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「澪先輩っ」
「ととっ・・・どうした、梓?」

学校が終わり私の家にやってきた梓は、私の部屋に入った所でいきなり抱きついてきた。

「あ、あのですねっ」
「?」

梓は私の背に両腕を回し、ぎゅうっと私を抱きしめながら頬を紅く染めてもじもじしている。

「い、いつもあの、先輩の方からキスしていただいてばかりなのでっ、たまには私の方から先輩にキスしたいって思いましてっ・・・」
「・・・む」

確かにそう言われると、梓にキスする時はいつも私の方からだった。

それは私自身が梓を守ると決めてから、私の方から梓を抱きしめて甘えさせてあげたいという気持ちがあったのでキスする時も私から、という考えがあったからなのだけど。

「たまには私の方からも先輩にキスしてあげたくって、いつも先輩からしてもらってばかりで悪い気がして・・・」
「梓・・・」
「い、いやですか?」

梓はすっかり顔を真っ赤にしながら尋ねてくる。
この可愛い恋人の小さな奮起を、下手な愛しさから摘み取る事なんて出来るものじゃない。

「まさか。流石に人前なら恥ずかしいけど、こうして二人きりの時ならいくらでも構わないぞ」

私は梓の髪を優しく撫でながら、そう言った。




「じゃ、じゃあ、失礼しますね」
「うん、いいぞ」

梓はそっと私の肩に手をかけ背伸びをする。それと同時にお互い瞳を閉じ・・・。

「んっ・・・」

静かに、梓からの口づけを受け入れた。
梓からのキスは子供のように優しく、そしてどこか甘い味がした。

と、背伸びしていた梓がバランスを崩したのか、ぐぐっと私に寄り掛かってくる。

「んんっ・・・!?」
「!?んうっ」

梓の方からキスしてきてくれた事に気を取られていたせいか、支え切れずにそのまま一緒に後ろにある私のベッドに倒れてしまう。

「んんうっ・・・!?」
「んっ、んちゅっ」

ベッドに倒れる瞬間、咄嗟に梓の頭と背中を抱きしめたせいでお互いの唇がより深く重なった。
濃厚な口づけに思わず理性が飛びかけそうになる前に、梓の唇が離れる。

「・・・ふあっ、す、すいませんっ、足元がふらついてしまって・・・」
「あ・・・ああ、大丈夫だけど、まさか梓に一気に押し倒されるとは思わなかったよ」
「ちがいますっ!ちがいますー!」
「ふふっ、ごめん」

私は体を起こすと、顔だけでなく耳まで真っ赤にして断固抗議する梓を優しく抱きしめた。

「あっ・・・」
「これからは気をつけないとな、梓からキスしてくれるのは嬉しいけど・・・今のようになると私の理性が飛んでしまいそうだったから」
「せ、先輩の理性が飛ぶんですか?」
「やっぱり梓があまりにも可愛いから、さ」
「!?せ、先輩っ!」

ぽかぽかと私の体を叩いてくる梓にごめんごめん、と平謝りする。

「ふふっ・・・じゃあ改めてもう一回キスしてくれますか、お姫様?」
「もう、先輩ったら・・・じゃあもう一回、目をつむって下さい」
「ん、了解しました」

そうして私達はベッドの上に座り直すと、改めてお互いの唇と唇を重ねた――

(FIN)