対峙(後編) ◆.ji0E9MT9g






名護がいなくなって数分後。
総司は外が気になって仕方ないようで、そわそわと窓の外を見ていた。
先ほど見送る瞬間は頼もしく見えたが、しかしまだ俗に言う“お留守番”に慣れていない子供のように焦る彼を見て、翔太郎は小さく笑った。

ふとあたりを見渡すと、翔一が必ずその視界に麗奈を入れているのを見つける。
そう言えば彼女のワームへの変身制限がもう解ける頃だ、いつ総司に牙を剥くのかわからなくなったのだから、彼の不安も相当なものだろう。
俺も人ごとじゃいらんねーよな、と翔太郎も感づかれないように彼女を見るが、麗奈は先ほどまでにはなかった漠然とした違和感に、敏感に反応したようで、所在なさげに何度も座り直していた。

放送前には軽々しく口にしたが、しかし彼女への対応は一体どうしたものか、と翔太郎が思考に落ちかけたその時。
キバットが飛び込んできた窓から、またも飛び込んでくる影が二つ。

「たたた、大変でーす!白い服の人が、こっちに向かってまーす!」
「俺様も見たぜ。見た目で判断するべきじゃないとは思うが、奴は……あからさまにやばい」

大慌てで捲し立てるタツロットと、らしくなく懸念を漏らすレイキバットに、一同は顔を見合わせる。
――ダグバだ。
残っている参加者の情報や、恐らく未だこちらのエリアにいるだろうことから踏まえると、その可能性は高い。

この場で自分たちに選べる選択肢は少ない。
バイクという足もなしに、全員でダグバから全力で逃げるか?
駄目だ、ダグバという凶悪な参加者を、これ以上のさばらせておく理由もない。

総司も翔一も真司もその思いは同じようで、暗黙の了解としてダグバをここで倒すべきだと彼らは考えていた。

「……どうする、名護さんを待つか?」

高まる緊張の中で、一番に口を開いたのは翔太郎だ。
ダグバの危険性を交戦し、一番味わっている彼が、この事案については仕切るべきだと判断したのだろう。
しかし、その提案に首を振ったのは総司である。

「……いや、名護さんは渡君のことで忙しいはずだし、僕たちだけで対処しなくちゃ」
「嘘だろ!?ダグバってそんなやばい奴と、俺に戦えって言うのか!?」
「ダグバって奴そんなに強いのー?戦ってみたいー」

不安を口に出す三原と、好奇心を見せるリュウタ。
先ほどから口を開かない麗奈も明らかな嫌悪を見せていることなども含めて、絶対にダグバと会わせるわけにはいかないだろう。
であれば、残された手段はあと一つだけ。

「二手に分かれて片方はダグバへの対処、もう片方は三原さんと間宮さんを逃がすことになるだろうな……」

言いつつ、翔太郎の脳内にてざっとしたチーム分けが行われる。
三原と麗奈、双方が安心感を抱いている、という面で彼らにリュウタは不可欠。
しかしそれだけでは麗奈が暴走した時の戦力が不十分、総司がついていっては逆効果なことを考えると真司か翔一かをそこに当てるべきだと思われるが……。

「城戸さん、間宮さんのこと、よろしくお願いします。」

その思考の中で、候補にあがった翔一が、確たる口調で以て真司に指示を出したことで、それを遮られた。
言われた真司も同じ事を言おうとしていたようで、呆気に取られた表情を浮かべた。
それを見て、翔一はいつものように朗らかな笑みを浮かべて、しかし瞬時に表情を戦士のそれへと切り替える。

「俺、やっぱり未確認は見過ごせません。それに、ダグバが強いっていうなら、城戸さんより強い俺が行った方が、やっぱり良いと思います」
「翔一……」

そう言って、真司はまだ何かを言いたげだったが、少し考えてそれを飲み込んだようだった。

「――わかった、絶対に無事で戻ってこいよ。……死んだりしたら、承知しないからな」
「わかってます。でも大丈夫ですよ、心配いりません。だって俺たちは人類の自由と平和を守る仮面ライダーアギトと――」
「――仮面ライダー龍騎、だからな」

言って、二人はへへ、と笑い合う。
きっと、この二人にとって今の会話は字面以上の意味を持つのだろう。
それは決して翔太郎には理解が及ばないが、彼らの間に深い絆があるのだけははっきりと理解できた。

