軍のステータス
名前、脅威度: 軍の名称。軍の脅威度はクリーチャーの脅威度に軍のサイズ修正を加える(「軍のサイズ」参照)。1に満たない場合、軍とはみなされない。脅威度が1になるまで兵士を加えていく必要がある。騎兵の場合、乗騎か乗り手の脅威度のうち、高い方の脅威度を基準とする。
XP: その軍を破ったときに得られる経験点。
属性、サイズ、種別: 属性は軍のステータスに影響しないが、軍の性向を示す。サイズは兵数がどれほどかを示し、軍の脅威度にも影響を与える。種別は軍を構成するクリーチャーによって決まる。1つの軍は、同一のクリーチャーで構成されなければならない。
hp:軍のhpは、その脅威度×軍構成員のHDの平均値(1d6なら3.5・・・等)。構成員がマルチクラスや乗騎の存在により複数種類のHDを持つ場合、最も低いHDを用いる。総計の端数切り捨て。他の軍の攻撃によるダメージのみが軍のhpを減少させる(単独のクリーチャー=極小サイズの軍である)。
防御値(Defense Value、DV)、攻撃修正(Offense Modifier、OM):防御値(DV)は軍の脅威度+10であり、敵の攻撃に対する固定値。攻撃修正(OM)は脅威度に等しく、軍の攻撃のd20ロールに対する修正値である。軍に遠隔攻撃能力がある場合、ここに明記される。
戦術、装備:軍は戦慣れするに従い、戦術を覚え、BPを追加で支払うことで、装備を獲得する。
特殊能力:軍の持つ特殊能力。
移動速度:1日の行軍で踏破できるヘクス数(1ヘクス=12マイル)。移動困難地形はこの値を半減させる。Core Rulebook p.172のtable7-6を参照し、軍の構成員の移動速度からこの値を求める。
士気:新編成の軍の士気は+0である。軍の指揮官や、様々の状況により、士気は-4から+4までの間で変化する。
経費:兵糧、水、武装、兵士の給金等で、毎週消費されるBPの値。脅威度÷2であり、最低1。装備により修正され得る。週のあたまにこのBPを支払う。支払えない場合、軍の士気を2減らす。士気の値が-5以下になると、軍は離散、解体される。
指揮官:軍の指揮官、及びその魅力修正値、職能(軍人)、統率力値、恩恵。
軍のサイズ
軍のサイズ |
兵員数 |
軍の脅威度 |
極小 Fine |
1 |
個々のクリーチャーの脅威度-8 |
微小 Diminutive |
10 |
個々のクリーチャーの脅威度-6 |
超小型 Tiny |
25 |
個々のクリーチャーの脅威度-4 |
小型 Small |
50 |
個々のクリーチャーの脅威度-2 |
中型 Medium |
100 |
個々のクリーチャーの脅威度 |
大型 Large |
200 |
個々のクリーチャーの脅威度+2 |
超大型 Huge |
500 |
個々のクリーチャーの脅威度+4 |
巨大 Gargantuan |
1000 |
個々のクリーチャーの脅威度+6 |
超巨大 Colossal |
2000 |
個々のクリーチャーの脅威度+8 |
戦術
軍が戦で勝利する毎に、王国の支配DCを目標値とした忠誠度判定を行うことができる。成功したなら、以下に示す戦術の一つを覚える。軍は最大で脅威度÷2までの戦術を習得できる(最低0)。戦が始まる時、その戦でとる戦術を決めること。ただし、*のついた戦術は、全ての軍が習得しており、習得数制限に抵触しない。
慎重な攻撃:士気を保つための慎重な戦い方。OM-2、士気チェック+2。
練達の騎兵:乗騎を有する場合のみ使用可能。騎乗していない軍に対しOM+2。
防壁:戦友を守りつつ戦う防御的戦術。OM-2、DV+2。
姑息な戦術:姑息な手段で敵を欺き、開戦時に優位を得る。白兵戦フェイズの最初のラウンドのみ、OM+6。
練達の挟撃:敵を包囲し撹乱するが、軍は打たれ弱くなる。OM+2、DV-2。
撤退偽装:1回の戦につき1度、偽装撤退が可能。偽装撤退を行うラウンドには、攻撃ロールを行えない。偽装撤退の次のラウンド、OM+6、DV+6。
戦列死守:軍は防衛に専念する。OM-4、DV+4。
猪突猛進:恐るべき勢いで果敢な猛攻を行う。OM+4、DV-4。
