットⅡ世も現れて、渡は士と共に宿敵キングの執念とも言えるネオ生命体へと挑む。

士の説教に心動かされ、彼と心を通わせてキバの力を託す渡。
怒濤の勢いでネオ生命体を圧倒し、ディエンドによって召還されたキバアローに亡き友の姿を重ねて彼は因縁に終止符を打つ。
だが、物語は全てめでたしめでたしでは終わらなかった。
生き残っていたネオ生命体のコアが最後の力で士を打ち抜こうとし、その攻撃から渡は身を挺して士を庇いその腹に風穴を開けることとなってしまったのである。

何故自分を庇ったのだと問う士に渡は言う。士の中には、音也のものも含めてあまりにも多くの人の音楽が流れている。それを守りたかったと。
そしてやり直すと誓ったのにそれを果たせなかったことを名護に謝罪し、彼は最期に師に告げる。
彼らが最初に交したのと同じ、名護を称え最高だと敬う、その言葉を。
それに対し偶然か必然か、名護もその時と同じ言葉で渡に返すが、しかし既に息絶えた渡はもう、彼の言葉に応えることはなかった。



平成ライダー主人公の中で今回唯一のマーダー参戦となった渡。
そのドラマはあまりにも濃厚で、人気も高く当ロワにおける主人公だという声も根強かった。
宿敵からのキングの継承は勿論、そこから数多くの彼を見捨てようとしない仲間達や死んだ父の言葉によって再び紅渡へと覚醒するまでの流れは、まさしくこのロワのドラマ担当と呼ぶに相応しいだけの熱量を誇っていた。
また原作ではあまり見られなかったキバットⅢ世とのバディ描写や、ディケイド渡の流れも汲んだ退場話での士との交流など、紅渡としてこれでもかと詰め込まれたストーリーは多くの読み手の心を動かし、彼に特別強い思い入れを持った書き手も多い。

そんな彼の称号は、まさしくその主題歌にもあるように全ての煩わしい運命を解き放ち自分の心のまま生きようとした彼の生き様を称えて。

称号【ブレイク・ザ・チェイン】


【剣崎一真】



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名前:剣崎一真
作品名:仮面ライダー剣
登場話数:5
スタンス:対主催
関わりの深い人物:東條悟、光夏海、矢車想、ダークカブト、門矢士
関わりの深い支給品:ブレイバックル、ガタックゼクター
変身回数:仮面ライダーブレイド(1)、仮面ライダーガタック(1)

俺を動かす力」で初登場。もちろん彼が殺し合いに乗ることはない。1stでは一応サラマンダーだったけど。
ヒートメモリとケータッチを支給された彼は、それを持ち主に届けようとする。
だが、配置場所は死亡フラグの病院である。
いきなりマーダーである東條悟に遭遇するが、まずは彼も情報交換を始めたため、ライダー同士が殺しあう龍騎の世界の実情を知ることになる。その世界の存在を嘆き、かつてのカリスの言葉を彼に教え諭すも、相手は剣崎を馬鹿と見て攻撃。
ブレイド対タイガの戦いになるが、仮面ライダーの戦いに耐えられなかった病院の床は崩壊。下階で戦っていた光夏海(仮面ライダーキバーラ)、ネガタロス(仮面ライダーネガ電王)、矢車想に鉢合わせる。そこから混戦になるも、なんとかネガタロスは撃退される。
その後、ダークカブトの接近という最大の死亡フラグの中、
誰も変身できないという魔の状況に。
ダークカブトと鉢合わせた彼は、生身で特攻し、他の仲間を逃がす。
しかし、そこへ偶然通りすがった仮面ライダーディケイドに危機を救われ、加賀美の死後さまよっていたガタックゼクターに認められて事態は好転。
士と一瞬でも心を通わせた彼の魂はカードどして再現され、自らの変身した姿・仮面ライダーブレイド(カメンライド)と共闘。
ダークカブトは撃退したが、彼に受けた傷は深く、変身解除直後に絶命。

1st、NEXT、ニコロワβなどいずれのロワでも早期退場し、1stエピローグで封印され、破棄されたSSでも死亡している彼。本編のラストで不死となる彼の最後とは対照的である。
死に様がカッコいいので、このSSしか見つからないのが勿体無いのだが、死にまくりな彼の称号は……。

