居場所~place~


 視線の先で縦横無尽に交差する紫と白の異形。
 超高速の勢いでぶつかり合うそれらを見て、城戸真司はただ一つ息を呑んだ。
 ただの人間には到底追いつけないような領域で激しく火花を散らし合う彼らにしかし彼が感じたのは、感嘆ではなくただそれを傍観することしか出来ない自分の不甲斐なさだった。

 思えば先の浅倉との戦いにおいても、自分は大したことを出来たわけではない。
 本当は自分が、共に同行している仲間たちを守らなければならなかった。
 だが実際はどうだ、早々に変身能力を失い先ほども今も同じようにただ戦いを傍観するだけ。

 麗奈が幸運にも人間を守りたいという感情に目覚め浅倉と戦ってくれたからいいものの、それがなければ最悪全滅もあり得ただろう。
 人を守りたい。その純粋な思いの為に仮面ライダーになったというのに、自分はずっと彼女に……麗奈に守られっぱなしではないか。
 自分たちをもっと頼って欲しいと大口を叩いたというのに、何も彼女の為にしてやれない今の自分が、歯がゆくて仕方なかった。

 「――麗奈!」

 しかし、そんな真司の耳に、リュウタロスの切羽詰まったような声が響く。
 反射的に意識を浮上させ戦場に目を戻せば、そこにあったのは既にクロックアップが終了し、膝を着き肩を大きく上下させるウカワームの姿だった。
 逆に敵であるカッシスは満身創痍の彼女と対照的に、その姿を未だ健在のままに彼女を見下ろし彼女を嘲るかのように大きく鼻を鳴らす。

 彼らの戦いがここまで一方的な試合運びとなってしまったのは、皮肉にも麗奈が先刻手に入れた人間の心に起因するものだった。
 いやより正確に言えば、そうして抱いた人間の心に、先ほどの戦いで強制的に植え付けられた一つの感情の為というべきだろうか。
 生まれてこの方複雑な感情の起伏など存在しないワームとして生きていた彼女にとって、浅倉が変じたテラーによりもたらされた恐怖心はまさしく劇薬だったのである。

 表面上はほぼ問題ないほどに払拭されたその感情によって勝敗が決してしまうほどに両者の実力が拮抗していたとみるべきか、或いは浅倉という狂人が死に際に彼女に遺していった呪いだったのか。
 ともかく、この戦いは麗奈の敗北という形で終わりを迎えようとしていたのだった。

 「……悲しいね、間宮麗奈。君ほどの逸材が人間に染まった途端こうまで脆くなってしまうとは」

 「黙れ……、貴様には分からないだろうな。人の持つ感情の素晴らしさが、自由の素晴らしさが!」

 「あぁ分からないね。そして――分かりたくもない」

 瞬間、それ以上かける言葉もないとばかりにタキオン粒子迸る左手の剣をカッシスが振り抜けば、いとも容易くウカワームの身体は宙に弾き飛ばされていた。
 重い音を立て地面に直撃した彼女は数回そのまま地に全身を転がし、人間としての姿を晒す。
 満身創痍という言葉そのものの様子で立ち上がることもままならず呻く麗奈に対し、彼女の名前を叫びながら駆け寄ったのは真司だった。

 自分を庇うように立つ彼に対し、麗奈は地に這いずりながらも何とか声をあげる。

 「やめろ、城戸真司……。奴の狙いは私だ。お前まで、私の道連れになる必要はない、早く逃げろ……!」

 「嫌だ、前に言ったろ。『俺たちは皆が助かる為の迷惑ならどんどんかけて欲しいんだ』って。
 だから俺はここをどかない。目の前で誰かを見捨てるなんてこと、俺には出来ない!」

 「城戸、真司……」

 だが、部外者が乱入してきたところで対峙するカッシスの勢いは変わらない。一切の躊躇を感じさせず、一直線に麗奈に向けて進軍する。
 それはまるで、「その女を守るようなら君を一緒に殺しても構わないんだぞ」とその立ち居振る舞いだけで周囲に示すような堂々たる行進だった。
 だがそれを受けてもなお、真司は麗奈から離れようとはしない。どころか真司は、明確にカッシスに向けて彼女を庇うように構えをとっていた。

 そう言えばこの男は大がつくほどの馬鹿だったか、どことなく肩の力が抜けた麗奈の身体はしかし、思うように動いてはくれない。
 いや、というより……その意思に身体がついていくだけの時間を、カッシスは決して与えてくれはしない。

 「残念だよ、城戸真司くん。秋山蓮は君のことを気にかけていたようだったからね。こんな形でお別れとなってしまうとは」

 思いもしていないことをベラベラと軽薄に並べながら、カッシスは哀れみの籠もった瞳で彼女らを見下す。
 だがその左手の剣を彼女たちに向けて振り下ろそうとしたその瞬間響いたのは、二人分の首が地に落ちる鈍い音ではなく、カッシスが咄嗟に構えた右腕の盾に何かが接触した甲高い金属音であった。
 何事か。自分の悦楽の時間を邪魔されたことへの嫌悪感を露わにしたカッシスは、しかし攻撃を加えた対象を認識するより早く死角から飛んだハイキックに、大きく後退を余儀なくされた。

 苛立ちを隠そうともせず麗奈たちの前に立ちはだかった新たな自分の敵を見据えれば、果たしてそこにいたのは、自身と同じ紫の異形の姿であった。

 「リュウタ!」

 その怪人に向け声をあげたのは、真司や麗奈より遙か後方で一人所在なげに不安そうに立つ一人の青年であった。
 おおよそ変身手段が奪われた事で、どこから襲われるともしれないこの殺し合いに対する恐怖心をより強く感じているのだろう。
 だが、しかし今のところ自身による間宮麗奈殺害を邪魔しないのなら別段気にかける必要もないと、カッシスはすぐに男のことを思考から取り除いた。

 そう今重要なのは、自身に攻撃まで仕掛けてきたこのリュウタロスという怪人への対処。
 懐柔の可能な相手かどうか、海東大樹から得られた情報を元になるべくリスクの少ない解決方法を模索していたカッシスを前に、リュウタはしかし不敵にその指を真っ直ぐ彼に向けていた。

 「今の麗奈は前の麗奈より嫌いだけど、でもお前の方がもっと気にいらない!
 だから倒すけどいいよね?答えは聞かないけど!」

 そこまで言い切って、リュウタはダンスのステップを応用したような独特な足運びでカッシスの懐へと潜り込む。

 「ふざけるな!」

 その動きが遊んでいるようにしか見えなかったのか、苛立ちと共にカッシスが剣を振るうも、しかし単調なその一閃は彼には到底馴染みのない軽やかなステップで回避される。
 それに驚愕を隠しきれなかったカッシスが敵を認識するために振り返れば、瞬間その顔にリュウタの裏拳が炸裂していた。

 「ふざけてないよ、だって僕強いし!」

 「言うじゃないか、このガキが。……望み通り君から先に地獄へ送ってあげよう」

 改めて人差し指で真っ直ぐに自身を指さし宣戦布告するリュウタに、憤りを滲ませるカッシス。
 冷たく吐き捨てられた死刑宣告と共に、彼らの戦いは開始された。


 ◆


 視線の先、その体色故宵闇に消え入りそうになりながらも混じり合う二つの異形。
 彼らを必死に視線で追いながら、三原修二は荒く呼吸を繰り返した。
 ……怖い。彼の中を占める感情は、それに尽きる。

 リュウタを失ってしまうかもしれないことに対してか、それとも乃木怜治と呼ばれたあの男の強さにか。
 そのどちらにも多少は恐怖があるかもしれないが、しかし本質はそうではないことを、既に三原は自覚していた。
 彼の心を掴んで離さない恐怖の一番の理由、それは今の自分には変身手段がないということ。つまりは誰かがその気になれば自分なんて簡単に殺せてしまうということだった。

