澪先輩に相談してみよう

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mioazu

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梓「あっ、澪先輩こんばんは 今お時間大丈夫ですか?」

澪『うん、もちろん 待ってたよ梓』

先輩たちが高校を卒業した後
その寂しさを埋めるかのように毎晩澪先輩に電話することが
私の日課であり一番楽しみな時間になっていた

澪『梓も明日からいよいよ高校三年生か~』

梓「ふふっ 澪先輩そんなしみじみした言い方してるとお婆ちゃんみたいですよ」

澪『むむっ‥ うら若き乙女を捕まえてそういうこと言うかーこの後輩は』

梓「えへへっ ごめんなさ~い」

澪『はははっ 冗談は置いといて軽音部の方はどう? とりあえず4人そ

梓「もちろん軽音部の部長として皆を引っ張っていけるよう頑張りますよ!」

澪『うおっ‥! う、うん 梓がそれだけ元気なら心配ないかな』

梓「任せてください! うふふん♪ それに私にはちょっとした秘策があるんです」

澪『へ、へ~ どんな?』

梓「それは澪先輩にはヒミツです♪」

澪『そ、そっか~ でも期待してるぞ』

梓「はいっ!」


澪(どうやら梓、ちゃんと新入部員の勧誘については色々考えてるみたいだし心配ないかな)

澪(え? 秘策って新入部員勧誘のことだよな? ま、まさか梓に限ってあのこと忘れてるわけ‥ないよな!うん!)


~翌日~

梓『澪先輩どうしよ~‥! 部活は4人いないと廃部になっちゃうの忘れてた~‥!!』

澪(ま さ か の 予感的中‥!)

梓『澪センパイ私どうすれば~‥』グスン

澪「まぁ落ち着いて梓 まだ新歓ライブだってあるんだからさ これからだ」

梓『それは‥そうですけどぉ』

澪「‥‥って梓 昨日自信満々に秘策があるとか言ってたけどアレは何だったんだ?」

梓『あれは‥ ただ心機一転しようとイメチェンでみお‥ ってだから澪先輩にはヒミツなんですっ!』

澪「イメチェンて え、何?」

梓『こ、今晩はこの辺で‥! おっオヤスミナサイ!///』

澪「おいちょっと待てあず‥! 電話切られた‥!」

ピッ   ポロポロリ~ン♪

澪「あれ? いつの間にメールが‥‥ 送り主は‥憂ちゃん!?」

澪(珍しいなぁ 憂ちゃんが私にメールだなんて‥ どれどれ‥)