「――それじゃあ皆さん、どうかご無事で」
「あぁ、お前もな、翔一」

そうして、数分の後、荷物を纏めた真司らは、去って行った。
渡たちとも、ダグバとも違う方向に。
その先にまた何か危険が待っているかもしれないが、きっと真司ならうまくやり過ごしてくれるだろう。

少なくとも、そう信じなければ今から向かう強敵に対しあまりにも命取りな隙が生じてしまう。
だから今は、多少の心配こそあれど真司を信じる他なかった。

「さて、俺たちも行くか」
「うん、行こう翔太郎、翔一」
「はい」

そして、ここに残った三人もまた、先ほどまでの表情とは打って変わって真剣な眼差しをしていた。
紅音也を殺害し、人の命をゲームの材料程度に考えている最悪の生物、未確認。
ダグバがどれほど強大な力を持っていようと、そんな悪に仮面ライダーが屈してはいけない。

三者ともに強い思いを抱いて、彼らはタツロットたちに先導されるままに闇の中を歩いて行った。




「バルバ……、君もこのゲゲルに関わってたんだね」

一方で、放送直前にこの焦土の真ん中で目覚めたダグバは、放送を聞いてそう呟いた。
このゲゲルで散った参加者の数などどうでもいい。
ダグバの感覚からすれば、ここまでは自分にとってのゲリザギバスゲゲルだ。

弱い参加者が淘汰され、あのクウガやガドルを倒した仮面ライダーを始めとした強くて自分に恐怖を与えてくれる存在だけが、ここに残っているはずである。
それなら、これからのゲゲルは一層面白くなるに違いない、と彼は不気味に笑って。

ふと、視界の先にこちらに向かってくる三人の男がいることを確認する。
目をこらせば、その内二人は見たことがあり、また一人は自分をそれなりに楽しませてくれたものであった。
前よりも強くなっていればいいが、と思いつつ、彼もまた彼らに向かい歩を進める。

そして数秒後。
お互いの顔が夜の闇の中でもしっかりと視認できる中で、四人は足を止めた。

「――探したぜ、ダグバ。紅の仇、取らせてもらう」

第一回放送の後、戦った帽子の男がそう言って苦々しげにこちらを見据える。
紅というのは彼と同行していた、死んでもなお自分に一撃を浴びせた男であろうか?
彼は面白かった、と思わず笑みを浮かべるが、しかしそれを気にした様子もなく次に口を開いたのはその横の男。

「未確認……お前たちにはたくさんの人の未来が奪われた……。これ以上はもう奪わせない、4号の代わりに、俺がここでお前を倒す!」

未確認。4号。
聞き覚えのある言葉から判断すると自分の世界の人間らしい男の気迫を受けて、ダグバは楽しめそうだとより一層その笑みを深める。
と、最後にダグバが目を移したのは、この中で一番興味がある、以前戦えなかった男。

「ガドルは僕が倒した。お前も倒す。……今、ここで!」
「――へぇ、君がガドルを倒したんだ。じゃあ楽しめそうだね。……君こそ今度は、逃げないでね?」
「……?何の話を――」
「変身」

――TURN UP

思わず疑問を吐き出した総司を尻目に、ダグバはその身に鎧を纏う。
青いスーツに銀の鎧を身につけた、カブトムシを象った仮面ライダー、ブレイド。
正義の名の下に戦えない誰かのため戦い続けた男の鎧が、痛みを知らぬ悪魔に再び纏われた姿だった。

「それは……!」

――そのバックルに、総司は見覚えがあった。
以前、剣崎を殺した時、彼が変身に使用しようとしていたものだ。
であれば、これが仮面ライダーブレイドか。

まさかこんなところで自分に牙を剥くとは、やはり自分は許されないのか、と一瞬考えて。

(ううん、違う。ブレイドは、こんな奴の為にあるんじゃない。きっと、剣崎は僕たちにこれを取り返してくれ、って言いたいんだ……!)