 壁に囲まれた病院と違いこんな開けっぴろげな草原の中心で、しかも自分は防護服にも成り得るデルタさえない。
 乃木でなくても、誰かが通りがかりに自分の命を奪おうとしたら、何の抵抗も出来ず守ってくれる仲間もいないまま、自分は死んでしまうではないか。
 先ほどの浅倉との戦いだって、熱に浮かされている内に戦いが終わったからいいものの、もしあの一撃で浅倉を倒しきれず冷静になっていたら、自分がどんな行動を取ったかなんてわかりはしない。

 戦う覚悟を決めたのではないのか、そう罵られようと、怖いものは怖い。
 むしろデルタという戦闘能力の有用性を実感した後にそれを奪われるという経験は、彼の恐怖心を強く刺激した。
 自分は結局オルフェノクなんかとは違う無力な人間に過ぎないのだ、こんな超常現象染みた戦いになんているべき存在ではないのだ。

 そんな感情が、三原を今再び戦いに恐怖する一人のどこにでもいる青年に戻してしまっていた。

 (死にたくない……俺は家に帰りたいだけなのに、どうしてこんな――)

 リュウタに見損なわれたまま終わりたくはない?それは事実だ。
 戦わなければ生き残れない?そんなことはもう分かっている。
 でも、戦ったからって生き残れるわけじゃない。事実頼れる仮面ライダーとして紹介された人物も含めてもう30人以上がこの場で死んでいるではないか。

 そんな中で自分がこうして生き残っているという自体が場違いで、奇跡的だと感じ……そして同時、これから先出会う参加者は運良くずっと建物に引き籠もっていられた自分とは違い修羅場を潜り抜けてきた猛者ばかりなのだと思うと、どうしても気が重くなる。
 ろくな戦闘経験もない自分がこんな状況をどうにか出来るはずなどないではないか。
 そうして自棄になりかけて、ただ安堵出来る家を求めて三原は再度どうしようもないこの現状に嗚咽を漏らした。

 「帰りたいよ俺……、家に帰りたい……」

 どうしようもなく漏れたその声は、誰に届くこともなく。
 ただ無力感に浸る青年は、その場に膝から崩れ落ちた。


 ◆


 カッシスとリュウタロス、二人の戦いは、実に当然の結果としてカッシスの優勢という形になっていた。
 両者を隔てる実力の差もかなりのものだが、それ以上に理由があるとすれば最早戦いにおいてカッシスに変身制限について急がねばらならいという意味での緊張感が存在しないことだ。
 10分という決して長くない時間のうちで何らかの効果的な行動をし次に繋がなければならないリュウタに対し、カッシスは消耗を避ける意味でも彼の殺害を急ぎ無駄なリスクを負う理由もない。

 そんな心的余裕を持っているカッシスを相手に銃さえ持たないリュウタが有効打を打てるはずもなく、戦いは硬直状態へと持ち込まれ、徐々に迫り来るタイムリミットにリュウタの焦りは表面化してきていた。

 「おいおいどうしたんだ?ご自慢のステップが今にも狂いそうだぞ?」

 「うるさい!」

 嘲るような声で指摘するカッシスに怒号で返しながら、しかしリュウタもまた早急に勝負を決める必要があることを理解していた。
 幾ら自分が強いと言っても、未だ全く底の見えないカッシスを相手に変身もせず単身で勝利するのは不可能だ。
 となれば今成すべきことは勝利ではなくそれに繋げる為の手段の奪還。

 つまりは奪われた自分たちのデイパックの回収である。

 (その為にはあいつの気を一瞬反らさなきゃなんだけど、どうすれば……)

 そこまで考えて、リュウタは頭を大きく振った。
 どちらにせよ考えるのは苦手だし、そんな急ごしらえでどうにかなるような相手とも思えない。
 それならいっそ、自分らしいやり方でやるべきだろう。つまり……。

 「戦いはノリと勢い、ってね!」

 「何?」

 勢いよく叫んだリュウタの言動にカッシスが戸惑ったその一瞬に、リュウタはステップをやめ思い切りカッシスに向けて駆け出していた。
 これには流石のカッシスも虚を突かれた思いだったが、しかしむしろ好機とみて剣を横凪に振り払う。
 リュウタロスが得意とするステップでは咄嗟に回避できるのは横方向だけだろうと読んだ上での行動だったが、しかしリュウタはその軌跡を“潜った”。

 つまりはスライディングの形で勢いよくカッシスの足の間を潜り抜け一瞬でカッシスの背後を取ったのである。
 そして背後を取ったと言うことは、彼が背中に負ぶっていたデイパックが今リュウタの目前に差し出された形となったということだ。
 となれば後は無防備なデイパックを思い切り弾き飛ばしてしまえば勝負は仕切り直しだ。

 麗奈に引き続き自分とも持久戦を行ったのだから、これで十分に勝機も見えたはず。
 戦いの結末に見えた一筋の希望、緊張からの解放、楽観的な戦況への理解。
 自分とカッシス、どちらがよりこの持久戦で消耗していたのかを彼が悟ったのは、それらに緩んだ自分の腕が掴んだのが確かにそこにあったはずのデイパックではなく虚空であったのを理解したその瞬間だった。

 「え?」

 間の抜けた声と、勝利の余韻に弛緩した全身が一瞬で強ばっていく。
 何が起きたのかと視線を落とした彼を出迎えたのは、先ほどまでと何ら変わらぬ嘲笑を浮かべこちら側に前身を向けているカッシスの姿だった。
 そこで、リュウタは気付く。今に至るまでの自分の行動全てが、彼の想定の範囲内だったということに。

 カッシスはステップを利用し変幻自在に回避を行う彼に対し、真面目に取り合うだけ体力の無駄だと早々に理解していた。
 そこで彼が思いついたのがリュウタロスがデイパックを狙ってくることを予期した上でそれを受け入れむしろ懐まで呼び込むことで確実に一撃で仕留める作戦だったのである。
 流石に他者の協力も得ずに単身で自分の背後を取ったのには驚愕しクロックアップまで使わされたのは少々想定外だったが、しかしそれまでだ。

 所詮は小手先三寸のお遊びに過ぎない。使用するだけで消耗は免れないクロックアップを乱用はしたくなかったというだけで、結局最初からリュウタロスに勝ちの目はなかったのであった。

 「どうした小僧。足が――止まっているぞ?」

 カッシスが述べる勝利宣言めいたそれを聞き終わるより早く、慌てて足を先ほどのように弾ませようとするリュウタ。
 だが恐怖故か焦り故か、その足はもう規則正しいリズムに乗ることはなかった。

 「消し飛べ」

 短く言い切ったカッシスの右手のひらより、一瞬で凝縮された多量の闇がリュウタロスを目がけて放たれた。

 「うわああぁぁぁぁ!!!」

 「リュウタ!」

 夜の闇より暗いそれに呑まれ火花を散らしつつ一瞬でカッシスから引き離されどんどんと自分たちの前にまで吹き飛ばされたリュウタを前に思わず叫ぶ面々。
 砂を撒き散らしながら俯せに倒れ伏したリュウタロスにはしかしもう目もくれず、闇を照射し終えたカッシスは仰々しくゆっくりと自身の本来の標的へと向き直った。

