高槻やよい

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  • 武田の歌姫調査
    ... 「はわっ」 「高槻やよいちゃんじゃないですか。おっはようございます」 最近よく見る芸人のEさんだっ! 「お、おはようございまーす!」 「おっと出ました!ガルウィング!撮った?ねぇ撮った?」 がる……?カメラさん苦笑いしてる。 「ところで今暇かな?」 「えっと、今は人を待ってるんです」 「あっらー、今からお仕事?」 「そういう訳でもないんですけど」 「じゃ、ちょっといいかな?」 「うーん……」 「時間はかからないから。ね?」 これってチャンスなのかも?けど……ううう、困りました。 「おや?君は……」 「へっ?私、ですか?」 「あっ、武田蒼一!?」 「仕事中?」 「いえ、何でしょう?」 「なーに、梅こぶ茶のストックがなくなってね。」 「お茶……ですか?なら私、いい所知ってるかも!」 「ほう……?君...
  • レシP ◆KSbwPZKdBcln作品
    ... 風船とハイタッチ 高槻やよい 風船祭り 2 189 20090603 カザフネ 四条貴音 風船祭り 2 421 20090629 エンジェルヘアーとコンソメのスープスパ、エビのフリット添え 水瀬伊織 四条貴音 3 027 20090702 ねずみの嫁入り 三浦あずさ ほか多数 fairyt@le 3 185 20090808 ボクノメガミ 水瀬伊織 オリキャラ 3 349 20091006 subtle flavor 秋月律子 秋月涼 3 377 20091013 留守電 秋月涼 3 384 20091021 love liquid 天海春香 アダルト寄り 4 006 20091102 ある夜の事務所 秋月律子 音無小鳥 4 047 20091109 美希曜日よりの使者 星井美希 4 147 20100107 七草十草 音無小鳥 4 215 201...
  • キャクター別
    天海春香 如月千早 萩原雪歩 高槻やよい 秋月律子 水瀬伊織 菊地真 三浦あずさ 双海亜美 双海真美 星井美希 我那覇響 四条貴音 音無小鳥 日高愛 水谷絵理 秋月涼 複数キャラクター その他キャラクター
  • プロローグ
    ...向かい合った女の子、高槻やよいはそう言って、ちょっと恥ずかしそうに俯きました。 いつも元気なのは良いのですが、図書館で大きな声を出してはいけません。 ツインテールの髪の毛がぴょこっと揺れて、やよいと一緒にお辞儀をしました。 「そうだ高槻さん、今日はこんな本があるんですよ」 そう、言いながら先生は後ろの本棚から一冊の本を取り出します。 やよいの目の前に、大きな本が置かれました。 「『不思議の国のアリス』…ですか?」 「とあるお金持ちの人が寄贈してくれたんです。妹さんに読んであげるにはちょうど良いでしょう」 表紙にはちょうどやよいと同じような髪型に、エプロンドレスを着た女の子、そしてタキシードのウサギ。 手に取るとずっしりと重たくて、そして紙の匂いがふわりと漂います。 「あ、ありがとうございます」 早速やよいは貸し出しの手続きを。そして元...
  • やよいの食事手帳
    ※このノートに今日いつ、何を食べたかを大体でよいので全て記録する事  どんな状況で食べたかも書いて貰えると助かる プロデューサーより 2009年11月6日 金よう日 午前7時半くらい 家族みんなで朝ごはん!メニューはアジの干物と豆腐のおみそ汁に昨日の残りの肉じゃがが少し 今日は調子が良かったからご飯を2回もおかわりしちゃいました! 午前9時くらい 朝礼が終わった後に小鳥さんにキャラメルを貰いました! 大きめのキャラメルで甘くて美味しかったです! 小鳥さんが「孫に飴をあげてるお婆ちゃんみたいね……」と乾いた笑いをしてたのが気になりますー 午前10時くらい 響さんからちんこすう?を貰いました(ちんすこうでした!恥ずかしいですー!) 全部食べて良いって言われたから小さい袋を一袋全部食べちゃいました、おいしかったです! 響さんは毎日色...
  • たてせん
    ...けた。タレント仲間の高槻やよいである。  いつもならドアを開けて挨拶をすればまっさきに元気な声を聞かせてくれる可愛らしい同僚であるが、今日はなにやら他のことに気を取られているようだ。深く腰かけて前屈みになり、束ねたプリントアウトに見入っている。  きわめつけは眉間のシワである。やよいの両の眉の間に、見事な縦線が刻まれているのだ。  あずさはつとめて明るく、話しかけながら向かいのソファに腰を下ろした。 「おはようございます、やよいちゃん。外はいいお天気ね」 「はわっ、あずささん!おはようございますっ」  声を聞いてようやく気付いてくれたようだ。バネ仕掛けのおもちゃのように飛び上がると席を立ち、深々と頭を下げてくれた。 「ごめんなさいね、驚かせちゃった?ずいぶん夢中だったのね」 「あ……すみませんあずささん。来たの気付かなくて」 「いいのよ。学校の宿題?」 「これです...
  • ミル姉さんのアイマス紹介
    ...響ちゃんと一緒にいた高槻やよいちゃんっていう子、この子もちっちゃくて可愛いかったんだけど、アタシの方を見て、 「うし……うしを使う」 って呟いてたの。何の事だったのかしら。誰かワカル? それで、今日紹介するのは映画じゃなくてゲームなんだけどコレ。アイドルマスター。 プレイヤーがプロデューサーになって、女の子達をトップアイドルに育てていくの。 担当したアイドルと二人だけの思い出とか、ファンが増えた喜びを分かち合うって、とっても素敵だと思わない? 特に、お別れコンサートなんて武道館で公演やった時を思い出し……今のは忘れて。ミル姉からのお願い。 アタシはプロデュースしないのかって? やりたいのはヤマヤマなんだけど、アタシがやっちゃうとテレ朝の人に怒られちゃうの。ゴメンナサイ。 それじゃ、今日は短いけどこの辺で。え? 物足りない? ...