剣崎はその力が、こんな悪魔に使われてまで自分に復讐を望むような男ではないとその思考をやめる。
むしろきっと、ここでダグバがこの鎧を纏うのは、ブレイドを仮面ライダーの元に返して欲しいという、剣崎の想いが繋がったものなのだろう。
であれば、自分に悩んでいる時間など、あるはずもないではないか。

――JOKER

翔太郎の持つジョーカーメモリから、ガイアウィスパーの声が響く。
それと同時に自分も上空より飛来したカブトゼクターを手に取り、翔一は居合のように構えを取った。
それと同時彼の腰にオルタリングが現れたのを受けて、翔太郎もまた、メモリをドライバーに装填した。

「変身!!!」

――JOKER
――HENSHIN

同時に叫んだ男たちの声に応えるように、その身に鎧が纏われていく。
アギト、カブトの世界をそれぞれ代表する二人の仮面ライダー、人類の進化の可能性を象徴する仮面ライダー、アギトと、世界に輝く太陽のような仮面ライダー、カブト。
そして、Wの世界を代表する片割れである、仮面ライダージョーカー。
相対するブレイドもまた世界を代表する仮面ライダーであることを考えれば、この場の光景は壮観であった。

「――ハッ!」

気合いを入れるように息を吐き出したアギトに対し、ブレイドとカブトはその手に得物を構えて。

「――さぁ、お前の罪を数えろ!」

ジョーカーのその言葉が、開戦の合図となった。


【二日目 深夜】
【D-1 市街地】


【左翔太郎@仮面ライダーW】
【時間軸】本編終了後
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、仮面ライダージョーカーに変身中
【装備】ロストドライバー&ジョーカーメモリ@仮面ライダーW
【道具】支給品一式×2(翔太郎、木場)、トライアルメモリ@仮面ライダーW、首輪(木場)、ガイアメモリ(メタル)@仮面ライダーW、『長いお別れ』ほかフィリップ・マーロウの小説@仮面ライダーW
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、世界の破壊を止める。
0:ダグバを倒す。
1:名護と総司、仲間たちと共に戦う。 今度こそこの仲間達を護り抜く。
2:出来れば相川始と協力したい。
3:浅倉、ダグバを絶対に倒す。
4:フィリップ達と合流し、木場のような仲間を集める。
5:乾巧に木場の死を知らせる。ただし村上は警戒。
6:もしも始が殺し合いに乗っているのなら、全力で止める。
7:もし、照井からアクセルを受け継いだ者がいるなら、特訓してトライアルのマキシマムを使えるようにさせる。
8:ジョーカーアンデッド、か……。
【備考】
※555の世界について、木場の主観による詳細を知りました。
※オルフェノクはドーパントに近いものだと思っていました (人類が直接変貌したものだと思っていなかった)が、名護達との情報交換で認識の誤りに気づきました。
※ミュージアムの幹部達は、ネクロオーバーとなって蘇ったと推測しています。
※また、大ショッカーと財団Xに何らかの繋がりがあると考えています。
※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。
※総司(擬態天道)の過去を知りました。


【擬態天道総司(ダークカブト)@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第47話 カブトとの戦闘前(三島に自分の真実を聞いてはいません)
【状態】疲労(中)、ダメージ(大)、仮面ライダーカブトに変身中
【装備】ライダーベルト(ダークカブト)+カブトゼクター@仮面ライダーカブト、ハイパーゼクター@仮面ライダーカブト、レイキバット@劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王
【道具】支給品一式×2、753Tシャツセット@仮面ライダーキバ、ザンバットソード(ザンバットバット付属)@仮面ライダーキバ、魔皇龍タツロット@仮面ライダーキバ
【思考・状況】
基本行動方針:天の道を継ぎ、正義の仮面ライダーとして生きる。
0:ダグバを倒す。
1:剣崎と海堂、天道の分まで生きる。
2:名護や翔太郎達、仲間と共に生き残る。
3:間宮麗奈が心配。
4;放送のあの人(三島)はネイティブ……?
【備考】
※天の道を継ぎ、総てを司る男として生きる為、天道総司の名を借りて戦って行くつもりです。
※参戦時期ではまだ自分がワームだと認識していませんが、名簿の名前を見て『自分がワームにされた人間』だったことを思い出しました。詳しい過去は覚えていません。
※カブトゼクターとハイパーゼクターに天道総司を継ぐ所有者として認められました。
※タツロットはザンバットソードを収納しています。