称号【死に愛された男】




【ゴ・ガドル・バ】




               ,_-´`i
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              丶 i  |
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               ,,>丶 `  ゙゙, i ヾヽ ヾ -〈 .i 〈 ヽゝ  ヽ、
       ,、      ,ゞ゙´,_ヾ `._ ,.= -ー-=i´  iiヽヽ `.\ `ヽ ヽ`ヽ
      ./i .\. ._, -イ-=,__., - .イi i i i l゙`i,l゙∨ヾ=/i l `.>.、 、_ヾ .\ヽ
     /.i.. .、.ノ..ソノノi (ソi ゙` i、.ii l ヾ、 ´  ` ,/./ .i .,i´`i゙ ヽ、.(  、._.i
    ./ i /ヽ= ´-´´ ヽ,.ソ,i.ノノ ヽ= -  ,_ _,.-´///.ヽi.i∥_ - .> 、ヾ ヽ,i
   / // ,´  _, - ´ ´k_,.-<_   .`゙ーi i-´.,/,´ .〈Oi      .\ヾ i l
  ./,// 〈- .=´ ´,-= ´´゙  `  ̄.`.ー 、_,./     i.ii l      ヽ\ノ
  i  /.,iミハ .,_ /´  _        ソ .l   ゙ヽ   〈O.iヽ      ヽ
  .l  .// .ミi/    ./´ .`゙ -  、 _ ,ノノ ヾ  i .  i ii.i     , - _ヽ,
.  i // _, lハ 、/ ´  ,._    `.ヽ.i ´  \  .i  ,,/ヾ-i .  /   _- .i、


名前:ゴ・ガドル・バ
作品名:仮面ライダークウガ
登場話数:9
スタンス:マーダー
関わりの深い人物:小野寺ユウスケ、海堂直也、相川始、左翔太郎、ン・ダグバ・ゼバ、乾巧、天道総司、名護啓介、擬態天道総司、葦原涼、門矢士
関わりの深い支給品:タツロット、アームズメモリ、サイガドライバー、メタルメモリ、ブレイバックル、 カブトエクステンダー
変身回数:怪人態(5)、アームズドーパント(2)

その力、誰の為に」で初登場。参戦時期は第45話、クウガを倒した後。偶然発見した、最強を名乗る海堂直也に戦いを挑み、観念して向かって来たスネークオルフェノクを口だけの弱者だと断じ圧倒する途中、宿敵クウガが乱入して来る。実はこのクウガは五代ではなくユウスケなのだが、そんなことを知るはずもないガドルは随分と弱くなったクウガを痛めつけるだけだった。一度は逃げたはずの海堂がライオトルーパーに変身して向かって来ても敵ではなかったが制限によって変身解除、その隙に二人が逃亡したため勝負はお流れとなる。
 続いて相川始が変身したカリスと激突し、これまた優勢に勝負を運ぶ。ここで始は一度ジョーカー化しそうになったが、実際には左翔太郎が仮面ライダーのジョーカーとして乱入したことでガドルは死神との戦闘を知らぬ間に回避した。実力も能力も比べるまでもなくガドルが上だったが、翔太郎はここ一番の勝負強さでマキシマムドライブを顔面に直撃させて来る。直後、拳の威力にではなく時間制限でガドルは変身が解除されてしまい、撤退を余儀なくされる。
 別の市街地を目指し移動中、ダグバとの予期せぬ遭遇を果たす。戸惑いながらも応戦しようとして、変身が未だ制限されていることに気づいて焦るガドルだったが、変身できなかったのはダグバも同じだった。そんな状況でも笑顔を消そうとしないダグバの雰囲気にガドルは呑まれてしまう。見逃された結果、ダグバを甘く見ていた自分を恥じ、変身制限のことも考えようやく支給品を確認、魔皇龍タツロットと出会う。
 敵対者を強化するタツロットだが、強者との戦いを望むガドルにとっては、やたら喋ること以外は情報交換もできる当たり支給品だった。一方タツロットはガドルのことを己を鍛えるために戦いを求める「だけ」の気高き男で危険人物ではないと勘違いしていた。
 次に戦ったのは乾巧と天道総司、二人の仮面ライダーだった。ファイズとカブトのダブルライダーの連携を前に敵の実力を認め、遂に電撃体を解禁。圧倒的なパワーで二人を蹴散らし変身解除に追い込むも、強化形態への制限で変身が解除されトドメを刺し損ねてしまう。