  • ゆとり指南
    ...意の瞳でそう請うのは高槻やよい、訳が わからず首をかしげているのが星井美希。いずれもただいま絶賛売出し中の アイドルの女の子であります。 「あっごめんなさい、わたし、昨日の番組収録ですっごく怒られちゃって」 「へえ?やよいが怒られるなんて珍しいね」  なんでもトークバラエティで張り切りすぎてしまい、他のゲストに迷惑を かけてしまったとの由。ちょうど戻ってきたプロデューサーも苦笑しながら 解説します。 「テーマが節約術だったんだよな。俺もやよいの得意分野で目立てるって 期待してたんだが、期待以上でな」 「お笑い芸人さんがいっぱいゲストで来てたのに、わたしその人たちのお話 取っちゃったみたいで」  若手芸人の貧乏話というのは言わば様式美であります。やれ小麦粉だけで 1週間生き抜いた、アパートを追い出されて青テントから営業に出かけた、 ...
  • 風船
    ...  担当アイドルの高槻やよいを伴って、今、新曲の広告活動を重ねている。  本日の営業場所は、とある郊外型テーマパーク。天候は、薄曇りして暑からずというところ。  野外ステージの客席は、大量の家族連れでごった返していた。  無線マイクを手にとって、やよいが会場全体にアピールする。 「じゃあ、みんな、お姉ちゃんと一緒に歌っちゃおう!」  まず最新のシングル曲、次いでそのカップリング曲を歌う。そして、最後に歌うのは、  もちろん「おはよう! 朝ごはん」。彼女を代表する一曲である。  それが終わると、子供相手の風船配り。  無数のゴム風船にあらかじめサインを入れておき、俺たち裏方がこれを膨らます。  そして、紐をつけた状態で、やよいが次々に手渡していく。  その際、空いた右手で、子供にポンとハイタッチ。  無料イベントとはいえ、前後二回の公演で、...
  • 無題(298)
    ... 「うむ、まずは高槻やよい君と会って来ると良い、彼女はうちの事務所の前を『掃除』しているはずだ」  『掃除』という言葉が嫌に強調されている、恐らくこれは…… 「あ、会いに行くついでに掃除手伝ってきます!」  そういうわけなのだろう。 「えーと……事務所の前って言うとココだけど……」  765プロの入っているテナントビルの前まで来ると、不意に鼻歌が聞こえてきた。  見回すとツインテールの小さな女の子が箒とちりとりで茶色く変色した桜の花びらを掃除していた。 「ちょっといいかな? 君、社長に言われて顔合わせに来たんだけど」 「あ、はい! えーと、あなたは……誰ですか?」  まあ、知らない人に声掛けられたら普通警戒するか。  そうは言っても俺も今日から765プロのプロデューサーだ、アイドル(候補生含む)達と打ち解けるのも仕事のうちだろう! ...
  • 風船とハイタッチ
    ...ロデューサーになって高槻やよいというアイドルを担当し、気付けばまるで もう長年プロデューサー稼業に就いているかのような振舞いぶりだ。社長の『ピンときた』は 実際俺も知らない才能を探り当てたようで、俺もそれまでのふらふらした生活とはうって 変わった、予定や計画がぎっしりで、体を休めるヒマもない、それでいて心身ともに充実 した日々を過ごしていた。  やよいはアイドルとしてはまだまだこれからの人材で、デビュー曲が子供番組で当たった のを足がかりに更なるステップアップを図っている最中である。今日の営業は彼女も得意な 子供相手、遊園地での握手会だ。 「それじゃあみんな、今度はお姉ちゃんといっしょに歌っちゃおう!『おはよう!朝ごはん』っ」  お馴染みの曲名に、小さなファンたちが沸き立つ。今日のイベントは大成功と言っていい だろう。三ケタに近い親子連れはそれ...
  • 無題7-275
     高槻やよいが自主レッスンから帰ってくると、事務所の中に朝見かけた姿はどこかへと消えていた。  祝日のことである。その日は予てから高木順二郎社長がこの日は会社丸ごとオフにする! と宣言していた日で、きょろきょろと辺りを見渡しても人っ子一人見当たらない。  やよいが今事務所の中にいるのは、朝、彼女が間違えて出勤した際にこの部屋で事務仕事をしていた『誰か』がいたからで、自主レッスンを終えて戻ってきても部屋に入ることが出来たのはその『誰か』がまだ帰っていない、ということになる。  しかし、その『誰か』の姿が見られなかった。  ぽふぽふと歩いてデスク群に近付けば、その『誰か』のデスクの上にはすっかり冷めた珈琲がマグカップの中で静かに佇んでいた。  パソコンの電源は入りっぱなし。一応スリープモードにはなっているらしく、電源ランプは気だるげに点滅していた。  買物にでも出...
  • 第6話 みずの国  ~律子さんは水がお嫌い!?~
    ...すがですね。 「高槻やよい、いきまーす!」 やよいも同じように、こちらはぎりぎりまで後ろに下がった後、走りながら両手を揃えてのジャンプ。 ウサギほどではありませんが、見事に向こう岸に着地できました。 「次は律子さんですよー!」 …しかし律子さんはピクリとも動きません。ただじっと水の流れを見つめたまま…。 「どうしたんですかー?」 やよいの呼びかけも全く聞こえてない様子。 「…無理よ…」 「え?」 やよいの問いかけに、 「私やよいたちみたいに運動神経良くないし、それに…」 「…私、ここから落ちたら… 泳げないのよ…?」 消え入りそうな声で、そう律子さんは答えました。 「そんな!」 「律子さん!!」 やよいたちの呼びかけにも答えず、律子さんは体を震わせ、そしてその場にしゃがみこんでしまいました。 「どうしまし...
