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「元気がないわね、どうかした?」
「いつもいろいろお世話になっているプロデューサー殿に、なにか感謝の気持ちをお伝えせねば、と思っているのですが、
どうしたらうまく伝えられるのか判らず、途方に暮れております」
「別にそんなの不要だとは思うけど、そういう気持ちは喜ぶと思うわよ」
「なにかいい知恵はございますか」
「そうね、自分の気持ちが伝わって、相手が喜んでくれることなら何でもいいと思うけど?」
「喜ぶ、ですか……残念ながら、それを知る方法が私には判らないのです」
「それじゃあ、相手を観察してみれば?例えば、お腹がすいたら、食べ物屋さんが目に付くようになるだろうし、
服が欲しいと思ったら、メンズファッション誌とか読むようになるだろうし、そういうところを気をつけて見たら、
わかるんじゃないの?」
「なるほど、さすがです。大いに参考になりました。ありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして……って、ちょっとプロデューサー、そんなところにそんな雑誌を置いとかないで下さい!
事務所には女の子が何人もいるんだから、そういうことは慎んで下さい、ってこの間注意したばかりでしょ!」
「あー悪い悪い、友達がくれたのをそのまま持ってきただけなんだ。すまんすまん」
「だから、片付けて下さいってば!」
「……プロデューサー殿は、本日お休みになるそうです」
「え、どうかしたの?」
「その……プロデューサー殿のためによかれと思ったのですが、少々度が過ぎてしまったようで……」
「度が?過ぎる?なんだか要領を得ない話ねえ。……あれ、その雑誌……」