 放送も迫って来た頃、最初に出会った海堂直也と、その同行者である名護啓介、擬態天道と遭遇。本来の姿は未だ変身が制限されていたため、支給されていたアームズメモリを使用して戦いを挑む。強力な部類とは言え所詮一般怪人であるアームズドーパントで、三人のライダーを圧倒する恐るべき強さを見せつけた。だがそんな戦力差を前に諦めないライオトルーパーとイクサに癇癪を起したダークカブトが暴走し、同士討ちを始めてしまう。戦場で愚かな真似をしたダークカブトを軽い苛立ちと共に始末しようとするが、イクサが身を挺してトドメを阻む。さらにタツロットもガドルを制止するが、これは気にもかけず殴り飛ばした。改めてトドメを刺そうとしたところで今度はスネークオルフェノクに邪魔をされ、彼と戦うことに。痛めつけても何度も立ち上がり続ける彼の決意に戦士としての資格を感じ取り、名護達が離脱するのも見逃して、戦士・仮面ライダーとの一騎打ちに臨む。だが今のままでは勝負にならず互いの目的と一致しないため、ガドルはサイガドライバーを海堂へと手渡した。見事に変身を果たした海堂の放つ気迫を讃えつつ、サイガとの激突を開始する。

 勝負は……サイガが、押していた。やがてアームズドーパントはその護りを崩され、変身も解除され、首を掻き切られるのを待つのみとなった。だが、その刃が届く寸前でサイガは命を燃やし尽くしてしまい、ガドルは命を拾うこととなった。それでも、自らに勝利した男の強さと信念を褒め称え、彼こそ真の仮面ライダーであったのだと悟る。そして、彼のような戦士に勝利することにこそ意味があるのだと考え、仮面ライダーの敵であることに誇りを抱くようになる。そのため、放送で仮面ライダーの正義を嘲笑したキング(コーカサスアンデッド)には強い怒りを示し、ディケイドとブレイドが繰り広げるライダーバトルを当初は仲間割れかと思い嫌悪感を抱きさえするようになった。

 だがディケイド=門矢士がブレイドに変身した葦原涼を導くための戦いであったことを悟ると、いつもの口上に「仮面ライダーの敵」という言葉を新たに加えた名乗りとともに二人の戦いに名乗りを上げて割って入る。
 精神的な成長もあってかこれまで以上の強さを発揮したガドルは二人の仮面ライダーを圧倒、ディケイドエッジすら耐え抜き、ゼンゲビビブブでブレイドを撃破する。だがディケイドは健在、刻まれたばかりの裂傷という弱点も考え死闘を覚悟したガドルだったが、ディケイドは瀕死の涼を連れて戦域を離脱。一瞬失望しかけるが、仮面ライダーの正義は敵を殺す事ではなくリントを護ることなのだと考え、強者との戦いに充足を覚える。
 その後、戦闘前に発見していたカブトエクステンダーを駆ってマップ西側へ移動。変身を全て制限されたダグバと再遭遇する。自身の目標を制限を理由に倒されたくなかったガドルは先の戦いの戦利品であったブレイバックルをダグバに託す。この際、仮面ライダーの力に恥じぬようにしろと告げるその顔だけで、ダグバの仮面ライダーやガドル自身に対する認識を改めさせるほどの成長を見せた。ダグバが回収したベルトの欠片で試した際も、目標に施される力は不要、欲しければ自力で奪うのみと宣言し、ダグバを大いに満足させている。