From 平沢憂

心機一転 イメチェンした部長梓ちゃんです♪
澪先輩そっくり By純ちゃん


その本文と一緒に添付されていた写真には髪を下ろした梓が写っていた

澪「あーなるほど‥ 梓の言ってた秘策という名のイメチェンってコレか‥」

何を思って髪を下ろしたのかが私にはイマイチ理解出来なかったけれど

澪「ふふっ‥ 可愛いな 梓」

ただそんな素直な気持ちだけ思わず声になって出ていた




~数日後~

澪『えぇっ!? 新勧ライブは一人で弾き語りになるかもしれないって‥?』

梓「はい‥実はこれまで練習といった練習あまり出来てなくて‥音合わせもまだだし」

澪『で、でも梓はそれで大丈夫なのか‥? そりゃ私みたいに緊張はしないかもしれないけど‥』

梓「そんなことないですよ~ 今から既にドキドキしちゃってますし‥ でも、仕方ないですよ」

澪『‥‥なぁ梓、今からでも憂ちゃん達に参加を頼めないのか?』

梓「えっ? で、でも本番はもう明後日ですし‥」

澪『それでもっ 鈴木さんはベース経験者だし憂ちゃんもオルガン弾けるんだろ なんとかなるよ!』

梓「でもでも‥ 今から練習してもちゃんと形になるかどうか‥」

澪『ううん、むしろちゃんとした形にならなくたっていいんだ』

梓「えっ?」

澪『確かにいい演奏をすることも大事だけど、それ以上に梓たちのバンドで力を合わせることに意味があるんだと思う』

澪『私も昔は今以上に恥ずかしがり屋で人前で演奏するなんてとてもじゃないけど無理だと思ってたんだ』

澪『でも私には支えてくれる仲間がいたんだ 唯、律、ムギ、それに梓も」

梓「私も‥?」

澪『当然 だから一人で無理だと思ったときは周りに支えてくれる仲間をちゃんと必要として欲しいんだ』

澪『憂ちゃんや鈴木さんなら梓を支えてくれる大切な仲間になってくれるはずだ! 絶対に!』

澪『それに梓には私、ううん私たちだってついてるんだぞ! まぁあまり頼りないかもしれないけど‥//』

梓「澪先輩‥   わかりました! 今からでも2人に頼んでみます!」

澪『あぁ こんな無茶な提案しといてなんだけど 頑張れ!』

梓「はいっ!  と、2人に頼む前に私もあることを克服しなきゃいけませんし」

澪『ん? どうしたんだ?』

梓「あの‥えっと その、やっぱ恥ずかしいというか‥」

澪『あぁ人前で歌うことか あればっかりはやっぱり場数を踏まないと』

梓「いえそうじゃなくて ‥う、歌うのが恥ずかしいんです‥///         澪先輩の歌詞」

澪『おい』


翌日の晩、梓からは連絡が来なかった
憂ちゃんから届いたメールによると3人で遅くまで練習を続けていたらしい
いよいよ明日は新歓か‥頑張れ梓! 頑張れ新しい桜高軽音部!


~翌日~

澪「憂ちゃんからメールで聞いたけど‥ 盛大に音外したんだってな梓‥」

梓『し、仕方ないじゃないですか! ギター弾きながら歌うのがあんなに難しいなんて‥』

梓『‥って憂からメール!? 澪先輩って憂と頻繁にメールのやりとりしてるんですか?』

澪「うん、まぁ色々情報交換したり 憂ちゃんも唯のこと心配みたいだから」

澪(とりあえずイメチェン写真とかの件は黙っておこう)

梓『ふーーーーん‥‥   なんか嫉妬しちゃいます‥」ボソッ

澪「ん? 今なにか言った?」

梓『いーーえなんにもっ!』

澪(んー なんか機嫌悪いな梓‥)

梓『そっ そりゃ演奏所々合ってなかったりで酷い有様だったんですけど‥』

梓『私が音外したとき‥‥憂と純が一緒に歌って助けてくれました‥』

澪「うん、そっか」

梓『だからその‥ 澪先輩‥ 本当にありがとうございました!』

澪「ええっ 急にどうしたんだ? 私お礼を言われるようなことなんて何も‥」

梓『そんなことないですっ! 澪先輩の言った通り、憂や純が支えてくれたから最後まで乗り切れました』

梓『私‥澪先輩に相談乗ってもらえて色々感謝してるんですから』

澪「私はただ無茶言っただけだぞ それを実行してバンドという形にしたのは梓たちなんだから」


澪「頑張ったな 梓」

梓『は‥はいっ!』


澪「それで聞くのも野暮な感じはするけど‥新入部員の方は‥?」

梓『あーそれは‥ あのっ、一人だけ部室に来てくれたんです』

澪「ほ、本当に!? 良かったじゃないか梓!」

梓『体験入部ですけど‥』

澪「Oh‥」

梓によればその体験入部の子はむったん(名称:梓)の弦を盛大に切った後どこかへ行ってしまったらしい
でもその子にやる気があるなら是非入って欲しいし前々から話に聞いている謎の出没少女(名は斎藤さんだっけか?)
が入部してくれるといいんだけどな