 「さて、次は君の番だ、間宮麗奈」

 見れば、そこにあったのは自身を庇うように立っていた真司を押しのけ一人で立ち上がろうと藻掻く麗奈の姿だった。
 未だ体力的には厳しいものがあるのか真司には懸命にそれを止められながらもどうにかして戦おうとする彼女の顔に浮かんでいるのは、自分の知る中では義憤と呼ばれるもののように見える。
 この場合に当てはめるなら、彼女の怒りの対象は自分を守ろうと戦ったリュウタロスを倒した自分に対するものだと見るべきなのだろうか。

 それなりに長い付き合いであったというのに初めて見る彼女の顔、彼女の感情に少しも興味が沸かないといえば嘘になるが、それよりも有能な同胞が落ちぶれてしまった事に対する失望の念が勝るというのが正直なところだ。
 となればやはり往生際の悪い彼女に下すべきは早急な死以外にない。
 極めて自分勝手な思考を纏めたカッシスは今度こそ彼女に引導を渡すべく歩を進めていく。

 ――カッシスに立ち向かうこの場の誰もが、ここにいない誰かに救いを求めていた。
 誰でも良い、せめて倒れた仲間を助け共に逃げるだけの時間稼ぎだけでもしてくれる誰か。
 そんな都合の良い存在の登場を縋り求める程度には、彼らに残された道は少なかった。

 だがしかし、気付いている。そんな救世主など到底現れるものではないと。
 このまま、芽生えた尊い感情の為に麗奈は悪に殺されてしまう。
 許しがたいそんな結末をしかし享受しなければならないのかと、誰しもが諦め始めた瞬間だった。

 彼らが抱いた絶望と等しく暗い夜の闇に、一筋の光が差した。
 どこまでも続く平原に突如差したその一条の光と、それに連なるように響くけたたましいエンジン音は徐々に大きくなっていく。
 まるでそのまま、麗奈たちが抱いた希望をそのまま象徴したかのように。

 「ちッ!」

 カッシスと麗奈たちとの間を縫うように、バイクが勢いよく通過していく。
 それにより否応なく後方への回避を余儀なくされたカッシスが舌打ちを鳴らす中、バイクに乗り現れた男は、ヘルメットを脱ぎ乗ってきたバイクのフロントをその長い足で跨いで地上に降り立った。
 どことなく尊大な雰囲気の漂う、勿体ぶったようなその男の動作は緩慢にも思えたが、しかし誰も彼を見くびることなど出来はしない。

 それが決して彼の虚勢ではなく、歴戦の経験から自然と滲み出る余裕が成させるものなのだとすぐに理解出来たのだから。

 「よぉ、久しぶりじゃないか、門矢士」

 そんな中、いの一番に彼に声をかけたのはカッシスだった。
 彼の警戒を解く狙いがあるのか、その姿を人間のものへ擬態させながらあたかも親しい間柄であるかのように軽妙な呼びかけをするその姿は、どことなく先ほどまでのギャップからか不気味に思えた。
 しかし、乃木の言葉の裏を察しているのか、それとも純粋にこの状況に対する警戒故か、話しかけられた男――門矢士というらしい――は表情を一切変えることはなかった。

 「あぁ、そうだな」

 「……妙な反応だね。自分で言うのも何だが、俺は放送で名前を呼ばれたんだろう?
 死人がそっくりそのまま目の前に現れたんだ。もう少し気の利いた返しをしてもよさそうなものだが」

 「悪いな、俺としてはもう死んだはずの怪人が蘇るなんて慣れっこなもんでな。
 普通に考えれば殺し合いで死者が蘇るなんてルール違反だが、まぁ大ショッカーならそのくらいしてもおかしくない」

 どうやら自分が蘇ったのは大ショッカーの手によるものだと勘違いしているらしい士に異議を申し立てるべきか悩んだその間に、士はそれよりも、と既に話題を切り替えていた。

 「乃木、お前は殺し合いに反対してたんじゃないのか。なんでこいつらと戦ってる」

 「門矢士、君には俺のこの殺し合いでのスタンスについて少し誤解があるようだ。俺は大ショッカーの諸君は許せないが、それは不殺の誓いじゃない。
 俺の流儀に反する者を殺すことを、俺は戸惑うつもりはないということだよ」

 「お前の流儀ってのは何だ」

 ――弱い者は俺の餌になる。
 そう真実を教えてやりたい気持ちもあったが、ここで大ショッカー打倒に有用だろう門矢士と完全に決裂するのは何とか避けたいのも事実。
 どうにか彼を納得させられるだけの言い分はないものかと逡巡してから、彼は再び口を開いた。

 「俺の流儀、それは擬態した人間の記憶と、自分自身の記憶を混同させてしまった哀れなワームをこの手で手厚く葬ってやることさ」

 「何?」

 乃木のその言葉に、士は怪訝そうな表情を浮かべる。
 それでいい、と心中で笑みを浮かべながら、乃木は続けた。

 「つまりこの場合は、あそこに倒れてる女が自分という存在の罪深さを絶望する前に終わらせてやるということさ。
 他の彼らについては命を奪うつもりなどさらさらない」

 傷だらけのまま倒れ伏すリュウタロスに目配せをし、『邪魔をすれば例外だが』とその場の全員に暗に示しながら、乃木は笑った。
 それを受けて、不遜な態度は崩さぬまま士は再度問いを投げる。

 「なんでお前はそんなにあの女を殺そうとする。ワームが人間の心を持って何がいけない」

 しかしその問いに対し、乃木はまるで士の問いが地雷を踏んだとでも言いたげにわざとらしく目を伏せ溜息を吐いた。
 全く以て、こうした素晴らしく人間くさい動作の一つ一つがワームによる人間の記憶に基づく模倣だと思うと吐き気がする限りである。

 「門矢士。結論から言えば、彼女のような人間の心を得てしまったワームにはもう、元の世界での居場所がどこにもないのだよ」

 「どういうことだ?」

 「様々な世界の情報に精通している君のことだ。ワームが擬態している人間、端的に言えばそのオリジナルがどうなるか、知らないわけではないだろう?」

 「……あぁ」

 暗い口調で肯定する士に、畳みかけるように乃木はなおも口を開いた。

 「そう、今何気ないように君たちが見ているその女の美しい顔。それは元々彼女がただ単に地球の侵略に効果的だと考えてオリジナルである間宮麗奈から奪ったものだ。
 そして同じ顔、同じ記憶を持つ存在は世界に二人も必要ない、ワームは擬態の後オリジナルを殺害する。“間宮麗奈”も例外でなく、彼女に殺害された。……そうだろう?」

 その問いかけに対し、未だ膝をつき疲労を回復することに集中していた麗奈が、乃木たちを見上げながら苦悶の表情を浮かべ俯いた。
 だがそれを気にする様子もなく、乃木の言葉は続く。

 「それに彼女は俺と同じく数多のワームを従える幹部の立場だった。
 彼女の指示で何人の善良な地球人が容姿と記憶を奪われ死を迎えたのか……俺でさえ数えるのが億劫に感じてしまうよ」

 ニヤリと口角を上げながら、乃木は笑う。
 その言葉に僅かばかり彼女を庇っていた真司も俯き悩んだような表情を浮かべたのを視認して、乃木の笑みはより深くなっていった。

 「……そんな殺戮の権化を人類が受け入れられるはずがない。
 オリジナルである間宮麗奈の未来を奪った張本人が彼女の振りをして毎日を悠々と過ごすなど、到底許されるはずがないだろう?」

 「……」

 乃木の問いかけに対し、士はしかし黙ったまま何を言うこともなかった。
 それが彼の言葉に聞き入っている証拠なのか、それともただ結論を聞き終えるまで口を挟む気がないという考えの表れなのか、それとも元より耳を貸す気もないのか。
 そのどれにせよ、ともかく口を回し続けることに意味があると、乃木は今一度乾いた口内を唾液で潤した。

