無題371


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朝、広告用の写真を撮るためにスタジオへと向かえば、美希が既に来ていた。
眠そうな目で、やる気はなさそうだが、時計を見れば私が指示された十五分前。やっと美希にも自覚が出てきたのだろうか。
十五分、私からすれば気合いを入れ仕事モードに入るには十分だ。
「悪い、千早。かなり待たせる事になる」
訳が分からず戸惑う私への説明を保留し、美希を隣の部屋へ押し込む。
慌ただしく指示を出すプロデューサーにわざわざ声をかけるのもはばかれ、開いている椅子に腰かけ楽譜に目を通し、フレーズを口ずさむ。
relations、美希の持ち歌で新しく組むことになったトリオで歌う予定の曲でもある。
良い歌詞だと思うし、精一杯表現したい。それこそ美希に負けないように。
やっと落ち着いたのかプロデューサーが説明に来る。
聞けば今回の撮影は和風がコンセプトらしく、衣装もそれに合わせたらしい。
とは言え、他のアイドルのロケもあるから衣装担当をここだけに何人も用意する余裕はなかったらしく、仕方ないから手間のかかる順にズラして時間を伝えたらしい。
そして美希は十五分遅刻だったと。
その事実以上に私が気にするべきは、補正が必要ないと見られたことだろうか。
なぜか、男物の浴衣があるのと真がまだ来ていない事を考えればマシな気もするが、どうなのだろう。
悩んでいると騒がしくなり思考に集中出来ない。耳を傾ければ面倒くさいから補正しなくて良いとか言い出す美希。
補正しなさい。さもないと『ポロリもあるよ』をさせるわよ。
ちなみにプロデューサーが私と真の八つ当たりを受けたのはどうでも良い話ね。