攻城兵器破壊:攻城兵器に狙いを定め、破壊しようとする。白兵戦で敵軍にダメージを与えたなら、もう1度攻撃ロールを行い、成功すれば敵の攻城兵器1つを破壊できる。攻城兵器を持たない軍には効果がない。
支援狙撃:遠隔攻撃能力がある場合のみ可能。攻撃ロールに成功したラウンド、敵にダメージを与える時、追加で2ダメージを与える。
術者破り:呪文詠唱を妨害する戦術。呪文詠唱能力のある敵軍に対し、DV+4。
挑発:敵を挑発しミスを誘う。敵軍は、毎ラウンドの開始時、士気チェックをしなければならない。DC=10+挑発する軍の脅威度。失敗すると、そのラウンドはOM-2、DV-2。敵軍がこのチェックに連続して2回成功したなら、敵軍は挑発に対し完全耐性を得る。
Ultimate Campaign追加ぶん
標準戦術*:修正はなし。
撤退*:攻撃してくる敵軍から撤退する。各敵軍に対し、対抗士気判定を行う(いずれの軍も、意図的に失敗を選ぶことが可能)。このとき、戦術変更のための士気判定(下記参照)は不要である。全ての敵軍に対し判定に成功したなら、次軍を戦場から撤退させるか、このフェイズを射撃戦フェイズとして扱うことができる。一部の相手に対しのみ判定に成功した場合、撤退/射撃戦フェイズとして扱うことは可能だが、敵の軍勢は、これを白兵戦フェイズとして扱うことができる。士気判定の成功いかんに関わらず、このフェイズ、撤退を試みる軍はOM-2、DV-2される。
戦術の変更:射撃戦/白兵戦の各フェイズ開始時に、指揮官はDC15の士気判定を行うことで、戦術を変更できる。失敗すると変更はできない。戦術の効果は、戦闘が終わると失われる。
装備
BPで購入(初期コスト)。また、装備は、軍の経費を増加させる。以下のBP/経費の増加は、中型サイズの軍のためのコストであり、この値は軍のサイズにより増減する。
乗騎(BP=乗騎のCR):軍は、馬その他の戦闘訓練済の動物等に騎乗する。OM+2、DV+2、経費+1。乗り手より強力な乗騎を使う場合、軍の脅威度が増加する(「軍のステータス」参照)。この装備を得るには、厩が必要。
良質の武器(5BP or 50BP):軍は高品質武器で武装する。OM+1、経費+1。50BPで、軍は魔法の武器で武装する。この場合、OM+2、経費+2。この装備を得るには、鍛冶屋が必要。
良質の防具(3BP or 15BP):軍は高品質防具を着用する。DV+1、経費+1。15BPで、軍は魔法の防具を着用する。この場合、DV+2、経費+2。この装備を得るには、鍛冶屋が必要。
治療薬(10BP):各兵員は、数本のヒーリングポーションを携帯する。各戦闘において2回まで、そのラウンドの攻撃ロールを放棄することで、軍の脅威度×2のhpを回復できる。この回復を使用するたびごとに、その週の経費に+3される。この装備を得るには、錬金術師の家、術師の塔、大聖堂、ハーブ店、魔術道具屋、寺院が必要。
遠隔武器(2BP):各兵員は、遠隔武器で武装する。遠隔攻撃能力を得る。軍の経費+1。
攻城兵器(兵器一つ毎に15BP):軍は、弩砲、投石器、破城槌などを携行する。攻城兵器の数にかかわらずOM+2、経費+3/攻城兵器1つ。白兵戦フェイズの各ラウンド、敵の防衛施設によるDVボーナスを、攻城兵器1つ毎に1d4減らすことができる。攻城兵器のためのコストは、軍のサイズに依存しない。この装備を得るには、アカデミーが必要。
軍のサイズ |
コスト修正 |
極小 Fine |
*1/8 |
微小 Diminutive |
*1/6 |
超小型 Tiny |
*1/4 |
小型 Small |
*1/2 |
中型 Medium |
*1 |
大型 Large |
*2 |
超大型 Huge |
*4 |
巨大 Gargantuan |
*10 |
超巨大 Colossal |
*20 |
コスト修正は、初期コストと経費の増加にかけあわせる。最低は1。
特殊能力
以下リンクを優先(アップデート版)
http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCampaign/kingdomsAndWar/massCombat.html
