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 ――ウィィーーー、ヒューーン……。

「よしっと、掃除機もかけ終わったし、どうしよ……」

 休日の午前中、私は家の一階に掃除機をかけ終えると居間の方で一息つく。

 お姉ちゃんは午前中いっぱい、自分の部屋で勉強するということなので邪魔にならないよう私は一階の方に移動していて。
 先程まで居間やキッチンに掃除機をかけたりしていたが、それが終わるとこれといってやる事がなくなり現在は暇になっていた。

 時計を見ると、時刻は現在11時……お姉ちゃんが勉強を終えるまであと1時間はあるかな。

「それにしても……今日はいい天気だなあ」

 ふと一階の縁側に出て外を見上げると、雲一つ見当たらず正に快晴。

 ちょうど太陽が1番高く上ろうということもあってか、日の光がさんさんと家の中に降り注いでくる。
 縁側に腰掛けるととてもあったかく、ポカポカとして気持ち良い。

「んー……」

 あったかさと気持ち良さに、ごろんと横になる。
 今日は休日だけど珍しく早起きしたからかなあ……次第にウトウトとまぶたが重くなって……。





 ――あったかくて、やわらかい。

 太陽のあったかさだけでなくそれとは別のあったかさ、やわらかな感触が加わったような気がして何だかすごく寝心地が良い。
 このやわらかさにずっと甘えていたいような……。

「うーん……」
「――さ?」

 ……あれ? 今、誰かが私を呼んだような。
 そういえば、誰かに見られているような感じも……。

「……ふえ?」
「あ、起きた? 梓」

 ゆっくりと目を開けると、目の前にお姉ちゃんがいて。
 目線を落とすとお姉ちゃんの太ももがあって、ええっとつまり――。

「?!! み、澪お姉ちゃっ」
「あっ、まだ無理に起きなくてもいいよ」

 01秒で今の状態を把握して、いや実際はろくに把握出来ずにがばっと体を起こそうとした所、お姉ちゃんに押し留められた。




「ごめん、起こしちゃったな」
「なっ、なんでお姉ちゃんがその、あの、私をひざまくらしてくれて……」

 嬉しい状況、というより嬉しい不意打ちなこの状況に心臓が跳ね上がりながら、なんとかお姉ちゃんにたずねる。

「30分ぐらい前に勉強を終えて下に降りてきたら梓が縁側で眠っててさ。
 けど固い床で眠っているのも体を痛めそうだから、こうしてひざまくらしてたんだけど……」

 そう言われて室内の時計を見ると、もう12時半を過ぎようとしていた。
 私、だいたい1時間半は眠ってたんだ……。

「嫌だったかな?」
「そ、そんなことないよっ! お姉ちゃんにひざまくらしてもらえるなんて、むしろ光栄の至りっていうかっ」
「そ、そう? ありがとうな」

 あわあわとする私に苦笑を浮かべるお姉ちゃん。
 もう私の顔全体が熱いのは間違いなく、日が当たってるだけではない。

「じゃ、もうちょっとこのままでいよっか。
 勉強を終えてきたとこだから私も今はのんびり休みたいし」
「で、でも、ひざまくらした状態でお姉ちゃんは辛くない?」
「ううん、梓が私のひざの上で気持ち良さそうにしてるのを見てるだけでもすごく癒されるから、辛くなんてないよ」

 そう言いながら、お姉ちゃんはゆっくりと私の頭を撫でてくれた。
 指先からお姉ちゃんの優しさと温もりが伝わってくる……。

「えへへ……お姉ちゃんが傍にいてくれると、やっぱりおちつく……」
「ふふっ、私もだよ、梓」

 頭撫でられて嬉しくなっちゃうなんて私って子どもだな、と思いつつも喜びの方がずっと大きくって。
 嬉しくて、お姉ちゃんに微笑むと、お姉ちゃんもまたにっこりと微笑んでくれた。


 ――蒼い空は高く、流れてくる風は適度に涼しく。
 そしてお姉ちゃんがすぐ傍にいて。

 私はすごく嬉しくて、満ち足りた気分になっていた――

(FIN)