俺もお前の国に入国させてくれ


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「い、伊織ちゃん伊織ちゃん、わっ私告白されちゃいましたっ!」
「はぁ?約束に遅れてきたと思ったらいきなり何言ってるのよ、この事務員は」
「そ、それがね、かくかくしかじか」
「春香たちのプロデューサーが?発端は社長からのお見合い話?断ると言った彼に忠告を?
……あー、なるほどそっか、アイツなら口走りそうだわね」
「伊織ちゃん、私びっくりしちゃって逃げてきちゃったの!こ、これってまずいわよね、ちゃ、
ちゃんとご返事……」
「まず私に相談振ってくるのが大間違いでしょーに、はぁ。心配しないでも大丈夫よ小鳥、それ
多分あいつの冗……いや、待ってよ」
「どうしたの?」
「いい?小鳥。これは765プロ始まって以来の一大事よ。みんなのお姉さんであるあんたが
プロデューサーと婚約なんて話が広まったら、アイドルたちのテンション悪化は避けられないわ」
「そ、そうかしら」
「そうよ、絶対そうだわ!だから小鳥、あんたはこのこと、他のアイドルに絶対知られちゃダメよ」
「わかったわ伊織ちゃん」
「プロデューサーも環境が急に変わったら困ると思うわ、当分は自然体で振舞えばいいんじゃ
ないかしら」
「自然体?」
「これまでどおりってことよ。急にベタベタしたら周りが変に思うでしょ?それにこういうことは男で
あるプロデューサーの側からちゃんと発表させないと、まるであんたが強要したみたいになっちゃうわ」
「なるほど、それじゃ事実と異なるわね」
「あんたは今まで通りにやさしい事務員さんでいればいいわ、いつかプロデューサーが本当の
ことを言うと思うから、それまではじっと我慢よ、いいわね」
「わ、わかったわ伊織ちゃん。私、みんなより先に幸せになってごめんね?」
「いいのよ、今回のことで小鳥をうらんだりする人なんか、絶対いないから。衣装合わせは私
一人で大丈夫だから、あんたはお茶でも飲んでなさい」
「はい、お手伝いできなくてごめんなさいね。……ねえ、伊織ちゃん?」
「どうしたの?」
「私……輝いてるかしら」
「輝いてるわよテッカテカに!だから自重しなさいって言ってるの!」
「ありがとう。じゃ、私、行くね」
「はいはい、行って行って」

……

「ふぅ、なんで私があんなプロデューサーなんかの冗談の尻ぬぐいしなきゃなんないのよ。
ほっといたら小鳥のヤツ、事務所じゅうに言いふらす勢いじゃない!……そうね、アイツにも
少し反省してもらおうかしら。これで小鳥は恥かかずに済みそうだし、口は災いの元って言葉、
身をもって経験させてあげましょうね、にっひっひ♪」

翌日以降、アイドルに会うたびに同じことを聞かれて事情説明に追われるプロデューサーの
姿がのべ8回ほど見られたと言う。