ブレス攻撃:軍は遠隔攻撃能力を得、攻撃ロールに成功した場合は常に追加で1d4ダメージを与える。
人造/植物/アンデッド:これらの種別の軍も常に士気チェックを行う。が、これらの軍は戦略を通常から変更できない。
生命力吸収:この能力を持つ軍が攻撃に成功するたびに、敵軍のOMとDVを、24時間の間、1減らす。
高速治癒/再生:個々のクリーチャー同様にhpを回復できるが、hpが0になれば、この能力を持っていても敗北したとみなす。
恐怖:恐怖攻撃を持つ軍は、敵軍に士気チェックをさせる(DC=10+恐怖攻撃を行う軍の脅威度)。士気チェックに失敗した軍は、次のラウンド攻撃ロールが行えない。恐怖により攻撃ロールを行えない軍が、さらに恐怖によって士気チェックに失敗すると、その軍は逃走する。
移動能力:飛行、穴掘り、水泳、登攀移動速度や瞬間移動などの移動能力を持っていると、軍のDVは+1される。ただし、参戦する軍の全てが全く同じ移動能力を有しているならば、このボーナスは適用されない。
麻痺:麻痺能力を持つ軍が敵にダメージを与えるたびに、敵軍のDVを1減らす。戦闘終了後、減少したDVは元に戻る。
毒、出血、着火:これらの攻撃でダメージを受けた軍は、次のラウンドに1d6ダメージを追加で受ける。
岩投げ:この能力のある軍は、遠隔攻撃能力を得、射撃戦フェイズにおいて、与えるダメージに+4できる。
防御能力:完全耐性、エネルギー抵抗、強力なダメージ減少、非実体など、敵軍にとって克服困難な防御能力を持つ軍は、DVに+10を得る。GMは、状況に応じこのような軍を撃破不能と裁定したくなるかもしれないが、PCをこのような軍で罠にかけるような行為は慎むべきである。
呪文抵抗:呪文詠唱能力のある軍に対し、DVに+6のボーナスを得る。
呪文詠唱能力:擬似呪文能力も含めた魔法能力。個々の兵員が使用可能な、最大レベルの呪文の呪文レベルが、そのままOMとDVのボーナスになる。距離が接触を超える攻撃呪文が使えるなら、この軍は遠距離攻撃能力を得、射撃戦フェイズに攻撃ロールが可能である。
大規模戦闘の運営
戦場
時として、戦場が戦闘の趨勢に影響を与える。
有利な地形:有利な地形を占めている(丘の上に布陣したり、側面を川辺において防衛するなど)軍は、DVに+2のボーナスを得る。
不意打ち:不意打ちを行うには、軍全体が視認困難を得ている必要がある。不意打ちをした軍は、敵軍のDVに対し攻撃ロールを行う。これに成功すると、敵軍は戦術フェイズに行動することができない。それ以外は、戦闘は通常通り進行する。
慣れ親しんだ戦場:軍が特別に戦場に慣れ親しんでいるならば、OMとDVに+2ボーナスを得る。
防衛施設:防衛施設を利用できるなら、その軍は防衛施設の防御値をDVに加えることができる。町の防御値については、Pathfinder Adventure Path #32参照。
戦場に影響を与え得る呪文、アイテム:ムーヴアースなどが影響を与えるかもしれない。ウォールオブストーン(DV+1)、インスタントフォートレス(DV+2)など。基本的には、1時間以上持続し、500平方フィート以上に影響を及ぼすもの。
戦闘フェイズ
大規模戦闘は以下の3フェイズに分かれる。各フェイズの時間スケール等は特に決まっておらず、基本的にはGMが決定する。
戦術フェイズ:戦術フェイズにおいて、参戦する軍はそれぞれ、戦闘で使用する戦術を決定する。
射撃戦フェイズ:射撃戦フェイズは、戦闘において、通常は1ラウンドのみ行われる。状況や戦場によっては、2ラウンド以上続くこともあり得る。遠隔攻撃能力を持つ軍のみが、このフェイズで攻撃ロールを行うことができる。
白兵戦フェイズ:軍同士が直接に衝突すると、白兵戦フェイズが開始される。このフェイズは、一方の軍が敗北するまで続けられる。
大規模戦闘サマリー
大規模戦闘における主要な判定を以下にまとめる。
攻撃ロール=d20+OM
ダメージ=攻撃ロールの結果-敵軍のDV
士気チェック=d20+指揮官の魅力修正値+士気+その他の修正(職能など)
戦略トラック