 「何より肌の色、性別、美醜、そういった表面的な情報で他者を判断する君たちが、それらを変幻自在に擬態できるワームという存在を受け入れられるはずがない。
 そして、ワームの中にももう彼女の場所はない。侵略対象たる人間に心解きほぐされた彼女を受け入れないというのも確かだが……それ以上に彼女自身が、もう地球を侵略しようとする我々と決別する道を選ぶだろう」

 そこまで一息に言い切って、乃木は語調を整えるようにさて、と仕切り直す。

 「わかったか?つまりこの殺し合いを運良く生き残り元の世界に生還できたとして、彼女にはもうワームにも人間にも受け入れられることはない。人からはワームと罵られ、ワームからは人と罵られる!
 ……世界のどこにも居場所が存在しない絶望を抱いたまま、ただ一人孤独に誰にも気付かれぬよう生きていくか、或いは自害するしか道が残されていないのだよ」

 それを聞いて、麗奈は思わず目を伏せる。
 それはまさしく今の言葉が的を射ていると周囲に示しているのと同義だった。

 「――だから俺は彼女を今殺してやるのさ。人類の守護者として戦う彼女に、人類に敵対する侵略者として名誉の戦死を手向ける。それこそがかつての同胞として、俺から彼女にしてやれる最後の贈り物だからね」

 ご理解いただけたかな、と締めくくりながら、乃木はもう士の反論を待つこともなくその足を翻していた。
 この弁論で、士を言い負かすことが出来ただろうとそう確信したため。
 所謂正義の味方である仮面ライダー諸君は、こうした自分が理解出来ない種族による差異が生み出す価値観の違いに困惑を浮かべる。

 その生易しい慈悲の心が、むしろ人間の心を得てしまった異形を生かし続けるのが正しいのか否かという葛藤を生んでしまうのだろう。
 乃木からすればちゃんちゃらおかしい限りだが、逆に言えば分かりやすくて実に助かる。
 ともあれ今の間宮麗奈が生きていても人類からもワームからも阻害されるのは目に見えているし、ここでそれを終わらせることについても正当性を完全には否定できないはずだ。

 正直に言えば麗奈の殺害に関して乃木の中にあるのは彼女に関する慈悲や手向けなどではなく脆弱な人間の心に飲まれた愚か者の粛正というだけなのだが、まぁそうした見方も出来るという提示だけで仮面ライダー諸君には何が正しいのか分からなくなってしまうことだろう。
 志村純一に海東大樹、そして今度は門矢士。それぞれ中々に口が回るらしい彼らをしかし自分は直接拳を交えることなく無力化し続けているという事実に、乃木が誰にも見られずほくそ笑んだ、その時だった。

 乃木と麗奈の間を隔てるように、士が立ちはだかったのは。

 「……話は終わりか?乃木」

 士が、静かな怒りを滾らせながら問う。
 そこに確かな敵意が含まれており彼が今の自分の話に少しも心揺らいでいないのが察せる時点で乃木は今にでも対話をやめ彼をズタズタに引き裂いてやりたかったが、何とかそれを抑え平静を取り繕いながら言葉を吐き出した。

 「そこを退いてくれないか、門矢士。今しがた話したとおり、人の心を手にしてしまった時点で彼女に生きられる居場所などどこにもない。
 ここで一思いに殺しやることこそが、彼女に対する最大級の思いやりだと思うのだがね」

 「――違うな」

 「何?」

 思わず語気が荒くなるのを自覚しながらも、しかし乃木は抱いた苛立ちを抑えることが出来なかった。
 咄嗟に生み出した論説ではあったが、少なくともワームではない彼が即否定できるだけの矛盾はなかったはずだ。
 想像し得なかった速さで迷いなく吐き出された否定に怯んだ乃木に対し、士は言葉を紡ぐ。

 「確かにお前の言うとおり、この女にはもう、元の世界に居場所がないのかもしれない。人もワームもこいつを拒み迫害するというお前の推測を、俺に否定することは出来ない」

 「そうだろう、それなら――」

 「だが、そんな推測なんかよりよっぽど確かなことが、ここにある」

 言いながら、士は顔だけ後ろを振り返った。
 そこにあるのは、傷ついた女と、それ以上に身を削り気を失った紫の異形。
 彼女らに向け短く頷いた彼は、もう一度乃木に向き直る。

 「この女は、例え自分が傷ついても、仲間の為に戦える。そして傷ついたこいつの為に、自分の身を犠牲にしてでも戦った男がいる。……それなら少なくとも、ここはこいつの居場所だ。
 世界の誰もが自分を否定しようとも、仮面の下に表情を隠そうとも、互いを理解し、背中を預け合って共に戦える仲間がいる。それさえあれば、そこは誰にも否定できない、そいつの居場所だ。
 自分が何者でも関係ない。こいつにしかない居場所、こいつだから得られた仲間。人間だのワームだの、主語を大きくしてそれぞれ違うものを一括りにして考えるお前に、それを否定する資格はない!」

 語気は強く芯を持ち、それでいてその瞳は乃木を射貫かんとするほどに真っ直ぐに。
 言い放たれた士の言葉に、乃木はもう取り繕うこともせず不気味に笑い声を上げ……、しかしそれもすぐにやめゆっくりと彼を睨み付ける。
 敵対者として、邪魔者を排除する思考にのみ集中を重ねながら。

 「貴様……一体何者だ」

 「通りすがりの仮面ライダーだ。……覚えておけ!――変身!」

 ――KAMENRIDE……DECADE!

 戦いの意思を叫んだ士がドライバーにカードを叩き込めば、彼の身体の周囲に生じた無数の虚像が彼と一体化し実像を結ぶ。
 それと同時バックルから生み出された数枚のカードが彼の顔に突き刺さるようにして収まると、力を手にしたディケイドの身体はマゼンタに光り輝き変身の完了を知らしめた。
 それはまさしく、誰かの居場所を自分勝手な理屈で頭ごなしに否定する悪を倒さんと通りすがりの救世主が立ち上がった瞬間だった。

 「ん?」

 変身を完了し、戦いの準備の為にライドブッカーへ手を伸ばしたディケイドの手に、三枚のカードが飛来する。
 一体何事かとそれらを一度に手に取れば、9つの世界の一つに属する龍騎のカードが、力を取り戻した証拠として鮮やかに彩られる姿だった。
 何がどうなっているのだ、と思わず困惑するディケイドだが、しかし瞬間後方より肩に向けて響いた小さな衝撃に振り返る。

 「アンタ、良いこと言うな!士って言うんだっけ?よろしくな!」

 見れば、そこにはディケイドの肩を緩く揺さぶりながら場違いなほどに眩しい笑顔を浮かべ話しかけてきている青年がいた。
 あまりにも馴れ馴れしい彼の態度、そして今手にしているカード、状況判断的に揃った証拠から導き出される推測を、ディケイドはまさかとは思いつつも問うてみることにした。

 「……お前、まさか城戸真司か?」

 「え、なんで俺のこと知ってんの?」

 ――そのまさかだった。
 自分の知る龍騎であるシンジは過去の同僚であるレンに対しても随分と懐疑的な性格であったことから、龍騎の力がこんなにすんなり取り戻せるとは士も思ってもみなかったのである。
 自分は蓮から予め彼について聞いていたからともかく、先ほどの話だけで自分を信用するとは。それも、自分に向けられたわけでもない、麗奈の居場所についての話で。