  • 第1話 おかしの国  ~やよいと不思議なシャボン玉~
     やよいが辺りを見回すと、そこはお菓子… の形をしたオブジェがいっぱいの空間でした。 床の遥か下にも同じような世界が広がっていて、自分のいる所がかなりの高さであることが分かります。 それに… やよいの服もいつものものではなくて、オレンジと白の上着にスカート、そして前にはフリルの 付いた小さなエプロンが。 とても可愛らしいものでした。  しばらくそれに見とれていたやよいですが、ハッと気が付いてウサギに尋ねました。 「…それで、さっき言ってた女王の手下って… どうやって戦うの?」 「その渡したストローでシャボン玉を出して…」 「こう?」  やよいがストローを吹くと、そこから虹色のシャボン玉が。 続けざまにいくつものシャボン玉が飛んで行っては、同じところで弾けて虹を描きます。 「これは悪い者たちが大嫌いなシャボン玉なんです、これを使えばきっと女王...
  • 無題7-290
    ...は言わずもがな、最近高槻やよいという少女をどこかからスカウトしてきて、既にランクCに手が届きそうだという。  それに対して、私は。  眉毛をハの字にしながら、眠たげに書面を動く美希の瞳を見つめる。  猫の様に気紛れな瞳。眠ったり笑ったり怒ったり泣いたりくるくると表情を変えるその綺麗な目。 「……そういえば、それに魅かれたんだっけ」 「何か言った?」 「何でもないわよ」  不思議そうに小首を傾げる美希に、苦笑を返した。  第一印象は最悪だった。  なんか甘えたこと言っているし、お世辞にもやる気があるとは言えないし、こちらを敬う気は微塵も見られないし。  最近の若いもんは、なんて年寄り気取ってぶちぶち文句を言いながら、それでも何とか距離を縮めようと必死に話題を振っていた時。  彼女が言った。 『ミキね、もっとキ...
  • 第3話 みどりの国  ~響け! 千早の心の歌~
     機械の国を抜け、やよいたちは次の世界へと歩を進めていきます。 「真さん無事に帰れたかな…?」 「それは心配ありません。できれば一緒に戦ってもらいたかったのですが…」 「無理なの?」 「ええ、ストローは一つしかありませんし、それにそのドレス無しではこの世界の邪悪な瘴気によって あっという間に体力を奪われてしまうことでしょう」 ウサギはそう言ってやよいのエプロンドレスを見ました。普通の服のように見えるのに、とってもすごい ものだったのですね。  鏡の中の通路を抜けると、向こうに光が見えてきました。 そして出てきたのは… 「きゃぁぁぁぁっ!」 やよいたちを出迎えてくれたのは、甲高い悲鳴でした。それもやよいには聞き覚えのあるものです。 「千早さん」 「あ、高槻さん…? いきなり何か出てきたかと思ったら…」 千早さんとやよいの出...
  • 無題74
    「伊織、やよい、千早、ランクアップおめでとう!今日は俺の奢りだ、好きなだけ食え!」 「あんたの安月給でおごりなんて、何が出るかと思ったけど意外と良い雰囲気の店じゃない」 「ええ、水瀬さんの言う通り、落ち着いた雰囲気のお店で素敵だわ」 「こんな高そうなお店でご馳走になるなんてなんだか悪いです……」 「心配には及ばんよ、酒を頼まないんだったらそこまで高い店じゃ無いしな」 「やよい、大丈夫って言ってるんだから素直に甘えれば良いのよ、  プロデューサーだって見栄の為に生活費まで使い込む程バカじゃないでしょうしね」 「信頼して貰って何よりだ」 「ま、そろそろアンタとの付き合いも長いしね」 「ふふっ、水瀬さんもなんだかんだでプロデューサーの事を信頼してるのね……ところで、ここで何を頼むつもりですか?」 「ああ、ここは鍋が旨くてな、水炊きなんか最高だぞ?」 「...
  • ふくれづき
    「……え?そういう意味だったんですか?」 「昔の文豪が言ったのだそうよ。夏目漱石だったかしら」  夕刻の事務所できょとんとした顔で聞き返すやよいに、小鳥はそう答えた。 「うっうー、なんだかステキですね!わたしだったら絶対考えつかないと思います」 「まあ、私も知らなかったんだけどね。プロデューサーさんから聞いたのよ、実は」 「プロデューサーが?」 「学生時代は文学青年だったんですって」  そう言えばプロデューサーは、よく難しいたとえ話をする。意味を量りかねて首を ひねっていると続けて解説をしてくれるのだが、その内容が腑に落ちるとともに ひとつ賢くなれたような気持ちになって、やよいはそれを密かな楽しみにしていた。 「あーあ、私もそんなことサラッと言えるようになってみたいもんね、ふふふ」 「あ、あはは、わたしもです」  そんな話をしているところに、聞きなれた声が聞こえてき...
  • 第8話 かがみの国  ~春香さんがいっぱい!?~
    「うぬぬ、ウサギの奴め…」 暗い暗い、闇の中。 水晶玉を眺めながら、恐ろしい形相で何やら呟いている人影。厚いコートを身にまとったまま、いらいらと 歩き回っていました。 …これこそが、鏡の国を支配しようとしている女王でした。 その視線の先には、水晶玉に映ったウサギ、そしてやよいの姿が。 「ただでさえこのような体になって窮屈しておるのに、人間を連れてこの私に立ち向かうとは…」 女王のいらいらは、周りにいたトランプの兵隊達にもはっきりと伝わってきます。 「お前達、何としてもあの二人を捕らえて、首を刎ねてしまうのだ、よいな!」 「へ、へへー」 「…これが、鏡の国?」 「…そうです、もっとも今ではここも女王の支配下になってしまって、すっかり変わり果てた姿になってしまって ますが…」 やよいとウサギの二人は、そんな話をしながら目の前の光景を呆...
