『紳士』

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「芯の強い娘を最後まで折ってこそ紳士だろう」 ああ、またプロデューサーが変な事を言ってます。誰か、止めて、 「それは、違う」 真ちゃん。しっかり止めてね。凄く嫌な予感がするから。 「プロデューサー、真の紳士たるもの……」 そうそう、紅茶を嗜むとかレディファーストとか…… 真ちゃんとお茶会とか、憧れるなぁ、 「気の弱い娘に攻められて、否、攻めさせてこそだ!」 って、え、ええ? ……白い歯が嫌に眩しいよ、真ちゃん。真ちゃんも遠い人だったの!? ねぇ、真ちゃん。格好良くて、王子様みたいなあなたはどこに行ったの? 私の中の真ちゃんは答えてくれない。いつもと変わらない笑顔を向けてくれるだけ。 「「雪歩!」」 二人に、呼ばれ現実に戻される。小鳥さんがちょっと羨ましい。戻らないで済むから。 「は、はい」 弱々しく口を開く。願わくば、 「「雪歩はどっちが正しいと思う?」」 どちらの箱にせよ、その中に希望が僅かでも残っていますように。 あるいは、被害者が私ではありませんように。

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