白兵戦フェイズの各ラウンド、指揮官は、以下の戦略トラックの、5つの戦略からひとつを選ばねばならない。これらの戦略は、OM、DV、ダメージに修正を与える。新たなラウンドにおいて、別な戦略を選ぶ場合、もとの戦略から、上下どちらでも、1段階のみずれているなら、自動的に戦略を変更できる。それ以上ずれる場合、DC20の士気チェックを指揮官は行う。成功すれば戦略の変更は可能であるが、失敗すれば、戦略は全く変えることができない。
戦略トラック
戦略 |
DV修正 |
OM修正 |
ダメージ修正 |
防御専念 |
+4 |
-4 |
-6 |
防御的 |
+2 |
-2 |
-3 |
標準 |
+0 |
+0 |
+0 |
攻撃的 |
-2 |
+2 |
+3 |
猛攻撃 |
-4 |
+4 |
+6 |
攻撃とダメージ
大規模戦闘において、攻撃は双方が同時に行う。攻撃ロールは、1d20にOMを加え、敵軍のDVと比較する。
攻撃ロールの結果が敵のDV以下:敵軍にダメージを与えられない。
攻撃ロールの結果が敵のDVを上回る:攻撃ロールの結果-敵のDVに、修正を加えた値に等しいダメージを敵軍に与える。
出目が20:攻撃ロールのダイス目が20なら、必ずダメージを与えることができる。敵のDVを超えなくても関係がない(訳注:超えない場合、1ダメージ、Ultimate Campaignより)。
出目が1:攻撃ロールのダイス目が1のとき、敵軍にダメージを与えられず、次のラウンド、その軍は攻撃ロールを行えない。
潰走
軍のhpが脅威度以下にまで低下したら、指揮官がDC15の士気チェックに成功しない限り、軍は散り散りに戦場から離脱する。軍がこのように逃走するとき、敵軍(味方を攻撃することは普通ありえないが、不可能ではない)は、その戦闘最後の攻撃ロールを行い、追撃することができる。
複数の軍
大規模戦闘ルールは、複数の軍隊と複数の軍隊が衝突する場合にも機能する。攻撃ロールを行う際、どの軍を攻撃するか選択すること。ラウンドごとに目標を変えても構わない。大規模戦闘ルールでは、戦場での移動は考慮されない。
勝利と敗北
すべての敵軍が破壊されるか逃走したなら、その軍は勝利する。
勝利:勝利した軍のhpは戦闘終了時そのまま(最低値はその軍の脅威度に等しい)。王国の支配DCを目標値とする忠誠度チェックを行う。成功すれば、その軍は新たな戦術をひとつ覚える。軍が新たな戦術を覚えるたびに、軍の士気は+1される(最大+4)。もう一度士気判定を行い成功すると、指揮官は恩恵を習得。
潰走:軍のhpは軍の脅威度に等しい値となり、士気に-1される。この軍を再度戦闘に投入するには、国家の維持フェイズにおいて、支配DCを目標値とした忠誠度チェックに成功しなければならない。月1度のみ。戦闘を開始できないが、戦闘に巻き込まれるなどした場合、戦闘行動は可能。
敗北した軍:hpが0になった軍は、僅かに生存者がいた場合でも、負傷や士気の低下により、軍として機能しない。この場合、新たな軍を編成して置き換えることしかできない。ひとつの軍が敗北するたびに、王国の経済力、忠誠度、安定度を、以下の表に従い、減らすこと。
軍のサイズ |
経済力 |
忠誠度 |
安定度 |
極小 Fine |
0 |
0 |
0 |
微小 Diminutive |
0 |
-1 |
0 |
超小型 Tiny |
-1 |
-1 |
0 |
小型 Small |
-1 |
-1 |
-1 |
中型 Medium |
-2 |
-2 |
-2 |
大型 Large |
-3 |
-2 |
-2 |
超大型 Huge |
-4 |
-2 |
-2 |
巨大 Gargantuan |
-4 |
-2 |
-3 |
超巨大 Colossal |
-4 |
-3 |
-3 |
回復
1ヶ月の休息で軍はhpをすべて回復する。それ以上早く回復させたい場合は、以下のようにすること。1日の休息(行軍なし、戦闘なし)で、軍はその脅威度に等しいhpを回復する。また、1日に1度だけ、王国の支配DCを目標とした忠誠度チェックを行ってよい。これに成功したなら、さらに追加でその脅威度に等しいhpを回復できる。
指揮官
実際に軍の指揮を取るもののことを言う。王国の軍司令官は、直接軍の指揮を執らない限り、軍のステータスには影響を与えない。