  • 第2話 きかいの国  ~スーパーヒーロー真ちゃん?~
     ミヤーシャの残していった鏡。 そこへ、その中に広がっている空間へ、ウサギとやよいのふたりは飛び込んで行きます。 中には通路が広がっていて、その先には次の世界のものらしき光が、ほのかに輝いていました。 「鏡の国は全部で9つに分かれているんです、おそらくはミヤーシャみたいなボスがそれぞれに…」 「みんなやっつけないといけないんだ…」 そんな話をしながら、長い通路を歩いていきます。  やよいとウサギが鏡の中の通路を抜けると、そこは一面灰色の床で埋め尽くされた世界。 ところどころにロボットが歩き回っていました。 「ここは?」 「機械の国ですね… ここも女王の手によって作り変えられてるようです」 見ると、ただの床だと思っていた、そのところどころにはベルトコンベアが流れています。上に乗ると あっという間に流されて下に落ちてしまうことでしょう。 ...
  • 『wafer girl』
    「懐かしいな、こういうの」  四角い駄菓子を片手に持って、しげしげと眺めた。  『765エンジェルウエハース』と書かれたそれは新発売となる、765プロのアイドルたちのトレーディングカードを封入したスナック菓子だ。  デスクの俺に視線を合わせてかがむやよいは、不思議そうに俺の顔と駄菓子を見比べて言う。 「プロデューサーも、こういうの食べてたんですか?」 「おーよ、俺たちの時代にはものすごいブームだったんだぞ。あん時はおまけがシールでな、たくさん持ってる奴が一番えらかったんだ」 「へー、そうなんですか。そうしたらすごいお金持ちじゃないとダメだったんですねっ」  あの当時の騒ぎは、子供心にも記憶が残っている。シール欲しさに食い物を粗末にした者もいた、なんて話をしたら、やよいにこってり叱られるのは俺の方だろう。 「でも今は少しやり方が違うよな。友達と、ダブったやつ交...
  • 第4話 こおりの国  ~雪歩の大事なお友達~
    「段々寒くなってきたね…」 やよいがそうウサギに言いました。 「ええ、今度は氷の国なんです。やよいは大丈夫ですか?」 「うん、でも待ってる人はきっと寒くて大変だから、早く助けてあげないと」 やよいはやっぱり優しいですね。  出てきたのは一面氷の床で出来た島のようなところ。そして、その周りにはとても冷たそうな水が流れています。 さすがに寒くてたまりません。こういうときは運動をして体を温めることにします。 やよいが走ろうとして構えを取ると…  べしょ。 そのままやよいは見事に転んでしまいました。 「うう~」 うつぶせに倒れたやよいはなんとか起き上がろうと頑張って、何回かの後にようやく立ち上がれました。 でもこれでは到底先に進むことは出来ません…。 それを繰り返すうちにやよいは床の端っこまで。滑って落ちてしまいそうになって、...
  • 第7話 そらの国  ~あずささんと迷子のひよこ~
     少し冷たい風が吹いています。 下を見ると、そこには図鑑でしか見たことのないような高い山がいくつも、そして雲すらも足元を悠然と 流れていました。 「ここは空の国… 鏡の国の中心部に向かう通路みたいなところですね」 「じゃぁ女王にも…」 「ええ、まだもう少し道はありますけどね」 見渡す限り青い空、まぶしい太陽、そしてどこまでも続く床。 普段だったら、こんなところでお弁当でも広げておしゃべりとかしたくなるようなところです。 でも、やよいは遊びに来たわけではありません。ここにも誰か助けを待っている人がいるはずです。 「誰かいれば、すぐに見つかるよね?」 「ええ、見通しもいいですし、間違ってもここで迷子になるようなことは無いでしょう」  その頃…。 「え~と、ここはどこなんでしょう…」 「私は寝る前にコンビニに行って、お買い物をしてきたはず...
  • 凱旋パレード
    「この遊園地も懐かしいですね、プロデューサーさん」 「そうですね。あずささんがここで歌ったのは、もう1年近く前でしたっけ?」 「うふふ。あの頃は右も左もわからなくて、ご迷惑をお掛けしました」 「すこし歩きましょうか。まだステージまでは時間があるようだし」 「そうですね。今日は私たち、ここには観客として来たんですもの。  私が立ったステージに、風船を渡した女の子が立つなんて、不思議な気分です」 「今ごろはガチガチかもしれませんよ。以前のあずささんがそうだったみたいに」 「恥ずかしいわ。歌詞も飛んで、ダンスも忘れて、ファンの皆に助けてもらって」 「どうにかこうにか終わったと思ったら、今度は風船がたりなくなったんですよね」 「そうそう。ちいさな男の子が、泣きながら私のところに来たんです。  困っていたところに、年のはなれたお姉ちゃんがとんできてくれて――」...