~翌日~

梓「あ‥もしもし澪先輩? 今大丈夫ですか?」

澪『あぁ勿論大丈夫だけど ‥‥どうした梓?なんだか元気なさそうだけど‥?』

梓「えへへっ‥澪先輩にはすぐバレちゃいますね  実は何だか自信が無くなってきちゃって‥」

澪『‥‥今日も入部希望者ゼロだった それでか?』

梓「‥はい 憂や純に手伝って貰ってるのに‥なんだか不甲斐なくて‥」

澪『そんなことないぞ 梓たちが頑張ってるのは私がよく知ってる 結果がまだ出てこないだけだよ」

梓「‥やっぱり私には部長なんて無理だったんじゃないでしょうか‥」

澪『梓‥』

梓「す、すいません 何だか泣き言みたいなこと言っちゃって‥ でも私、やっぱり先輩たちがいないと‥」

澪『大丈夫だよ 梓』

梓「えっ?」

澪『どんなに離れてても 梓にはちゃんと私たちがついてるんだぞ』

梓「澪先輩‥ でもやっぱり寂しいですよ‥」

澪『確かに寂しいと思う でも私はこうやって梓とお話出来るだけでも凄く嬉しいし寂しくないんだ』

梓「わ‥私と‥?」

澪『私、卒業してから色々考えたんだ 私は軽音部に 梓のために何か出来たんだろうかって』

澪『よく考えたら梓に先輩らしいことすらあんまり出来てなかったような気がする』

梓「そ、そんなこと絶対ありません! 澪先輩は私のずっと尊敬する‥だ ‥先輩なんですから‥!」

澪『ふふっ ありがとな梓 でもそうやって悩んでる時 私を頼って梓が連絡してきてくれた』

澪『凄く嬉しかったんだぞ こんな私でもちゃんと梓の先輩として役に立てるんだって』

澪『だから私は思ったんだ 私はどんなことがあっても精一杯梓の力になるんだって』

梓「澪先輩‥」

澪『だからさ そんな1人でなんでも背負い込もうとして駄目だなんて思っちゃ駄目だぞ』

澪『私なんかでよければもっと頼ってくれていいんだ もちろん律たちや憂ちゃん達だって』

梓「さわ子先生でもですか‥?」

澪『さわ子先生は‥‥ 危ないからやめといた方がいいかもな コスプレさせられるかもしれないし‥』

梓「‥‥‥明日さわ子先生に言いつけちゃいますよ‥?」クスッ

澪『ま、待て梓! それだけは~」

梓「あははっ 澪先輩 私は部長だからってなんでも1人でやらなきゃいけない気持ちになってました」

梓「でも、そうじゃないんですよね もっと皆に頼っちゃってもいいんですよね」

澪『あぁ まずは梓のやりたいようにやってみたらいいさ そしたら皆協力してくれる もちろん私もな」

梓「はいっ! 澪先輩 ありがとうございました お陰で元気が出てきちゃいました」

澪『梓の力になれたなら良かったよ あんまいいアドバイスは出来なかったけど‥』

梓「いいえ 私のやりたいようにやってみる ちゃんと答えが出ましたから」

澪『そっか うん、まずは梓のやり方で部員確保だな! 頑張れっ梓』

梓「はいっ!  ところで澪先輩の方はどうだっんですか? 大学の軽音部とか」

澪『そ‥それが‥ どうも入部希望の中に少しおっかなそうな子が‥」ガクブル

梓「へ‥?」キョトン


どうやら澪先輩の方も色々大変そうです
でもそんな中、私の相談を聞いてくれていること 本当に感謝してます
でも‥やっぱり寂しいんですよ‥澪先輩‥
本当は近くにいて慰めて欲しい なにか解決出来たときは頭を撫でて欲しい
でもとてもそんなこと言えません だって

離れ離れになってもこうやってお話出来ること 私にとっても贅沢なくらいの幸せなんですから


~翌日~

ガチャッ  バタン!

梓ママ「梓ー? 帰ってきたらただいまくらい‥」

梓「ただいまっ!!」

梓ママ「コラっ ちょっと待ちなさい 梓に」

梓「も~あとでっ!!」

カチカチ  prrrrrr prrrr

梓「あっもしもし澪先輩ですか?」

澪『うおっ あ、梓いきなり電話とはびっくりする  ってあれ え?』

梓「えっと もしかして今お取り込み中でした‥?」

澪『いやいや そんなことは無いんだけど‥ オホン それでどうしたんだ?』

梓「あっ、それが  なんとか部員が集まったんです! それを早く報告したくて‥!」

澪『本当か! やったな~梓っ』

梓「はいっ これも澪先輩のお陰です! 本当にありがとうございました」

澪『私はたいしたことなにもしてないぞ これも梓たちががんばった結果なんだから』

梓「それでも こうやって踏み出せたのは澪先輩の言葉のお陰です」

澪「そっか ありがとな」

梓「えへへ‥ 我侭言っちゃうと澪先輩に直接この感謝の気持ちをちゃんと伝えたかったんですが‥」

澪「私も 頑張った後輩を直接労ってあげたいと思ってるよ」

梓「ホントですか!? 私っ‥その気持ちだけで嬉しいです‥!」

澪「だからさ」


ガチャッ


梓「えっ‥‥‥? う‥嘘っ? 澪‥先‥輩!?」

澪「あはは その‥ 我慢出来ずに来ちゃった♪ なーんて

ギュッ!

澪「うおわっと! あ、梓!?」

梓「先輩! 先輩! 先輩! 澪‥先輩‥!」ギューッ

澪「‥‥ふふっ 直接会うのは久しぶりだな梓 元気そうでよかった」

梓「澪先輩こそっ‥! ずっと、ずっと会いたかったです先輩!」

澪「私も  よく頑張ったな、梓」ナデナデ

梓「はい‥はいっ! ありがとうございます! 澪先輩!」



澪「それにしても客間で待ってたのに 梓直接部屋に行っちゃうんだもん びっくしりたよ」

梓「す、すいません‥/// で、でもいち早く澪先輩に伝えたかったから‥」

澪「うん わかってるよ」

梓「あのっ、それよりも今日の話聞いてくれませんか? 澪先輩にお話したいことが山ほどあるんです」

澪「あぁ もちろん」

それから私は今日の出来事を事細かに説明していった
スミーレ勧誘の為に3人で頑張ったこと この間の体験入部の子が入部してくれたこと
他にも今まで電話で話しきれなかったこと これからの軽音部の活動方針について相談したり

澪先輩に話したいことが沢山ある一方で 私の一番言いたい事はまだ伝えられてない
でもいつかは必ず伝えてみせる 

澪先輩の心にまで届けたい 私の精一杯の大好きな気持ちを


おわり
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