 なるほどこれはあの秋山蓮も苦労するほどのお人好しだとどこか気が抜けたディケイドは、一つだけ溜息をついてカードを戻しライドブッカーをソードモードに構え直した。

 「その話は後だ、真司。今はあいつらを頼む」 

 「お、おう!任せろ!」

 真司に指示を飛ばし視線を乃木に戻せば、彼は先ほど変身を解除したばかりだというのに再びカッシスワームへと変身を遂げていた。
 なるほどどうやら一度死んで首輪が外れたらしい。ともあれ、厄介な敵であることには変わりはない。
 理性を感じさせないような、怒りのみを込めた雄叫びに空気が震えるのを感じながら、ディケイドはカッシスへと向かっていった。


 ◆


 「間宮さん、大丈夫か!?」 

 「あぁ、私はもう大丈夫だ、それよりもリュウタは?」

 「気は失ってるけど、多分、大丈夫だと思う」

 「そうか……」

 短い仲間たちの安否確認を終えて、麗奈は一つ大きな溜息をついた。
 変身時間に関する余裕の有無などで戦いに対する隙が自然多くなってしまっていたと自己擁護をすることは出来る。
 だが結局、結果だけを見れば自分はあの士という男が来なければ仲間もろとも危険に晒し死なせてしまうところだったではないか。

 初めて得た、心から尊いと感じることの出来る存在を、守ることも出来ぬままこの世を去るところだったのだ。
 自分の不甲斐なさに、そして今までは感じる事のなかった死に対する膨大な感覚に、麗奈は思わず押しつぶされそうになる。

 「間宮さん、大丈夫?顔色が悪いみたいだけど……」

 「あぁ、大丈夫だ、心配をかけてすまない」

 言いながら真司に、心配ならどんどんかけてくれよ!などと返されるかと予想していたが、しかし彼は今度は何も言わなかった。
 人間である間宮麗奈が彼に心配をかけたくないと言った時と違い、仲間に対する感謝を込めた言葉だということを、彼も理解してくれたのだろうか。
 そんな細やかな気遣いをも感じられるようになった自分に驚きながら、麗奈は、再度戦場へと目を戻す。

 「背中を預け合い共に戦う事が出来る仲間がいること、それこそが自分の居場所になる、か」

 麗奈は、先ほどの士の言葉を再度噛みしめるように呟く。
 もし彼の言うとおりなら、今までのワームだった自分に、背中を預けられるような存在はいなかった。
 全て合理性で判断して動き、必要ともあらば同族を見捨てることも厭わない、それこそがワームとして高みに立つために必要なことだったからだ。

 きっとそうして見捨ててきたワームたちは、決して自分を許しはしない。
 数多の同族を殺してきたこの自分の手は、今更何をしたところで穢れを捨て去ることなど出来はしないだろう。
 だが、それでいい。もしも生涯許されぬ命だったとしても、それでも今は、自分の心が命ずるままに、自分の心が望むことを。

 (私にも生きていていい理由があるとするのなら、許されぬ生涯に、それでも意味があるのなら、私は――)

 そうして彼女は、その命の意味を証明するために、もう一度立ち上がったのだった。


 ◆


 剣と剣がぶつかり合う度に、火花が散っていく。
 間宮麗奈からリュウタロス、そしてディケイドと三連戦の形となったカッシスの動きは、しかしそれでもなおやはり達人の域であった。
 されどディケイドも怯みはしない。9つのカードのうち6つを取り戻したことで、ディケイド自体の能力も向上している。

 例え他世界のライダーへ変身をしなくとも、今のカッシスであれば十分に単身で渡り合うことが出来るようになっていた。

 「門矢士、病院で金居から君を助けてやったというのに、これが命の恩人に対する態度かね?」

 「悪い、そんな前のことは忘れた」

 「貴様……ッ!」

 憤りに任せ大きく振るった大剣でディケイドを無理矢理に引き剥がしたカッシスは、瞬間クロックアップを行使する。
 常人には認識さえ出来ない領域へと高速化したカッシスはそのまま、すれ違いざまに何度もディケイドを切りつけ彼の身体から火花を飛び散らせた。
 一瞬で与えられた多大なダメージによって思わず地に這い滑ったディケイドに止めを刺さんと、カッシスは再度のクロックアップで勝負をつけようとする。

 「――ッ!?」

 だがそれを阻んだのは、突如として舞い降りた一匹の機械仕掛けのトンボによるカッシスへの体当たりだった。
 忌まわしいZECTのマークが示されたそれに思い切り嫌悪感を露わにしながらも何とかそれを引き剥がそうと藻掻くカッシスをよそに、取りあえずの目的は果たしたと見たかそれは真っ直ぐに主の元へと返っていく。
 ディケイドとカッシス、その両者が注目する中、そのトンボ……ドレイクゼクターが移動をやめ滞空した先にあったのは、主の証拠足るドレイクグリップを持ち仁王立ちする間宮麗奈の姿だった。

 「貴様!ZECTのライダーシステムにその身を託すなど……ワームとしての誇りを失ったか!」

 「ワームとしての誇りなど、そんなものはもう必要ない。
 ……私は私の心が信じるものの為に戦う。戦って、生きる!――変身!」

 ――HENSHIN

 彼女の言葉に呼応するようにグリップに収まったドレイクゼクターが、タキオン粒子を放出し麗奈の身体を一瞬で屈強な戦士の鎧に包み込む。
 仮面ライダードレイク、それは風のように自由を愛するものとして、麗奈がワームへの決別と共に手に入れた力だった。
 変身と同時にドレイクゼクターから吐き出された複数の銃弾がカッシスを怯ませ後退させた隙を狙って、ドレイクは膝をつくディケイドの横に並び立つ。

 「まだ立てるか」

 「当たり前だ。それよりお前こそ――」

 「――お前ではない。私の名前は、“間宮麗奈”だ」

 言ったドレイクの声音は、どこか嬉しそうでもあった。
 ディケイドは生憎あまり女心に鋭い方ではなかったが、しかしそれでも、彼女の中にもうその名前を名乗ることに戸惑いがないのはすぐ理解出来た。

 「そうか。なら麗奈、行くぞ」

 「あぁ」

 覚悟を固めたドレイクに合わせるように、ディケイドはライドブッカーから一枚のカードを抜き出した。
 それをディケイドライバーに装填すると同時、ドレイクもまたドレイクゼクターのスロットルを引いた。

 ――KAMENRIDE……RYUKI!
 ――CAST OFF
 ――CHANGE DRAGONFLY

 電子音声と共に弾け飛ぶドレイクの装甲。ディケイドにオーバラップする影。
 それぞれの変身を終えた時、そこにいたのは二人の竜。
 仮面ライダードレイク(DRAGONFLY)と仮面ライダーディケイド龍騎(DRAGON KNIGHT)の姿だった。

 低くブッカーを構えるディケイド龍騎と、銃口を真っ直ぐにカッシスに向けるドレイク。
 一切戦意の衰えを見せないその瞳が、仮面越しにでも自分を射貫くような感覚をカッシスは覚えていた。

 「グオアアァァァァ!!!」

 雄叫びと共にドレイクに向けカッシスが振るった左手そのものである大剣を、ディケイド龍騎が受け止める。
 ならばとばかりに自由な右手で彼に打撃を見舞おうとするが、しかしそれはドレイクが放った正確な射撃により見当違いな方向へと向けられてしまう。
 思い通りにいかないもどかしさに思わずドレイクに気を取られたその瞬間、ディケイド龍騎は深くカッシスの腹を切りつけていた。

 呻きながら後退したカッシスに、再び斬りかかろうとするディケイド龍騎。
 しかしそれ以上の前身を黙って見ているほど、カッシスも甘くはなかった。

 「舐めるなっ!」

 怒号と共に右手に生じた闇を、苛立ちのままに二人に放つ。
 凄まじい威力が約束されている暗黒掌波動を前に、しかしライダーたちは冷静にそれぞれ左右に回避し次の手札を切っていた。