  • 北風と太陽
    「こんばんは、やよい様。いつも伊織お嬢様がお世話になっております」 「あっ。伊織ちゃんちのヒツジさん。こんばんはー!」 「いかにも。私めは伊織お嬢様の従順たる羊にして、執事の新堂でございます。  伊織お嬢様をお迎えにあがったのですが、未だ熱心に残られているようですな」 「えっと、そうなんです。……新堂さんって、じゅうじゅんな執事さんなんですか?」 「はい。伊織お嬢様のためならば、たとえ火の中水の中でございますよ」 「あっあのっ! じつは伊織ちゃん、プロデューサーと大ゲンカしちゃったんです。  それで火の中水の中より大変になっちゃって。新堂さん、なんとかできますか?」 「なんと。それは一大事ですな。やよい様、私をそちらへ案内していただけますか」 「プロデューサー! プロデューサー! 立てますか? 大丈夫ですか?」 「痛たたたたっ。……ううう...
  • 4スレ
    ある夜の事務所 one night before 無題16 partiality 美希曜日よりの使者 私の声が聞こえますか 昇華する讃美歌 TENGAさん万能説 とあるダメダメプロデューサーのおはなし Merry Christmas 武田の歌姫調査 季節外れの馬鹿話/OBON! favorite 七草十草 日高愛は中二病 ちーちゃん アイマス小噺 きみはともだち ファイナル・ステージ 春香エンジェル 花は降り降り 霞のかかった夢の中で ある夜の帰り道 世界はキラキラ 小噺323 her definition 保守小噺366 three months later オフリミット~猛犬に立ち向かう メルヘンメイズ やよいの大冒険 プロローグ 第1話 おかしの国  ~やよいと不思議なシャボン玉~ 第2話 きかいの国  ~スーパー...
  • 七草十草
     2010年のお正月もそろそろおしまいです。三が日もとうに過ぎ、週の終わりには学校の 授業が始まります。  芸能プロダクションである私たちの会社では、仕事納めや正月休みはむしろよくない ジンクスになってしまいますが、去年から今年にかけてはありがたいことに、社長や私や 他のスタッフの皆さんはほぼ休日返上となりました。ええ、初詣も事務所の裏の神社です。 いいんです縁結びの神様だっていう話ですし。  なにより、私たちよりずっと頑張っているアイドルのみんなのために、私たちにできる ことがあるんですから、それを喜ばなければなりません。 「お疲れさまです……おっと、小鳥さんだけですか?」 「あら、プロデューサーさん」  事務所のドアを開けて入ってきたのはプロデューサーさんでした。 「お疲れ様です。皆さん上がりですよ、もうこんな時間ですしね」 「えっ、まさ...
  • 5スレ
    イニシャルビスケットのP 如月千早、オールド・ホイッスルに出演 気づいてほしい 無題36 宇宙人ジョーンズアイマス編 はい。その真っ赤なのをお願いします 無題74 無題90 6月25日の事件簿 無題111 アップローダ作品の為不明 メルヘンメイズ やよいの大冒険 第4話 こおりの国  ~雪歩の大事なお友達~ 第5話 じかんの国  ~双子パワーVSトリプルヘッズ~ 第6話 みずの国  ~律子さんは水がお嫌い!?~ 第7話 そらの国  ~あずささんと迷子のひよこ~ 第8話 かがみの国  ~春香さんがいっぱい!?~
  • メタルの帯風キャッチコピーを考えてみた
    「プロデューサーさんプロデューサーさん。私たちのCDサンプルが出来上がったって聞いて飛んできたんですけど」   「おう。ちなみに帯のタタキ文句は俺が考えたんだぞ」 「えーとどれどれ……」 ”正統という理想、その未来がここにある……”(春香) ”聞く者を永き眠りへと誘う、圧倒的叙情美の結晶”(千早) ”どこまでも気高く、どこまでも美しく……”(貴音) ”明日への道を照らす小さな太陽、世界は今眼を覚ます……”(やよい) 「……一体いつコロムビアからマーキーのアヴァロンレーベルに移籍したんですか私たちは」 「え? 駄目?」
  • 3スレ
    あなたと、ずっと、一緒に cicada 無題42 LIVE FOR ... 無題60 無題61 アップローダ作品の為不明 合戦時報 レス64、アップローダ作品の為不明 ある日の風景ABC placebo 青春ミンミキミキミキ 無題97 おひさま In severe rain. hot line ボクノメガミ前編 ボクノメガミ後編 衷心 もやしの運河 アップローダ作品の為不明 とりあえず何か食べよう 貴音の休日(fly with me to the moon) 月ノ歌 外出の旅情 アップローダ作品の為不明 勇気 おかえりただいま 無題310 subtle flavor 赤頭巾ちゃん改めバカリボンちゃん改めヘタレ狼ちひゃーちゃん a bad first morning 留守電 love liquid やよいの食事手帳 fai...
  • Home Place
    「こんばんわー。やよいいるかー?」 「おー、響じゃないか」 「あ、セクハラプロデューサー久しぶりー。元気だった?」 「……人聞きが悪くてたまらないんだが」  ある日の夜のこと。珍しく起伏のない一日で小鳥さんも定時で帰宅し、留守番状態の俺が 一人でいる事務所に現れたのはライバル事務所のトップアイドルだった。 「やよいなら伊織と二人でレッスンだよ。もうすぐ帰ってくるけど、時間平気か?」 「うん、今日はもう帰るだけだから。待っててもいい?」 「構わないよ。ただしスパイ行為は禁止だからな」 「ふっふっふ、自分を招き入れたときからすでに諜報戦は始まってるんさ。今日こそセクハラ 行為の証拠を掴んでやるからね」 「我々はスムースかつシークレットにセクハラを遂行するのだ。すなわちスリーSだな。 この技術力、きみに見抜けるかな?」  後半のやりとりは彼女と...