 ダグバと別れた後は、ダグバのせいで廃墟と化した市街地に戦いを求めて移動。そこにいたのはガドルに初めて仮面ライダーへの興味を抱かせた翔太郎、そして海堂が護り抜いた名護と擬態天道だった。名護が海堂の仇を討たんと戦いを挑もうとするのを、周囲の死者達を巻き込むことを恐れた名護達が本気を出せないことは不本意だと止め、決戦の場所を移し、まずは名護達にとって因縁深いアームズドーパントの姿でガドルは戦いを挑む。翔太郎は制限故に未だ変身できなかったが、ダークカブト及びライジングイクサと戦闘を開始。名護の捨身の戦法、そして擬態天道の師匠としての意地を込めた一撃にメモリブレイクされたが、これはまだ前哨戦に過ぎなかった。
 自身を打ち破った名護の力に、仮面ライダーの正義の心に確信を抱いたガドルは、討ち取るべき強者と戦うために怪人態へ再変身する。同時に変身の解除された名護に代わり挑んで来るダークカブトを最初は紛い物の仮面ライダーだと侮っていたが、彼の覚悟を見て油断を捨てる。本気を出した攻勢に抗うことを諦めたダークカブトに失望を覚えながら切り捨てようとするが、擬態天道自身の意にも反したダークカブトゼクターの特攻によって阻まれる。相棒のゼクターを破壊されたことに衝動的に飛び出してきたネイティブワーム態の擬態天道に一太刀浴びせ、ボウガンでトドメを刺そうとした時に盾になったのは翔太郎の変身したイクサだった。翔太郎と擬態天道が仮面ライダーになることができるのか言葉を戦わせるガドルへ、当の擬態天道はカブトゼクターから託されたベルトを投げつけ破壊させる始末。だが翔太郎と、レイキバットと、タツロットと、名護の助けがあって擬態天道は仮面ライダーレイに変身し、イクサと共にガドルに挑んで来る。三連続で必殺技を叩き込まれ、敗北まで後一歩というところまで追い詰められたガドルだったがなおも耐え抜き、それでも絶望せず立ち向かって来る翔太郎の闘志に敬意を抱く。だがイクサの機能がほとんど停止していた翔太郎を一方的に打ちのめし、遂に仮面ライダーをまた一人討ち取った――かに思われた。

 だがその直後、天の道を継いだ擬態天道がハイパーカブトに変身、ハイパークロックアップで翔太郎が死ぬ前まで時を跳んでガドルの拳を阻止したのだ。HCUでの疲労で弱体化したとはいえ相手は最強フォーム、通常の打撃だけで電撃体ですら追い詰められる。死闘の末に擬態天道の言葉を受け、互いの余力の全てを込めたゼンゲビビブブとハイパーライダーキックの対決で決着を望む。
 激突の後、ガドルはまだ立ち上がることができた。一方でハイパーカブトの変身は解除され、擬態天道は気絶していた。意識を失ってなお護るために立ち続けた彼を侮辱する者がいれば自分が黙らせると考えるほど、真の仮面ライダーだと彼を認める。
 それでも勝ったのはこの破壊のカリスマだと自負した瞬間、ガドルはハイパーキックで自身に大量のタキオン粒子が流し込まれ、間もなく爆弾に到達することに気づき――潔く敗北を、受け入れた。
 爆発に巻き込まれて勝者が散ることがないように、ガドルは名護と翔太郎に擬態天道を連れカブトエクステンダーでこの場を離れるように告げる。この際翔太郎とタツロットから殺し合いに乗っていなければ、仮面ライダーとして戦ってくれていればと惜しまれるのに、ガドルは首を振る。ガドルはこんなにも強い仮面ライダー達の敵であったことに誇りを抱いているのだから、それを否定されるような話をされるのは不愉快なのだと。
 そして最後に、海堂直也がその正義を最期まで貫きガドルに勝利していたことを、そしてそのことを忘れないようにと名護に伝え、敗者は勝者達を送り出した。
 自分に勝利した彼らがいつか、ダグバをも超えると確信し、破壊のカリスマは自爆によって焼滅した。



 登場話の三分の二が戦闘、というか退場時点では最も多くの戦闘回数とかなりの勝率を誇る強豪マーダーの一角であり、特に後半の戦闘は熱血展開の連続であった。海堂との決着を経てからは武人的な側面の描写が強調されて行き、おそらく退場話時点では本ロワでも一番人気のマーダーだっただろう。
 そして擬態天道を仮面ライダーへと覚醒させるきっかけとなる展開を生み、仮面ライダー達と同じく成長しながら最期は擬態天道が仮面ライダーとなって最初に戦う敵を務めた、まさに理想の敵役だったと言える彼の退場回は、筆者の独断ながら本ロワでも最高の熱血回であった。


称号【破壊のカリスマ】



【五代雄介】


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名前:五代雄介
作品名:仮面ライダークウガ
登場話数:10
スタンス:対主催→洗脳マーダー→対主催
関わりの深い人物:海東大樹、フィリップ、秋山蓮、草加雅人、金居、門矢士
関わりの深い支給品:アマダム、地の石、ナスカメモリ
変身回数:仮面ライダークウガ(4)、ナスカ・ドーパント(2)