魅力修正値:指揮官の魅力修正値は、軍の士気判定値に加えられる。
職能(軍人):指揮官の職能(軍人)技能値。この値の1/5(最低0)が軍の士気判定値に加えられる。
統率力値:指揮官のレベル+魅力修正値。指揮官がモンスターなら、HDをレベルの代用とする。《統率力》特技を取得しているならさらに+3。指揮官の「恩恵」(以下参照)の前提条件となる。
恩恵:指揮官は、恩恵を最大で1+職能(軍人)技能値の1/5個習得可能。初めて指揮官となったものは、恩恵を有していないこともある。が、勝利により獲得することができる。王国の指導者たちは、役職に応じた恩恵を1つ習得している(以下参照)。
指揮官が軍に士気判定修正や、恩恵を与えるには、軍とともに活動している必要がある(最低でも週に3日軍と行動をともにする)。指揮官のいない軍は、週毎に1士気を失う。これを埋め合わせるために、その週の経費を倍にすることが可能。
替えの指揮官がいない場合に、軍の一員を指揮官に昇進させることもできる。この指揮官は魅力修正+0、職能(軍人)ランク0、恩恵を持たず、軍の構成員のレベル/HDに基いた統率力値を持つ。
恩恵
指揮官が軍に与える恩恵。指揮官は、恩恵を与える軍を指揮していなければならない。指揮官の習得する恩恵全てが、軍に与えられる。
深傷は負えど心は折れず:指揮官は、危機的な状況でこそ最大の力を発揮するよう軍を督励する。軍のhpが最大値の半分以下である場合、その軍はOMに+1のボーナスを得る。指揮官は、この恩恵を得るためには、4以上の統率力値を持つ必要がある。統率力値が10以上なら、このボーナスは+2に増加する。
ボーナス戦術:戦術をひとつ選ぶこと。指揮官は常にその戦術を知っており、彼が指揮する軍自体は、その戦術を習得していなくても、その戦術を使用できる。指揮官は、この恩恵を複数回選択することができる。選択するたびに、違う戦術を選択すること。
防御的戦術:指揮官は、防御的な戦術に特に秀でている。その軍のDVを2増やすこと。指揮官がこの恩恵を選択するには、統率力値が5以上なければならない。
応変なる戦術:指揮官の訓練により、軍は、戦闘中の複数の命令にも対応可能となる。軍は、戦闘中に戦術を変更する際の士気判定に+5のボーナスを得る。指揮官は、この恩恵を選択するためには、統率力値が6以上なければならない。統率力値が12以上ならば、このボーナスは+10に増加する。
一撃離脱:指揮官は、指揮する軍に素早い一撃を加えさせ、その後素早く撤退させる。射撃戦フェイスか最初の白兵戦フェイズにおける攻撃が解決された後、軍は撤退の戦術をとることができる。この際、対抗士気判定に+2のボーナスを得る。指揮官は、この恩恵を選択するためには、統率力値が5以上なければならない。統率力値が10以上ならば、このボーナスは+4に増加する。
戦列死守:指揮官は、危険な敵に対峙したときでも、軍の士気を保つことに長けている。軍が潰走を避けるための士気判定に失敗した場合、その軍はこの判定を再ロールできる。結果がより悪いものであっても、再ロールの結果を用いなければならない。
自給自足:指揮官は、軍に罠猟、狩猟、漁をさせることで食料の供給を増加させる。この恩恵が用いられた週の経費と移動速度を半分にすること。GMは、超大型以上のサイズを持つ軍は、この恩恵により、軍のいるへクスの資源を枯渇させる、としてもよい。この場合、1d3週間はそのへクスの資源は得られず、半減した経費を維持するために、軍は移動を余儀なくされる。
忠誠:指揮官は、軍に強力な忠誠心を植えつける。軍は全ての士気判定に+2のボーナスを得る。指揮官は、この恩恵を選択するためには、統率力値が6以上なければならない。統率力値が12以上ならば、このボーナスは+4に増加する。
冷酷無比:指揮官は軍を督励し、容赦ない戦術で傷ついた敵に攻めかかる。軍は、撤退を阻止する対抗士気判定に+1のボーナスを得、また、潰走した軍への最後の攻撃判定や、撤退戦術を使用している軍に対する攻撃判定に+1のボーナスを得る。
狙撃兵:指揮官は、自軍の遠隔攻撃を精密なものとする。指揮される軍は、防御施設を使用する軍への攻撃判定に+2のボーナスを得る。この恩恵は、遠隔攻撃能力を持たない軍には、何の効果ももたらさない。