  • 『チョコ渡されるときに言われたい一言』
     春香「プロデューサーさん! 私、プロデューサーさんのこと、大好きです!」   真「プロデューサー! あの、ボク……プロデューサーのこと、大好きです!」 やよい「うっうー! プロデューサー、だーいすきですー!」   響「かなさんどープロデューサー! ……うがぁぁぁ! これ、すっごい恥ずかしいさー!」  雪歩「ぷ、プロデューサー! あ、ああああの! あの! えっと、えっと……だ、だ、だ、大好きですぅ!」  真美「あ、えっとさ、にーちゃん、あの……好き、だよ?」  亜美「にーちゃんだいすきー!」  伊織「ほら、あれよ、その、えっと、少しくらいなら……す、好き、よ、あんたのこと」  貴音「お慕い申し上げております、あなた様」  千早「プロデューサー、あの、その……好き、です……」  律子「ふふっ、大好きですよ、プロデューサー殿」 あずさ「私の運命の人に...
  • とある舞台裏 00X
    とある、大規模なライブが出来る場所。 そして、今日はその最終日。 会場には"THE iDOLM@STER"がBGMとして響いている。 「今日で最後だな。  最後だから、余計に気を引き締めていこう。  じゃあ、始めるぞ」 765プロ主催のライブ。 総勢十一人のアイドルたちが共演するというファンにはたまらないライブだ。 全アイドルがBランク以上であることもあり、全六回の公演が販売初日で全日程、全席売り切れを起こしていた。 開演十分前。 アイドルと、一人のプロデューサーが円陣を組む。 いつからか、大きなイベントやライブでは、当たり前になった儀式。 「アイドルとは!」 と、自分が言う。 「華麗であること」 と、真。 「美しくあること」 と、あずさ。 「明るくあること」 と、春香。 「元気であること」...
  • 家庭用スレより依頼、出演春香縛りSS。即興。
    小さなライブハウスに似つかわしくない存在感。 ーー「初心に返って新しい年を迎えたい」 何とも"らしい"希望から企画された、天海春香のカウントダウンライブ。 独特の盛り上がりを見せる会場。そして、その時が訪れる。 「みんなー行っくよー!60、59、58………3、2、1」 【大晦日、天海家・春香の部屋】 「ぜろぉ~!」 どんがらがっしゃーん ベッドから転げ落ちた春香。痛みで目を覚ます。 「あいたた…あれ、夢?」 Pに相談してみたが、春香の年齢では夜中のライブは不可能だった。 ふと時計を見ると18時を差している。 「やばい、やよい宛ての年賀状!お母さん!遠い方の郵便局連れてって!」 【帰宅後】 「あーよかった。くじ付きだし、直接渡す訳にいかないもんね」 年越しそば、紅白、おせち作りの手...
  • one night before
    「ふう。ごちそうさま」  ここは、都内某所にある、小さなフレンチレストラン。ここで、今をときめくAランクアイドルが3人・・・ いや、正しく言うと、Aランクアイドルユニットのメンバー3人が、全員揃って食事をしていた。 「・・・ごちそうさま」  その中の一人、天海春香も、食事を終えた。  元気はないが、皿の上はすっかり空だった。 「そう言えば、このお店も何度も使わせてもらったわね。私たち三人が、一つのユニットのメンバーとして ここに来るのも、今日が最後か・・・」  秋月律子が口を開く。  この店は、メンバーのもう一人、水瀬伊織の兄がよく使うとのことで、紹介してもらった。店の奥を 仕切って、他の客から見えない様にして個室の様な扱いをしてくれるので、あの水瀬グループの御曹司や 大人気アイドルが来店して食事をするにも、他に気をつかわなくて済むの...
  • 無題202
     パチ、パチ  ある日の午後、天気は晴れ、いや、快晴か。雲一つない空模様で、澄み切った青が 頭上を覆い尽くしている。陽射しが燦々と射すが、それは汗を流すほどではなく、た だ仄かな温かみをもたらすだけである。  パチ、パチ  俺はそんな昼下がりの陽だまりの中、たまたま社長室で、社長と将棋をしている。  パチ、パチ  「ま、待った!」  「…またですか?」  ちなみに、もう10戦目。お昼前から始めて、すでに社長の待ったの声も、飽きる ほど聞いている。  「なぜ、手加減してくれないんだね?」  「これ以上したら、俺が確実に負けますから」  最初は平打ちだったのだが、徐々に駒を少なくしていき、今では金銀と歩以外の駒 を落としている状態だ。だが、  「それでも、君は強いではないか」  「そんなことないですよ」  今の俺の手持ちに飛車...
  • 夢見る少女
    「プロデューサーさん、おつかれさまです。」 「あ、小鳥さん、片付けおつかれさまでした。もうほとんど終わりましたかね?」 「ええ。ところで、春香ちゃん達は?」 「春香もやよいも、遊園地で遊んで行く気まんまんだったんですけど、控え室を出たところで、たまたまいた ファンの人たちに囲まれちゃって、なんとか抜け出したところで、そのまま帰しました。」 「そうですか。二人とも終わった後も楽しみにしていたみたいなのに、ちょっと可哀想ですね。」 「まあ仕方ないですよ。じゃあ、我々も引き上げましょうか。」 「そうしましょう・・・あら?あの男の子は?」 小鳥さんの言う方を見ると、小さな男の子が泣いていた。ちょうど今泣き始めたところという感じである。 と、その真上を風船が空に舞い上がって行くではないか。 「あ、さっきのイベントで配った風船か!」 「ああ・・・これは、風船...