 ――ATTACK RIDE……STRIKE VENT!
 ――RIDER SHOOTING

 カッシスが闇を照射し終わる前に、鳴り響いた二つの電子音声。
 それによってダブルライダーから同時に放射されたのはそれぞれ赤と青のエネルギーを伴う光弾だった。
 このままではカッシスと言えど回避も防御もままならず消滅してしまう。

 「くっ……クロックアップッ!」

 だがそれは、何もしなかったときの話だ。
 勢いよく叫んだカッシスは、目の前にまで迫りつつあったディケイド達の攻撃が一気に速度を落としたのを見て安堵する。
 ワームとしての能力で、超高速空間に逃げ込んだのである。

 門矢士というイレギュラーが現れてしまった現状、このまま戦い続けるのは如何せん分が悪い。
 間宮麗奈を見逃すのに後ろ髪引かれる思いを感じながら、しかしそれでも大局のためその身体を翻しこの場を後にしようとする。

 「――逃がさん」

 だがそんな彼の瞳に映ったのは、怒りを滲ませながら佇むドレイクの姿だった。
 どうやら自分が逃げることまで読んだ上で、攻撃と同時クロックアップを発動していたらしい。
 なるほど自分を処刑する執行人気取りか。どういった心境かは知る由もないが堂々と立つドレイクに対し、しかしカッシスは高らかに笑い声を上げた。

 「詰め(チェック)をかけるつもりで墓穴を掘ったな、間宮麗奈。俺を追い詰めたつもりか?逆だよ。この空間では君のお仲間たちからの助けは期待出来ない。
 一対一では俺に敵わないことなど、先ほどの戦いで分かりきっているだろう?」

 「……それはどうかな」

 短く戦いの意思を告げたドレイクは、そのまま引き金を振り絞り弾丸を放つ。
 それを難なく右手の盾で受け止めつつ、カッシスは彼女を切り捨てんとする勢いで左手を大きく振るった。
 ドレイクは紙一重でそれを避けるが、しかしカッシスの猛攻は止まることを知らない。

 繰り返されていく剣の舞に、やがて彼女は吹き飛ばされてしまう。

 「終わりだ間宮麗奈。……その首、貰い受ける!」

 そして、勝利を確信したカッシスがそのまま彼女を見逃すはずもない。
 一瞬で距離を詰め、身動きの出来なくなった彼女の首を切り飛ばす勢いで横凪ぎに剣を振るった。
 だが、ドレイクの首と身体を分かつはずだったその一撃は、虚しく空を切る。

 いや、まだそれはいい。また彼女が回避できなくなるまで攻撃を続ければいいだけだ。
 それよりも、今最も大きな問題は――。

 「何、一体どこへ……!?」

 ドレイクの姿が、忽然と消え失せてしまったことだ。
 まさかドレイクの姿のままハイパークロックアップなどの特殊な能力を行使したとでもいうのか。
 有り得ない、と困惑するカッシスの元に、降り注ぐ声が一つ。

 「後ろだ」

 背筋が凍るような冷たい女の声が自身の後方より響いて、カッシスは思わず硬直する。
 だが、流石はワームの王。背中に突き付けられている銃口に臆することなく瞬間でも彼女の気を反らすため、彼は口を開いた。

 「貴様、一体どうやって俺の後ろに……?」

 「忘れたのか。私は真似をしただけだ。私の仲間がお前の背後を取った時の、な」

 ニヤリと笑いながら、ドレイクは告げる。
 そう、彼女はカッシスが剣を横に振り払い足下への視界が悪くなるその瞬間、リュウタロスが行ったのと同じように足の間を滑り抜けこうして後方を取ったのである。
 ウカワームの剛直な身体でも、クロックアップを持たないリュウタロスでも完遂出来なかったカッシスの攻略法。

 それが今、ドレイクを纏った麗奈の手によって、ようやく果たされたのであった。

 「グゥ、ウオオォォォ!!!」

 しかし当のカッシスは、この敗北を認めることなど出来はしない。
 獣のような雄叫びを上げて、銃口をも気にせず思い切りドレイクに向け振り返ろうとする。
 だがそれこそが、彼女の狙い。振り返りざまの彼に向け全力で引き金を引けば、そこは先ほどディケイドが切りつけた部分に丁度一致し、さしものカッシスも呻き声を上げた。

 そしてそれで済ませるドレイクではない。
 数歩後退したカッシスに渾身の後ろ回し蹴りを食らわせ仲間のデイパックを全て回収しつつ、ゼクターのグリップを引く。

 「ライダーシューティング!」

 ――RIDER SHOOTING

 ドレイクの絶叫と共に銃口に迸るタキオン粒子は、まさしく必殺の一撃。
 一瞬の緊張の後放たれたその高エネルギーの弾丸を、しかしカッシスは自身の盾で防いでいた。
 そしてその威力故に後方へと足を引きずられながらも、彼は高らかに笑う。

 「ハハハハッ、最後の最後、見誤ったな間宮麗奈!貴様は忘れているだろうが、俺はもうクロックアップの再使用に制限などない!
 この一撃を耐えきり貴様のクロックアップが制限にかかった瞬間こそが、貴様の最後だ!」

 「忘れてなどいないさ、乃木怜治。それから最後に貴様に、一つだけ忠告しておいてやろう。――後ろに気をつけろ」

 ――CLOCK OVER

 瞬間、ドレイクの高速移動能力の終わりを告げる電子音声が響く。
 これで自分の勝利は揺るぎない。この程度の一撃など、耐えてみせる。
 そう思い右手に一層意識を集中させようとして、気付く。この場所に見覚えがあることに。

 「後ろに気をつけろ、だと?――まさか!」

 ハッと一つの可能性に辿り着いたカッシスが振り向けば、既にそこには弾速を戻した二つの弾丸が、先ほどドレイクとディケイドが通常時間軸で放った一撃が迫っているのを視認する。
 つまりは、挟み撃ちだ。まさか、奴はここまで読んで先ほどの攻撃などで自分の位置を調整していたというのか。
 咄嗟に回避を試みるが、しかし敵わない。右手の盾で既に抑えている弾丸が、彼を拘束して離さないのだ。

 「グ、オォォォ!!!間宮、麗奈アァァァ!!!」

 断末魔の様に叫ぶと同時、カッシスの左手そのものである剣にタキオン粒子が禍々しく輝いて。
 辺りは、光と爆音で満たされた。


 ◆


 「……逃げた、か」

 凄まじい閃光と爆音が晴れた後、周囲に敵意が感じられず、また乃木が乗ってきていたらしいバイクが消えているのを見て、麗奈は変身を解除しながら呟いた。
 勝った。ワームの王とでも言える実力の持ち主に自分は、いや自分たちは勝ったのである。
 先ほどの浅倉との戦いよりも実感として自分が今のまま生きていていいのだという権利をも勝ち取ったような気持ちになって、麗奈は大きく深呼吸した。

 「大丈夫か、麗奈」

 「あぁ」

 ふと見れば、同じように変身を解除した士が、自分に向けて声をかけてきていた。
 彼がいなければどうなっていたことか。浮かんでしまった最悪の可能性は、しかしこの男がいなければ確実に訪れていたものだ。
 取りあえずは彼に感謝の言葉を。そう思い口を開こうと彼女は一歩足を進める。