【津上翔一@仮面ライダーアギト】
【時間軸】本編終了後
【状態】強い決意、真司への信頼、麗奈への心配、未来への希望 、、仮面ライダーアギトに変身中
【装備】なし
【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW、医療箱@現実
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの居場所を守る為に戦う。
0:ダグバを倒す。
1:逃げた皆や、名護さんが心配。
2:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触。
3:木野さんと北条さん、小沢さんの分まで生きて、自分達でみんなの居場所を守ってみせる。
4:もう一人の間宮さん(ウカワームの人格)に人を襲わせないようにする。
5:南のエリアで起こったらしき戦闘、ダグバへの警戒。
6:名護と他二人の体調が心配 。
【備考】
※ふうと君キーホルダーはデイバッグに取り付けられています。
※医療箱の中には、飲み薬、塗り薬、抗生物質、包帯、消毒薬、ギブスと様々な道具が入っています。
※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。
※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました
※今持っている医療箱は病院で纏めていた物ではなく、第一回放送前から持っていた物です。


【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
【時間軸】第46話終了後以降
【状態】疲労(大)、ダメージ(大)、もう一人のクウガ、浅倉との戦いに満足、ガドルを殺した強者への期待、仮面ライダーブレイドに変身中
【装備】ブレイバックル@仮面ライダー剣+ラウズカード(スペードA~13)+ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣
【道具】なし
【思考・状況】
0:ゲゲル(殺し合い)を続ける。
1:恐怖をもっと味わいたい。楽しみたい。
2:もう1人のクウガとの戦いを、また楽しみたい。
3:ガドルを倒したリントの戦士達が恐怖を齎してくれる事を期待。
4:またロイヤルストレートフラッシュの輝きが見たい。
5:バルバもこのゲゲルに関わってるんだ……。
【備考】
※浅倉はテラーを取り込んだのではなく、テラーメモリを持っているのだと思っています。
※ダグバのベルトの破片を取り込んだことで強化しました。外見の変化はあるかやどの程度の強化なのか、また更に進化する可能性はあるのかどうかは後続の書き手さんにお任せします。
※怪人体は強化されましたが、それが生身に影響するのか、また変身時間はどうなっているのかということなども後続の書き手さんに任せます。
※制限によって、超自然発火能力の範囲が狭くなっています。
※変身時間の制限をある程度把握しました。
※超自然発火を受けた時に身に着けていたデイパックを焼かれたので、基本支給品一式は失われました。
※キングフォーム、及び強化された自身の力に大いに満足しました。
※仮面ライダーブレイドキングフォームに変身したことで、十三体のアンデッドとの融合が始まっています。完全なジョーカー化はしていませんが、融合はかなり進んでいます。今後どうなるのか具体的には後続の書き手さんにお任せします。
※一条とキバットのことは死んだと思っています。
※擬態天道を天道総司と誤認しています。




市街地でダグバと仮面ライダーたちの戦いが始まったのと同じ頃。
安全な場所を求めて移動している真司の顔は、決して晴れやかではなかった。
自分がここにいなければいけない理由はわかっているつもりだ。

しかし、それと翔一たちを超危険人物の下にみすみす向かわせてしまったことに対し思うことがないかといえば、それは全くの別問題なのである。
ふと横を見やれば、リュウタが上機嫌で麗奈の横を陣取っていた。
最初はダグバへの執着を隠しきれないようだったが、麗奈を守れるのはリュウタだけだ、と翔一の見様見真似で説得したところ、すぐにダグバのことを忘れたようだった。

扱いやすいな、とも思う反面、この無邪気な怪人の好意を受けている麗奈の中のワームをどうにかしなくてはいけないという懸念も捨てきれるものでもない。
真司自身は翔一といた時にも言ったように自分のしたいように彼女を守るだけだとも思うのだが、三原やリュウタを預かる手前、ずっと自分らしく何も考えず、ではいられないのも、また事実であった。
キバットがいてくれたらなぁとぼんやり考える中、ふと寒気が身を撫でる。

夜だし冷え込むのか?などと思うが、以前白い怪人と戦ったそれより身体の芯に響くそれに、それだけでは説明の聞かない何か嫌な予感が、徐々に近づいてくるのを、確かに自覚せずにはいられなかった。
何か似たようなことを、先ほど聞いたような……と考えて。

「真司!あれ見て!」

リュウタの声を受けて、そうして顔を見上げれば、そこにいたのは上裸の男。
暗がり故にその顔をはっきり視認できないながら、しかし男が口角を吊り上げ不気味に笑っていることは分かる。
思わずその場に立ち止まった彼らに対し、ゆっくりと影は歩みを進め。