  • 無題7-260
     風呂上がりの晩酌を済ませ、さあ寝ようか、と思った所で、テーブルの上に投げ出していた携帯電話がぶぶぶと震えた。メールの着信だった。  サブディスプレイを覗くとそこには現在担当しているアイドル――雪歩の名前が表示されていた。  男が苦手、という彼女の性格はメールにも如実に表れていて、自信のなさそうな語尾や三点リーダ等が頻繁に見られる。  それでもこうして時々送られてくるメールの内容は実に他愛のないもので、それが逆に、こちらとの距離を少しずつでも頑張って縮めようとする彼女の努力がはっきりと表れていてなんとも喜ばしい。  尤も、今回注目すべき点はそこではないのだが。 『小学生並み……』  メールを開いて最初、タイトルにはそう記載されている。  はてさて一体何が、と思いながらつらつらと文面に眼を通し、 「……ふむ」  誰に対して気取ってい...
  • Only for you!
    一定の発展を遂げた街における駅前と言うのは、開発されているのが常である。 冬真っ盛りの2月のある日。駅前通りと称されるその場所は、水曜日の真昼間にも関わらず熱気に包まれていた。 その日は大安で、そして休日である。建国記念日と称されるその日、駅前通りを行く世の女性たちの眼は、その約半数が血走っていた。 彼女らにとって建国云々など大層どうだって良い話で、その血走った視線の先に待つのは大手のデパートであったり、洋菓子店であったり、様々であった。 それが製菓会社の陰謀であることなど、彼女らには最早周知の事実である。だが、それがどうした。どうしたと言うのだ。 2月中旬の祝日。それは学生のような、決戦前日に時間の取れる人間にはただの祝日でしかなかった。 しかしながら20代中盤から30代前半に掛けて、お勤めを果たしている方々、つまるところOLなどと呼ばれる人種にとっては、そ...
  • Wing gainer
     コツはいくつかある。あるが、全てエッセンスは同じだ。「少し不安になる くらい」、それが最大のポイント。  少し不安になるくらい、中火の上に置き放って。  少し不安になるくらい、たっぷりの油をなじませて。  少し不安になるくらい、粉を溶かした水を回して。  そして少し不安になるくらい、のんびりじっくりと蒸し焼きにするのだ。  黒い鍋肌に白い膜ができ、それがふつふつと泡を出し、やがて茶色く 焦げてゆく。  薄く見えるが小麦粉の皮は意外と頑丈だ。まして焼き固めるにつれ 丈夫になってゆく皮膜は、内側の具をほどよく煮込むまで充分な時間を 必要とする。家庭用コンロの中火は見た目以上に熱量が少なく、フライパンは テフロン製、それに油をたんと含ませれば、昔の鉄鍋とは違ってそうそう 焦げ付くことはない。  そんな御託を並べているうちに、旨そうな餃子が焼き...
  • 待ち焦がれ
    年度末だっていうのに、というよりも年度末だからこそ忙しい。 新しく入社する人、お別れになる人のために色々と書類を整える。 でも私には関係ない。私は去年も今年も、そして来年もきっとここにいる。 自分だけ時が止まっているようなものだ。 友人にも知り合いにも、先輩にも後輩にもあるような「時の刻み」。 私にはない。ただ、それだけのことなのかもしれない。 ただただ、流れるように私の周りを過ぎていく。 事務所の隅で仕事をしている私。 一人ではないのが、唯一の救いかもしれないけれど。 でも、彼女の時も止まったままなのかもしれない。 帰る家を失った犬のような眼をしながら、ただ黙々と仕事をしてくれている。 私はふと手を止めて、彼女の横顔を見る。 綺麗な長い髪に、ほっそりとしたしなやかな身体。 一見たやすく手折ることができそ...
  • TOWもどきim@s異聞~第一章~ 春香編1
     見上げていると呼吸が詰まりそうな鈍く重苦しい空模様から、針のように細く鋭い雨が容赦なく地上に降り注いでくる。 あまりの勢いに、窓にガムテープ張りされた社名もペラリと剥がれそうだった。  ソファへと座った天海春香は、ともすれば猫背になりそうな背筋をピンと伸ばしながら、一台の携帯を親の仇の如く睨みつけ――― ―――ぱか。パタン。ぱか。ぱたん。 液晶に映った人名に目を通し、その度にため息混じりに再び閉じる。 ため息の数だけ幸せが逃げるぞー、などと、オーディションの失敗をちょっとおどけながら励ましてくれた プロデューサーの言葉が鮮やかに蘇る。 あの時は容赦なく『おじさん臭いですよー』なんて茶化していられたが、実際ため息を繰り返すその都度に、風船から抜ける空気みたいに エネルギーがどこかへ逃げていくような心地がした。 ・・・・・・ため息を止める方法な...
  • FIVE DOORS
    「みんな、おはよう。だいたい揃ってるわね」 「えっ?」 「り、律子!」  朝から今しがたまで飛び回っていて、部屋らしい部屋でひとところに落ち着く チャンスがなかった。  ある意味本日一枚目となる、招待客控え室のドアを開けると、アイドル仲間 たちが一斉にこちらを見た。みんなそれぞれにおめかしをして、ふだん事務所で 見るより何歳か大人びて見える。  私はここに現れない……そうみんな思っていたみたいで、全員の目が丸く なるのに少しだけ複雑な満足感を覚えた。 「……律子あなた、ここでなにをしているの?」 「なにって千早、そんなの決まってるでしょ?」  どんな顔をしていいかわからないという表情のまま質問された。 「私はプロデューサーなんですからね、『うちのプロデューサー殿の結婚式』の。 参列者の状況を確認しにきたのよ」 「プロデュースって…...