トリアージ:魔法、錬金術、薬草、民間療法のいずれかを用い、指揮官は、軍に傷を手当てするための緊急手段を軍に持たせることができる。会戦1回につき1度、指揮される軍は、射撃戦か白兵戦フェイズにおける攻撃判定に-4のペナルティをうけることで、脅威度の半分に等しいhpを回復してもよい。軍が治療薬の装備を持っているならば、治療薬を使用するときに、この恩恵による治療も同時に得ることができる(このとき、攻撃判定のペナルティは受けない・・・?? 治療薬使うと判定そのものをしないはずだが?)。
指導者の恩恵
指導者は、軍の指揮官になることもできる。指導者が与える士気ボーナス、恩恵の上限は、職能(軍人)の1/5か、レベルの1/6の高いほうを使用できる。以下は、軍の指揮官になったときに自動で得る恩恵であり、複数の恩恵が示されている場合はひとつを選択する。その他様々な面については、通常通り指揮官のルールを適用する。
支配者:深傷は負えど心は折れず、忠誠
配偶者:忠誠
評議員:忠誠
軍司令官:ボーナス戦術、応変なる戦術、冷酷無比、狙撃兵
主任外交官:防御的戦術、冷酷無比
後継者:忠誠
高位司祭:戦列死守、自給自足、トリアージ
魔術指導者:応変なる戦術、忠誠
保安官:自給自足、一撃離脱、狙撃兵、トリアージ
王属執行人:ボーナス戦術、冷酷無比、狙撃兵
主任諜報官:一撃離脱、冷酷無比、狙撃兵
財務官:忠誠
総督:忠誠
守備隊長:防御的戦術、戦列死守、忠誠
ロータスランドの指揮官たち
役職 |
名前 |
魅力修正値 |
職能(軍人) |
統率力値 |
恩恵 |
支配者 |
ハロルド・ロガール公爵 |
+8 |
なし(+2) |
23 |
*3 |
支配者 |
アナスタシア・アルディーニ |
+5 |
なし |
13 |
? |
評議員 |
ヴィオラ・イエニーク |
+2 |
なし |
9 |
? |
軍司令官 |
チャック |
-1 |
なし |
9 |
? |
主任外交官 |
ケステン・ガレス |
+2 |
なし |
5 |
防御的戦術 |
高位司祭 |
ジョード・カヴケン |
+2 |
なし |
6 |
トリアージ |
魔術指導者 |
沼地の魔女Elga Verniex |
+5 |
なし |
12 |
応変なる戦術 |
保安官 |
エドヴァルド・ハネル |
+4 |
なし(+2) |
19 |
*3 |
王属執行人 |
レジーナ・レンフィールド |
-1 |
なし(+2) |
11 |
*3 |
主任諜報官 |
ハップス・バイドン |
0 |
なし |
5 |
一撃離脱 |
財務官 |
オレグ・レヴェトン |
-1 |
なし |
1 |
忠誠? |
守備隊長 |
アキロス・イスモート |
+2 |
なし |
6 |
防御的戦術 |
指揮官を失う
軍が破壊された場合、指揮官のNPCは、戦死するか(01-20)、捕虜となるか(21-70)、逃走する(71-00)。精神のないクリーチャー軍の捕虜になった場合、全ての捕虜となったNPC指揮官は、死亡する。指揮官が捕虜になった場合、その指揮する軍の経費と同額のBPを身代金として支払うこともできる(他国の捕虜となった場合、その国との条約に関わる事柄となる)。指揮官が戦に破れ、捕らわれ、身代金によって解放された場合、その指揮官は悪評を得て、指揮される軍の士気は1低下する。
もしPC指揮官の軍が破壊された場合、GMは、そのPCが深傷を負って(最大値の25%以下のhpで)逃走する機会を与えるか、捕虜となった、とするべきである。他のPCがBPや金銭、他の宝物で捕虜を解放してもよいし、GMは、他のPCたちが捕虜を助けるための冒険を行うことを許可するかもしれない。
戦争におけるPC
大規模戦闘と小規模戦闘を組み合わせることも出来る。
呪文によって、地形の変化など様々な効果を引き起こす可能性もある。
小規模戦闘の勝利や、呪文の巧みな使い方によって、PCの軍に様々なボーナスが生じ得る。
(逆に、ペナルティを受ける場合もあり得る)。
一般にボーナス/ペナルティは、OMやDVに-4~+4まで。
その他、特殊な効果を敵/味方に及ぼすこともある。
軍のサンプル(あくまでサンプル!)