笑顔とお宝』で初登場。海東と出会い、お宝を守るため戦うという彼に対し、自分にとっては笑顔がお宝だと紹介し、共に戦うことを約束する。
次に遭遇したのはカイザがフィリップに襲いかかっているところ。海東と共に彼を宥め落ち着かせるが、ステルスマーダーである彼を一切の曇りなく完全に信用する。
序盤でありながら強力対主催グループを結成してしまった彼が次に出会ったのは、ファンガイアのキング。
北岡を殺し今また蓮を殺そうとしている彼についにクウガに変身し海東と共に戦いを挑む。

しかしキングは強い。
ライダーカードも満足に持たないディエンドがやられている姿を見て、クウガは手に入れたばかりの力、アメイジングマイティフォームへと変身する。
あたりを焼け野原へと変えながら互角の殴り合いを繰り広げるが、変身制限の関係で戦いは終わりを迎えた。
そのまま気絶した五代は仲間に連れられ逃走、一旦園咲邸へと逃げ込んだ。

持ち前の治癒能力の高さですぐに気を取り戻した彼はマーダーでありながら対主催にいることに違和感のない男こと蓮も仲間に引き入れフィリップによる首輪の解析結果も手に入れる。
ここまで他作品のラスボスを単身で弱らせ結果的に死に繋げるほどのダメージを与えたり、仲間の戦力も申し分ないなど、草加がチームにいることを考慮しても余りあるほどの対主催有力参加者っぷりを見せている彼。
しかし盛者必衰は世の常、ロワの常。
東京タワー周辺でウェザードーパントによるものと思われる天候の悪化を見たフィリップと、彼のお守り役として海東がチームを離脱。

ここまでならマーダー二人に挟まれただけで五代なら凌げたが、ここで最悪の事態が訪れる。
そう、地の石を持った金居、ギラファアンデッドの接近である。
うっかり蓮と草加との会話で「クウガ」の単語を使ったため金居にその正体を看過され妙策により彼の手中にその意思を沈ませてしまった。
地の石と言えばライジングアルティメット、究極の闇すら超える力を持つはずのそれだが、しかし原典でのその活躍を見た諸君は思うだろう。

「何だライアルとか生身の士も殺せない雑魚じゃん」と。……そうだったらよかったのに。
ともかく、ライジングアルティメットとして金居に操られた彼はカイザを舐めプ全開でボコボコにする。
その場では殺害まで命じられなかったものの、放送後結局金居が銃を用いて草加を殺害。
それを聞きつけやってきた天道、巧の二大スタイリッシュ主人公と金居が交渉を決裂し戦闘になる。

そしてここで、金居は五代に命じる。”全力で彼らを迎え撃て”と。
それを受け全力を発揮したライジングアルティメットフォームの実力はもうここでは語り尽くせまい。
端的に言えばあの天道と巧のペアを30秒ほどで変身解除、満身創痍にまで追い込んでいるのである。
……これがスペック通りのライアルなんだけど、それにしてもヤバいの一言に尽きるとしか言い様がない。

そのままファイズアクセルを使用して巧が逃げ、カイザギアを使用した天道との戦いの最中クウガの変身が解ける。
洗脳が解けたのかと金居も読者も思ったが、しかし残念。ただライアル強すぎるから変身できるの2分半なだけでした。
そのまま巧が落としていったナスカメモリでレベル3、Rナスカに覚醒して、天道のベルトからカイザフォンを抜き去り事実上の殺害をする。
それを見届け少しした後、彼らの前に現れたのは渡、始のマーダーコンビ。

今度こそ彼らが可哀相な五代を止めてくれるのかと思えば、しかし真逆。
金居とライアルの圧倒的な実力を見込んで彼らの目標、ディケイド討伐に協力してくれと申し出される。
天敵ジョーカーが味方になる状況を魅力的と見た金居によって否応なしに五代も彼らの仲間入り、通称”Dを狩るモノたち”の結成である。
これによってあまりにも過剰な戦力で以て病院に突撃したマーダーチーム。

既に病院を訪れていた巧によって交渉が決裂しバトルに発展。ライアルに変身して五代も向かう。
上位怪人であり自分の主であるギラファをクロックアップなしで倒したカッシスとのバトルへ。
ここでもスペック通りのライアルを発揮し、必殺技を吸収できる能力を持つカッシスに暗黒掌波動を吸収されつつも、その威力に全く戸惑うことなく突撃。
カッシスの能力を持って吸収できない、つまり並のライダーの必殺技並の”ただの打撃”で彼の心を折り数十秒で圧勝を収める。