  • 愛の人
    耄碌してからの祖父を伊織は嫌いだった。 息子に家を任せた後、まるで気の抜けた風船のように丸くなった背中。 緑と花に彩られた邸宅の庭で使用人の押す車椅子におさまり、仏頂面とも違う感情の無い顔で日々を過ごす。 厳然という言葉をそのまま背負っていたような祖父を知っているだけに、伊織はどこか罪悪感とも違う、チクチクとした思いを抱えながら声をかけた。 おぉ―――。 伊織の姿を認めると、今や食事も上手く飲み込めずにボロボロとこぼす口から声が漏れる。 けれど、その口はいつも伊織ではなく自分の妻の名前をこぼすばかり。 伊織の祖母は伊織が生まれるひと月ほど前に亡くなっており、当時としては珍しく恋愛結婚だった祖父は事あるごとに、若かりし頃の祖母と伊織は似ていると豪胆な笑い声と共に家の者に話していた。 息子と兄二人には厳しかった分、孫娘は目の中に入れても痛くないほど可...
  • three months later
    資料:関連カレンダー     2 月 月 火 水 木 金 土 日  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28     3 月 月 火 水 木 金 土 日  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31     4 月 月 火 水 木 金 土 日        1 2 3 4  5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18  19 20 21 22 23 24 25  26 27 28 29 30  冬将軍率いる寒気団は、1月の間は...
  • 如月千早、オールド・ホイッスルに出演
    「武田蒼一、追突事故に巻き込まれる」 昨日夜11時頃、都内某所で乗用車同士の追突事故が発生 後ろの車の運転者が持病の発作を起こし失神、赤信号で停止していた前の車に追突 この事故で2名が負傷し、その片方が音楽プロデューサーとして有名な武田蒼一氏であった 765プロの事務所でこのニュースを見ていた千早は不安そうな顔でプロデューサーに話しかける 交通事故に何か思うことがあるのか相当動揺している様子であり、無理に平静を保とうとしているのが良く分かる。 「武田さん、大丈夫なのでしょうか……」 「ニュースでは命に別状は無いと言っていたし、きっと大丈夫だろう。だから余り心配しすぎるなよ?」 「しかし……電話?誰からかしら……っ!!」 プロデューサーが動揺している彼女をと話している時に千早に電話が掛かってくる、 その発信者を確認した千早は大変驚いた様子で電話を...
  • カザフネ
     四条貴音の765プロ・デビューイベントはあいにくの空模様となってしまった。  新人アイドルとして再スタートを切ったのは遊園地の野外ステージで、こういう場所柄と 今シーズンのプロデュース方針『歌のお姉さん』を考慮した風船つきの観覧チケットも 傘の下で窮屈そうだ。  貴音の髪とお揃いの銀色の円盤風船。晴れた日であれば太陽の光を反射し、さぞきらびやか であろうそれらも、雨天の地上では雨雲の手先であるかのようなくすんだ色に見えた。 「ラストソングか、もう一息だな」 「はい」 「せっかくの再デビューなのに雨とはついてなかったな」  俺はタオルを被った貴音に声をかけた。 「こんなことなら狭くても屋根のあるイベント広場にするんだったよ、すまなかった」 「プロデューサー殿、雨の中でさえ新人のわたくしに会いに来てくださる方がこれだけ いらっしゃいました。もし...
  • 天海の岩戸
    「もー、プロデューサーさんのバカバカバカーっ」 「だーからなに怒ってんのかわかんないけどゴメンって。機嫌直して収録行こうぜ、春香ぁ」 「嫌です!もう私ここに閉じこもって一生外に出ないんですから!」  765プロダクションの小会議室のドアを挟み、大きな声で会話しているのはアイドル・ 天海春香とそのプロデューサーである。  音無小鳥の耳には先ほどから言い争いが聞こえていたが、ちょうど資料室へ行く用事が できたところで枝道の廊下を覗いてみると、この状況が見て取れた。  廊下側から声をかけるのがプロデューサー。いつものごとく今ひとつしゃんとしない服装 で、それでも表情は真剣だ。 「そんな子供みたいなこと言ってないで現実を見ろ。お前はタレントで、今から久しぶりに 全国ネットの歌番組の収録だ。お前のギャラと765プロの業務収益のために、お前は仕事に 行かねば...
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    そう、あれは確か二週間……いえ、十日程前の話でしょうか。 その日、私はあてもなく気ままな散歩の最中でございました。 ところがお昼近くになった頃に前触れ無く雨が降り始め、やり過ごせるところはないかと探してみたものの生憎とそのような場所は見つけられず困り果てていた時あるものを発見致しました。 中華そばと書かれた古びたのれん。 そう、らぁめん屋でございました。 えてしてこのような住宅街に昔からあるようなお店はいわゆる当たり外れの差が激しく以前はそれも一興と楽しんでおりましたが ここのところはアイドルとしての活動が忙しくこのような未知の期待に胸を膨らませて店を訪れる事などとんとご無沙汰でした。 のれんをくぐり中に入ると、私の他にお客様の姿は見えず厨房の中には眼鏡をかけた若い……ちょうど私達のプロデューサーと同じぐらいでしょうか。そのぐらいの男性が一人で...
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     それまで単なる辺境の小国家とばかり思っていた自分の生まれ故郷が、『ある側面』では特別であり幸運な国なのだということを、 風聞として知ったのはそれなりに幼い日のことだった。けど、実際それは彼にとってそんなに大した意味があるとは思えない。  屈折したプライドを持った一部の上流貴族の中には、世界樹の麓で生きているという事実だけで他国への妙な優越感を抱いている者も いるのだから、呆れるより他ない話だ。 「自分が生き仏にでもなったつもりかしら」―――と、同じ貴族達のそんな風潮を、嘆くようにそう呟いていたその少女の顔は、 会ったのが一度きりだったというのもあり細かい輪郭ももう思い出せないが、妙に疲れきっていたのを覚えている。 あと、眩しいを通り越して痛い位に自己主張してくるあの額とか。 閑話休題。 そんな『一応』特別な国ヴォルフィアナの北端に位置する、フロランタ...
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