きみはともだち

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「 ははっ、なんだよ、そんなことで落ち込むなんて。きみらしくないよ、元気出して。 ぼくがきみの役に立つって言うんなら、いつだって飛んで行くし、いつまでだってそばにいてあげる。 うまく言葉が見つからないけど、もしもぼくの声がきみの心を癒せると言うのなら、ぼくにも相槌を 打つくらいならできるから。 思えばきみとぼくは、まるで合わせ鏡みたいだね。きみが笑えばぼくも釣られて笑って、きみが 怒ればぼくも負けずに意地張って……でも、でもね。 ぼくが寂しい時に、わざわざぼくに付き合って上手く話を聞いてくれたきみ。それこそ相槌ひとつで 心を軽くしてもらったこと、今ではすごく感謝してる。 だから今は。今きみが泣いていても、ぼくは一緒に泣いたりしない。 だってそれじゃ何も変わらないし、それでいつかきみがいなくなりでもしたら、ぼくは本当に困るから。 うん、その、つまり、そういう事。 きみはぼくの、大切な。 とても大切な……ともだち、だから。 」 **** 「あ、おはようございます、真さん」 「おっはよー涼っ!今日はいい天気だねえあっははははー」 「真さん、なんだかすごく楽しそうですね。なにかいいこと、ありましたか?」 「んー、わかる?わかる?昨日はなんていうか、ボクと雪歩との深く熱い友情を再確認できた日 っていうか、そんなとこ?」 「昨日?真さん、テレビ局で雪歩さんの収録上がり待ってるところで会ったんでしたっけ」 「歌、あんまり上手くいかなかったってヘコんでたから一生懸命励ましてあげてさ。最後はやっと 笑ってくれたよ。嬉しかったな」 「……ああ、それで。なんにせよ、よかったですね」 「ん?それに引き替え涼はテンション低め?……ってちょっと!そのほっぺたどうしたの!?」 「えっ、な、何が?」 「ぱっと見わかんなかったよ。手形、よく見ると隠せてない」 「ええっ?いけない、ファンデ薄かったかな」 「涼は……夢子ちゃんと会うって言ってたね、ケンカでもしたの?」 「いえ、オーディション失敗して落ち込んでたから、元気づけてあげられないかなって……」 「慰めてあげたんだ?じゃあ、なんでソレ?」 「よくわかんないけど地雷踏んじゃったみたいです」 おわり

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