 「ありが――」

 「――おいアンタ!なんでデッキもないのに龍騎に変身できんだよ!一体何がどうなってんだ!?」

 だがその一言は、間の抜けたような驚愕を含んだ真司の声によって、遮られてしまう。
 本来ならば怒っても良いはずだというのに、無性に微笑ましいのは、人間である間宮麗奈本人が持つ朗らかな性格故だろうか。
 ともかく、そんな真司の言葉を受け、何とも気が抜ける奴だと溜息一つを吐きながら、士は一瞬麗奈と視線を交わした後真司に振り返った。

 「悪いが詳しい話をしてやれる時間はない。だが、そうだな。お前らには幾つか伝えなきゃいけないことがある」

 そうして彼は語り出した。未だ知らぬ彼らの仲間の死とその詳細を。
 そして今の自分が、一体どこへ何故向かおうとしているのかを。


 ◆


 広い草原を、足を引きずりバイクに寄りかかりながら何とか歩いている男の影。
 その姿を先刻までの彼自身が見れば、嘲り馬鹿にしていただろう情けのない姿。
 しかしそれでも、彼は歩みをやめずただ一心に復讐のみを誓いながらその足を進めていた。

 「間宮麗奈……次に会ったときは、必ず、その命を……!」

 あの時、三つの弾丸に挟まれ絶体絶命となったカッシスは、ライダースラッシュによる斬撃で攻撃の威力を殺し、何とか九死に一生を得たのである。
 だが、乃木は、命が助かったと言うだけのことに喜ぶような小さな男ではなかった。
 目の前に愚かな裏切り者がいるというのにそれを見過ごさなければならないという屈辱。それを味合わせた間宮麗奈と門矢士への絶えない憎悪が、彼を支配していたのである。

 「だが……今の身体では奴らの相手どころかA-4エリアに向かうのも難しい……。
 ここは一旦もう一人の俺と合流し、体勢を立て直さなくては……」

 息も絶え絶えに今後の方針を固め、乃木は歩く。
 その先にも、もう一つの苛烈を極める戦いがあることなど、露程も知らずに。


【二日目 早朝】
【G-2 平原】

【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第44話 エリアZ進撃直前
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、屈辱、間宮麗奈、門矢士への憎しみ
【装備】なし
【道具】ブラックファング@仮面ライダー剣、
【思考・状況】
0:取りあえずG-1エリアに向かいもう一人の自分と合流する。
1:間宮麗奈は次に会ったときは絶対に殺す。
2:大ショッカーを潰すために戦力を集める。使えない奴は、餌にする。
3:状況次第では、ZECTのマスクドライダー資格者も利用する。
4:最終的には大ショッカーの技術を奪い、自分の世界を支配する。
5:志村純一を警戒。まったく信用していないため、証拠を掴めばすぐに始末したい。
6:もう一人の乃木にこれ以上無様な真似を見せないようにしなくては。だが、背に腹は代えられないか。
【備考】
※カッシスワーム・クリペウス(角なし)になりました。
※現在覚えている技は、ライダーキック(ガタック)、ライダースラッシュ、暗黒掌波動の三つです。 なお新しくはもう覚えられないようです。
※東京タワーから発せられた、亜樹子の放送を聞きました。
※村上と野上ではなく、志村があきらと冴子を殺したのではと疑っています。
※クロックアップに制限が架せられていること、フリーズ、必殺技吸収能力が使用できないことを把握しました。 なお、現在クロックアップに関しては連続使用に制限はないようです。
※第二回放送を聞いていませんでしたが、間宮麗奈より情報を得たので内容について知りました。
今のところは内容について別に気にしていません。


 ◆


 「――もう行くのか」

 「あぁ、悪いが通りすがりなんでな。そうゆっくりもしてられない」

 「キングって奴のこと、頼むな!あと翔一たちのこともよろしく」

 「分かってる」

 バイクに跨がりヘルメットとゴーグルをつける士に、麗奈と真司はそれぞれ言葉をかける。
 士からもたらされた情報は、非常に有益なものばかりだった。
 大ショッカーを一度潰したというディケイドの力、そして士自身について。

 何より西病院を襲うかもしれないキングという大ショッカー幹部の男については、少々議論が発生した。
 結局は、仲間達の危機なのだから自分もついていくとせがむ真司を、傷だらけの麗奈やリュウタ、そして戦闘要員として過度の期待は出来ない三原を守れるのはお前しかいないと説得しことは終わったのだが、それでもなお彼は不安が拭えないようだった。
 そしてそれは、士も同じだった。

 「真司、無茶だけはするなよ」

 「何だよいきなり。お前こそ気をつけろよな」

 「……そうだな」

 言ってから、真司にとっては唐突すぎたかと少し自省する。
 幾ら自分が力を取り戻したライダーがすぐに死んでしまうというのが統計的に立証されつつあるとはいえ、それは所詮仮説にすぎないのだ。
 どうにか彼には無事でいて欲しい。その為にこの場を離れるという理由も、なくはないのだから。

 「門矢士、私からも一つだけ聞いておきたいことがある」

 「何だ」

 と、そこで会話に加わったのは麗奈だった。
 傷ついた身体に処置を施し、一応移動にも支障はないらしい彼女は、どこか少し悪戯っぽい表情で士のすぐ近くにまで歩み寄った。

 「さっきお前が言った、仲間がいる場所が自分の居場所なのだという話。あれは、私にだけ向けた言葉ではないな?」

 麗奈のその言葉に、士はここに来て初めて言葉に詰まってしまう。
 そう、自分の世界がないということ、そして居場所がどこにもないということ、誰もが自分を拒絶し迫害するということ……。
 全て、士も経験したことだった。だから、同じ境遇になりつつある麗奈に対する乃木の言葉に、一切の葛藤もなしに反論することが出来たのだ。

 「あれは、もしやお前自身の――」

 「――さぁな」

 微笑を浮かべた麗奈に対し。見透かされたようでばつが悪かった士は下手な返しと不器用な笑みだけを残してエンジンをかけた。
 思い切りアクセルが振り絞られると同時、トライチェイサーは唸りを上げて北へと向かっていく。
 それを見送りながらどこかまた自然と笑みが浮かんでいる自分の顔を自覚して、麗奈は一人自由という状況を謳歌していた。


 ◆


 麗奈と真司から少し離れたところで、三原は一人リュウタの側で彼を見守りながら物思いに沈んでいた。
 乾巧と、野上良太郎が死んだ。
 士が話したその情報が、三原をより一層不安にさせる。

 流星塾の生き残りと協力し悪いオルフェノクを倒していたという乾巧。
 正直な話、信頼できるとは言えそれも伝聞で聞き及んだ話だし、面識もない相手が死んでしまったと言っても、三原の中に特別な感情は特に浮かばなかった。
 そう、だからそれ以上に――。

 「良太郎さんが死んだなんて、俺お前に何て言えばいいんだよリュウタ……」

 目の前で疲れ果て眠る紫の怪人が、最も信頼を寄せ強さを認めていた青年の死。
 それを自分は、なんと言えばいいのだろうか。
 いやどうせ、何を言ったところで「良太郎を倒した奴は僕が倒すから!」などと言って聞かないのだろうことは予想がつく。

 だがその下手人であるキングは、大ショッカーの幹部だし、あの士という男さえ一度は逃がしたという。
 そんな相手を前に、自分やリュウタが敵うわけないではないか。デルタが戻ってきたところで、自分は結局自分の身を守ることくらいしか出来ないのだ。
 逃げている最中に巻き込まれた戦闘ならまだしも、自分から戦闘が予想される場所に赴くなど、絶対にごめんだった。

 『世界の誰もが自分を否定しようとも、仮面の下に表情を隠そうとも、互いを理解し、背中を預け合って共に戦える仲間がいる。それさえあれば、そこは誰にも否定できない、そいつの居場所だ』

