エピソード3 パラレル・ストーリー

作者:シザー・ガイ

これは、エピソード3の物語のもう1つの歴史…とあるパラレルワールドのお話。

全ての頂点に立つと言う欲望により暴走した《破獄のマントラ ゾロ・ア・スター》。
オラクリオンとなって心を失い、敵味方問わず破壊する怪物となった《神聖騎神 クロスオーバー・ヨミ》。
そしてアウトレイジへの復讐に身を焦がす《無法神類G・イズモ》。
カツキングたちアウトレイジは、そんな脅威に立ち向かう。

G・イズモからゴッド・ノヴァ OMGと化したオラクルジュエル、レイジクリスタルとのリンクを断ち切り、カツキングが《絶頂神話 カツムゲン》へと覚醒した事で、戦況は一気に傾いた。
神のごとき力によって、イズモを圧倒するカツムゲン。最期の一撃を喰らわそうとするその時、弟子を思う心が僅かに残っていたヨミがイズモを庇い、散ってしまった。それを見たカツムゲンは、オラクルにも他人を思う気持ちがあると知り、イズモに手を差し伸べる…

そこまでは、同じだった。

聖と邪の二つの心を持つイズモ。その「邪」の心が「正史」よりも上回っていた。それによりヨミが自分の為を思って身を挺して庇ったことに気づく事が出来なかったのだ。
一度ならず二度までも尊敬する師を奪われたイズモは、完全に「憎悪」の念に支配され、ヨミの亡骸や味方であるはずのオラクルたち、トライストーン・アポカリプスによって1つへなりつつあった《神聖奇 トランス》、そしてゾロ・ア・スター…そして二つの宝珠。何もかも取り込んで、ヨミの「クロスオーバー」の力で一つになり、神でもなく人でもなく、聖でも邪でもない存在…《「憎悪」の極 エンドレス・オーバーレイジ》へと変貌した。

何もかも忘れ、無差別に、そして無慈悲に破壊を行うエンドレス・オーバーレイジを見て、カツムゲンは涙ながらに叫ぶ。
「こんの、大バカヤロォォー!!!!」

その時、イズモに言ったようにもイズモを止められなかった自分に言ったようにも聞こえる彼の魂の叫びが、エンドレス・オーバーレイジへと再度取り込まれた二つの宝珠と共鳴し、奇跡を起こした。

《超神羅ロマノフカイザー・NEX》、《超神星ビッグバン・アナスタシス》、《ν・龍素王 Q-END》、《ミラクル・ミラダンテ》、《凶刀の覚醒者 ダークネス・ガンヴィート》、《超絶奇跡 鬼羅丸》…。時空を超えて6体のクリーチャーが揃ったのだ。

そしてその中のひとり、鬼羅丸がカツムゲンにこう語りかける。
「アイツを救ってやりたいんだろ?オレたちが道をこじ開けるから、ガツンと一発言ってやりな!」

時空を超え集結したクリーチャーたちはエンドレス・オーバーレイジと一進一退の攻防を繰り広げる。
「よくもよくもよくも…おのれおのれおのれェ!!」
強い憎悪に支配されてしまったイズモはもはや何を恨んでいるのか、何が原因で憎悪を抱いたのかすらも忘れ、ただ暴虐の限りを尽くす。

そしてしばらくの攻防の後、6体のクリーチャーは力を合わせて一斉攻撃を放つ。
「今だ!アイツの身体の中に入れ!!」
鬼羅丸は叫ぶ。それに応え、カツムゲンはエンドレス・オーバーレイジの中へ入った。

しばらく進んだ後、彼はとある存在に出会う。
「ヨミ…」
そう、そこにいたのはカツムゲンの一撃を喰らって死に、その後イズモによって取り込まれたはずの…クロスオーバー・ヨミ。
「カツキング…いや、カツムゲン、だったか。」
「…とても懇願できるような立場でないことは重々承知している。その上で、貴方に頼みがしたい」
「愛する我が弟子を…どうかこの憎悪の念から救ってあげてほしい」
「もちろん、私も出来る限りのことはするつもりだ」

「ヨミ、アンタ…正気に戻ったんか!?」
あの後生存し、そして自我を取り戻して言葉を話すヨミに対し、カツムゲンは驚きの声を上げる。
「…正直、私自身も驚いている。奇跡と言っていいだろう。…しかし、そう長くは持たないだろうな。今は…話すことくらいが精一杯だ」


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最終更新:2023年05月19日 01:29
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