澪先輩と二度寝

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mioazu

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「んー……」

 あたたかく、柔らかな日差しと感触を感じてゆるゆると目を覚ます。

 重い寝ぼけまなこをぱちぱちさせながら、ベッドの横にある時計を見ると7時ちょっと過ぎ。
 今日は休みだし、なんだか寝足りない気もするのでもうちょっと寝ようかなと思い目を閉じかけ、

「ん、あんっ……」
「ふえっ?」

 寝返りを打とうとした所、むにゅ、と柔らかい感触を体に感じ、それと同時になんだか艶めいた声が聞こえたような……ん、そういえば感触?

 そこでようやくまどろんでいた意識がはっきりしてきて、横にある時計とは逆の方に目をやると。

「すー……すー……」

 見た者10人いるとするならば、10人全員の視線を釘付けにするような。
 綺麗でかつ可愛い、澪先輩の寝顔が目の前にあった。

「うーん……あずさ……?」
「み、澪先輩」

 私が目を覚ましたのに気づいたのか先輩が目を覚ますと、

「ん、おはよう、あずさっ」
「んっ……むぎゅっ」

 おはようを言うやいなや目と鼻の先にある先輩の唇が寄ってきてキスされると、そのまま先輩の腕の中に収められてしまう。
 思わず先輩の顔を見上げると先輩は再び目を閉じて眠りに入ろうとしていた。

「澪先輩っ、朝ですよ?」
「んー……?」

 私の焦った声で先輩の目が半分ほど開き、私に顔を向けるが、

「きのうはあずさと……よふかししたし……きょうは……やすみ……だし……」
「せ、先輩っ!?」

 先輩の言葉がだんだん小さく、聞き取れなくなって目が閉じて――そのまま再び、穏やかな寝息をたて始めていた。
 確かに夜更かしした内容が内容なだけに、寝足りないのは先輩も当然かもしれないけど……。

「んっ、出れない……」

 離れようしても、先輩は両腕で抱き枕のように私をぎゅーっと抱きしめていて。
 朝起きたばかりに加え昨日の疲れが残った体では力が入らず、逃れようがない。

「もう……」




 そう言いながらも、やっぱり不快には思わなくって。心地好くて。
 私もそっと先輩の背中に腕を回す。

 ――腕の中に先輩がいて、その感触がある。

 ――温もりを感じる。先輩の甘い香りがする。

 ――とくんとくん、と先輩の鼓動が伝わってくる。

「あずさ……」

 寝言だろうか、ささやくように小さな声で先輩が私を呼ぶ。

「みお、せんぱい……」

 次第にまたウトウトとして、睡魔に身を委ねていく中で私も静かに呼び返す。

 そうして先輩の存在を全身で感じながら、私も再び夢の世界に旅立っていった――。

(FIN)
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