 そこまで考えて、三原の脳裏にふととある言葉が過ぎる。
 先ほどディケイドが、麗奈に向け放った言葉は、少し離れたところで一部始終を見届けていた三原の耳にも届いていたのだ。

 「背中を任せて戦えるとか……何なんだよ……!戦うのなんて怖いに決まってるだろ……!戦いたくない……俺は……!」

 共に戦える仲間がいることが一つの居場所の証明だとするのなら、自分の帰る場所はやはり元の世界に存在する自分の家以外にない。
 あの何の変哲もない日常に帰りたい。そう思う自分を、親切にしてくれた異世界の人々をこのまま見捨てて帰るわけにはいかないという自分が叱咤する。
 どうしようもない二律背反に三原はいつしかストレス性の胃痛を覚え……、やがてその苦しさから免れるためにこの何度目ともしれぬ思考を再び停止した。

【二日目 早朝】
【F-2 平原】

【門矢士@仮面ライダーディケイド】
【時間軸】MOVIE大戦終了後
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)、決意、仮面ライダーディケイドに1時間45分変身不可
【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド、ディエンドライバー+ライダーカード(G3、王蛇、サイガ、歌舞鬼、コーカサス)+ディエンド用ケータッチ@仮面ライダーディケイド、トライチェイサー2000@仮面ライダークウガ
【道具】支給品一式×2、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、キバーラ@仮面ライダーディケイド、 桜井の懐中時計@仮面ライダー電王 首輪探知機@オリジナル
【思考・状況】
基本行動方針:大ショッカーは、俺が潰す!
0:どんな状況だろうと、自分の信じる仮面ライダーとして戦う。
1:キングを探すため、西側の病院を目指す。
2:巧に託された夢を果たす。
3:友好的な仮面ライダーと協力する。
4:ユウスケを見つけたらとっちめる。
5:ダグバへの強い関心。
6:音也への借りがあるので、紅渡を元に戻す。
7:仲間との合流。
8:涼、ヒビキへの感謝。
9:黒いカブトに天道の夢を伝えるかどうかは……?
【備考】
※現在、ライダーカードはディケイド、クウガ、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、電王の力を使う事が出来ます。
※該当するライダーと出会い、互いに信頼を得ればカードは力を取り戻します。
※参戦時期のズレに気づきました。
※仮面ライダーキバーラへの変身は光夏海以外には出来ないようです。
※巧の遺した黒いカブトという存在に剣崎を殺した相手を同一と考えているかどうかは後続の書き手さんにお任せします。



【間宮麗奈@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第40話終了後
【状態】意識統合、疲労(大)、ダメージ(大)、ウカワームに1時間30分変身不能、仮面ライダードレイクに1時間45分変身不能
【装備】ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、ゼクトバックル(パンチホッパー)@仮面ライダーカブト、
【思考・状況】
基本行動方針:自分の中に流れる心の音楽に耳を傾ける。
1:東の病院へ向かい士の仲間たちと合流する。(村上峡児への対処は保留)
2:皆は、私が守る。
3:仲間といられる場所こそが、私の居場所、か。
【備考】
※『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると、推測しています。
※人間としての人格とワームとしての人格が統合されました。表面的な性格はワーム時が濃厚ですが、内面には人間時の麗奈の一面もちゃんと存在しています。
※意識の統合によって、ワームとしての記憶と人間としての記憶、その両方をすべて保有しています。
※現状、人間時の私服+ワーム時のストレートヘアです。




【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【時間軸】劇場版、美穂とお好み焼を食べた後
【状態】強い決意、翔一、士への信頼、疲労(中)
【【装備】カードデッキ(龍騎)@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、優衣のてるてる坊主@仮面ライダー龍騎、カードデッキ(ファム・ブランク)@仮面ライダー龍騎、サバイブ「烈火」@仮面ライダー龍騎
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの命を守る為に戦う。
1:東の病院へ向かい士の仲間たちと合流する。(村上峡児への対処は保留)
2:翔一たちが心配。
3:間宮さんはちゃんとワームの自分と和解出来たんだな……。
4:この近くで起こったらしい戦闘について詳しく知りたい。
5:黒い龍騎、それってもしかして……。
6:士の奴、何で俺の心配してたんだ……?
【備考】
※支給品のトランプを使えるライダーが居る事に気付きました。
※アビスこそが「現われていないライダー」だと誤解していますが、翔太郎からリュウガの話を聞き混乱しています。
※アギトの世界についての基本的な情報を知りました。
※強化形態は変身時間が短縮される事に気付きました。
※再変身までの時間制限を二時間と把握しました。
※天道総司の提案したE-5エリアでの再合流案を名護から伝えられました。
※美穂の形見として、ファムのブランクデッキを手に入れました。中に烈火のサバイブが入っていますが、真司はまだ気付いていません。




【三原修二@仮面ライダー555】
【時間軸】初めてデルタに変身する以前
【状態】強い恐怖心、疲労(中)
【装備】デルタドライバー、デルタフォン、デルタムーバー@仮面ライダー555、ランスバックル@劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE
【道具】草加雅人の描いた絵@仮面ライダー555
0:俺は……。
1:できることをやる。草加の分まで生きたいが……。
2:居場所とか仲間とか、何なんだよ……。
3:巨大な火柱、閃光と轟音を目撃し強い恐怖。逃げ出したい。
4:東病院へ向かうが、村上はどうすれば……。
5:リュウタに良太郎って人のこと何て言えば良いんだよ……。
6:オルフェノク等の中にも信用出来る者はいるのか?
7:戦いたくないが、とにかくやれるだけのことはやりたい。
8:リュウタロスの信頼を裏切ったままは嫌だ。
【備考】
※リュウタロスに憑依されていても変身カウントは三原自身のものです。
※同一世界の仲間達であっても異なる時間軸から連れて来られている可能性に気付きました。同時に後の時間軸において自分がデルタギアを使っている可能性に気付きました。
※三原修二は体質的に、デルタギアやテラーフィールドといった精神干渉に対する耐性を持っています。今抱いている恐怖心はテラーなど関係なく、ただの「普通の恐怖心」です。
※デルタギアを取り上げられたことで一層死の恐怖を感じたため、再度ヘタレています。



【リュウタロス@仮面ライダー電王】
【時間軸】本編終了後
【状態】疲労(大)、ダメージ(大)
【装備】デンオウベルト+ライダーパス@仮面ライダー電王、リュウボルバー@仮面ライダー電王
【道具】支給品一式、ファイズブラスター@仮面ライダー555、デンカメンソード@仮面ライダー電王、 ケータロス@仮面ライダー電王
(気絶中)
0:修二、強くなった……のかな?よくわかんない。
1:今の麗奈は人間なの?ワームなの?どっちでもないの?
2:良太郎に会いたい
3:大ショッカーは倒す。
4:モモタロスの分まで頑張る。
5:東側の病院へ向かい友好的な参加者と合流したい。
【備考】
※人間への憑依は可能ですが対象に拒否されると強制的に追い出されます。
※自身のイマジンとしての全力発揮も同様に制限されていることに何となく気づきました。
※麗奈が乃木との会話の中でついた嘘について理解出来ていません。そのため、今の麗奈がどういった存在なのか一層混乱していますが、それでも一応守りたいとは思っています。

129:レクイエムD.C.僕がまだ知らない僕(3) 投下順 131:飛び込んでく嵐の中(1)
時系列順
127:What a wonderful worms 城戸真司 138:そしてゴングは鳴り響く
三原修二
間宮麗奈
リュウタロス
乃木怜治(角なし) 132:Diabolus
126:ステージ・オブ・キング(3) 門矢士 133:未完成の僕たちに(1)



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最終更新:2019年05月02日 00:36