「城戸か……久しぶりだな」

その言葉に、彼と、そして発せられる嫌な雰囲気の正体を察した。

「浅倉……!」
「ははっ、お前と会えるとは運が良い。イライラが晴れそうだ」

言いながら、彼は懐から白いカードデッキを取り出す。
それは、翔太郎も戦ったというファムのもの。
しかし、真司にとってそれは彼が持っていることなど許されないはずのものだった。

「……お前、霧島からそれを取ったのか」
「あぁ、あの女は俺が倒したぜ、それがどうかしたか?」
「なんで……なんだよ。なんで、お前はそうして誰かを傷つけることに躊躇がないんだよ……!」

それは、悲痛な叫びだった。
確かに一年間戦い続けたライダーたちの中で、自分の話を聞いてくれた存在など数えるほどしかいないし、それは浅倉だけに限った話ではない。
しかしそれでも、真司にとって事情を把握している蓮や、根は悪い奴ではないのであろう美穂と、目の前の男を同じく考えることなど出来なかった。

だが、そんな絞り出したような言葉を前にして、浅倉はなおもその顔から笑顔を消しはしない。

「なんでって、それがルールだろ?俺たちの。それともお前、あの女に惚れてたのか?」
「おっ前ぇぇぇぇッ!!!」

何てことのないように命を奪うゲームを肯定し、あまつさえ嘲るように続けた浅倉に対し、真司は、同行者の三人が想像もしなかったような怒りを見せた。
――それが自分と美穂の関係を浅倉が嘲笑ったからか、それとも殺し合いに対する躊躇のなさを再確認したからか。

そのどちらかは定かではないが、しかし真司はそのまま懐から龍のエンブレムの刻まれた黒いデッキを取り出す。
病院から持ち出してきた花瓶にそれを翳すと、相対する浅倉もまた同様にデッキを翳した。
同時に装着されたVバックルを確認もせず、二人は叫ぶ。

「――変身ッ!!」

瞬間真司の身に纏われるのは、赤いスーツに銀と黒の鎧を身につけた龍の炎を帯びる仮面ライダー、龍騎。
相対する浅倉の身は、彼の体格には大凡似合わぬ純白のライダー、仮面ライダーファムに変じて。

「しゃあッ!」

気合いを入れた龍騎の声を皮切りに、二人は駆け出した。

【二日目 深夜】
【E-2 焦土】

【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【時間軸】劇場版 霧島とお好み焼を食べた後
【状態】強い決意、翔一への信頼、麗奈への心配、恐怖(小)、仮面ライダー龍騎に変身中
【装備】龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、優衣のてるてる坊主@仮面ライダー龍騎
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの命を守る為に戦う。
0:浅倉を倒す。
1:翔一たちが心配。
2:この近くで起こったらしい戦闘について詳しく知りたい。
3:黒い龍騎、それってもしかして……。
【備考】
※支給品のトランプを使えるライダーが居る事に気付きました。
※アビスこそが「現われていないライダー」だと誤解していますが、翔太郎からリュウガの話を聞き混乱しています。
※アギトの世界についての基本的な情報を知りました。
※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。
※再変身までの時間制限を大まかに二時間程度と把握しました(正確な時間は分かっていません)
※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました 。


【間宮麗奈@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第40話終了後
【状態】 他人に拒絶されること及びもう一人の自分が人を傷つける可能性への恐怖、翔一達の言葉に希望、恐怖(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、ゼクトバックル(パンチホッパー)@仮面ライダーカブト、ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
0:何か……怖い……。
1:自分に出来るだけのことをやってみたい。
2:もう一人の自分が誰かを傷つけないように何とかする。
3:……それがうまく行かない時、誰かに自分を止めて貰えるようにする。
4:照井が死んだのは悲しい。一条は無事? どこへ行ったのか知りたい。
【備考】
※『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。
※生前の記憶を取り戻しました。ワームの方の人格はまだ強く表には出て来ませんが、それがいつまで続くのか、またワームの人格が何をどう考えているのか、具体的には後続の書き手さんにお任せします。