その後は現れたG4、ディケイド、ディエンド、ナイトサバイブ、ファイズのライダー連合と相手を開始。
まずナイトの疾風断の拘束も直撃も難なく回避し、続くファイズアクセルもそのパワー、スピード、感覚で完全に捉え勝利。
ナイトサバイブ、G4以外の攻撃など必殺技であっても一切効かない彼は、神経断裂弾を用いるG4を最優先で潰しに行く。
それにディエンドもG3を召喚し神経断裂弾を放てる銃を増やすが、逆に二人同時に放った神経断裂弾を利用し戦闘不能に追い込んだ。

ディエンド、G4が戦線を離脱する中残ったナイトサバイブと対峙するが、トリックベントで数を増やした彼にも圧勝。
そのまま殺害し一旦主の下に戻ろうかと考えたところでディエンドが再来、ナスカに変身し相手をするが、対するディエンドもコンプリートフォームで対応する。
同等の実力を誇る彼らだったが、ライアルの機械的思考を読み切ったディエンドの奇策に敗北を喫する。
その後、変身も解除され、悪の根源、金居も死んだことで五代の呪縛はようやく解けた、これで万事オーケー。めでたしめでたし……ではなかった。

別所での戦いを終えてきた生身の巧、ディケイドに変じた士に遭遇。
今までの自分の所行を思い起こし泣きじゃくる彼に優しい言葉をかけてくる二人に五代も落ち着きようやく彼が再起するかと思われたものの、そうはいかなかった。
彼が二回も直で使用したゴールドメモリの強い毒素が彼を蝕み、なんとダグバのような思考を彼に生ませていたのだ!
死の瞬間こそ最もいい笑顔を浮かべるのではと巧を絞め殺そうとする彼をディケイドが止め、再度自分の所行が信じられず彼は泣く。

本編で一切見せなかったような彼の苦悩の姿にディケイドどころか読者も色んな意味で驚愕を禁じ得ない中、今度は地の石が渡の手に渡ってしまった。
それによりまた意識が石に飲まれそうになる中、彼はディケイドに懇願する。
”究極の闇になって誰かの笑顔を曇らせるくらいなら、自分を殺してくれ”と。
再び地の石に意識を支配された彼は立ち塞がるディケイドを生身で下し、巧を締め上げる。

それにもう見ていられないと彼の頼みを引き受け罪を背負う覚悟を決めたディケイドの手によって、彼はその身に埋め込まれた霊石アマダムごとその身を貫かれていた。
地の石の支配を受けている理由の大部分であるクウガであることを失った五代は、正気に戻り士に礼を言う。
自分を殺した相手であるというのに恨みを一切感じさせもせず、むしろ海東を殺したも同然の自分にここまで感情を動かしている彼をいい人だと認識する。
そのまま空に目を移し、彼はその空の先に待っているだろう青空を信じることにした。

きっとこの空の向こうには、大ショッカーも4号も未確認もない、平和な世界が広がっているはずだ、と。



スペック通り強い『仮面ライダークウガライジングアルティメットフォーム』をあますところなく見せつけてくれた当ロワの五代。
最初はアメイジングマイティフォームにデメリットなく変身できる有力対主催として期待されていたのに、結果として読者の心に残った大部分の彼の印象は洗脳後のものになってしまった。
支給品:五代雄介というあんまりにもあんまりな称号もつけられてしまうほど、その存在を知られる度3人に一人は彼を人ではなく支給品として見ていた。
最終的に地の石の支配から逃れたかと思えばすぐ死んでしまったのも相まって、結局ロワ全体を通してその魔力に捕らわれていたといって過言ではないだろう。

しかし一方でネタにされ続けてきたライジングアルティメットフォームの評価を真っ当なものにし、少なくともこのロワを読んだ人々の心に『究極の闇を超える(笑い)』など言える者はいなくなったことは大きな功績と言えるのかもしれない。
最期は笑顔で逝き、五代らしさを感じさせたものの、やはり当ロワの五代にはこの評価こそ相応しいだろう。


称号【俺たちが見たかったライジングアルティメット】

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最終更新:2020年01月28日 17:31