雷神域の英雄


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雷(いかずち)を制す者 世界を統べる王と成る

【アルカディア第一王子:Λεωντιυ】
(Leontius...the first prince of Arcadia...)

野を朱く染めながら 黄昏は 世界を誘い
刃を緋く染めながら 我々は 生命を誘う

夕闇へ 冥闇(くらやみ)へ

生ける者にとって必要なものは
死せる者にとって不要なものばかり

何が欲しいのだ 屍と成ってまで
握りしめた手に 何も掴めぬまま

夕闇へ 冥闇へ

「殿下!」
「何事だ?カストル」
「は!殿下の雷槍と我が軍の武勇に恐れをなしたのか、神域を侵していたラコニア軍は、
 撤退し始めたようです」
「うむ 御苦労」

東方(アナトリア)では 異民族(バルバロイ)の侵攻 苛烈で
風の都(イリオン)は今 難攻不落の城壁を 築いているという
同胞(ヘレーネス)同士が 争う傍で時代は確かに疾り始めている

神託を疑えば 立てる大地が揺らぐ
解釈の自由が故 諸王は悩むのだ
青き銅よりも強かな 鉄の鎧う獣が
風の楯をも喰い破り 流る星を背に 運命(かみ)に牙を剥く

太陽(ヘリオス) 闇(エレボス) 蝕まれし日
生まれし堕つる者 破滅を紡ぐ

「レオンティウス...ご覧なさい。雷神の血を分けた、貴方の兄弟ですよ」
「おめでとうございます 殿下」
「殿下、立派な兄君にお成りなさいませ」
「兄上! 陛下が件の神託の件で御呼びです」
「嗚呼…ミラよ…なんという仕打ちを…」
「イサドラ様、ご案じなさいますな。ここは私めにお任せください」