【三原修二@仮面ライダー555】
【時間軸】初めてデルタに変身する以前
【状態】強い恐怖心
【装備】デルタドライバー、デルタフォン、デルタムーバー@仮面ライダー555
【道具】草加雅人の描いた絵@仮面ライダー555
0:目の前の浅倉への恐怖。
1:巨大な火柱、閃光と轟音を目撃し強く恐怖を抱く。逃げ出したい。
2:巧、良太郎と合流したい。村上、浅倉を警戒。
3:オルフェノク等の中にも信用出来る者はいるのか?
4:戦いたくないが、とにかくやれるだけのことはやりたい。けど……
5:リュウタロスの信頼を裏切ったままは嫌だ、けど……
6:間宮麗奈を信じてみたい。
【備考】
※リュウタロスに憑依されていても変身カウントは三原自身のものです。
※同一世界の仲間達であっても異なる時間軸から連れて来られている可能性に気付きました。同時に後の時間軸において自分がデルタギアを使っている可能性に気付きました。
※巧がオルフェノクであると知ったもののある程度信用しています。


【リュウタロス@仮面ライダー電王】
【時間軸】本編終了後
【状態】疲労(小)、ダメージ(中)、恐怖(小)
【装備】デンオウベルト+ライダーパス@仮面ライダー電王、リュウボルバー@仮面ライダー電王
【道具】支給品一式、ファイズブラスター@仮面ライダー555、デンカメンソード@仮面ライダー電王、 ケータロス@仮面ライダー電王
0;何かこいつ(浅倉)やだ。
1:良太郎に会いたい
2:麗奈はぼくが守る!
3:大ショッカーは倒す。
4:モモタロスの分まで頑張る。
5:修二が変われるようにぼくが支えないと
【備考】
※人間への憑依は可能ですが対象に拒否されると強制的に追い出されます。
※自身のイマジンとしての全力発揮も同様に制限されていることに何となく気づきました。


【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
【時間軸】劇場版 死亡後
【状態】疲労(極大)、ダメージ(極大)、満足感、体の各所に火傷(治癒中)、仮面ライダーファムに変身中。
【装備】ライダーブレス(ヘラクス)@劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE、カードデッキ(ファム)@仮面ライダー龍騎、鉄パイプ@現実、ランスバックル@劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE、
【道具】支給品一式×3、サバイブ「烈火」@仮面ライダー龍騎、大ショッカー製の拡声器@現実
【思考・状況】
0:取りあえず城戸でイライラを晴らす。
1:あのガキ(ダグバ)は次会ったら殺す。
2:イライラを晴らすべく仮面ライダーと戦う。
3:特に黒い龍騎(リュウガ)は自分で倒す。
4:殴るか殴られるかしてないと落ち着かない、故に誰でも良いから戦いたい。
【備考】
※超自然発火能力を受けたことにより、デイパックが焼けた可能性があり、そのまま走ったので何かおとした可能性があります。 また、おとした場合には何をどこに落したのかは後続の書き手さんにお任せします。
※カードデッキ(王蛇)@仮面ライダー龍騎が破壊されました。また契約モンスターの3体も破壊されました。
※テラーメモリを美味しく食べた事により、テラー・ドーパントに変身出来るようになりました。またそれによる疲労はありません。
※ヘラクスゼクターに認められました。
※変身制限、及びモンスター召喚制限についてほぼ詳細に気づきました。
※ドーパント化した直後に睡眠したことによってさらにテラーの力を定着させ、強化しました(強化されたのはドーパント状態の能力ではなく、非ドーパント状態で働く周囲へのテラーの影響具合、治癒能力、身体能力です)。今後も強化が続くかどうか、また首輪による制限の具合は後続の書き手さんにお任せします。


【D-1病院組全体備考】
変身制限に関して、完全に把握しました。
第二回放送時点での生存者の詳細について、志村純一のもの以外把握しました。
参加している全ての世界についての大まかな情報を把握しました。


116:対峙(前編) 投下順 117:time――trick
時系列順
津上翔一 120:Bを取り戻せ/フィアー・ペイン
城戸真司 122:夢よ踊れ(前編)
三原修二
間宮麗奈
擬態天道 120:Bを取り戻せ/フィアー・ペイン
リュウタロス 122:夢よ踊れ(前編)
名護啓介 118:師弟対決♭キミはありのままで(前編)
左翔太郎 120:Bを取り戻せ/フィアー・ペイン
紅渡 118:師弟対決♭キミはありのままで(前編)
ン・ダグバ・ゼバ 120:Bを取り戻せ/フィアー・ペイン
浅倉威 122:夢よ踊れ(前編)


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最終更新:2018年04月16日 23:22