僕の、大切な君へ。

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僕の、大切な君へ。 君とはじめて会った日のことは、僕は一生忘れない。 うら寂しい事務所の一室で、はじめて僕と顔をあわせたときのこと。 今も、僕は君から観れば、まだまだヒヨッコ同然なのだろう。 そのヒヨッコから観れば、あのとき君の話す言葉はまるで別の国の人の言葉のようで。 素人同然の僕。既に経験も積み、業務には一見識あった君。 そのときの僕にできるのは君の隣にいられるよう、走り続けることだけだった。 いや、それは今も変わらない。君を超えた、君を上回ったなんて今でも思ってない。 君の隣に居られる立場を守り続ける、せいぜいそれくらいで。 だから、時たま、君が僕に向けてくれる言葉ですらないメッセージ 「私のとなりに、あなたが居てもいい」 そのメッセージが伝わってくることが、僕を何より喜ばせてくれる。 朝の挨拶、仕事の後の言葉、プレゼンに上がる前のわずかなやりとり。 礼儀正しい社交辞令の言葉の中に見え隠れする、君のこころからの視線を感じ取れた瞬間。 その瞬間をもっともっと味わいたくて、僕は今日も仕事に励むのだ。 君に話した、君と交わした言葉が嘘になってしまわないように、今日も仕事に励むのだ。 覚えているかい、いつだったか、学園祭の仕事の前に二人で抜け出して祭の様子を見て回ったこと。 あの時ボツにした現代アイドル論の原稿、ごめん、読ませてもらった。 まだ世間的には高校生と呼ばれる年だった君が、一生懸命書いてたあの文章。 君の「アイドル」という仕事への熱意、読んでる自分までちょっと胸が熱くなったものさ。 君が、そう、僕の一番大切な君が、こんなに大切に思っている仕事なのだから。 僕もせめて君への想いに恥じずに済むような、そんな自分になろうと思ったんだ。 学園祭の雰囲気にはどう考えても合わないので、没にはさせてもらったけれど。 だから、僕を見込んでくれたこと、僕を目標にしたい、と言ってくれたこと。 僕をそれ以上誇らしい気持ちにさせてくれることなんて、きっとこれからもないだろうと確信してる。 君にそこまで言わせてしまった以上、僕はもう後ろに下がることなんてできやしない。 君の口から「あんまり失望させないでください」なんて聞かされるくらいなら、消えてしまったほうがマシなくらいだ。 ……それで僕が本当に消えてしまったら、そのときこそ一番失望されるだろうけれど。 それくらいには僕も自信をもってはいるんだ。君に、僕が「居ていいよ」って思われてることについては。 調子に、のりすぎかな? だから。これからも、僕を君の隣に居させてほしい。 僕が君に望むのはそれくらい。 朝はもうちょっと寝ていたい、たまには休みで君をどこかに連れださせてほしい、そのときに「高すぎです」なんていわないでほしい、そりゃ小さな希望はたくさんあるけれど。 僕が君のとなりに居場所をつくれるのなら。 君が僕を、隣に立つ存在として想ってくれるのなら。 それが、僕が君からもらえる、一番のプレゼントなんだ。 仕事のうえでは望む未来を叶えるために、とことんまでやりあおう。 プライベートでは言いたいことを全部話そう。 君なら、君となら、やっていける。 いや、君とこれからもずっとやっていきたい。 律子、愛してる。 君に来年も、その次も、そのまた次も。 この言葉を胸張って贈れる自分でいるよ。 「……ということでしたー! どうよ律っちゃん、この双海・アミーゴの愛と情熱に満ちた感動満載の朗読は!」 「そしてこの双海・マミーゴの、兄(c)の秘密文書を見事発見してのけた英知と機転に満ちた情報収集能力は!」 「折りしも今日は生放送、あの人はいま! ~共に歩んだ仲間たちのその未来~ 4時間スペシャル……の目玉の目玉!」 「この兄(c)の愛の告白を、かつての仲間が律っちゃんに読み上げる、これで全国の視聴者も感動の嵐だよね! さあ律っちゃん、思う存分感謝の涙をながしたまえ!」 「……あ、」 「さあ、もう亜美も真美もあの頃のよーなひんそーばでぃじゃないもんね!」 「今や律っちゃんを泣かせるに充分なほどの、このナイスなムネに飛び込んできたまえ!」 「あんた達ぃぃぃぃっっっ!!! あ、ああああ、あたしの、ひ、ひさしぶりに用事があるって言うからスケジュールもあけて、  家の、準備までして、それがこの日本全国にこのこっ恥ずかしい公開なんちゃらタイムの、う、……もう勘弁ならなーいっ!!   そこ、逃げるな、待ちなさぁーーーいっっ!!!」 「うん、真美、激怒律っちゃんのキレとコクは健在だね!」 「これなら今晩は見事な夫婦喧嘩とその後の『おたのしみでしたね』までばっちりだよ!」 「うんうん、愛しのダーリンとの熱い夜、これこそヒトヅマ律っちゃんへの最高のプレゼントだよね!」 「あんたらそれが現役トップアイドルの台詞か、いやそれよりさっさと成敗されなさぁーーーいいっっ!!!」 < しばらく おまちください > ……画面、暗転す。

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