ロータスランド軍:
ロータスランド正規軍。すべて職業軍人である。
真なる中立 巨大サイズの人間(ファイター2)の軍
hp 38 脅威度7
DV 17 OM +7
戦術 標準戦術*、撤退*
特殊 武勇+1(恐怖/潰走に対する士気判定+1)
移動速度 1 経費 3
士気 +0
ロータスランド民兵:
ロータスランドの民兵。普段は狩人や農夫をしている者が殆どである。
真の意味で訓練の行き届いた兵士は、殆どいない。
基本的には緊急時のみに召集される。
平時には、軍司令官のチャックが訓練の任にあたる。
緊急時にはチャック、もしくは他の指導者が指揮することになる。
真なる中立 大型サイズの人間(ウォリアー2)の軍
hp 11 脅威度 2
DV 12 OM +2
戦術 標準戦術*、撤退*
特殊 なし
移動速度 2 経費 1
士気 +0
指揮官 チャック
魅力修正値 -1
職能(軍人) なし
統率力値 9
恩恵 ?
ロータスシティ警備兵:
ロータスシティを警護する兵士たち。守備隊長アキロスの指揮下にある。
常時警備の任に当たっているが、交代要員の増員などが必須になるため、これだけの兵力を常に動員できるわけではない。
真なる中立 小型サイズの人間(ファイター2)の軍
hp 5 脅威度 1
DV 13 OM +1
戦術 標準戦術*、撤退*、
特殊 なし
移動速度 1 経費 1
士気 +0
指揮官 アキロス・イスモート
魅力修正値 +2
職能(軍人) なし
統率力値 6
恩恵 防御的戦術
ノーメン族の精兵:
ノーメン族はロータスランドの同盟部族である。総数が100強の部族であるため、この規模の軍勢は、部族の総力であるといっていい。
真なる中立 小型サイズのケンタウロス(ファイター2)の軍
hp 16 脅威度 3
DV 15 OM +5
戦術 標準戦術*、撤退*、練達の騎兵
特殊 乗騎の装備を持つかのように扱う、暗視
移動速度 2 経費 1
士気 +0
指揮官 アエコラ・シルヴァーファイア(ケンタウロスのドルイド7)
魅力修正値 +3
職能(軍人) なし
統率力値 14
恩恵 なし
スートスケイル族のゲリラ兵:
スートスケイル族は、ロータスランドの同盟部族であり、ロータスランド市民権を認められている。
彼らは夜襲を得意とする。この規模の軍は、スートスケイル族の戦闘員のほぼ全てを含んでいる。
秩序にして悪 小型サイズのコボルド(レンジャー5)の軍
hp 16 脅威度 3
DV 13 OM +3
戦術 標準戦術*、撤退*
特殊 暗視、光に過敏
移動速度 2 経費 1
士気 +0
指揮官 スートスケイル族長(コボルドのローグ6)
魅力修正値 +1
職能(軍人) なし
統率力値 7
恩恵 なし
スライミーリック:
スライミーリックは、ロータスランドの住人というわけではないが、ロータスランド公らとは良好な関係にある。
条件次第では、ロータスランド軍に加わることもあるかもしれない。
秩序にして善 極小サイズのアダルトシルヴァードラゴンの軍
hp 39 脅威度 6
DV 19 OM +9、遠隔
戦術 標準戦術*、撤退*
特殊 ブレス攻撃、竜の超感覚(暗視、非視覚的感知)、飛行、呪文詠唱
移動速度 10 経費 3
士気 +0
指揮官 スライミーリック(アダルトシルヴァードラゴン)
魅力修正値 +5
職能(軍人) なし
統率力値 22
恩恵 なし
最終更新:2014年06月05日 11:10